『 -- ジェネリック医薬品、医師の7割が信頼性に「?」--

 新薬の特許が切れた後に同じ成分で開発され、価格が安く抑えられた後発医薬品(ジェネリック医薬品)について、日本医師会は、医師の約7割が「使用に慎重あるいは懐疑的な意見を持っている」とする調査結果を発表した。日医は「現場での信頼性が確立されているとはいえない」として厚生労働省などに問題点を訴えていくという。

 5月末から7月、ホームページを通じて後発品の品質や効果について会員の意見を募り、約580人から回答があった。

 後発品の「効果」について尋ねたところ、有効回答154人のうち「問題なし」との答えが31%だったのに対し、「問題あり」は69%。「品質」(有効回答104人)についても54%が「問題あり」とした。「安定供給」(同89人)については7割が、副作用や安全などの「医薬品情報提供」(同116人)については8割が「問題あり」と答えた。

 後発品は開発費がほとんどかからないため、価格は新薬の2〜7割。厚労省は医療費抑制のため利用促進を打ち出し、4月に規制が緩和され、市場参入が相次ぐなど使用が広がっている。 』

 厚生労働省が利用促進し,効果も変わりないとメーカーが宣伝しているのだから,患者さんに希望されれば外来でも処方するしかない.第一,品質や副作用なんて外見ではわからないし,臨床試験のデータもないのだから評価のしようがないと思う.正直なところ何年も大量に使ってきた自分の経験も同等品とはいえ役立つのかどうかさえわからないのだ.

 今や院外処方であるから外来処方をジェネリック医薬品に変更してもほとんど病院の利益にはならない.療養型病床などは定額なので高価な先発品を使うよりもジェネリック医薬品を使うほうが病院の収益は大きい.診療報酬は激減したので療養型病床のある病院はジェネリック医薬品を率先して導入しているはずである.おかげで処方箋に知らない名前ばかりが並んで担当医は苦労するだろう.

 これからは患者さんが自分で治療を選択できる時代というわけである.格差社会では,お金に余裕のある人は先発のブランド品,コストパフォーマンスを追及する人はジェネリックという選択でいいんでしょうか.もっともそれもパフォーマンスが保証されていなければおかしな話になると思うのだが,本当はどうなのだろうか.

コメント

Dreamchaser
Dreamchaser
2006年9月19日19:39

書き込み失礼します。
医師はもっとジェネリックを出すべきです。
信頼の置けるジェネリックを。
そもそも、医師主導の医療をしてきたから、先発品を使う
思考になってるだけなのです。

ブログ脳外科医
脳外科医
2006年9月19日19:47

私も現在はジェネリックを大量に使用してますが,信頼のおけるジェネリックかどうかを判断する根拠が欲しいですね.今はコストの話ばかりですから.
この記事に『副作用や安全などの「医薬品情報提供」(同116人)については8割が「問題あり」と答えた。』とあるのはそう言うことだと思います.

さち
さち
2006年9月19日21:11

大学も包括でジェネリックをどんどん入れるところが増えてるみたいです。病院を変わる度に薬の名前から覚えないといけないので大変です。名前だけならともかく用法用量がちがったりするものもあるし。
院内処方も注射箋も成分処方にしてくれないかと思う今日この頃です。

ブログ脳外科医
脳外科医
2006年9月21日23:08

今日の外来に今迄の処方をジェネリック医薬品に代えて欲しいという患者さんが来たので処方を変更しました.「変更したらなにか問題があるか」などという質問はありませんでしたが,もし質問されてもデータがないので答えようがないということに気がつきました.

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