『 -- 「認知症見守り隊」発足へ はいかい発見に連絡網も --
大阪府は8日、認知症の高齢者を地域が見守る「認知症見守り隊」を発足させ、はいかいを早期発見するためにタクシー会社やコンビニも参加した緊急連絡網づくりに乗り出す方針を固めた。
府によると、こうした取り組みは都道府県では初という。府内の1つか2つの市町村で2006年度、実験的に実施し、将来的には全市町村に広げるとしている。
見守り隊は、一人暮らしや高齢者同士で住む世帯を対象に、地域のボランティアなどが閉じこもりがちな人の外出を手助けしたり、毎日訪問を続けて健康チェックをするグループで、市町村が隊のリーダーを数十人単位で募集。高齢者の世話の仕方などに関する研修で得た知識を地域で役立ててもらう。
また、はいかいが原因で死亡や行方不明となる高齢者は4年度で計約100人に上り、年々増加していることから、タクシー会社やコンビニのほか、警察、消防、郵便局に連絡が行き渡るような連絡網を作成。捜索に一役買ってもらう。
6月には府内5000世帯を対象としたアンケートと聞き取り調査を実施。近い将来、認知症になる可能性が高い高齢者数などを調べ、今後の施策に反映させる。
府の65歳以上の高齢者100人当たりの要介護者数は19.5人(全国平均16.8人)。このうち、約半分が地域による見守りを必要としているという。』
はいかい発見を本気でやるならここは最近NTTドコモが始めたイマドコサーチというサービスを認知症患者用の携帯電話でも作って提供してもらってはどうだろうか.
このサービスはパソコンで使うと地図の精度が高くて現在位置が建物単位までわかるから非常に便利である.イマドコサーチでだいたいの位置を把握してから探せば効率的だし,緊急時の連絡先を電話に登録しておき発見した人が電話できるようにしておいけばさらにいいだろう.
政府は災害時のことを考えて携帯電話にGPS機能を搭載するように指導しているが,屋外を徘徊中に死亡や行方不明となった高齢者が全国で1年間に900人もいるそうだから,きっと1万台くらいは売れるんではないだろうか.
NTTドコモの方,高齢化社会への貢献としてひとつどうでしょうか?もちろん高齢者割引でお願いしますね.
大阪府は8日、認知症の高齢者を地域が見守る「認知症見守り隊」を発足させ、はいかいを早期発見するためにタクシー会社やコンビニも参加した緊急連絡網づくりに乗り出す方針を固めた。
府によると、こうした取り組みは都道府県では初という。府内の1つか2つの市町村で2006年度、実験的に実施し、将来的には全市町村に広げるとしている。
見守り隊は、一人暮らしや高齢者同士で住む世帯を対象に、地域のボランティアなどが閉じこもりがちな人の外出を手助けしたり、毎日訪問を続けて健康チェックをするグループで、市町村が隊のリーダーを数十人単位で募集。高齢者の世話の仕方などに関する研修で得た知識を地域で役立ててもらう。
また、はいかいが原因で死亡や行方不明となる高齢者は4年度で計約100人に上り、年々増加していることから、タクシー会社やコンビニのほか、警察、消防、郵便局に連絡が行き渡るような連絡網を作成。捜索に一役買ってもらう。
6月には府内5000世帯を対象としたアンケートと聞き取り調査を実施。近い将来、認知症になる可能性が高い高齢者数などを調べ、今後の施策に反映させる。
府の65歳以上の高齢者100人当たりの要介護者数は19.5人(全国平均16.8人)。このうち、約半分が地域による見守りを必要としているという。』
はいかい発見を本気でやるならここは最近NTTドコモが始めたイマドコサーチというサービスを認知症患者用の携帯電話でも作って提供してもらってはどうだろうか.
このサービスはパソコンで使うと地図の精度が高くて現在位置が建物単位までわかるから非常に便利である.イマドコサーチでだいたいの位置を把握してから探せば効率的だし,緊急時の連絡先を電話に登録しておき発見した人が電話できるようにしておいけばさらにいいだろう.
