やったほうがましとは限らない
2005年6月24日 医療の問題『--痴呆症薬服用後1人死亡 エーザイの「アリセプト」--
アルツハイマー型痴呆症の薬としては国内で唯一承認されているアリセプト(成分名塩酸ドネペジル)を服用後、8人が筋肉痛や急性腎不全が出る横紋筋融解症を起こし、うち1人が死亡したことが、厚生労働省のまとめで分かった。
厚労省は、同症が出たときは投与を中止し適切な処置を取ることを添付文書に追記するよう、製造・販売元のエーザイに通知。23日発行の「医薬品・医療機器等安全性情報」で注意を呼び掛けた。
死亡したのは70代男性。昨年、アリセプト服薬開始後に歩行困難になるなどして投与を中止したが、腎不全を起こし、中止の約50日後に多臓器不全で死亡した。
他の6人は回復、1人は経過観察中という。
アリセプトは1999年11月から発売され、2004年度の推定使用患者は約30万人。』
ほとんど効果があるような気がしないのに血管性痴呆と思われる患者さんにまで投与されているのが気になっていたアリセプトであるが,こういう副作用が報告されると投与も少しは適正になるのだろうか.
そのむかし先輩の医師たちがまだ駆け出しの私に言った言葉でその後ずっと引っかかっていることがある.それは「やらないよりはやった方がましだろう.」というのと「やっても悪いことはないのだから」という2つの言葉だ.だが医療の現場では良かれと思ってやっても効果がないどころか副作用で死亡することは誰しも経験しているはずである.
ところが痴呆症(認知症という言葉は科学的に適切とは思えないので敢えて使わないが..)の治療となると決め手がないのでとりあえずアリセプトを投与してみるなどという安易な使われ方がされているのではないだろうか.
今まではあまり大きな副作用が報告されていなかったので投与しても悪いことがないなら投与したほうがいいような気がしていたのかも知れないが,今後は投与しても効果がないどころか有害なこともあるという認識で処方するかしないかを決定する必要があるのだろう.
MRIでアルツハイマー病が診断できるようになれば適応はいまよりも狭くなりより適正な使用が期待されるのであろう.だが,本当のところ私があまりこの薬を使いたくないのは値段の割りに効果が低い(無い?)と言うのが一番の理由である.
アルツハイマー型痴呆症の薬としては国内で唯一承認されているアリセプト(成分名塩酸ドネペジル)を服用後、8人が筋肉痛や急性腎不全が出る横紋筋融解症を起こし、うち1人が死亡したことが、厚生労働省のまとめで分かった。
厚労省は、同症が出たときは投与を中止し適切な処置を取ることを添付文書に追記するよう、製造・販売元のエーザイに通知。23日発行の「医薬品・医療機器等安全性情報」で注意を呼び掛けた。
死亡したのは70代男性。昨年、アリセプト服薬開始後に歩行困難になるなどして投与を中止したが、腎不全を起こし、中止の約50日後に多臓器不全で死亡した。
他の6人は回復、1人は経過観察中という。
アリセプトは1999年11月から発売され、2004年度の推定使用患者は約30万人。』
ほとんど効果があるような気がしないのに血管性痴呆と思われる患者さんにまで投与されているのが気になっていたアリセプトであるが,こういう副作用が報告されると投与も少しは適正になるのだろうか.
そのむかし先輩の医師たちがまだ駆け出しの私に言った言葉でその後ずっと引っかかっていることがある.それは「やらないよりはやった方がましだろう.」というのと「やっても悪いことはないのだから」という2つの言葉だ.だが医療の現場では良かれと思ってやっても効果がないどころか副作用で死亡することは誰しも経験しているはずである.
ところが痴呆症(認知症という言葉は科学的に適切とは思えないので敢えて使わないが..)の治療となると決め手がないのでとりあえずアリセプトを投与してみるなどという安易な使われ方がされているのではないだろうか.
今まではあまり大きな副作用が報告されていなかったので投与しても悪いことがないなら投与したほうがいいような気がしていたのかも知れないが,今後は投与しても効果がないどころか有害なこともあるという認識で処方するかしないかを決定する必要があるのだろう.
MRIでアルツハイマー病が診断できるようになれば適応はいまよりも狭くなりより適正な使用が期待されるのであろう.だが,本当のところ私があまりこの薬を使いたくないのは値段の割りに効果が低い(無い?)と言うのが一番の理由である.
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