『大阪・キタひき逃げ逮捕、22歳男は飲酒・無免許運転

 大阪市北区梅田の交差点で先月21日未明、堺市東区の会社員鈴木源太郎さん(30)が車にはねられ、約3キロ引きずられて死亡したひき逃げ事件で、大阪府警交通捜査課の曽根崎署捜査本部は5日午前、住所不定、元建築会社従業員でホストの吉田圭吾容疑者(22)を殺人、自動車運転過失傷害、道路交通法違反(無免許運転)の容疑で逮捕した。吉田容疑者は免許失効中で、「酒を飲んで無免許運転していたので警察に捕まると困ると思い逃げた。殺してしまったことに間違いありません」と容疑を認めている。

 発表によると、吉田容疑者は10月21日午前4時19分頃、大阪市北区梅田の国道176号交差点で、無免許運転中、横断していた鈴木さんをはねたうえ、車の底部に巻き込んだまま3キロ逃走、引きずったことによる外傷性ショックで鈴木さんを殺害した疑い。

 供述によると、吉田容疑者は同交差点で信号待ちしていたが、発進直後、目の前にいた鈴木さんに衝突したという。吉田容疑者は、「人が倒れ、車が乗り上げたのがわかった。引きずったまま走れば死んでしまうことぐらいはわかっていたが、とにかくその場から逃げ去りたかった」と言っている。

 府警は、鈴木さんを引きずっていることを認識しながら「死んでも構わない」と逃走を続けたとして、殺人容疑を適用した。同乗者はいなかったとみている。

 事件の目撃情報などから府警は犯行車両を「黒いワゴン車」とみて捜査。今月1日、大阪市此花区内の民間駐車場でトヨタ・イプサムを発見、押収。車底部に事故によるものとみられる傷や血痕、繊維片が見つかった。所有者の建築会社経営者から事情を聞いたところ、この車を業務用として日常的に使っていた吉田容疑者が、事件直後に「会社を辞める」と手紙を残し、所在不明となっていることが判明、行方を捜していた。大阪・ミナミでホストをしていることがわかり、周辺を調べていた捜査員が5日未明、ミナミのラーメン店にいる吉田容疑者を発見し、府警本部に任意同行、事情を聞いていた。』

 犯人が捕まったところで死んでしまった人が戻るわけではないが,遺族の方にとって僅かな慰めにはなるのだろうか.無免許(1年間の免許取り消し処分中)で車を運転するだけでもとんでもない事だが,さらに飲酒,人身事故,ひき逃げと罪を重ねて破滅への道を走り続けたのは自分だけは逃げられるつもりだったのだろうか.

 こういう利己的で馬鹿げた犯罪を予防するには,やはり犯罪が割に合わないという事を事前に理解させるだけの罰を用意して,それでも犯罪を犯すような者には厳罰を与えて再犯や同じような犯罪者の出現を予防するしかないだろう.

 ひき逃げ事件は10年前の2倍以上に達しているというのも,飲酒運転での死亡事故などに適用される危険運転致死罪が懲役1年以上20年以下なのに,ひき逃げは10年以下と軽いからとりあえず逃げて飲酒の証拠を隠滅しようとする輩が多いからなのだろうか.それなら,ひき逃げはもとの罪に対して2倍の刑にでもすればいいかもしれない.

 このように犯罪者がさらに犯罪を積み重ねて逃れようとするような刑法では,法が犯罪を助長するようなことになるから,さらなる罪を犯すのを思いとどまるように罪と罰とのバランスを取らなければならないのではないだろうか.一方で交通事故というのはある意味で避けられないものなのだから,怪我をした人を救護した場合には幾分か情状酌量されるということを明記するのもいいかもしれない.

 この犯人も,もしすぐに車を降りて救護していれば命は助かっていた可能性が高いのに,「引きずったまま走れば死んでしまうことがわかって」いても走り続けたのだからやはり殺人罪が妥当なのだろう.自分で責任を取れない人には,他人が取らせるしかないのだから.

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索