政府は災害時のことを考えて携帯電話にGPS機能を搭載するように指導しているが,屋外を徘徊中に死亡や行方不明となった高齢者が全国で1年間に900人もいるそうだから,きっと1万台くらいは売れるんではないだろうか.
NTTドコモの方,高齢化社会への貢献としてひとつどうでしょうか?もちろん高齢者割引でお願いしますね.
やれるものならどうぞ
2006年3月8日 社会の問題『 -- 米上院議員「再開遅れれば対日制裁」 牛肉輸入問題で --
米共和党のブラウンバック上院議員は7日、加藤良三駐米大使と会談し、日本による米国産牛肉の再禁輸について意見交換した。肉牛生産地であるカンザス州選出の同議員は会談後、「日本の再禁輸はあまりに長期にわたっている。すぐに友好的な合意に達しなければ、米議会は対日制裁を科さざるをえない」とする声明を出した。
会談で加藤大使は、再禁輸の原因となった米国産牛肉への背骨混入問題に関する米農務省の報告書について、日本側が質問書を出し、回答を待っている状況などを説明したという。 』
ブラウンバック上院議員は問題がどっちにあったかをもう忘れたのだろうか.対日制裁を科すならどうぞと言いたい.米国産牛肉がなくたって別に困っていないから.それよりも日本の消費者の傾向を見誤っているのではないだろうか.どうせ輸入解禁になったって今度はすぐには飛びつくわけがないだろう.日本には「二度あることは三度ある」という言葉もあるのだから.
米国が対日制裁をちらつかせて政府がたとえ折れたとしても,日本国民には不買運動という手もあるのだ.相変わらず輸出用農産物の品質管理にはあまい米国であるが,食と健康に敏感な日本人にいつまでも戦勝国が力づくで食べ物を売りつけるようなことができるとは思わないほうがいいだろう.
米共和党のブラウンバック上院議員は7日、加藤良三駐米大使と会談し、日本による米国産牛肉の再禁輸について意見交換した。肉牛生産地であるカンザス州選出の同議員は会談後、「日本の再禁輸はあまりに長期にわたっている。すぐに友好的な合意に達しなければ、米議会は対日制裁を科さざるをえない」とする声明を出した。
会談で加藤大使は、再禁輸の原因となった米国産牛肉への背骨混入問題に関する米農務省の報告書について、日本側が質問書を出し、回答を待っている状況などを説明したという。 』
ブラウンバック上院議員は問題がどっちにあったかをもう忘れたのだろうか.対日制裁を科すならどうぞと言いたい.米国産牛肉がなくたって別に困っていないから.それよりも日本の消費者の傾向を見誤っているのではないだろうか.どうせ輸入解禁になったって今度はすぐには飛びつくわけがないだろう.日本には「二度あることは三度ある」という言葉もあるのだから.
米国が対日制裁をちらつかせて政府がたとえ折れたとしても,日本国民には不買運動という手もあるのだ.相変わらず輸出用農産物の品質管理にはあまい米国であるが,食と健康に敏感な日本人にいつまでも戦勝国が力づくで食べ物を売りつけるようなことができるとは思わないほうがいいだろう.
