『文部科学省は11日、国立大教職員ら同省関係職員の昨年1年間の懲戒処分状況を発表した。前年より6人少ない96人が処分を受け、内訳は免職11人、停職29人、減給38人など。このうち、セクハラでの処分は前年より2人少ない15人で、自分が指導している学生と性的関係を持った大学助教授1人が免職となったほか、9人が停職、4人が減給、1人が戒告の処分を受けた。研究費などの不適正経理で処分されたのは10人。最も重かったのは停職で、補助金の不正受給や寄付金の虚偽申請を行った堤治東大教授(http://www.dr-tsutsumi.jp/)ら4人が対象となった。』

『大阪大の研究者らが設立した医薬品開発会社「アンジェスMG」(http://www.anges-mg.com/)(大阪府豊中市)が開発を目指している遺伝子治療薬について、臨床試験を行った大阪大病院の教授ら5人が、試験前に同社から未公開株を取得していたことが、12日わかった。製薬会社の株式保有者が臨床試験をすることは違法ではないが、上場時、保有株の半数を売った教授もおり、大阪大は、倫理上の問題があるとして、ガイドライン作りを検討する委員会を設置することにした。同社によると、この薬は足の血管などが詰まる末梢(まっしょう)血管疾患の治療薬「肝細胞増殖因子(HGF)」。未公開株を取得したのは、臨床試験のメンバー約10人のうち、同大学の教授2人と医師3人。臨床試験が始まる約半年前の2000年12月、第三者割当増資に応じ、1株5万円で数株から20株を取得。その後、1株100円の株主割当増資で、20株を持っていた教授2人の保有株数はそれぞれ320株に増えたという。
教授の1人は上場時、保有株の半数を約3200万円で売却したが、会社側は「上場時に市場に出す株が足りなくなり、会社からお願いして買い戻したものだ」としている。臨床試験は2001年6月から02年11月にかけ、患者22人を対象に行われ、現在も最終段階の試験中という。同社は1999年、治療薬の特許を持つ大阪大助教授(当時)が中心になり設立。2002年9月、大学発ベンチャーとしては初めて東京証券取引所マザーズに上場、上場初日には1株あたりの公募価格22万円に対して40万円の初値を付け、一時は132万円まで上昇した。11日現在、1株74万9000円となっている。同社設立の中心となった非常勤取締役の森下竜一・大阪大客員教授(42)は「上場後、値上がりが確実というような状況ではなかった。当時は公開予定すらなく、紙くずになる可能性もあり、購入者は、研究者らに限られた。文部科学省とも相談したが問題はないとのことだった」と説明。臨床試験の信頼性についても「患者の選定や判定など情報公開し、第三者委員会のチェックを受け、一切の疑念が出ないようにした」とした。宮原秀夫・大阪大学長は「臨床医が(製薬会社の)株を持っていても、実験データを(会社に)有利にすることはありえない。ただ、倫理上、道義上の問題も指摘され、ルール作りの必要性があるので、学内の委員会で検討する」と話している。』

一部の人間が悪いと組織がだめになるというのは三菱自動車だけではないだろう.大学の職員であったものなら変な教官の一人や二人はすぐにあげられるし,教官の地位を私利私欲のために利用したり地位にしがみつきたいばかりデータを独り占めにしたり,他人のデータを自分の物のような顔をしたりして利用する教官もいるだろう.だが,そういった悪事が研究者同士ならまだ同じ穴のむじなともいえる.

だが,ここに上げられた教官たちのやっていることは一般人からみれば犯罪もしくは道義的責任を問われて当然のことである.研究費の不正経理まで行うものがいるのに「臨床医が(製薬会社の)株を持っていても、実験データを(会社に)有利にすることはありえない。」などと言える根拠はどこにあるのだろう.こんなことをしておいてその製薬会社の薬を信用しろというのが無理である.私ならそんな薬を臨床で使用することは遠慮させていただく.

最近は大学病院も独立法人化の波で人減らしとともに優秀な人材は欲しいのが本音だろうが,最初から赤字になることが見えているような状況では優秀な人材は集まらないことだろう.だが,これは最近にはじまったことではなさそうだ.こんなニュースを見ていると大学の教官も小中学校のセクハラ教師と大差がないような気がしてくる.

大学の教授たちもやっぱりお金が欲しいんだから給料をせめて開業の院長なみにしてあげたら開業の院長にならないで教授をめざす優秀な医師も現れるのだろうか.でも,政治家みたいに給料だけもらって何もしない人も出てきたりして大学病院の赤字はやっぱり減らないかもしれない.

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