リスクの回避

2014年7月18日 その他
『 ウクライナ東部の親ロシア派支配地域上空を飛行中に撃墜されたとみられるマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH17便は、アジア太平洋地域の航空各社が安全を懸念して数か月前から飛行を避けていた空域を飛んでいた。

 韓国の2大航空会社、大韓航空(Korean Air)とアシアナ航空(Asiana Airlines)、オーストラリアのカンタス航空(Qantas Airways)、台湾の中華航空(China Airlines)は、ロシア軍が今年3月上旬にクリミア(Crimea)半島に派遣されたことを受けて、運航便の航路を変更していたことを明らかにした。

 アシアナ航空の広報担当者は「安全上の懸念からウクライナ上空の飛行を中止した」と述べた。大韓航空の関係者はAFPに、「同地域の政情不安を理由に」運航便の航路を3月3日からウクライナの南方250キロにずらしたと語った。

 カンタス航空はウクライナ上空を通過していたロンドン(London)発ドバイ(Dubai)行きの便の航路を「数か月前」に変更したという。台湾の中華航空も4月3日に航路を変更していた。

 航路を変更すれば飛行時間が延びるため、燃料費も増加する。マレーシアのナジブ・ラザク(Najib Razak)首相は18日、マレーシア航空がなぜ同様の予防措置をとらなかったのかとの質問に対し、「同機の航路は、国際民間航空機関(International Civil Aviation Organization、ICAO)によって安全と宣言されていた。国際航空運送協会(International Air Transportation Association、IATA)も、同機が通過していた空域は飛行制限の対象とはなっていないと言明していた」と説明した。

 シンガポール航空(Singapore Airlines)は声明で、ウクライナ上空を飛行していた便の航路は全て変更済みだと述べたが、変更がいつ行われたのかは明らかにしなかった。香港(Hong Kong)のキャセイパシフィック航空(Cathay Pacific Airways)は、ウクライナの空域は「かなり前から」使用していないと発表した。

 一方、日本航空(Japan Airlines、JAL)や全日空(All Nippon Airways、ANA)、ガルーダ・インドネシア航空(Garuda Indonesia)などは、運航便がウクライナ上空を通過する航路をとったことは過去にないとしている。

 欧州の航空管制調整機関である欧州航空航法安全機構(ユーロコントロール Eurocontrol)によると、ウクライナ当局はマレーシア機墜落の直後、同国東部を飛行禁止区域に設定した。』

『 ウクライナ東部で17日にマレーシア航空(Malaysia Airlines)機が墜落したと発表される前に、同国からの分離独立を求めている親露派がウクライナ軍の輸送機を撃墜したというコメントを交流サイト(SNS)に投稿したが、後になってそのほとんどを削除していたことが分かった。

 親露派は17日午後、ウクライナ軍との戦闘が続く東部の工業地帯上空を飛行中のウクライナ軍機少なくとも1機を撃墜したとの最初の一報を投稿した。

 一方的に独立を宣言している「ドネツク人民共和国(Donetsk People’s Republic)」の自称防衛相イーゴリ・ストレルコフ(Igor Strelkov)氏は、ロシアの交流サイト最大手「フコンタクチェ(Vkontakte)」 の自身のページに、「たった今、トレーズ(Torez、ドネツク州の都市)近郊でアントノフ26(An-26)型機を撃墜した」と書き込んでいた。

 ストレルコフ氏はさらに「これが『鳥が落ちた』ことを証明する動画だ」と書き込んだ。同氏のページには、マレーシア航空機についてウクライナのメディアが報道したものと完全に一致する情報へのリンクが掲載された。

 この書き込みは直後に削除されたが、ウクライナ東部の同国軍司令部はこの投稿が表示されたディスプレーの画像を保存しており、英文の報道機関向け発表に添えて公開した。

 ストレルコフ氏のものとされる書き込みでは、同機の撃墜に使用されたミサイルの詳細は明らかにされていない。しかしドネツク人民共和国は、その数時間前にマイクロブログのツイッター(Twitter)の公式アカウントから次のように投稿し、墜落したマレーシア航空機が飛行していた高度1万メートルまで到達可能なロシア製ミサイルを親露派が手に入れていたことを明らかにしていた。

「@dnrpress:DNRは(ウクライナの)地対空ミサイルA1402連隊から自走式ブーク(Buk)地対空ミサイルを奪った」。この投稿も後に削除された。

 ロシアの国営メディアはこれらの書き込みについては言及しておらず、ウクライナ空軍がマレーシア航空機を撃墜したという親露派指導者の発言を伝えている。

■露工作員との通信で悪態

 その後、ウクライナ政府を強く支持している野党系ニュースサイト「ウクライナ・プラウダ(Ukrainska Pravda、ウクライナの真実)」は、撃墜後に親露派のメンバーとロシアの工作員が行った通信を傍受して録音したとされる音声を公開した。