『 -- 私物PC使用者に官品支給へ 防衛庁 --
ファイル交換ソフト「ウィニー」を入れた自衛隊員の私物パソコンから業務データが相次いでインターネット上に流出した問題で、防衛庁は7日、職務上必要があるのに官品パソコンが支給されていないすべての隊員に対し、官費でパソコンを支給する方針を固めた。数十億円規模の予算が必要だが、庁として情報保全に万全を期すためには、05年度予算の中から緊急措置としてパソコン購入費用を支出することを決めた。
防衛庁によると、昨年11月の時点で、職場で私物パソコンを使っている隊員は陸海空3自衛隊で約6万7000人(陸6万人、海2000人、空5000人)。背景には、官品支給のパソコンの数が限られているため、業務上必要なのにパソコンが支給されていなかったり、複数の隊員で1台を共用したりして不便を感じている実情がある。
海自護衛艦乗組員の私物パソコンから「秘」を含む大量の業務データが流出した事件を受け、防衛庁は(1)職場での私物パソコンからのファイル交換ソフトの削除(2)私物パソコンからの秘密情報の削除――などについて事務次官通達を出していたが、抜本的な対策のためには「職場からすべての私物パソコンを排除する必要がある」(防衛庁幹部)と判断した。 』
『 -- 警察のパソコン、「ウィニー」使用禁止 警察庁が通達 --
岡山県警などで内部情報が相次いでインターネット上に流出した問題を受けて、警察庁は7日、全国の都道府県警に対し、警察署内などにある公務で使用するパソコンを緊急点検し、情報セキュリティー対策を徹底するように通達した。
通達では、承認のない機器は警察に関する情報を削除したうえで撤去し、パソコンなどを庁舎外に持ち出す場合は警察情報は暗号化するよう求めている。さらに、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」の使用や、無許可でのインターネットへの接続を禁止した。
警察庁によると、全国の警察官の約4割が私物のパソコンを業務で使用しており、ウィニーが導入されていないか個々で点検、警察署長らに報告させる。家族にも情報管理の徹底を説明し、ウイルス対策をするよう求めている。』
「Winny(ウィニー)」の開発者,47氏こと東京大助手金子勇氏を逮捕したのは京都府警だったはずだが,全国の警察官がその後もWinnyの愛用者だったとは皮肉な話である.いつもこの手のニュースを読んで思うのだが,悪いのは私物のパソコンに業務の個人データや機密データをコピーして使うことであって,Winnyを私物のパソコンに入れておくことではない.
マスコミも著作権団体と利害関係があるのか,Winnyを悪者扱いだがこうしたデータの漏えいを起しているのはWinnyで流されているファイルに寄生したコンピュータウィルスという悪意のもとに作られたプログラムであって,Winnyは本来は指定したファイル以外をネットワークに流すようなプログラムではないようだ.だから,マスコミの報道はおそらく意図的なWinny排除へのキャンペーンなのであろう.
そういう視点で見ると自衛隊と警察の対応には明確な差があって面白い.もちろん正しいのは自衛隊のほうで,機密保持のためには私物のパソコンを基地内から撤去するのが正しい選択だろう.警察のようなことを言うなら私物パソコンでインターネットに接続すること自体を禁止せざるを得なくなるだろう.他にもっと新しいファイル共有ソフトだってあるのだから.
ファイル交換ソフト「ウィニー」を入れた自衛隊員の私物パソコンから業務データが相次いでインターネット上に流出した問題で、防衛庁は7日、職務上必要があるのに官品パソコンが支給されていないすべての隊員に対し、官費でパソコンを支給する方針を固めた。数十億円規模の予算が必要だが、庁として情報保全に万全を期すためには、05年度予算の中から緊急措置としてパソコン購入費用を支出することを決めた。
防衛庁によると、昨年11月の時点で、職場で私物パソコンを使っている隊員は陸海空3自衛隊で約6万7000人(陸6万人、海2000人、空5000人)。背景には、官品支給のパソコンの数が限られているため、業務上必要なのにパソコンが支給されていなかったり、複数の隊員で1台を共用したりして不便を感じている実情がある。
海自護衛艦乗組員の私物パソコンから「秘」を含む大量の業務データが流出した事件を受け、防衛庁は(1)職場での私物パソコンからのファイル交換ソフトの削除(2)私物パソコンからの秘密情報の削除――などについて事務次官通達を出していたが、抜本的な対策のためには「職場からすべての私物パソコンを排除する必要がある」(防衛庁幹部)と判断した。 』
『 -- 警察のパソコン、「ウィニー」使用禁止 警察庁が通達 --
岡山県警などで内部情報が相次いでインターネット上に流出した問題を受けて、警察庁は7日、全国の都道府県警に対し、警察署内などにある公務で使用するパソコンを緊急点検し、情報セキュリティー対策を徹底するように通達した。
通達では、承認のない機器は警察に関する情報を削除したうえで撤去し、パソコンなどを庁舎外に持ち出す場合は警察情報は暗号化するよう求めている。さらに、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」の使用や、無許可でのインターネットへの接続を禁止した。
警察庁によると、全国の警察官の約4割が私物のパソコンを業務で使用しており、ウィニーが導入されていないか個々で点検、警察署長らに報告させる。家族にも情報管理の徹底を説明し、ウイルス対策をするよう求めている。』
「Winny(ウィニー)」の開発者,47氏こと東京大助手金子勇氏を逮捕したのは京都府警だったはずだが,全国の警察官がその後もWinnyの愛用者だったとは皮肉な話である.いつもこの手のニュースを読んで思うのだが,悪いのは私物のパソコンに業務の個人データや機密データをコピーして使うことであって,Winnyを私物のパソコンに入れておくことではない.
