ジレンマ

2005年7月6日 医療の問題
『--除細動器使用で書類送検 救命士、医師しか使えず--

 秋田県警大館署は4日、医師しか使用してはいけない除細動器を使ったとして、医師法違反の疑いで同市消防署勤務の30代の男性救急救命士を書類送検した。

 調べによると、救命士は3月25日、心室細動を起こした男性患者を同市の病院へ搬送した際、独断で手動式の除細動器を男性に使用した疑い。

 手動式除細動器の使用は医療行為に当たり、医師以外は使用できないが、病院の当直医が別の患者の救命措置中だったため、救命士は違法行為と知っていて使用した。

 その後、当直医も使い、男性は一時心拍を再開したが、間もなく死亡した。』

 AED(自動体外式除細動器)機能がついていてそれを使用していれば独断で使用しても問題なかったということになっていたかも知れない.たとえ手動式であっても医師の指示のもとで適切に使用されたのであれば問題ないのだろうが,違法行為と知っていながらやったということであれば書類送検もやむをえないだろう.

 最近では空港などの公共施設に自動体外式除細動器が置かれているようで職員が研修を受けているらしい.これだけで救命できるとは限らないが,準備されているだけでも救命の確率は上がるし医師がいなくてもいいわけだから大歓迎である.ついでに人工呼吸法や心臓マッサージの方法などももっと広めてもらいたいものだ.消防署などで救命救急士が市民対象の講習会をやっているはずである.スクーバダイビングの講習でもレスキューでやったことがある人もいるだろう.

 もっともこういうニュースを見ると救命がうまくいかなかった時になにか責任を問われるのではないかと感じて腰が引けてしまう人もいるだろう.実際それは大部分の医師もおそらくそう思っているはずである.飛行機や船で旅行中に「どなたかお医者様はいらっしゃいませんか.」なんていう放送が聞こえると脈が速くなってしまうのは私だけではないだろう.

 市立病院で行われている救命救急士の研修での出来事だったのであろうが,病院側の研修体制にも問題はなかったのであろうか.救命救急士の医療行為についてはもっと規制を緩和すべきだと思う.法的な問題を含めこんなことで救命救急士のやる気をそがないように是非配慮してもらいたいと思う.

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索