大学院生はいまだに奴隷生活か
2006年7月11日 医療の問題 コメント (4)『 -- 「過重労働」で事故死 医師の両親が鳥取大提訴 --
徹夜勤務明けに交通事故で死亡したのは、過重労働による極度の睡眠不足や過労が原因として、死亡した鳥取大医学部大学院生で医師だった男性=当時(33)=の両親が7日までに、鳥取大に約1億4700万円の損害賠償を求める訴訟を鳥取地裁に起こした。
訴状によると、男性は2003年3月、鳥取大病院でほぼ24時間徹夜で勤務した後、そのまま派遣先の病院へ乗用車で出勤中、大型トラックと衝突し死亡した。
男性は恒常的に長時間労働をし、事故前の3カ月は1日3時間以下の睡眠しか取れず、直前の1カ月は時間外労働が計約250時間にも及んだという。
両親は「病院が過重な労働に従事させたのは、明らかな安全配慮義務違反だ」と訴えている。
大学側は「訴状の内容を検討し、誠実に対応したい」としている。』
大学病院の医局特に外科系は昔から体育会系である.1年目は上の先生の言いなりでどんな命令でも聞かなければならなかったし,反抗すれば仕事をさせてもらえないのだった.大学院生も論文のために研究をし,上の先生の研究も手伝うのは当たり前だとしても,さらに病棟の当直をやらされたり大学病院の外来を手伝わなくてはならない理由はなんであろうか.しかも大学院生は学生だから無給で手伝うというのも変である.最近は当直料はもらえるようだが,大学で当直するより市中病院の当直料の方が何倍も高いのが当たり前である.生活のためなら市中病院で当直させるべきであろう.
大学院生は学位のために卒業後のお礼奉公といわれる地方巡業のほかに学生時代からこういった大学のスタッフのために働かなければならない義務を負わされてきたのだが,医局という言葉がなくなってもこういう慣習はなくなっていないのだろう.学費を払っているのに賦役もあるというのはおかしなことのように思えるのだが,大学院の先生たちは博士号のための大学での研究と,大学病院の先生方のお手伝いと,生活のための市中病院でのアルバイトで過重労働気味の毎日をじっと耐えているのだろう.
これでは私が大学院生の頃と何も変わってはいない.研修医の待遇は非常に改善されたようだが,これとて診療科を決めた時にそこが産婦人科や小児科やメジャー外科系のような人手不足の科であれば待っているのは過酷な労働なのである.睡眠不足で病棟カンファレンスや患者さんと話している最中に居眠りしても死亡事故になどならないが,病院間の移動中に居眠り運転で事故を起せば自分だけでなく他人をも死亡事故に巻き込む可能性は高いだろう.
大学病院の研修医不足による病院スタッフの仕事量増大のしわ寄せがより立場の弱い大学院生にまわっているとしたらまったくひどい話である.大学院生が自分から訴えることのできないことにつけ込むようなことを医局がしていないかどうかを大学側は監督する責任があるのではないだろうか.大学院生は授業料を払っている学生であるということを大学側は忘れるべきでないだろう.
徹夜勤務明けに交通事故で死亡したのは、過重労働による極度の睡眠不足や過労が原因として、死亡した鳥取大医学部大学院生で医師だった男性=当時(33)=の両親が7日までに、鳥取大に約1億4700万円の損害賠償を求める訴訟を鳥取地裁に起こした。
訴状によると、男性は2003年3月、鳥取大病院でほぼ24時間徹夜で勤務した後、そのまま派遣先の病院へ乗用車で出勤中、大型トラックと衝突し死亡した。
男性は恒常的に長時間労働をし、事故前の3カ月は1日3時間以下の睡眠しか取れず、直前の1カ月は時間外労働が計約250時間にも及んだという。
両親は「病院が過重な労働に従事させたのは、明らかな安全配慮義務違反だ」と訴えている。
大学側は「訴状の内容を検討し、誠実に対応したい」としている。』
大学病院の医局特に外科系は昔から体育会系である.1年目は上の先生の言いなりでどんな命令でも聞かなければならなかったし,反抗すれば仕事をさせてもらえないのだった.大学院生も論文のために研究をし,上の先生の研究も手伝うのは当たり前だとしても,さらに病棟の当直をやらされたり大学病院の外来を手伝わなくてはならない理由はなんであろうか.しかも大学院生は学生だから無給で手伝うというのも変である.最近は当直料はもらえるようだが,大学で当直するより市中病院の当直料の方が何倍も高いのが当たり前である.生活のためなら市中病院で当直させるべきであろう.
大学院生は学位のために卒業後のお礼奉公といわれる地方巡業のほかに学生時代からこういった大学のスタッフのために働かなければならない義務を負わされてきたのだが,医局という言葉がなくなってもこういう慣習はなくなっていないのだろう.学費を払っているのに賦役もあるというのはおかしなことのように思えるのだが,大学院の先生たちは博士号のための大学での研究と,大学病院の先生方のお手伝いと,生活のための市中病院でのアルバイトで過重労働気味の毎日をじっと耐えているのだろう.
これでは私が大学院生の頃と何も変わってはいない.研修医の待遇は非常に改善されたようだが,これとて診療科を決めた時にそこが産婦人科や小児科やメジャー外科系のような人手不足の科であれば待っているのは過酷な労働なのである.睡眠不足で病棟カンファレンスや患者さんと話している最中に居眠りしても死亡事故になどならないが,病院間の移動中に居眠り運転で事故を起せば自分だけでなく他人をも死亡事故に巻き込む可能性は高いだろう.
大学病院の研修医不足による病院スタッフの仕事量増大のしわ寄せがより立場の弱い大学院生にまわっているとしたらまったくひどい話である.大学院生が自分から訴えることのできないことにつけ込むようなことを医局がしていないかどうかを大学側は監督する責任があるのではないだろうか.大学院生は授業料を払っている学生であるということを大学側は忘れるべきでないだろう.
コメント
ホント、なんで学費払ってるのにお礼奉公なんかしなきゃいけないのか、そのくせ大学での仕事は無給なのか、まったく理解出来ないですね。医局制度がなくなったところもあるそうですが、根本的には何も変わってないのだとつくづく思い知らされます。
先生のブログを読ませていただいて、大学院生の実情を理解してくださっている方が存在したことに感動しました。
学位をちらつかせられ、大学院生というだけで人間扱いされず、外来に借り出され、すこしでも歯向かえばバイトすらできなくなるような状況、まさにうちの医局です。
毎日が辛いですが、今年の9月に論文の予備審査があり、これに通ればこの地獄からも開放されます。
あと2ヶ月弱、がんばっていこうと思います。
学位もらって,立場が変わって,大学のスタッフになったら,自分がされてきた同じことを新しい大学院生に押し付けているのではないか知らん.
基本的に臨床の医者にPhDはいらん.なくても,研究は出来る.