マスコミも著作権団体と利害関係があるのか,Winnyを悪者扱いだがこうしたデータの漏えいを起しているのはWinnyで流されているファイルに寄生したコンピュータウィルスという悪意のもとに作られたプログラムであって,Winnyは本来は指定したファイル以外をネットワークに流すようなプログラムではないようだ.だから,マスコミの報道はおそらく意図的なWinny排除へのキャンペーンなのであろう.
そういう視点で見ると自衛隊と警察の対応には明確な差があって面白い.もちろん正しいのは自衛隊のほうで,機密保持のためには私物のパソコンを基地内から撤去するのが正しい選択だろう.警察のようなことを言うなら私物パソコンでインターネットに接続すること自体を禁止せざるを得なくなるだろう.他にもっと新しいファイル共有ソフトだってあるのだから.
データのリスクマネジメント
2006年3月8日 医療の問題 コメント (2)『 -- 共同データセンターに補助 電子カルテ普及で厚労省 --
厚生労働省は、コンピューターでカルテを作ったり保存できる電子カルテを利用した地域医療ネットワークの拡大に向け、2006年度から都道府県が設立し運営する「共同利用型データセンター」に対する補助事業を始める。
同省はセンターを設立する都道府県に、基本システム導入費用の半額を補助。ネットワークに加入する医療機関は、患者の診療情報を入力した電子カルテをセンターに保管したり、センター経由で他の医療機関にデータを送ったり、共有もできる。センターを共同利用することで、電子カルテ普及率が低い中小病院や診療所のコストを軽減、加入しやすくする。
地域医療ネットワーク整備への補助事業は02年度に始まり、05年度までに計18地域の病院、医師会などが対象となった。06年度予算案は病院向けと合わせ約2億3000万円で、今後、細部を詰めた上で公募する。
電子カルテを使うと、患者が診療所の紹介で病院に行く際、それまでの治療内容をスムーズに伝えることができる。患者が主治医以外の医師に助言を求めるセカンド・オピニオンを得る場合にも役立つ。
厚労省の調査によると、病院の電子カルテ普及率は02年の1・2%(うちベッド数400床以上の大病院は2・5%)から上昇しているが、04年はまだ3・7%(同11・7%)にとどまっている。』
診療報酬請求(レセプト)をデジタル化して不正請求のチェックをやりやすくするところまではわからないでもないが,電子カルテ化とそのデータをセンターで管理する意図はなんなのだろうか.電子カルテといってもカルテの記載事項が各科で標準化されたりするわけではないから中身はブログと大差はないものになるだろう.カルテとは診療録つまり診療日誌なのだから.
紙資源の節約のためにも記録の電子化には賛成であるが,どうもこの共同データセンターというのが胡散臭いのである.そもそも各病院管理の個人データであるカルテを集中させる必要はどこにあるのだろうか.導入コストが本当に安くなるのだろうか.天下り先の大手コンピュータメーカーの利益のためなのではないだろうかと疑いたくもなる.
データのセキュリティや災害時のことを考えてもデータセンターに集中させるのはあまりよい方法とは思えない.それこそWinnyのようなP2Pの分散型ネットワークの方がいいのではないだろうか.それとデータの暗号化も必須だろう.データセンターの職員がデータを横流しする可能性だってあるのだから.主治医と患者本人のキーコードがないと読めないくらいは当たり前だろう.
