あなたの命の値段は?
2004年6月21日『大企業のサラリーマンらが加入する健康保険組合で、月額1000万円以上の超高額医療費がかかったケースが、2003年度は101件あったと、健康保険組合連合会が18日発表した。01年度の106件に次いで過去2番目に多く、前年度より20件増えた。このうち生体肝移植が11件、骨髄移植が6件あり、健保連は「移植治療の増加も、医療費の高額化につながっている」とみている。最も高額だったのは大動脈瘤(りゅう)の当時55歳の患者(死亡)で、月額2985万円。18日間の入院で、手術費用が2433万円と8割を占めた。一定額を超える医療費は公的医療保険で賄われるため、自己負担は約36万7000円だった。2番目は治療中の血友病患者で、月額2883万円。23日間の入院で注射費用が2852万円と医療費のほとんどを占めた。健保連は超高額の医療費がかかる症例について「新たに認可された高価な新薬や、専門的な病院で高度な治療を受けたケース」と分析している。健保連は医療費が高額になった場合、各組合に交付金を出している。一般疾病で月額100万円以上、特定疾病で40万円以上が対象で、03年度は約27万2000件と前年度より約2万件減った。人工透析機器の価格が下がり透析費用が低下したことなどが要因。』
手術費用が2433万円で結果が死亡となると手術適応に問題がなかったか調査してみてもいいだろう.超高額医療ではどうしても実験的な部分や救命のためにはリスクが高くてもやむをえない部分があるのは事実であるが,結果が伴わなかった場合は本当に治療により救命できる可能性があったのかを検証してみる必要があるだろう.そうでなければ医療費を無駄使いしているかどうか検証のしようがない.
そういう意味では包括払い制度を導入すれば無理な手術をすることは病院の経営を悪化させるから困難になるだろう.現行の「出来高払い制度」ではやるだけやって結果がだめでもかかった費用は保険請求できることになるので手術費用が2433万円でも家族が手術に同意さえすれすれば保険適応で手術可能である.高額医療といっても公的医療保険によりこの例でも自己負担は約36万7000円と格安である.
病院側としてはリスクが高くても高額な治療をやれば利益は確保できる.さらに最近は年間手術数が多いほど診療報酬を優遇するので手術件数もたくさんあればさらに都合がよいわけだから無理をしてでも手術して利益をあげようとしても不思議はない.冠動脈バイパス手術では年間手術件数が多い病院は手術死亡率が低いというのがその根拠のようにあげられている.
だが,考えなければいけないのは全体としての傾向という話と個々の病院では事情が違うということだ.もし,手術件数が多ければいいのなら最近の大学病院での医療事故死の多さはどう説明するのだろうか.実際のところは診療報酬による手術などの値段は決して適正とは言えないものが多い.だが,それ以上に各病院で適切に手術適応が決められているかどうかについてはさらに不明瞭であるから,考えようによっては病院によって命の値段が異なっていてもわからないだろう.
命の値段が高いということはこの場合は不当に高い値段をつけられ高額な治療を受けさせられるということであり,それでも結果が伴わなければあなたの命は病院の利益にしかならないということなのだから喜んでなどいられないのである.
手術費用が2433万円で結果が死亡となると手術適応に問題がなかったか調査してみてもいいだろう.超高額医療ではどうしても実験的な部分や救命のためにはリスクが高くてもやむをえない部分があるのは事実であるが,結果が伴わなかった場合は本当に治療により救命できる可能性があったのかを検証してみる必要があるだろう.そうでなければ医療費を無駄使いしているかどうか検証のしようがない.
そういう意味では包括払い制度を導入すれば無理な手術をすることは病院の経営を悪化させるから困難になるだろう.現行の「出来高払い制度」ではやるだけやって結果がだめでもかかった費用は保険請求できることになるので手術費用が2433万円でも家族が手術に同意さえすれすれば保険適応で手術可能である.高額医療といっても公的医療保険によりこの例でも自己負担は約36万7000円と格安である.
病院側としてはリスクが高くても高額な治療をやれば利益は確保できる.さらに最近は年間手術数が多いほど診療報酬を優遇するので手術件数もたくさんあればさらに都合がよいわけだから無理をしてでも手術して利益をあげようとしても不思議はない.冠動脈バイパス手術では年間手術件数が多い病院は手術死亡率が低いというのがその根拠のようにあげられている.
だが,考えなければいけないのは全体としての傾向という話と個々の病院では事情が違うということだ.もし,手術件数が多ければいいのなら最近の大学病院での医療事故死の多さはどう説明するのだろうか.実際のところは診療報酬による手術などの値段は決して適正とは言えないものが多い.だが,それ以上に各病院で適切に手術適応が決められているかどうかについてはさらに不明瞭であるから,考えようによっては病院によって命の値段が異なっていてもわからないだろう.
命の値段が高いということはこの場合は不当に高い値段をつけられ高額な治療を受けさせられるということであり,それでも結果が伴わなければあなたの命は病院の利益にしかならないということなのだから喜んでなどいられないのである.
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