『森会長の女性蔑視発言 五輪暗雲 政財界に広がる懸念 海外メディアも厳しい論調

 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)は4日、東京都内で記者会見し、3日の日本オリンピック委員会(JOC)の評議員会で女性を蔑視した発言をしたことについて「五輪・パラリンピックの精神に反する不適切な表現だった」として発言を撤回し、陳謝した。だが、会長職の辞任は否定。野党は菅義偉首相に対して森氏に辞任を促すことを求め、財界トップからも大会開催への懸念の声が上がった。

 3日の会合で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と述べたことについて、森氏は4日の会見で「伝聞」との認識を繰り返した上で「どういう根拠でおっしゃったのか分からない」と釈明。また、JOCがスポーツ庁の指針に基づき女性理事を40%以上とする目標を「文科省がうるさく言うから」と発言したことについては「そういう認識ではない。女性と男性しかいないので、どなたが選ばれてもいい」と説明した。

 会見の序盤は「皆さんが邪魔だと言えば、おっしゃる通り老害が粗大ゴミになり、掃いてもらえばいい」と笑みも見せていた森氏だったが、中盤以降は表情が険しくなった。「(自ら)『五輪精神に反する』と認めている人が組織委会長として適任か」との質問には「あなたはどう思うか」と聞き返し、記者が「適任ではない」と答えると「ではそういうふうに承っておきます」と回答。「そういう話はもう聞きたくない」「面白おかしくしたいから聞いているんだろう」と語気を強める場面も見られた。

 政財界にも影響が広がった。菅首相は4日の衆院予算委員会で「あってはならない発言だと思っている」と指摘した。立憲民主党の枝野幸男代表は「森さんの首に鈴をつけられるのは首相しかいない」と述べ、森氏に会長辞任を促すよう求めた。首相は「スポーツ分野においても女性の参画は大事であることは揺るぎがない」と述べるにとどめ、応じなかった。日本商工会議所の三村明夫会頭は4日の定例記者会見で「国際的な影響を含め、極めて残念だ。今回の発言が(大会開催に)水を差さなければいいと思う」と述べた。

 海外メディアからも厳しい論調が相次いだ。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は3日、膨らむ開催経費や今夏の開催に反対する世論に加えて、東京大会に新たな難題が加わったとして、森氏の女性蔑視の発言について詳しく報じた。その上で、同紙は「ツイッターでは、森氏の辞任を求める声の他に、森氏の年齢や時代遅れの振る舞いが本当の問題と指摘する声がある」と伝えた。ロイター通信も「森氏が女性蔑視の発言」と題して報じ、米紙ワシントン・ポスト(電子版)も森氏の過去の失言と合わせる形で取り上げた。』

 日本の女性を差別する意識はこの年代の人には当たり前のことだから、当たり前のことを言っただけなのに周りに騒がれて困惑しているのだろう。本人には問題の本質はきっと理解出来ていないと考えてあげればいいだろう。

 しかし、それと東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長に適任かと言う話は全く別である。基本的な人権に関わることを理解出来ない人が組織のトップに立つことなどあってはならないことだ。

 職場で女性に産休を自由にとらせない風潮から、中国共産党のジェノサイドに対する政府の反応が薄いことまで、問題の根にあるのは同じで、人権に関する意識の低い人たちが政府や会社の上層部に未だにたくさんいるからだろう。

 森氏の発言は、いまだに日本は意識が低いということを、今まさに五輪の開催が危ぶまれる時期に世界に発信したという点で画期的だろう。

 森氏に会長続投を許すようなことがあれば、日本の社会や政府は森氏と同じとみなされても文句は言えないだろう。もし、森氏が続投になったら、私なら五輪ボイコットに動くと思う。

 「人のふり見て我がふり直せ」という諺があるが、これを機に男女同権や基本的人権について我々ももっとよく考えるべきだろう。

 私は、有給休暇、産休、夫婦の育児休暇の自由な取得には大賛成で、NHK受信料の強制徴取と中国共産党のジェノサイドには大反対である。

コメント

スミぱん@国会を見よう
2021年2月5日16:47

あれが総理だった時から、地元民として恥ずかしい限りです。

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