厚生労働省はちゃんと考えているのだろうか.誰がどんな病気で病院にかかっているかなんていう情報に簡単にアクセスできるなんていうのは気味が悪くないのだろうか.
厚生労働省は、コンピューターでカルテを作ったり保存できる電子カルテを利用した地域医療ネットワークの拡大に向け、2006年度から都道府県が設立し運営する「共同利用型データセンター」に対する補助事業を始める。
同省はセンターを設立する都道府県に、基本システム導入費用の半額を補助。ネットワークに加入する医療機関は、患者の診療情報を入力した電子カルテをセンターに保管したり、センター経由で他の医療機関にデータを送ったり、共有もできる。センターを共同利用することで、電子カルテ普及率が低い中小病院や診療所のコストを軽減、加入しやすくする。
地域医療ネットワーク整備への補助事業は02年度に始まり、05年度までに計18地域の病院、医師会などが対象となった。06年度予算案は病院向けと合わせ約2億3000万円で、今後、細部を詰めた上で公募する。
電子カルテを使うと、患者が診療所の紹介で病院に行く際、それまでの治療内容をスムーズに伝えることができる。患者が主治医以外の医師に助言を求めるセカンド・オピニオンを得る場合にも役立つ。
厚労省の調査によると、病院の電子カルテ普及率は02年の1・2%(うちベッド数400床以上の大病院は2・5%)から上昇しているが、04年はまだ3・7%(同11・7%)にとどまっている。』
診療報酬請求(レセプト)をデジタル化して不正請求のチェックをやりやすくするところまではわからないでもないが,電子カルテ化とそのデータをセンターで管理する意図はなんなのだろうか.電子カルテといってもカルテの記載事項が各科で標準化されたりするわけではないから中身はブログと大差はないものになるだろう.カルテとは診療録つまり診療日誌なのだから.
紙資源の節約のためにも記録の電子化には賛成であるが,どうもこの共同データセンターというのが胡散臭いのである.そもそも各病院管理の個人データであるカルテを集中させる必要はどこにあるのだろうか.導入コストが本当に安くなるのだろうか.天下り先の大手コンピュータメーカーの利益のためなのではないだろうかと疑いたくもなる.
データのセキュリティや災害時のことを考えてもデータセンターに集中させるのはあまりよい方法とは思えない.それこそWinnyのようなP2Pの分散型ネットワークの方がいいのではないだろうか.それとデータの暗号化も必須だろう.データセンターの職員がデータを横流しする可能性だってあるのだから.主治医と患者本人のキーコードがないと読めないくらいは当たり前だろう.
厚生労働省はちゃんと考えているのだろうか.誰がどんな病気で病院にかかっているかなんていう情報に簡単にアクセスできるなんていうのは気味が悪くないのだろうか.
『 -- 認知症も精神病床で 厚労省、診療報酬手厚く --
厚生労働省は、4月の診療報酬改定で、精神病床に重度の認知症患者が入院した場合の報酬を手厚くし、受け入れ態勢を強化する。約76万人が介護施設に入所している認知症高齢者は、2002年で約149万人とされるが、15年には250万人に増えると見込まれ、受け皿を確保するのが狙い。ただ精神病床は介護態勢が十分とは言えず、生活の質の問題など課題もある。
診療報酬改定では、精神病床で重度の認知症患者を受け入れた場合、3カ月までに限って報酬を加算。急性期を中心に積極的に重度の認知症患者を受け入れる仕組みを導入した。
同省は「問題行動が激しいなど急性期の治療を手厚くするため」としている。
国は12年度をめどに、約7万人とされる退院可能な精神病床の社会的入院の解消を計画しており、その空きベッドなどが利用される見通しだ。
厚労省によると、精神病床の入院患者のうちアルツハイマー病など認知症の人の割合は約14%。ただ、治療が目的となるため、特別養護老人ホームやグループホームなどの介護施設と比べ、生活の場としての環境は整っていない。
精神医療関係者からは「介護施設と精神病床にいる認知症の人の症状にはっきりした区別はない。どこに入るかで、生活環境に大きな差が出ることになる」との指摘もある。』
精神科の先生方は歓迎するかどうかはわからないが,精神病床の社会的入院の解消で減収になる病院の院長や理事長たちは少し喜んだかもしれない.もっとも厚生労働省のいつもの思いつき策だからまたいつ撤回されるかはわかったものではない.
