最近まためまいの患者さんが外来をよく受診するようになった.私が脳外科医になりたての頃はめまいの診断が難しくて患者さんが来ると自分の方がめまいがしそうになるなどと言ったものだ.しかし最近ではMRIなどによる画像診断の進歩のおかげで脳疾患によるめまいの鑑別診断はかなり確実なものになっている.
最近のめまいの患者さんでまず一番多いのは耳鼻科医からの紹介である.ほとんどは良性の末梢性のめまいであり,耳鼻科医も自身でそう診断しているのであるが一応念のため脳外科を受診させるというものである.情報提供書(依頼書)にMRIで精査をお願いしますと書いてくるのも多い.おそらくは脳血管障害や聴神経腫瘍ではないことを確認してほしいということだろう.
だが,時には小脳梗塞の患者さんが混じっていることがあったり,慢性硬膜下血腫があったり頚動脈の高度狭窄や脳動脈瘤まで見つかることもある.未破裂脳動脈瘤とめまいにどういう関係があるのかは私もわからないが,とにかく見つかってしまうことはあるのである.だが,これらの異常が見つかれば患者さんは不思議と納得するようだ.
つい最近だが内科医からの紹介でやはりめまいで発症した小脳梗塞の患者さんが外来に紹介されてきた.しかも心臓からの血栓が後下小脳動脈という血管に一時的に詰まりその後再開通した疑いのあるものだった.幸い大事には至らなかったが私からの返事の情報提供書を読んでさすがに慌てたのかすぐにお詫びの電話がかかってきた.もっともお詫びをするなら患者さんにするべきなのだろうが.でも,この内科医は大変良心的だと思った.
病院の中には大事をとってといいながら良性のめまいだとわかりきっているような患者さんを入院させ治療と言って点滴をし,さらに必要のない検査までしてそれが終わるとめまいが治っていなくとも内服薬を持たせてさっさと退院させるようなところもあるらしい.
結局めまいが治らないからと私の外来に来た患者さんから聞いた話だ.入院して毎日点滴と検査をされた.それも放射性同位元素を使用するPETまでやられたらしい.1週間入院して検査がすべて終わったら異常なしと言われ退院させられたそうだ.これで3割負担したら1週間の入院で何万円払ったのだろうか.さぞかしめまいが悪化したことだろう.
医療事故のニュースを見ていると必要な処置や治療がなされなかったということにどうしても目が向きがちである.しかし,出来るだけの治療という言葉を信用して必要のない処置や入院をありがたがっていると知らないうちに病院にだまされているようなことも起こりうるということも知っておいたほうがいいだろう.
肝心なことは入院や検査や治療の前にその必要性についてよく説明を聞くことである.インフォームドコンセントと言うのは簡単であるが説明をする方にとっても説明を聞いて理解する方にとってもこれがなかなか厄介で眩暈の原因になるものなのである.
最近のめまいの患者さんでまず一番多いのは耳鼻科医からの紹介である.ほとんどは良性の末梢性のめまいであり,耳鼻科医も自身でそう診断しているのであるが一応念のため脳外科を受診させるというものである.情報提供書(依頼書)にMRIで精査をお願いしますと書いてくるのも多い.おそらくは脳血管障害や聴神経腫瘍ではないことを確認してほしいということだろう.
だが,時には小脳梗塞の患者さんが混じっていることがあったり,慢性硬膜下血腫があったり頚動脈の高度狭窄や脳動脈瘤まで見つかることもある.未破裂脳動脈瘤とめまいにどういう関係があるのかは私もわからないが,とにかく見つかってしまうことはあるのである.だが,これらの異常が見つかれば患者さんは不思議と納得するようだ.
つい最近だが内科医からの紹介でやはりめまいで発症した小脳梗塞の患者さんが外来に紹介されてきた.しかも心臓からの血栓が後下小脳動脈という血管に一時的に詰まりその後再開通した疑いのあるものだった.幸い大事には至らなかったが私からの返事の情報提供書を読んでさすがに慌てたのかすぐにお詫びの電話がかかってきた.もっともお詫びをするなら患者さんにするべきなのだろうが.でも,この内科医は大変良心的だと思った.
病院の中には大事をとってといいながら良性のめまいだとわかりきっているような患者さんを入院させ治療と言って点滴をし,さらに必要のない検査までしてそれが終わるとめまいが治っていなくとも内服薬を持たせてさっさと退院させるようなところもあるらしい.
結局めまいが治らないからと私の外来に来た患者さんから聞いた話だ.入院して毎日点滴と検査をされた.それも放射性同位元素を使用するPETまでやられたらしい.1週間入院して検査がすべて終わったら異常なしと言われ退院させられたそうだ.これで3割負担したら1週間の入院で何万円払ったのだろうか.さぞかしめまいが悪化したことだろう.
医療事故のニュースを見ていると必要な処置や治療がなされなかったということにどうしても目が向きがちである.しかし,出来るだけの治療という言葉を信用して必要のない処置や入院をありがたがっていると知らないうちに病院にだまされているようなことも起こりうるということも知っておいたほうがいいだろう.
肝心なことは入院や検査や治療の前にその必要性についてよく説明を聞くことである.インフォームドコンセントと言うのは簡単であるが説明をする方にとっても説明を聞いて理解する方にとってもこれがなかなか厄介で眩暈の原因になるものなのである.
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