年齢制限?

2005年7月8日 その他
『--55歳で医師の道は駄目? 群馬大に入学許可求め提訴--

 群馬大学医学部を受験した東京都目黒区の女性(55)が7日までに「年齢を理由に不合格とされたのは不当」として、大学側に入学許可を求める訴訟を前橋地裁に起こした。

 訴状によると、女性は2月の学力検査を受験。不合格となったため情報開示を求めると、得点が合格者の平均点を10.3点上回っていたことが判明した。面接の情報は明らかにされなかった。

 女性が入試担当者に電話で説明を求めて「卒業時の年齢を考えると問題がある」との非公式の説明を受けたという。

 女性は「年齢を理由に不合格とするのは失当で、合否判定権の乱用があった」と主張。群馬大は「検討中のため、現段階ではコメントできない」としている。』

 得点が合格者の平均点を10.3点上回っていたということは面接で落とされたということになるのであろう.電話で説明を求めて入試担当者に「卒業時の年齢を考えると問題がある」との非公式の説明を受けたとあるが,裁判になれば不合格になった理由を大学側は明らかにせねばならないだろう.個人の能力の差は合否の基準になるだろうが年齢は該当しないだろう.

 このニュースは最初は無視していたのであるが,これに関する医師の反応が様々で非常に面白かった.不合格を是とする側の意見は1.55歳での入学は一人前の医師になるには遅すぎる.2.だから税金の無駄使い.3.若い人にチャンスを与えるべき.というのが多く.大学の対応に疑問の声としては1.年齢で制限するなら願書に明記すべき.2.学問の自由だから年齢は関係ない.というものだった.

 私は55歳の医学生はいてもいいと思うのである.一人前の医師になれる可能性は低いとは思うが,それは本人の考える問題である.入学はひとつのチャンスではあるが,医師国家試験の前にも後にもいろんな関門がまだある.すべてをクリアして初めて一人前の医師だと思う.自分を省みると脳外科専門医になってから大分経った今でも不十分な点を患者さんから学ぶことは多い.臨床医というのは人との関係で成り立つものだからゴールはない.医学も進歩する.だからいつまでやっても道なかばということだろう.

 人生にはかぎりがあるから55歳で始めたら道の残りはすでに半分くらいしかないのかも知れない.裁判で合格し国家試験にも合格したとしたら,その短い時間をどのように有効に使うのか(使えるのか?)に興味があるのは私だけだろうか.

 

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