『 奈良・妊婦搬送中流産:県立医大に余力 要請直後、2人受け入れ
奈良県橿原市の妊婦(38)の胎児が救急搬送中に死亡した問題で、橿原消防署(中和広域消防組合)から最初に妊婦の受け入れを要請された県立医科大学付属病院(同市四条町)が、要請から約2時間のうちに、他の2人の妊婦を救急搬送で受け入れていたことが県の調べで分かった。病院に受け入れの余力がありながら、消防とのコミュニケーションの不備などで結果的にこの妊婦の受け入れができなかった。
一方、大阪府警高槻署の調べで、この妊婦は妊娠24週(7カ月)で、胎児は胎内で死亡していたことが分かった。流産は22週未満で胎児が死亡する場合を指し、このケースは死産に相当する。
県によると、28日夜の同病院の産婦人科当直医は2人。1人は帝王切開手術後の患者の経過観察でつきっきりとなっていた。受け入れは、もう1人の当直医が対応した。
消防から死産した妊婦の受け入れ要請がきた1分前の29日午前2時54分に別の妊婦が来院。通常分娩(ぶんべん)の患者で、同医大をかかりつけにしていた。要請の連絡を病院の事務から受けた医師は「診察中のため後にしてほしい」と回答。事務員は「患者が入り、手術になるかもしれない」と消防に伝え、消防側は「断られた」と認識した。県の調査に、医師は「断るつもりではなかった」と話している。
一方、午前3時32分。新たに同医大をかかりつけにしていた妊婦が、破水。産婦人科の病床は一つ空いていたため、入院した。さらに午前4時ごろ、近くの医院から、分娩後、大量出血した妊婦を搬送したいと要請があり、受け入れを決めた。
この連絡の直後、橿原消防から2度目の要請があった。事務員が「別の医院からの電話を医師につないだところ」と答えると、電話が切れた。出血した妊婦は午前5時ごろ医大病院に到着。産科の病床が満床だったため、他の科で受け入れた。
橿原消防からの3度目の要請は、同医大の救命救急センターに寄せられた。時刻は不明。センターの医師が症状を聞き取り、「全身状態が悪くない」と判断、2次医療機関で対応してほしいと断ったという。センターには一般病床で4床の空きがあった。
結果的に、死産した妊婦は大阪府高槻市に搬送されることになり、その途中の午前5時9分、軽乗用車との接触事故に巻き込まれた。』
あれほど問題になった奈良県に妊娠6ヶ月でかかりつけの病院のない妊婦さんがいまだにいるなんて正直言って驚きました.もっとも脳外科でも医師の常識では考えられないほどに大きく外れた患者さんが来ることは珍しくないので,産科ではそれほど驚くことではないのかもしれません.
ところで,この記事を見ていると,県立医科大学付属病院に罪をなすりつけようとしているようにしか見えません.マスコミが世論を煽るのは当たり前のようですから今さら怒る気にもなれませんが,この事件で産科医療はさらなる変貌を余儀なくされるのではないかと心配になります.
他の妊婦を受けているにもかかわらず余力があるなんて言われたら,バーゲン価格の当直料で働いている大学病院の医師たちはどう思うでしょうか.当直料が安いのは我慢できてもマスコミの暴言の標的になるのは我慢できないのではないでしょうか.患者を受け入れるか否かを現場の医師にまかせないのなら新たなルールを作り医師は免責にしてもらうしかないでしょう.
この場合どのようなルールがいいのでしょうか.県立医科大学付属病院なら,1.かかりつけの妊婦さん,もしくは2.他院からの依頼がありかつ医師の手が2人分以上空いている場合,なんていうくらいじゃないと面倒みきれないような気がするのですがどうなんでしょうか.
真面目に一生懸命やっても,結果がわるいと叩かれるという事態がこのまま医療の現場に蔓延すると,いずれ見えない力が働いて状態の悪い患者はどこも受け入れないという方向に進んで行くのではないでしょうか.
