奈良県下市町の屁理屈
『同級生と3カ月ぶり再会 奈良地裁の決定受け

 車椅子生活のため、設備不備などを理由に奈良県下市町の町立下市中へ入学を認められなかった同町の谷口明花(めいか)さん(12)が3日朝、初めて同校に登校した。谷口さんを入学させるよう仮の義務付けをした奈良地裁の決定を受け、町教委が入学を認めた。谷口さんは同校で約3カ月ぶりに同級生と再会した。

 谷口さんは午前7時49分、真新しいセーラー服姿で母美保さん(45)に背負われ、自宅前に姿を見せた。「うれしい。友達と話したいです。中学では英語を勉強したい」と語り、制服の着心地について「今はぶかぶかやけど、いつかは合うような気がする」と笑顔で話した。昨晩はなかなか眠れず、美保さんは「遠足の前のようだった」とほほ笑んだ。

 同8時7分、同校に到着すると、生徒たちが教室の窓から手を振った。授業前に体育館で全校集会が開かれ、谷口さんは「よろしくお願いします」とあいさつした。谷口さんは、新設された肢体不自由児学級に在籍し、学級会などの時は1年A組に移動する。』

『脳性まひの少女が中学初登校、まず理科の授業

 脳性まひによる車いす生活のため、地元中学への進学を拒否されていた奈良県下市町の谷口明花(めいか)さん(12)が3日、町立下市中への入学を仮に認めた奈良地裁の決定を受け、約3か月遅れで同校に初めて登校した。

 母美保さん(45)に車で送られ、全校集会で生徒約200人に紹介されると、少し緊張しながらも、「よろしくお願いします」と笑顔をみせたという。

 明花さんはこの後、行事予定などを聞いたり、車いすで校内を見て回ったりし、4時間目に初めて理科の授業を受けた。午後は担任らと給食をとり、学活でクラスメートと交流する。

 明花さんは今春、町立小を卒業したが、町はバリアフリーの設備が整っていないことなどを理由に下市中への入学を拒否。明花さんの提訴を受け、奈良地裁が6月26日、入学を認める「仮の義務付け」の決定を出した。

 町は今月1日、大阪高裁に即時抗告している。』


『車いす生徒拒否、中学入学認めるよう「仮の義務付け」決定

 バリアフリーが整っていないことを理由に、希望する奈良県下市町立下市中学への入学を拒否されたのは違法として、同町の地方公務員、谷口正昭さん(51)の長女で、脳性まひで車いす生活を送る明花(めいか)さん(12)が、町に入学許可の「仮の義務付け」を求めた訴訟で、奈良地裁の一谷好文裁判長は26日、入学を認めるよう「仮の義務付け」の決定をした。

 仮の義務付けは、2005年施行の改正行政事件訴訟法に基づく手続き。判決前でも、回復不可能な損害を避けるために緊急の必要性があれば、処分を行政に命じることができる。訴訟は継続する。

 決定で一谷裁判長は「ほかの生徒と普通学級で学校生活を送ることで障害を克服し、心身共に成長することができる。そのための時間が刻々と失われており、緊急性がある」と理由を述べた。

 町側の入学拒否については「裁量権を逸脱して違法」と指摘。設備が不十分で受け入れられないとする町側の主張には「抽象的な危険に過ぎず、近年の、障害のある生徒の自立に向けた取り組みを支援するという理念に反する」とした。

 明花さんは、出生時の脳性まひで、下半身や右腕などが不自由。03年に町立小学校に入学、町が派遣した介助員2人の付き添いを受けながら、特別担任の元で学校生活を送った。今春、そのまま地元の下市中への入学を希望したが、町は「階段が多く、安全を保障できない」などと拒否、県立養護学校への入学を勧めていた。明花さんは4月以降、自宅で県立養護学校から派遣された講師と学習している。

 堀光博・下市町教育長の話 「決定の内容について詳しく把握しておらず、コメントできない」(6月26日)』

 結論から言うと,この春に中学校にあがることはわかりきっていたのだから,最初から養護学校を勧めるのではなく地元中学へ進学することを目標に対策を考えてみるべきだったということである.移動に障害があるからといって,ただ漫然と,「階段が多く、安全を保障できない」などと言ってるようでは,本人の意志や可能性というものをきちんと検討してあげたようには思えない.

 「脳性まひ」とひと言で言うが,生まれる時に脳に何らかの障害を受けたというだけで,その程度はひとりずつ違うのだから,その子にとって最も良い方法を考えてあげるのがまわりの大人の役目だろう.その子に少しでも自立の意志があり,地元中学にその可能性を求めているなら,出来る限りの機会を与えてあげるべきである.だから下市町の主張する抽象的な危険のために,入学が遅れるほどその機会が失われるというのが裁判長の判断だろう.

 そう言えば,以前にも同じような話があった.下市町の教育長はこの話を聞いたことがなかったのだろうか.
http://nougekai.diarynote.jp/200602101654550000/

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