やっぱり手術のせいなのか?
2005年8月17日 医療の問題『--頭部手術ミスで死亡と提訴 --
埼玉医大総合医療センター(埼玉県川越市)で頭部の手術を受けた同県吉見町の男性会社員=当時(34)=が死亡したのは執刀ミスとして、男性の妻らが15日までに、医大側に約1億4900万円の損害賠償を求める訴訟をさいたま地裁に起こした。
訴状によると、男性は2003年1月29日、三叉(さんさ)神経痛治療のため左後頭部を切開、神経を圧迫していた血管と神経の間に特殊な綿を挿入する手術を受けたが、くも膜下出血を起こし13日後に死亡した。
原告側は「執刀医が誤って血管を傷付け、十分な止血をしなかった」と主張。同医療センターは「診療はベストを尽くし、過失はなかった」としている』
2年以上も前のことだが当時の手術ビデオなどは残っているだろうか.三叉神経の神経血管減圧術だろうがこの手術で大きな出血の原因となる血管としては上小脳動脈と前下小脳動脈,そして脳底動脈のほか錐体静脈などがあるのだが,いったいどこからの出血だったのだろうか.
「過失はなかった」というのが事実なら,動脈瘤が偶然存在して破裂したという可能性も考えなければならないのだろうか.ただ,神経血管減圧術の合併症としてくも膜下出血による死亡というのを説明していたとは考えられないから,たとえ過失がなくとも例によって説明不足という理由で責任を問われることは十分考えられる.
最近の判決の傾向として結果が期待されているものより悪ければまず間違いなく損害賠償になり,死亡すれば業務上過失致死罪になるようだ.これがひどくなれば米国の脳外科医のように高額な損害賠償保険料を払うか手術をやめるかの選択をしなければならなくなるのだろうか.
好きでやっているつもりなので私は脳外科医でいいのだが,ただでさえ人手不足なのにこんなニュースをみて脳外科志望の研修医が減るのではないかと心配している.なんら責任ある仕事をさせてもらえない研修医にしてみれば,手術時間が短くて,夜中に緊急手術の少ないほうがやはり魅力的でしょうか.
埼玉医大総合医療センター(埼玉県川越市)で頭部の手術を受けた同県吉見町の男性会社員=当時(34)=が死亡したのは執刀ミスとして、男性の妻らが15日までに、医大側に約1億4900万円の損害賠償を求める訴訟をさいたま地裁に起こした。
訴状によると、男性は2003年1月29日、三叉(さんさ)神経痛治療のため左後頭部を切開、神経を圧迫していた血管と神経の間に特殊な綿を挿入する手術を受けたが、くも膜下出血を起こし13日後に死亡した。
原告側は「執刀医が誤って血管を傷付け、十分な止血をしなかった」と主張。同医療センターは「診療はベストを尽くし、過失はなかった」としている』
2年以上も前のことだが当時の手術ビデオなどは残っているだろうか.三叉神経の神経血管減圧術だろうがこの手術で大きな出血の原因となる血管としては上小脳動脈と前下小脳動脈,そして脳底動脈のほか錐体静脈などがあるのだが,いったいどこからの出血だったのだろうか.
「過失はなかった」というのが事実なら,動脈瘤が偶然存在して破裂したという可能性も考えなければならないのだろうか.ただ,神経血管減圧術の合併症としてくも膜下出血による死亡というのを説明していたとは考えられないから,たとえ過失がなくとも例によって説明不足という理由で責任を問われることは十分考えられる.
最近の判決の傾向として結果が期待されているものより悪ければまず間違いなく損害賠償になり,死亡すれば業務上過失致死罪になるようだ.これがひどくなれば米国の脳外科医のように高額な損害賠償保険料を払うか手術をやめるかの選択をしなければならなくなるのだろうか.
好きでやっているつもりなので私は脳外科医でいいのだが,ただでさえ人手不足なのにこんなニュースをみて脳外科志望の研修医が減るのではないかと心配している.なんら責任ある仕事をさせてもらえない研修医にしてみれば,手術時間が短くて,夜中に緊急手術の少ないほうがやはり魅力的でしょうか.
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