『--生後18日の新生児に脳死判定 神奈川の病院で昨秋--
 神奈川県内の病院で昨年9月、生後18日の新生児の男児が「脳死状態」と診断され、病院側と両親が話し合ったうえ人工呼吸器を外していたことが分かった。国内では生後3カ月未満の新生児については脳死判定基準が確立していない。主治医は「国が生後3カ月以上を対象に定めた基準に準じて判断した」と話している。
 病院によると、新生児は昨年8月、県内の別の病院で仮死状態で生まれ、救急搬送されてきた。生後6日目に脳死診断を実施し、深昏睡(こんすい)や瞳孔散大、脳幹反射消失を認め、「脳死状態」と診断。病院と両親は誕生の日から呼吸器を外す当日まで計7回、看護師やソーシャルワーカーも同席の上で約1時間ずつ話し合い、両親の同意の下で呼吸器を外し赤ちゃんは心停止したという。
 主治医によると、この病院では3カ月未満の新生児を「脳死」と診断したのは初めてだが、国内のほかの病院では過去に数例あるという。 国の脳死判定基準は、15歳以上が対象のドナー(臓器提供者)となることを前提とした脳死判定に用いられる。また、臓器移植を想定したものではないものの、将来15歳未満がドナーとなる可能性や医療現場からの要望に応える形で、生後3カ月以上を対象とした「小児における脳死判定基準」を旧厚生省の研究班が00年に示している。今回はこのどちらにも該当しない。主治医は「両親に重症度を理解してもらう一つの判断材料として『脳死判定』をした。赤ちゃんのターミナルケアをめぐる具体的な方策は各現場で模索している状態」と話している。』

 産婦人科医の出生前診断は社会的認知がないままの医師の暴走行為であるが,今度は新生児の脳死判定とはいったいどういうことなのだろうか?私には理解できないし,この新生児を小児に準じて脳死判定したとしてもその科学的根拠をだれが示せるというのであろうか.

 私は脳死判定はそもそもが臓器移植が目的のものだと理解しているので,こういったケースでの脳死判定の必要性はないと思うのである.脳死状態であれば1週間もすれば患者は死亡するのであるから,わざわざそれを早める必要はどこにあるのだろうか.

 家族の死を受け入れるための時間と考えれば1週間は決して長い時間ではないはずである.むしろ脳死判定を急ぐ理由としては,そのまま生存し遷延性意識障害のような状態になった時にどうするのかを家族や主治医が決められないことが問題のような気がするのだ.呼吸器のついた遷延性意識障害の新生児が生存するとみんなが不幸になるにもかかわらずどうすることも出来ないのが現在の医療現場というわけだ.

こう考えると回復の見込みのない新生児の脳死判定の必要性も少しは理解できるのかも知れない.

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