人事院総裁は天下りの神様?
2009年1月31日 社会の問題 コメント (1)『公務員改革、工程表の決定先送り…行革相「役人なぜ来ない」
麻生首相が最重要課題の一つに掲げる公務員制度改革は、月内を目指していた「工程表」の決定が2月以降に先送りされ、暗雲が立ちこめている。
人事院の谷公士(まさひと)総裁が徹底抗戦の構えで、旗振り役の甘利行政改革相は怒り心頭。首相が命運を懸ける改革は、政権内の内紛で迷走気味だ。
「首相主宰の会議に、役人が出て来ないなんてあるのか」
30日午前、甘利行革相は閣議後の記者会見で、不満を爆発させた。同日に予定されていた国家公務員制度改革推進本部(本部長・麻生首相)に、谷総裁が出席を拒否したためだ。本来ならば、この会合で、2012年までに取り組む公務員改革の工程表を決定する予定だった。
しかし、谷氏は、幹部人事を一元管理するため新設する「内閣人事・行政管理局」に、人事院の機能の一部を移管することを盛り込んだ工程表に反対する立場から、出席を拒否。甘利氏は記者会見で、「人事院のお墨付きがなければ改革ができないとしたら、永遠にできない」とし、推進本部が30日に開けなかったのは、谷氏の欠席が一因だと明らかにした。
首相官邸は30日の推進本部の開催にこだわっていた甘利氏を説得し、30日の会合延期で沈静化を図ったが、甘利氏の暴露で政府内の“泥仕合”をさらけ出す結果となった。
政府は昨年11月末、2009年度の発足をめざしていた「内閣人事・行政管理局」の発足を、内閣交代による作業の停滞で10年4月に先送りした。その際、「改革後退」の印象を与えないよう、改革全体の目標年限を当初の2013年から1年前倒しし、その段取りを今年1月までに工程表として提示する方針を、甘利行革相の音頭で決定した経緯がある。改革姿勢をアピールするはずが、自ら設定したハードルでつまずいた格好だ。
谷氏は、郵政次官を退官後、総務省の外郭団体理事長や衛星通信会社会長を経て人事院人事官、同総裁に就任。「官僚中の官僚。人事院を守ることが使命」(衆院議員秘書)とも評される。甘利氏が示す機能移管案は「人事院解体に等しい」として、甘利氏との2度の折衝でも拒否。河村官房長官が仲裁に乗り出したが、谷氏は「辞表を提出しかねない勢い」だったという。
政府は、内閣人事・行政管理局の新設などを盛り込んだ国家公務員法改正案を3月に提出し、今国会での成立を目指す。政府高官は、「大事なのは法案の書きぶりで、火種を呼ぶ工程表など本来は必要なかった」と取り運びの稚拙さを認める。自民党幹部も「世間には、人事院を管理できない駄目な内閣と映り、大打撃だ」と頭を抱える。
首相は30日夕、公務員制度改革について記者団に聞かれると、「官房長官に聞いて」と言うだけだった。』
首相が口だけ渡り禁止なんて言って政令を取り消さないことが自民党の若手議員で問題視されようがされまいが,官僚にはすでに足下を見透かされているわけだ.確かにこれじゃ天下り禁止なんて永久にできないだろう.
ところで,谷氏って,『郵政次官を退官後、総務省の外郭団体理事長や衛星通信会社会長を経て人事院人事官、同総裁に就任』とあるけれど,これってまさに『渡りの神様』みたいな人ってことだろうか.
大臣は役人を呼びつけたつもりでも,役人の方がはるかに頭が良くて軽くかわされたように見えるのは私だけだろうか.法律をつくるだけで,実際には自分で何もできない政治家なんて,高級官僚からみたら子供みたいなものなのかも...
