『--抗生物質、服用後に6人が意識失う 厚労省が注意呼びかけ--
 咽頭(いんとう)炎や急性気管支炎などの感染症に処方される抗生物質「テリスロマイシン」(商品名ケテック錠)を飲んだ数時間後、一時的に意識を失う患者が昨年12月から半年で6人にのぼることが21日、厚生労働省のまとめでわかった。全員回復したが、車の運転中で事故が起きたケースもあり、同省は医療機関に処方の際の注意を呼びかける安全性情報を出した。 この錠剤は昨年10月に承認された。同12月に販売を始め、今年5月までの半年で投与患者は230万人にのぼる。
 意識を失ったのは50歳〜80歳代の男女6人。70歳代男性は急性咽喉(いんこう)頭炎で1日1回2錠を処方された。最初の服用から4時間後に気を失って転倒。その日のうちに回復したが、翌日も服用4時間後に倒れて搬送された。50歳代男性は服用数時間後、車の運転中に意識をなくして対向車とぶつかり、軽傷を負ったという。 厚労省は、服用後に車の運転をしないなど、処方の際に注意するよう呼びかけている。』

先週,三共のMRがやってきてケテックもよろしくと言って帰ったばかりだったが,こういう安全情報がニュースになるともう外来では使えない.外来患者の多くは車で来ているし,高齢者も転倒の危険があるのではやはり使いにくい.

もっとも230万人で6人しか起きない副作用をどう考えるのかという問題もある.だが,この情報を患者に話せば他の薬を希望されるだろう.期待の新薬もこのまま消えてしまうのだろうか?薬の副作用なんてものはもともと非常に低い確率で起こるから薬が実用になるのであって副作用が0なんて薬はきっと効果も0だろう.

いまや薬の情報もマスコミから流れるようになり記事の書き方やテレビ番組での取り上げ方によっては世間が大騒ぎという時代である.どうせやるなら副作用情報を世間の人に徹底的に公開して自分で使いたい薬を決めさせてあげたらどうだろうか.そういえば混合診療で問題になった未承認の抗がん剤なんていうのもマスコミが取り上げて話題になった結果,国内の治験が終わらなくても使えるようになったらしい.これなどもマスコミ主導で患者が使う薬を選んだ結果だろう.

これを患者のニーズなどと言った人がいたようだが,さて副作用で患者の状態が悪くなったら誰の責任なのか,この際はっきりさせておいてもらいたいものだ.

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