『08年度診療報酬改定「率は不満も勤務医対策に期待」日医・唐澤会長が緊急会見

 日本医師会の唐澤祥人会長は18日に緊急会見を行い、全体で0.82%の引き下げとなった2008年度診療報酬改定に対し、「マイナス改定の流れを押しとどめることができなかったことは大変残念」とする一方、医科本体が0.42%の引き上げとなったことについては「決して十分とは言えないが、勤務医の疲弊、産科・小児科・救急医療の危機が少しでも救われることを期待したい」と勤務医環境などの改善に期待をにじませた。

 プラス改定を獲得した背景として、診療報酬の引き上げを目指して署名活動などを展開した自民党議員の尽力に加え、地域医師会の後押しも日医の大きな原動力になったとし、それぞれに感謝の言葉を述べた。
  日医は当初、医科の医療費ベースで5.7%のプラス改定を求めていた。最終的にプラス0.42%で決着したことについて唐澤会長は、「これまでずっとマイナス改定を経験してきたので、プラス改定でほっとしたという感じ。われわれが望む主張は、主張として行った。これで満足したということはない」と引き続き医療費の増額を求めていく考えを示した。
  勤務医や小児科・産科などへの対応では「少しでも余裕のある診療環境ができればいいと考えている」と述べた。改定率に基づき、今後は中医協で具体的な財源配分が議論されることを踏まえ、「医療を守るための議論の中で今後の方向をしっかり検討していきたい」と述べ、具体的な点数設定に日医の考えを反映させたいとした。
  また、今回の改定では「社会保障費の自然増2200億円の削減が非常に大きな障壁だった」と指摘。「骨太方針07」では、機械的に5年間均等に削減するわけではないことが明示されたにもかかわらず、2200億円削減は少しも緩められなかったとして、「医療崩壊の危機を認識していただいていないのではないかと落胆する思い」と嘆いた。
  その上で、来年度以降も引き続き歳出削減を強いられないよう、日医として関係方面への働き掛けを強めていく考えを示した。
  日医会員に対しては、「今回の結果がどのように受け止められるか、まだ分からない。さまざまな意見が寄せられると思うので、(それを踏まえ)今後の取り組み方や方向を出していきたい」とした。

財源付け替えでは地域医療は疲弊

 中医協で診療側と支払い側で意見が割れている診療所の初再診料の対応については、「これから一層、活動しなくてはいけない先生方に対し、削減する方向が正しいかどうか」と引き下げの考えに疑問を投げ掛けた上で、診療所から病院に財源を付け替えるだけではさらに地域医療を疲弊させると批判した。』

5.7%のプラス改定を求めていたのに,その一割にも満たない回答を評価せざるを得ないのは相手に対してではなく自分たちの努力を評価て欲しいということなのだろうか.もっとも厚生労働大臣さえも相手にしない官僚たちが医師会の言うことを聞かなくても別に不思議ではない.

それより本体0.38%増の財源が300億円と言うが,これはちょうど年金特別便にかかる費用と同じで,社会保険庁の不祥事のためにかかる費用はほとんどなんの議論もなく税金が投入されるのに,かたや医療費だと大騒ぎになるとはいったいどういうことなのだろうか.

それにこの程度で勤務医環境が改善されることなどあり得ない.勤務医の拘束時間や給与がたとえ1%改善されたって有り難がる医師はいないだろうし,実際にはどちらもまったく変わることはないだろう.夜中にコンビニ気分で受診する患者の相手までさせられている医療者にすれば,馬鹿にされたような気がしてますますやる気が失せていくことだろう.

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