ただ,市中病院や在宅で認知症の患者を抱えている医師にとってみれば精神科に紹介しやすくなることはいい話なのかもしれない.だが,患者さんや家族にとっていい話になるのかどうかはなってみなければわからないだろう.
診療報酬を手厚くなんていうと聞こえはいいが,この手の診療報酬改定は厚生労働省の思惑どおりに事を運ぶための策にすぎないことが多く,そういう策が奏功したためしはないような気がする.ちょっと思いつくとやってみてダメなら撤回というのが今までのやり方で,今回もまた同じ愚行を繰り返しているように見えるのだがどうだろうか.
診療報酬というのは医療行為に対する対価を決めるものであって,等価な医療行為に対する報酬は同じでなければならないはずである.最近の厚生労働省はこれを医療機関への影響力の行使のためにもっぱら用いているようであるが,これが医療を歪めている元凶ではないだろうか.
医師は鼻先のにんじんのために走る馬だとでも言いたいのだろうか.
厚生労働省は、4月の診療報酬改定で、精神病床に重度の認知症患者が入院した場合の報酬を手厚くし、受け入れ態勢を強化する。約76万人が介護施設に入所している認知症高齢者は、2002年で約149万人とされるが、15年には250万人に増えると見込まれ、受け皿を確保するのが狙い。ただ精神病床は介護態勢が十分とは言えず、生活の質の問題など課題もある。
診療報酬改定では、精神病床で重度の認知症患者を受け入れた場合、3カ月までに限って報酬を加算。急性期を中心に積極的に重度の認知症患者を受け入れる仕組みを導入した。
同省は「問題行動が激しいなど急性期の治療を手厚くするため」としている。
国は12年度をめどに、約7万人とされる退院可能な精神病床の社会的入院の解消を計画しており、その空きベッドなどが利用される見通しだ。
厚労省によると、精神病床の入院患者のうちアルツハイマー病など認知症の人の割合は約14%。ただ、治療が目的となるため、特別養護老人ホームやグループホームなどの介護施設と比べ、生活の場としての環境は整っていない。
精神医療関係者からは「介護施設と精神病床にいる認知症の人の症状にはっきりした区別はない。どこに入るかで、生活環境に大きな差が出ることになる」との指摘もある。』
精神科の先生方は歓迎するかどうかはわからないが,精神病床の社会的入院の解消で減収になる病院の院長や理事長たちは少し喜んだかもしれない.もっとも厚生労働省のいつもの思いつき策だからまたいつ撤回されるかはわかったものではない.
ただ,市中病院や在宅で認知症の患者を抱えている医師にとってみれば精神科に紹介しやすくなることはいい話なのかもしれない.だが,患者さんや家族にとっていい話になるのかどうかはなってみなければわからないだろう.
診療報酬を手厚くなんていうと聞こえはいいが,この手の診療報酬改定は厚生労働省の思惑どおりに事を運ぶための策にすぎないことが多く,そういう策が奏功したためしはないような気がする.ちょっと思いつくとやってみてダメなら撤回というのが今までのやり方で,今回もまた同じ愚行を繰り返しているように見えるのだがどうだろうか.
診療報酬というのは医療行為に対する対価を決めるものであって,等価な医療行為に対する報酬は同じでなければならないはずである.最近の厚生労働省はこれを医療機関への影響力の行使のためにもっぱら用いているようであるが,これが医療を歪めている元凶ではないだろうか.
医師は鼻先のにんじんのために走る馬だとでも言いたいのだろうか.
