『 -- 「子猫を殺している」坂東眞砂子さんのエッセーが波紋 --

 直木賞作家の坂東眞砂子さん(48)=仏領タヒチ島在住=が、自分の飼い猫が産んだ子猫を野良猫対策として殺している、と日本経済新聞に書いたエッセーが波紋を呼んでいる。坂東さんは避妊手術も「生まれてすぐの子猫を殺しても同じことだ」と述べているが、日経に批判や抗議が殺到している。

 エッセーは、日経新聞18日付夕刊「プロムナード」に掲載された「子猫殺し」。坂東さんは猫を3匹飼っているが、子猫が生まれると、自宅隣のがけ下に放り投げているという。「人は他の生き物に対して、避妊手術を行う権利などない。生まれた子を殺す権利もない」と主張。だが、「自分の育ててきた猫の『生』の充実を選び、社会に対する責任として子殺しを選択した」と書いた。

 日経には、23日までに約300件のメールと約60件の電話が寄せられ、「不快だ」「理解に苦しむ」などの抗議が中心だという。日経社長室は「原稿の内容は、筆者の自主性を尊重している」と説明している。』

親猫に避妊手術を行うのと,生まれた子猫を殺すのとどちらが動物愛護の点から非難されるかと言えば子猫を殺す方だというのが一般的な感覚だというだけだろう.こんなことで大騒ぎしても,むしろ作家の思うツボではないだろうか.私はどちらにしても,もともと人間の愛玩のために生存が許されている猫の悲劇は変わらないと思う.

作者はペットとして動物を飼うということに対して一石を投じることで,飼い主にいろんなことを考えてもらいたかったのではないかとも考えられる.とはいっても感情的になって動物愛護なんて言葉を唱える人たちには無駄なことだろう.読んでわかる人だけがわかればいいということかもしれない.

私はこの問題を人間に置き換えたらどうなるかと思う.人間の場合だって,生まれた子供を殺していた時代がわが国にもあった.避妊は女性が自分の意志でできることだからいいとしても,中絶手術は現在だってグレーゾーンで行われているのではないだろうか.猫と人間は同じではないと言うかも知れないが,人間の場合は,生まれればヒトになるわけだから猫よりはるかに深刻な問題であるはずである.

猫の事でこれだけ騒ぐのに,ヒトの中絶手術についてはあまり議論にならないのがどうにも納得いかないのは私だけだろうか.

コメント

ユキ
2006年8月24日11:25

感情的になってはいけないのかもしれないけど、私は、このニュースを見たとき、この人の考えていることがわかりませんでした。
だって、避妊手術をして“いのちをつくらないこと”と“いのちを殺すこと”なぜ、これがイコールでつなぐことができるのかが分からなかったから。それに、理解したくても、理解したくないと思った。
この人は、猫だからこういった解釈をしているのかもしれないけど、人間だったら・・・・って考えてもらいたいです。

ブログ脳外科医
脳外科医
2006年8月24日12:09

そう,これは人間の事を暗喩しているのではないかとも考えられますね.ユキさんはヒトの中絶についてはどう考えられますか?

ユキ
2006年8月24日22:06

・・・ここには書きにくいので、秘密に書きます。

nophoto
ニックネーム無し
2006年8月26日23:17

とりあえず「HOME」のところポチとしました(^^) 坂東さんって直木賞作家だそうですが、言っていることの意味が理解できません。「人は他の生き物に対して、云々、生まれた子を殺す権利もない」といいながら、「社会に対する責任として子殺しを選択した」とは・・・・・ 社会に対する責任を果たすためなら子猫を殺してもいいというのでしょうか?じゃあ、ここで言う「社会に対する責任」とは何なんでしょうかね? 私は中絶は必要と考えます。それよりは臓器移植のほうがいやですね。他人の命と引き換えに生を得ることは・・・ 

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