奈良県橿原市の妊婦(38)の胎児が救急搬送中に死亡した問題で、橿原消防署(中和広域消防組合)から最初に妊婦の受け入れを要請された県立医科大学付属病院(同市四条町)が、要請から約2時間のうちに、他の2人の妊婦を救急搬送で受け入れていたことが県の調べで分かった。病院に受け入れの余力がありながら、消防とのコミュニケーションの不備などで結果的にこの妊婦の受け入れができなかった。
一方、大阪府警高槻署の調べで、この妊婦は妊娠24週(7カ月)で、胎児は胎内で死亡していたことが分かった。流産は22週未満で胎児が死亡する場合を指し、このケースは死産に相当する。
県によると、28日夜の同病院の産婦人科当直医は2人。1人は帝王切開手術後の患者の経過観察でつきっきりとなっていた。受け入れは、もう1人の当直医が対応した。
消防から死産した妊婦の受け入れ要請がきた1分前の29日午前2時54分に別の妊婦が来院。通常分娩(ぶんべん)の患者で、同医大をかかりつけにしていた。要請の連絡を病院の事務から受けた医師は「診察中のため後にしてほしい」と回答。事務員は「患者が入り、手術になるかもしれない」と消防に伝え、消防側は「断られた」と認識した。県の調査に、医師は「断るつもりではなかった」と話している。
一方、午前3時32分。新たに同医大をかかりつけにしていた妊婦が、破水。産婦人科の病床は一つ空いていたため、入院した。さらに午前4時ごろ、近くの医院から、分娩後、大量出血した妊婦を搬送したいと要請があり、受け入れを決めた。
この連絡の直後、橿原消防から2度目の要請があった。事務員が「別の医院からの電話を医師につないだところ」と答えると、電話が切れた。出血した妊婦は午前5時ごろ医大病院に到着。産科の病床が満床だったため、他の科で受け入れた。
橿原消防からの3度目の要請は、同医大の救命救急センターに寄せられた。時刻は不明。センターの医師が症状を聞き取り、「全身状態が悪くない」と判断、2次医療機関で対応してほしいと断ったという。センターには一般病床で4床の空きがあった。
結果的に、死産した妊婦は大阪府高槻市に搬送されることになり、その途中の午前5時9分、軽乗用車との接触事故に巻き込まれた。』
あれほど問題になった奈良県に妊娠6ヶ月でかかりつけの病院のない妊婦さんがいまだにいるなんて正直言って驚きました.もっとも脳外科でも医師の常識では考えられないほどに大きく外れた患者さんが来ることは珍しくないので,産科ではそれほど驚くことではないのかもしれません.
ところで,この記事を見ていると,県立医科大学付属病院に罪をなすりつけようとしているようにしか見えません.マスコミが世論を煽るのは当たり前のようですから今さら怒る気にもなれませんが,この事件で産科医療はさらなる変貌を余儀なくされるのではないかと心配になります.
他の妊婦を受けているにもかかわらず余力があるなんて言われたら,バーゲン価格の当直料で働いている大学病院の医師たちはどう思うでしょうか.当直料が安いのは我慢できてもマスコミの暴言の標的になるのは我慢できないのではないでしょうか.患者を受け入れるか否かを現場の医師にまかせないのなら新たなルールを作り医師は免責にしてもらうしかないでしょう.
この場合どのようなルールがいいのでしょうか.県立医科大学付属病院なら,1.かかりつけの妊婦さん,もしくは2.他院からの依頼がありかつ医師の手が2人分以上空いている場合,なんていうくらいじゃないと面倒みきれないような気がするのですがどうなんでしょうか.
真面目に一生懸命やっても,結果がわるいと叩かれるという事態がこのまま医療の現場に蔓延すると,いずれ見えない力が働いて状態の悪い患者はどこも受け入れないという方向に進んで行くのではないでしょうか.
コメント
死産された方には大変悪いのですが・・・夜中に買い物にでて??一緒にいたのが知人男性で???さらに、過去に流産暦があり???そして、ちゃんとしたかかりつけの病院がない???なんて聞いたら、妊婦側にも問題があるんじゃないでしょうか?こんな風に書いたら批判は受けるだろうけれど・・・流産暦があるのならもっと体を大事にし、しっかりと医師の診察を受けていれば防げたのではないでしょうか?救急や、病院だけが悪いのではないと思います。