国営放送

2016年7月2日 社会の問題
『官邸の“NHK支配”ますます加速 安倍シンパが経営委員長に

 NHKが丸ごと安倍政権に乗っ取られることになりそうだ。先月28日、任期満了で退任した浜田健一郎前経営委員長の後任に、JR九州の石原進相談役が決まったからだ。石原氏はNHK経営委員に“九州枠”で推挙され、2010年12月に就任した最古参。3年前のNHK会長人事で籾井勝人会長を推した一人であり、官邸と太いパイプを持つことで有名だ。

「石原氏が特に親しいのは麻生太郎財務相といわれています。福岡県で九州経済連合会の会長を務める弟の麻生泰氏(麻生セメント前社長)をガッチリ支えているのが石原氏。2年前は安倍首相に川内原発の早期再稼働を要請し、『川内はなんとかします』と言わせた。今年の熊本地震では九州観光推進機構の会長として政府から復興予算を引き出しました」(永田町関係者)

 籾井会長みたいに安倍政権の言うことを従順に聞く“イエスマン”というよりも“インナー”に近い。官邸ベッタリの石原氏が新委員長になったことで、ますますNHKが御用メディアと化すのは間違いない。

「委員長は企業のCEOにあたり、NHK会長の選出などで主導的な役割を果たします。来年1月に任期を迎える籾井会長を辞めさせるか、再任を認めるかが焦点となりますが、どちらに転ぶにせよ、石原氏が官邸の意をくんで動くのは間違いありません。籾井会長のようにあからさまに政権をヨイショするタイプではなく、空気を読み、アウンの呼吸で立ち回ることができる人物とみられているだけに、ボロも出にくいでしょう」(NHKに詳しい放送ジャーナリストの小田桐誠氏)

 籾井会長は2期目に強い意欲を見せているが、官邸はすでに次の候補を見据えているようだ。日本たばこ産業(JT)顧問の本田勝彦氏だ。安倍首相の元家庭教師で、首相を囲む会「四季の会」のメンバー。ガチガチの“安倍派”だ。昨年3月からは経営委員長を補佐する委員長職代行を務めている。

 石原進経営委員長-本田勝彦会長の体制が出来上がれば、NHKは今以上にタダの発表機関になり下がるに違いない。』

NHKは国民にとっては半ば契約が義務付けられている公共放送なのだが,これが政権放送になるならば,受信料は全く税金みたいなものになり政府広報を有料で視聴しているみたいなことになるだろう.それならちゃんと政府の都合と報道の違いがわかるようにしないと報道の中立性は保たれないし,視聴者は馬鹿を見る.

もっとも最近ではテレビを持たずに受診契約をしない若者たちもいるようだから,ラジオしか情報を得る手段がなかった時代のようにNHKの発表を鵜呑みにするような人たちは高齢者に限られるのではないだろうか.

しかし,今や人口の4人に1人は65歳以になった時代である.65歳以上の人たちがインターネットを使いこないしているとは思えないので,あと20年ほどはNHKの影響力もまだまだ侮れないだろう.

英国のEU離脱が決まったのも,高齢者に若者が負けたのが一因だったらしい.日本でももう既に社会保障の面では高齢者と若者の予算の奪い合いが起きているのだが,それを認識している若者はどれくらいいるのだろうか.

年金にしても医療費にしても今の高齢者はもっとも恩恵を受けている世代であり,逆に若者は将来そのツケを払わされる立場にいることは明白であると私は思っているのだけれど,今の若者たちは一体何を考えているのか,考えていないのか.

残念ながら,そういった世代間の格差や高齢者の医療費の無駄使いについてNHKはおろかマスコミが正面から取り上げることは期待できないだろう.日本のマスコミは国民の視点ではなく権力を持つ政治家の視点やCMのスポンサーである大企業の視点で情報を流すいわばプロパガンダに過ぎないのである.

特定秘密保護法は政府が世間に知られたくない情報を隠すのに法的な根拠を与えることに成功したが,そんなものはなくとも東電がメルトダウンを隠蔽できたことを考えれば,いかに日本のマスコミが役に立たないものかということは明らかだろう.

だから,テレビをつけっぱなしにしてNHKニュースを見るのはもうやめにしなければいけない.もっと視野を広げて自分たちが置かれている状況を正確に知り, 自分の意見を持つようにしないと誰かの思う壺にはまっても気がつかないまま不利な立場に追い込まれてしまうだろう.

テレビを捨ててNHKの契約解除をするのはなかなか難しいが,NHKは今後ますます政権の御用放送になるということは忘れてはいけないことだろう.

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