『2号機燃料棒、一時すべて露出 - 炉心溶融否定できず- 福島第1原発

 東京電力は14日午後7時45分、福島第1原発2号機の冷却水が大幅に減少し、約4メートルある燃料棒がすべて露出したと福島県に通報した。核燃料の一部が溶ける炉心溶融も否定できないとしている。
 東電は午後8時ごろから炉内への海水注入を開始。水位が上がり始め、同8時すぎに燃料棒下端から30センチまで上がった。
 同社は同日夕から海水注入の作業を始めていたが、炉内に海水を入れるためのポンプの燃料が切れていたといい、燃料を入れ作業を再開した。』

『官房長官「炉心溶融の可能性高い」 福島第1原発1~3号機

 枝野幸男官房長官は14日夜の記者会見で、福島第1原子力発電所の1~3号機について「(炉心溶融が)起きている可能性が高いのは3つとも一緒だ」と述べた。「最悪の事態を想定してもチェルノブイリのようなことにはならない」とも語った。』

『福島第1原発2号機の水位、燃料棒上端から2メートルまで回復

 東京電力は14日夜の記者会見で、福島第1原子力の2号機の原子炉内で燃料棒が完全に露出した後の注水作業によって、午後9時21分に水位が燃料棒の上端から3.4メートルのところにあったのが、午後9時34分に上端から約2メートルまで水位が上昇していることを明らかにした。ホウ酸も注入している。燃料棒の一部が露出する状態は続いている。』

 どこまでが本当のことなのか知るすべもないが,炉心溶融が部分的にせよ起きている可能性は高そうだ.「最悪の事態を想定してもチェルノブイリのようなことにはならない」と言うが,最悪の事態とはどういう状態を想定しているのかよくわからない.私が考えうる最悪とは炉心が高温で溶け出して格納容器が破損して放射性物質が大気中に拡散することなのだが,そういう危険性はないのだろうか.

 もし,そういう危険性が絶対にないのだったらその理由を説明してくれれば安心出来るのだが,官房長官は科学者でも技術者でもないだろうし,今までも想定外のことが繰り返されているのであまり信用ならないと思うし,津波で壊れたところは何年かで復旧できるだろうが,放射能で汚染されたらもう取り返しがつかないだろうと心配なのは私だけではないだろう.

ー 続報 ー

『2号機、核燃料が全露出 福島第1原発、炉心の一部溶融か


 東京電力によると、福島第1原発2号機で14日夜、原子炉の水位が急速に低下し、午後6時半ごろから約2時間半にわたり燃料が水面から完全に露出、核分裂反応は収まっているものの空だき状態になった。周辺の放射線量のレベルが上がっており、東電は燃料が溶ける「炉心溶融」が一部で起きたとみている。

 海水を注入し、午後10時には、約4メートルある燃料の半分以上が水に漬かる状態に回復したが、その後再び水位が低下。燃料が全露出した。原子炉圧力容器で蒸気の逃し弁が何らかの理由で閉じてしまい、内部の圧力が高まり、海水を注入できなくなった。東電は閉じた弁を開け、再び水を入れる作業を始めるとしている。

 最初の全露出は、作業員が見回りに出ている間に海水を注入するポンプの燃料が切れ、水位回復作業の遅れにつながっており、経済産業省原子力安全・保安院は「一時的に注入が止まったのはまずかった」としている。

 東電は原子炉格納容器の圧力を下げるため、蒸気を外部へ放出した。

 東電によると、14日午後9時37分、福島第1原発正門前で毎時3130マイクロシーベルトの放射線量を検出した。これまでの最大値の約2倍。

 東電は14日午後、2号機は原子炉に残った熱を冷やす機能が喪失したとして、原子力災害対策特別措置法に基づき国に「緊急事態」を通報。正午には水位が燃料から約3・4メートル上にあったが、炉内に水を注ぐ装置が故障したとみられ、水位が急速に低下した。

 午後4時34分に、2号機の原子炉への海水の注入作業を始めたが、注入が確認できたのは午後8時ごろ。水位低下は続き、一時燃料すべてが露出した。その後の水位回復は一時的だった。

 水を注ぐ装置は、同日午前11時ごろ、隣にある同原発3号機で起きた水素爆発の衝撃で故障した可能性がある。

 1、3号機では、冷却機能を失った後に燃料の一部が溶け、発生した水素が爆発し、原子炉建屋の上部が損壊した。保安院は14日夜、1、3号機への海水注入は続けているが、水位計に変化がみられないと明らかにした。

 また、「緊急事態宣言」が出ていた福島第2原発1、2号機は安定的な「冷温停止」状態となり、緊急事態を脱したと発表した。』

ポンプを監視していた作業員が見回りに行っている間に燃料切れしたなんて,常識的には考えられない大失態だが,こういう間の抜けた危機管理意識が東電の企業体質なのだろうか.

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