『福岡県は28日、経営難に陥っている5県立病院のうち4病院を他の医療機関に移譲、残る1病院を公設民営化するための手続きを定めた条例案を6月定例県議会に提出することを決めた。県によると、県直営病院が全廃されるのは全国で初めてという。移譲されるのは朝倉(甘木市)、柳川(柳川市)、嘉穂(穂波町)、遠賀(岡垣町)の4病院。精神医療を行っている太宰府病院(太宰府市)は県の設置が義務付けられているため、外部委託の公設民営化とした。県は条例案が可決されれば、来年春までに朝倉、遠賀の2病院の移譲と太宰府病院の民営化を完了したい考え。残る2病院は3病院の進行状況をみて移譲時期を判断するとしている。
また、先行する3病院の医師や看護師の退職を促進するため、退職金の割り増し措置を定めた条例案も提出する。』

地方自治体病院についていろいろ書いてきたが噂をすればなんとやら,福岡県は病院を維持することをあきらめたようだ.

今の診療報酬制度は自治体病院のような中規模病院が一番不利な条件になるように医師会が圧力をかけたとしか思えない.開業医が潰れるのには絶対反対する医師会と公的病院は赤字でも自治体が補填してやっていくだろうというもくろみの妥協の結果ということなのだろうか.

だが,現実には自治体病院は自治体にとってどんどん重荷となっている.だから自治体が破産するまえに自治体病院を廃業するという考え方はもっともである.だが,その結果として地方の住民は営利目的に変わった病院に診てもらうしかなくなってしまうだろう.このように質が低下すると自治体に病院に関する文句を言うこともできなくなるのである.

福岡県に限らず今後このような地方自治体が増えてくるだろう.介護保険も特に地方で都市部に比しての費用の増加と質の低さが問題になってきているが医療についても今後同様の状態悪化が問題になるのだろうと思われる.

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