『 --自衛隊医官をへき地に派遣 臨床経験積ませる狙いも--

 へき地の医師不足対策を話し合う厚生労働省の検討会は1日、自衛隊の医官を一般病院に派遣するという提案を盛り込んだ報告書をまとめた。

 医官が診療するのは基本的に自衛官だけで「自衛官は元気なため、症例が足りない」(防衛庁の担当者)のが実情。臨床経験不足が指摘される医官の診療技術を向上させたい防衛庁も提案に前向きで、早ければ来年度にも実施される見通し。

 地方の病院では、救急医療のような過重労働を伴う医療分野で医師が減少したり、大学病院が派遣していた医師を引き揚げたりして、医師不足が深刻化している。

 報告書などによると、医官の派遣先は、専門的な研修を受けられる地域の中核病院などが対象で、病院の地域医療支援などを通じ、へき地の医師不足解消に貢献できるという。具体的な派遣方法は今後検討する。

 防衛庁によると、自衛隊の医官は906人(昨年11月末現在)で、全国16の自衛隊病院、防衛医大病院、各部隊に勤務。一部は一般人も診療しているが、臨床経験が少ないことを理由に早期退職する医官が増加し、2001年度ごろから退官者が任官者を上回る傾向が続いている。』

 命令されれば戦地にも赴く医官であれば地方の中核病院にも赴任させることは可能だろう.だが,906人中何人を回せるのであろうか.自衛隊の医官で卒後数年の医師であれば経験症例数を増やすため喜んで働く可能性もあるからいいのかも知れない.だが,一方で収入のためにアルバイトをしている医官がいるのも現実である.

 実際にやってみればわかることであるが,同じ医師免許でありながら症例数も収入も少ないことに我慢をしていた医官が一般病院での勤務に慣れてしまえばよほど自衛隊の階級制度が好きなものでもなければ自衛隊には残らないだろう.「臨床経験が少ないことを理由に早期退職する医官が増加し、2001年度ごろから退官者が任官者を上回る傾向が続いている。」とあるが,それだけが理由とは思えないのは私だけだろうか.

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