アカデミック・ハラスメント
2006年3月6日 医療の問題 コメント (1)『 -- ヒトクローン胚研究、女性研究者からの卵子提供を禁止 --
ヒトクローン胚(はい)研究の指針作りを進めている文部科学省は、胚の作製や利用にあたる研究チームが、チーム内の女性や研究者の親族の女性から卵子提供を受けるのを禁止する方針を固めた。6日の同省科学技術・学術審議会の作業部会で決定する。
研究に必要な卵子の確保は、ボランティアで提供してくれる人は少なく、非常に難しいのが実情だ。このため、上司の研究者が、部下の女性研究者に卵子の提供を強要する“アカデミック・ハラスメント”が起こる恐れがある。
実際、ヒトクローン胚由来のES細胞の論文をねつ造した韓国ソウル大の黄禹錫(ファン・ウソク)教授は、研究チームの女性研究者から卵子提供を受け、倫理的問題が指摘されていた。作業部会はそれを教訓にした。
指針では、研究チームに属する女性研究者からの卵子提供は全面的に禁止する。男性研究者の妻や女性親族なども禁止するが、どこまでを禁止の対象とするかは今後検討する。』
アカデミック・ハラスメントとは研究教育の場における権力を利用した嫌がらせ行為で研究教育の場でのセクハラも含んだもののようである.卵子提供は女性にしかできないことであるから女性研究者からの卵子提供はセクハラの要素もかなり高い.男性研究者の妻や女性親族などを対象にすることも同様だろう.
だが,それ以上に不妊治療の女性などが対象になっているのではないかということがふと気になったのだがどうなのだろうか.どうしても治療してもらっているほうは立場が弱いので研究のためと言われると断りたくても断りにくいということはないのだろうか.
臓器移植に関しても同様のことが危惧される.2003年11月30日の日記に書いたが,「件数が伸び悩んでいる脳死臓器移植の普及を図ろうと、日本低温医学会は二十七日、札幌市内で開いたシンポジウムに医師や看護師、医薬品メーカー社員などの医療従事者約二百人を集め、率先してドナーカードを持つよう呼び掛けた。」などというのも考えようによっては踏み絵のようなものでこの業界にいる人に臓器提供を押し付けているようなものだろう.
ドナーカードに臓器提供拒否と書いていない人は提供者というのもデフォルトを賛成にすれば提供者が増えるというとんでもない期待感があるのが明らかで,あまり公正なやり方とは思えない.中国の死刑囚から日本人への臓器移植だって人権意識の低い中国ならではの方法であり売春ツアーと根っこは同じような気がする.
話をもとに戻すが,研究の結果を要求するあまり倫理観を失うのは科学者にありがちなことであるが,目的のために手段を選ばないというのはやはりあってはならないことだし,そうして得られた成果は一時的には評価されても歴史的には自ら輝きを失うに違いない.中でもライフサイエンスを研究対象とするものには強い自制心が必要だろう.
ヒトクローン胚(はい)研究の指針作りを進めている文部科学省は、胚の作製や利用にあたる研究チームが、チーム内の女性や研究者の親族の女性から卵子提供を受けるのを禁止する方針を固めた。6日の同省科学技術・学術審議会の作業部会で決定する。
研究に必要な卵子の確保は、ボランティアで提供してくれる人は少なく、非常に難しいのが実情だ。このため、上司の研究者が、部下の女性研究者に卵子の提供を強要する“アカデミック・ハラスメント”が起こる恐れがある。
実際、ヒトクローン胚由来のES細胞の論文をねつ造した韓国ソウル大の黄禹錫(ファン・ウソク)教授は、研究チームの女性研究者から卵子提供を受け、倫理的問題が指摘されていた。作業部会はそれを教訓にした。
指針では、研究チームに属する女性研究者からの卵子提供は全面的に禁止する。男性研究者の妻や女性親族なども禁止するが、どこまでを禁止の対象とするかは今後検討する。』
アカデミック・ハラスメントとは研究教育の場における権力を利用した嫌がらせ行為で研究教育の場でのセクハラも含んだもののようである.卵子提供は女性にしかできないことであるから女性研究者からの卵子提供はセクハラの要素もかなり高い.男性研究者の妻や女性親族などを対象にすることも同様だろう.
