『新型プリウスのリコール検討 日米で30万台

 ハイブリッド車(HV)新型「プリウス」のブレーキが利きにくいとの苦情が相次いでいる問題で、トヨタ自動車は日米でリコール(無償の回収・修理)を実施する検討に入った。トヨタは「構造的な欠陥はない」(広報担当)としているが、拡大する消費者の不安を一掃するため、明確な対策を打ち出すことにした。実施した場合、対象は日米で計約30万台にのぼる見込み。看板車種にまでトラブルが拡大したことで、経営への打撃は避けられそうにない。

 リコールを検討しているのは、昨年5月に発売した新型プリウス。昨秋以降、「ブレーキが一時的に利かなくなる」などの苦情が日米で多数寄せられている。トヨタによると、凍結した路面での横滑りなどを防ぐABS(アンチロック・ブレーキ・システム)の制御ソフトに問題があり、ブレーキが一時的に利かなくなるような状態が起こるといい、改善策として、ABSの制御プログラムを修正する。

 1月以降の生産分については、プログラムの変更を済ませており、リコール対象は昨年12月までに生産した国内向け約17万6000台、米国向け約10万台の見込み。プリウスとブレーキ・ABSの機構が類似する高級車ブランド「レクサス」のHV「HS250h」やセダンタイプのHV「SAI」などもリコール対象にするか検討している。

 トヨタ内には「重大な欠陥がない」として、リコールではなくサービスキャンペーン(自主改修)にとどめるべきだとの意見もある。しかし、ラフード米運輸長官が4日、豊田章男社長に安全対策の徹底を要求したことなどを受け、日米当局と協議した上で、具体策を最終判断することにした。』

ABSも最初の頃は車輪の空転時間が長くて,結果としてかえって制動距離が長くなるように感じて怖かったものだが,最近のABSは制御が細かくなりABSを作動させながらでも安心して停止できるようになった.ABSの制御プログラムに問題があるというだけでは何のことかよくわからないが,新型プリウス独自のHVシステムとの連携により問題が生じているのかもしれない.

原因はなんであれ,これだけ騒ぎになるとプリウスを持っている人は安全性に不安を抱きながら乗らなければならないから,車間距離を多めにとって追突だけはさけるのが懸命だろう.プリウスに乗っていない人も凍結路で後ろにつかれたらゆっくり制動して事故をもらわないように注意したほうがいいかもしれない.

いつかはHV車に乗ることになるのかもしれないが,他人の命にかかわることにはきわめて保守的な私としては自動車に関しては新しいものに飛びつく気にはなれない.その昔,何かの自動車雑誌で読んだのだがアメリカ大陸横断では,高性能でもちょっとした故障で動けなくなる精巧な車より,少しぐらい壊れても走行が可能な頑丈なアメ車が頼りになるというようなことを読んだ.

北海道はアメリカ大陸ほど広くはないが,吹雪のなかで立ち往生すれば命にかかわることもあるので,どんな気象条件でどんな路面状況でも楽に走れる車でないと冬期に長距離運転をする気にはなれない.精巧で複雑なシステムほど故障や不都合が起こるリスクが高く,回復にも手間がかかるというのはどんなシステムにも言えることだろう.

新型プリウスはエコ減税のせいもあってまだ大量のバックオーダーを抱えていると思うが,この一件で人気車種が必ずしも安全性や信頼性が高いわけではないことを図らずも示してしまったようだ.

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索