 その中でベース(悪霊)と名乗る親露派メンバーがロシア軍情報機関将校とされる人物に対し、「たった今、飛行機を撃ち落とした」と話していた。また別の録音では、戦闘員らしき人物が飛行機の残骸が残る墜落現場から、「100パーセント間違いなくこれは民間機だ」と報告している。

 この戦闘員は、乗客がたくさん乗っていたかどうかと質問されると、ロシア語で悪態をついたという。』

『ロシア国防省は18日、ウクライナ東部ドネツク州に墜落したマレーシア航空機が当時、ウクライナ軍の対空ミサイル「S200」「ブクM1」の射程圏内を飛行していたと発表した。ブクM1の追跡迎撃レーダーが作動したのをロシアのレーダーが感知していたという。
 親ロシア派が主張するウクライナ軍による「誤爆」説を補強した形だ。』

 『「万が一消息を絶ったときのために、飛行機の外見はこんなふう」──ウクライナ東部で17日に墜落したマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH17便に乗っていたとみられるオランダ人男性が、搭乗直前の旅客機の写真を、このようなコメントとともに交流サイト(SNS)のフェイスブック(Facebook)に投稿していた。

 インド洋(Indian Ocean)で3月に消息を絶ったマレーシア航空MH370便をほのめかすこの冗談めいた投稿は、休暇をマレーシアのビーチで過ごすためにオランダ・アムステルダム(Amsterdam)からマレーシア・クアラルンプール(Kuala Lumpur)に向かった同機に搭乗していたとみられるコール・パン(Cor Pan)さんのものだ。しかし投稿の数時間後、MH17便は、MH370便と同じく、乗客乗員298人と共にレーダー上から姿を消した。

 アムステルダム郊外フォーレンダム(Volendam)在住のパンさんが、実際に同機に搭乗していたかどうかはまだ確認されていない。しかし、フェイスブックに投稿された駐機中の同機の写真は搭乗ゲートから撮影したものと思われ、「スキポール空港(Schipol Airport)付近」とタグ付けされていた。

 フェイスブック上の友達たちのコメントも、パンさんが同機に乗っていたことを示唆するような内容だ。あるユーザーは「こんなことあり得ない!」と投稿した。フェイスブック上では17日夜、パンさんが投稿した写真が1万回以上シェアされた。

 パンさんの知人は、交際していたネールチェ・トール(Neeltje Tol)さんと一緒にいるパンさんの写真に死を連想させる白いバラを重ねた画像を投稿した。墜落機にトールさんが搭乗していたかどうかも定かでない。

 パンさんは以前のフェイスブックへの投稿で、トロピカルなビーチの写真とともに「もうあと数日で…」と書き込んでいた。』

 パンさんもまさか自分が搭乗したマレーシア航空機も万が一の事態になるなんて本当は思っていなかったのだろうが,自分の乗るマレーシア航空MH17便がこれからアジア太平洋地域の航空各社が安全を懸念して数か月前から飛行を避けていた空域を飛ぶ予定だったことは知っていたのだろうか.

 親露派がウクライナの地対空ミサイルA1402連隊から自走式ブーク(Buk)地対空ミサイルを本当に奪い,輸送機と間違えて撃墜したのか,ウクライナ軍の対空ミサイル「S200」「ブクM1」の射程圏内を飛行していてブクM1の追跡迎撃レーダーに検知されて撃墜されたのか真相は今のところわからない.

 ひとつだけ言える事は「可能性のあることは全て起こる.」ということだけだ.この地対空ミサイルの射程は30-50kmで高度が22-25kmはあるということなので戦闘地域の上空を飛べば誤射で撃墜される可能性は十分あったわけだ.

 この可能性をリスクと考えることが出来るかどうかで各社の対応が変わるわけだが,どうやらマレーシア航空はリスクの考え方が他社とは違うらしい.シンガポール航空も航路変更の時期を明らかにしなかったからグレーというところだろう.

 自分の身は自分で守ると考えれば,これからは自分の乗る飛行機の航路も事前にチェックする必要があるということだろうが,そもそも仕事でもないのにそこまでして海外に行きたいと思わない出不精な私としては,せいぜい自分の車で行ける範囲で遊んでいるのがいいように思える.
 

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