子供を虐待するな

2004年4月12日
『頭部外傷の乳幼児のうち3割程度は、親などからの虐待ではないかと考えている小児科医が多いことが、大阪医大の田中英高助教授らの調査で分かり、岡山市で開催中の日本小児科学会で10日、発表した。
 虐待児を多く扱っている小児科専門医5人からの聞き取りと、大阪府内の小児科医へのアンケートで回答があった40人の結果を分析した。日常診療での経験から、乳幼児の頭部外傷で虐待が原因とみられる割合は、専門医では3割、アンケートでは1割から5割の回答だった。虐待は、児童相談所への相談件数のまとめによると年間数万件起きているとされる。しかし、親らが隠す中で、虐待を見分けるのは非常に難しいという。
 多くの小児科医は、子どものけがの原因が虐待でないと完全に分かるには、2週間から1カ月以上かかると答えた。小児からの脳死での臓器提供を可能にする議論が行われているが、虐待で脳死になる可能性もあり、田中助教授は「子どもの臓器提供にはさまざまな問題がある」としている。』

乳幼児の虐待には様々な原因があると考えられる.原因の特定というのは医師の仕事ではないと思うが,乳幼児の頭部外傷で虐待を考えるのは脳外科医と小児科医の責務であろう.

過去に数例の虐待され頭部外傷を負った子供を見たことがあるが,このような親子には共通点がある.病院に来ても親子が会話しない.子供が親を恐れている.子供が無口である.両親に別々に受傷の状況を聞くと話が合わない.状況がわからない.あるいはまったく同じことを言う.などである.それから,体中に新旧たくさんの外傷があればこれは疑ってかかることになる.

だが,この3割という数字が本当だとすると,虐待と気がつかないで見逃しているケースがかなりありそうだ.ちょっとおかしな様子があれば気がつくと思うのだが,まったく平静に来られたり,乳児などの場合などはちょと診ただけではわからない可能性は十分にある,

虐待の原因はきっと虐待の外傷の種類よりはるかに多いのだろうが,やはり虐待されて病院に来る前に虐待の予防について日本人がもっと真剣に考えてほしいと思うのは私だけだろうか.

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