『 -- 認知症も精神病床で 厚労省、診療報酬手厚く --
厚生労働省は、4月の診療報酬改定で、精神病床に重度の認知症患者が入院した場合の報酬を手厚くし、受け入れ態勢を強化する。約76万人が介護施設に入所している認知症高齢者は、2002年で約149万人とされるが、15年には250万人に増えると見込まれ、受け皿を確保するのが狙い。ただ精神病床は介護態勢が十分とは言えず、生活の質の問題など課題もある。
診療報酬改定では、精神病床で重度の認知症患者を受け入れた場合、3カ月までに限って報酬を加算。急性期を中心に積極的に重度の認知症患者を受け入れる仕組みを導入した。
同省は「問題行動が激しいなど急性期の治療を手厚くするため」としている。
国は12年度をめどに、約7万人とされる退院可能な精神病床の社会的入院の解消を計画しており、その空きベッドなどが利用される見通しだ。
厚労省によると、精神病床の入院患者のうちアルツハイマー病など認知症の人の割合は約14%。ただ、治療が目的となるため、特別養護老人ホームやグループホームなどの介護施設と比べ、生活の場としての環境は整っていない。
精神医療関係者からは「介護施設と精神病床にいる認知症の人の症状にはっきりした区別はない。どこに入るかで、生活環境に大きな差が出ることになる」との指摘もある。』
精神科の先生方は歓迎するかどうかはわからないが,精神病床の社会的入院の解消で減収になる病院の院長や理事長たちは少し喜んだかもしれない.もっとも厚生労働省のいつもの思いつき策だからまたいつ撤回されるかはわかったものではない.
ただ,市中病院や在宅で認知症の患者を抱えている医師にとってみれば精神科に紹介しやすくなることはいい話なのかもしれない.だが,患者さんや家族にとっていい話になるのかどうかはなってみなければわからないだろう.
診療報酬を手厚くなんていうと聞こえはいいが,この手の診療報酬改定は厚生労働省の思惑どおりに事を運ぶための策にすぎないことが多く,そういう策が奏功したためしはないような気がする.ちょっと思いつくとやってみてダメなら撤回というのが今までのやり方で,今回もまた同じ愚行を繰り返しているように見えるのだがどうだろうか.
診療報酬というのは医療行為に対する対価を決めるものであって,等価な医療行為に対する報酬は同じでなければならないはずである.最近の厚生労働省はこれを医療機関への影響力の行使のためにもっぱら用いているようであるが,これが医療を歪めている元凶ではないだろうか.
医師は鼻先のにんじんのために走る馬だとでも言いたいのだろうか.
厚生労働省は、4月の診療報酬改定で、精神病床に重度の認知症患者が入院した場合の報酬を手厚くし、受け入れ態勢を強化する。約76万人が介護施設に入所している認知症高齢者は、2002年で約149万人とされるが、15年には250万人に増えると見込まれ、受け皿を確保するのが狙い。ただ精神病床は介護態勢が十分とは言えず、生活の質の問題など課題もある。
診療報酬改定では、精神病床で重度の認知症患者を受け入れた場合、3カ月までに限って報酬を加算。急性期を中心に積極的に重度の認知症患者を受け入れる仕組みを導入した。
同省は「問題行動が激しいなど急性期の治療を手厚くするため」としている。
国は12年度をめどに、約7万人とされる退院可能な精神病床の社会的入院の解消を計画しており、その空きベッドなどが利用される見通しだ。
厚労省によると、精神病床の入院患者のうちアルツハイマー病など認知症の人の割合は約14%。ただ、治療が目的となるため、特別養護老人ホームやグループホームなどの介護施設と比べ、生活の場としての環境は整っていない。
精神医療関係者からは「介護施設と精神病床にいる認知症の人の症状にはっきりした区別はない。どこに入るかで、生活環境に大きな差が出ることになる」との指摘もある。』
精神科の先生方は歓迎するかどうかはわからないが,精神病床の社会的入院の解消で減収になる病院の院長や理事長たちは少し喜んだかもしれない.もっとも厚生労働省のいつもの思いつき策だからまたいつ撤回されるかはわかったものではない.
ただ,市中病院や在宅で認知症の患者を抱えている医師にとってみれば精神科に紹介しやすくなることはいい話なのかもしれない.だが,患者さんや家族にとっていい話になるのかどうかはなってみなければわからないだろう.
診療報酬を手厚くなんていうと聞こえはいいが,この手の診療報酬改定は厚生労働省の思惑どおりに事を運ぶための策にすぎないことが多く,そういう策が奏功したためしはないような気がする.ちょっと思いつくとやってみてダメなら撤回というのが今までのやり方で,今回もまた同じ愚行を繰り返しているように見えるのだがどうだろうか.
診療報酬というのは医療行為に対する対価を決めるものであって,等価な医療行為に対する報酬は同じでなければならないはずである.最近の厚生労働省はこれを医療機関への影響力の行使のためにもっぱら用いているようであるが,これが医療を歪めている元凶ではないだろうか.
医師は鼻先のにんじんのために走る馬だとでも言いたいのだろうか.
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