A.『--カテーテル交換後患者死亡 山口大病院、医療事故か--

 山口大病院(山口県宇部市)は13日、入院中の80代の女性患者が静脈カテーテルを交換し血液透析を受けた後、死亡したと発表した。同大は同日までに宇部署に届け、遺族に謝罪したという。

 同大は遺体を解剖、医療事故調査委員会を開いたが死因は特定できなかったといい、今後、第三者を含む調査委員会を開き、原因を究明するとしている。

 同大によると、女性は3年前から腎不全のため透析を始め、今年4月から同病院に入院。今月8日に右鎖骨下静脈のカテーテルを交換し透析を始めると容体が悪化、心臓と外側の膜のすき間に液がたまり、救命治療をしたが死亡したという。

 山口県医務課は「調査の状況を見守りたい」としている。』

B.『--医療ミスで医師を書類送検 点滴用カテーテルを誤挿入--
 三重県警津署は7日、点滴の際にカテーテルの操作を誤って患者を死亡させたとして、業務上過失致死の疑いで三重大病院(津市)の山際健太郎(やまぎわ・けんたろう)医師(44)=津市大谷町=を書類送検した。

 調べでは、山際医師は2003年6月、女性患者=津市、当時(45)=の血管に点滴用カテーテルを挿入した際、誤って心臓内まで差し込み死亡させた疑い。

 流れ込んだ点滴液で女性の心臓の機能が低下し、低酸素脳症となった。

 山際医師はカテーテル挿入後も、エックス線などで先端位置を確認する作業を怠っていた。

 女性は生体肝移植手術を受け、入院中だった。

 三重大病院は同日、「再発防止に努めたい」とのコメントを出した。』

 これらは鎖骨下静脈穿刺による中心静脈カテーテル法の合併症でカテーテルが心嚢(心臓とそれを包んでいる外膜の間の空間)に迷入することによって起きる合併症である.放置して輸液を続けると心タンポナーデという状態になり死亡する.

 これはカテーテルの先端位置を確認しておけば避けられる事故であるので確認していないと過失を問われても仕方ないだろう.だが,鎖骨下穿刺を選択する必然性があったのであろうか.最近では末梢静脈栄養が進歩して中心静脈栄養の必然性もかなり少なくなっている.

 いずれにしても必然性が無ければリスクの高い処置は避けるのが賢明ということだろう.

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