麻生首相が最重要課題の一つに掲げる公務員制度改革は、月内を目指していた「工程表」の決定が2月以降に先送りされ、暗雲が立ちこめている。
人事院の谷公士(まさひと)総裁が徹底抗戦の構えで、旗振り役の甘利行政改革相は怒り心頭。首相が命運を懸ける改革は、政権内の内紛で迷走気味だ。
「首相主宰の会議に、役人が出て来ないなんてあるのか」
30日午前、甘利行革相は閣議後の記者会見で、不満を爆発させた。同日に予定されていた国家公務員制度改革推進本部(本部長・麻生首相)に、谷総裁が出席を拒否したためだ。本来ならば、この会合で、2012年までに取り組む公務員改革の工程表を決定する予定だった。
しかし、谷氏は、幹部人事を一元管理するため新設する「内閣人事・行政管理局」に、人事院の機能の一部を移管することを盛り込んだ工程表に反対する立場から、出席を拒否。甘利氏は記者会見で、「人事院のお墨付きがなければ改革ができないとしたら、永遠にできない」とし、推進本部が30日に開けなかったのは、谷氏の欠席が一因だと明らかにした。
首相官邸は30日の推進本部の開催にこだわっていた甘利氏を説得し、30日の会合延期で沈静化を図ったが、甘利氏の暴露で政府内の“泥仕合”をさらけ出す結果となった。
政府は昨年11月末、2009年度の発足をめざしていた「内閣人事・行政管理局」の発足を、内閣交代による作業の停滞で10年4月に先送りした。その際、「改革後退」の印象を与えないよう、改革全体の目標年限を当初の2013年から1年前倒しし、その段取りを今年1月までに工程表として提示する方針を、甘利行革相の音頭で決定した経緯がある。改革姿勢をアピールするはずが、自ら設定したハードルでつまずいた格好だ。
谷氏は、郵政次官を退官後、総務省の外郭団体理事長や衛星通信会社会長を経て人事院人事官、同総裁に就任。「官僚中の官僚。人事院を守ることが使命」(衆院議員秘書)とも評される。甘利氏が示す機能移管案は「人事院解体に等しい」として、甘利氏との2度の折衝でも拒否。河村官房長官が仲裁に乗り出したが、谷氏は「辞表を提出しかねない勢い」だったという。
政府は、内閣人事・行政管理局の新設などを盛り込んだ国家公務員法改正案を3月に提出し、今国会での成立を目指す。政府高官は、「大事なのは法案の書きぶりで、火種を呼ぶ工程表など本来は必要なかった」と取り運びの稚拙さを認める。自民党幹部も「世間には、人事院を管理できない駄目な内閣と映り、大打撃だ」と頭を抱える。
首相は30日夕、公務員制度改革について記者団に聞かれると、「官房長官に聞いて」と言うだけだった。』
首相が口だけ渡り禁止なんて言って政令を取り消さないことが自民党の若手議員で問題視されようがされまいが,官僚にはすでに足下を見透かされているわけだ.確かにこれじゃ天下り禁止なんて永久にできないだろう.
ところで,谷氏って,『郵政次官を退官後、総務省の外郭団体理事長や衛星通信会社会長を経て人事院人事官、同総裁に就任』とあるけれど,これってまさに『渡りの神様』みたいな人ってことだろうか.
大臣は役人を呼びつけたつもりでも,役人の方がはるかに頭が良くて軽くかわされたように見えるのは私だけだろうか.法律をつくるだけで,実際には自分で何もできない政治家なんて,高級官僚からみたら子供みたいなものなのかも...
コメント
というか「法律をつくるだけで,実際には自分で何もできない政治家」というのはかなりマシな部類で、実際には彼らには法律を作る権力はあっても能力がないケースが大半です。もちろん、政治家とは必ず法のエキスパートであるべしとは思いませんし、そんな必要もないんですが、あるべき体制の指針からして実務レベルでは与野党ともにまともなものを打ち出せないというのが偽らざる現状であるかと。
もっとも、「じゃあお前がやってみせろよ」って言われれば、そんなことはできないですねとしか言えませんが。
最大の懸念は、この政治不信が、政党や政治家への不信ではなく、議院内閣制への不信に繋がってしまうのではないか、ということではないかと思います。というか現実に今起こっている政治不信・無関心とは、議院内閣制への不信であると解釈せざるを得ないケースが多すぎます。
このようにして民主主義のシステムそのものに疑問と不信が根付く先にあるのは、歴史的にはだいたい1つの方向性なんですが、さてどうなるか、どうするか、というのが現在なのかなと思っています。