『--ホームレステント、大阪市が2公園で強制撤去--
  
 大阪市は30日、公園整備の妨げになるとして、行政代執行法に基づき、靭(うつぼ)公園(西区)と大阪城公園(中央区)に建てられた野宿者のテントの強制撤去を始めた。市職員約310人、民間会社の警備員350人を動員し、計22テントを取り壊す。このうち、15テントが集まる靭公園では、野宿者や支援者ら約50人が激しく抗議し、市側ともみあいになった。

 大阪市内の野宿者は03年の厚生労働省の調査で約6600人。全国の約2万5300人の4分の1を占める。大阪城公園では3〜5月に「全国都市緑化おおさかフェア」が、靭公園では5月に「世界バラ会議」が開かれるため、市は昨年10月から、両公園で暮らす野宿者に市の施設への入居を勧めてきた。

 しかし、20人以上が「施設は不自由だ」などとして応じなかったため、今月18日から強制排除に向けた手続きを始め、24日に最後通告に当たる代執行令書を交付していた。

 靭公園では午前8時、市職員が「行政代執行」の開始を宣言、作業区域からの退去を求めた。野宿者側は鉄パイプで骨組みした団結小屋の周辺に人垣をつくるなどして抵抗。市側は約200人で団結小屋を取り囲み、周辺のテントから撤去を始めている。

 もみあいの中で、野宿者1人が頭を打ち、救急車で病院に運ばれた。大阪府警は警官120人を公園周辺に配置し、警戒している。

 野宿者側は今月、2度にわたり撤去の差し止めを大阪地裁に申し立てたが、いずれも棄却された。一方、市内の別の公園に住む野宿者が、テント生活をしている公園を「住所」と認めるよう求めた行政訴訟で、大阪地裁が今月27日、訴えを認める判決を出した。これを受け、強制排除の対象となった2公園の計9人が区役所に住民登録を届け出たが、「判決が確定していない」として、扱いは保留となっている。 』

 イベントのための公園整備の妨げというのはあくまでも大義名分でこれに乗じてホームレステントを一掃しようとする意図があまりにも見えすぎなので反発を招いたのであろう事はだれにでもわかることである.今まで何度も説得や話し合いをしたのであればこのような事態にはなっていなかったのではないだろうか.

 こういった社会にとって重要な問題をなかば強引な方法でかたずけて「全国都市緑化おおさか○○」「世界○○」とやったとしてもそれではたとえ大阪でもただお祭り騒ぎが好きなバカな自治体にしか見えない.もっとも公務員に名目だけの無駄な手当てを払い続けていた自治体にいきなり体質を改善せよというのは無理なことだろうが,もうすこしやり方を考えた方がいいだろう.

 ところで,公園にテントを張って生活することはいけないことなのであろうか.「施設は不自由だ」という理由で入居を断った人たちは本当に公園のテントの方が快適なのだろうか.私には長期のテント生活はできそうにないが,キャンピングカーで自分の好きなところに行って暮らせるとしたらやってみたいような気もする.

 毎日公園のテントで暮らし,そこから仕事に行ってまたテントに戻るというのは考えてみればもっともシンプルで自由な生活のようにも思えてくる.社会にはいろいろなルールがあることはわかるが,本来は地球はみんなのもので誰でも好きなところに住む権利があると考えれば,テント生活者がどこにでも住んでいいようにも思うのはいけないことなのだろうか.もちろん,それで他人の生活を脅かすのであれば話は別だろうが.

 基本的人権を尊重するのであれば,テントに生活したい人のために「おおさかテント村」でも作ってあげたらそれこそ一大イベントとして注目されることであろう.全国の4分の1といわずすべてのホームレスを集めれば大阪市の株も少しは上がるのではないだろうか.

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