だが,それ以上に不妊治療の女性などが対象になっているのではないかということがふと気になったのだがどうなのだろうか.どうしても治療してもらっているほうは立場が弱いので研究のためと言われると断りたくても断りにくいということはないのだろうか.
臓器移植に関しても同様のことが危惧される.2003年11月30日の日記に書いたが,「件数が伸び悩んでいる脳死臓器移植の普及を図ろうと、日本低温医学会は二十七日、札幌市内で開いたシンポジウムに医師や看護師、医薬品メーカー社員などの医療従事者約二百人を集め、率先してドナーカードを持つよう呼び掛けた。」などというのも考えようによっては踏み絵のようなものでこの業界にいる人に臓器提供を押し付けているようなものだろう.
ドナーカードに臓器提供拒否と書いていない人は提供者というのもデフォルトを賛成にすれば提供者が増えるというとんでもない期待感があるのが明らかで,あまり公正なやり方とは思えない.中国の死刑囚から日本人への臓器移植だって人権意識の低い中国ならではの方法であり売春ツアーと根っこは同じような気がする.
話をもとに戻すが,研究の結果を要求するあまり倫理観を失うのは科学者にありがちなことであるが,目的のために手段を選ばないというのはやはりあってはならないことだし,そうして得られた成果は一時的には評価されても歴史的には自ら輝きを失うに違いない.中でもライフサイエンスを研究対象とするものには強い自制心が必要だろう.
『 -- 認知症で退去「問題」 国民生活センター改善要望 --
急増する有料老人ホームについて調べていた国民生活センターは3日、「終身利用」「終身介護」などと宣伝しながら、認知症や介護度の重度化などを理由に退去させることができる重要事項説明書の条項には問題がある、とする報告書をまとめ、厚生労働省に改善を要望した。
昨夏、全国1530施設にアンケート用紙を送り、785施設(51.3%)から回答を得た。
過去3年間に退去者(死亡を除く)がいるホームは82.7%。理由は「病気治療」(63.2%)「けがの治療」(17.6%)が多かったが、「大声や暴力、徘徊(はいかい)など利用者が迷惑」(9.1%)「高齢化に対応できない」(5.9%)もあった。事業者側は契約時の重要事項説明書にある「信頼関係を維持できなくなった場合」「共同生活の秩序を乱す行為があったとき」などの条項を根拠としているという。
同センターは「事業者側は契約前に、提供するサービスの内容について種類や回数を明示するとともに、介護できないケースも具体的に示す必要がある」としている。
00年の介護保険スタート後、有料老人ホームは急増。99年の303カ所から約5倍に増えた。同センターなどへの消費者相談も00年以降、約900件に上っている。 』
実はこの問題は有料老人ホームだけではない.グループホームなどに一時的に入所しても認知症が悪化して介護できなくなるケースが珍しくない.認知症の老人は生活環境を変えると症状が悪化することはよくあることなのだ.最近は高齢者が他の病気で入院中に認知症が悪化したために入院の原因となった病気が治っても自宅へ帰れなくこともある.
社会的入院といわれている中にはこのような患者さんたちも実は含まれていたのだが,療養型病床の再編によってこれからはこういった入院は難しくなるだろう.厚生労働省はこういった患者さんを自宅または介護保険施設に引き取らせるつもりなのだろうが,そう上手いくのだろうか.やはり官僚お得意の机上の空論のような気がしてならない.
私の外来にもグループホーム入所中の70歳前後の脳梗塞後遺症の男性が認知症が悪化したために女性職員に連れられて受診してきた.グループホームで手に負えないから入院させてくれとグループホームの人は言いたいらしい.だが,すでにベッドは満床だし認知症は入院しても改善するどころか悪化することが多いのである.4月からは療養病床の診療報酬区分がどのようになるのかもまだよくわからない.結局,丁重にお断りした.その直後である.施設の女性はその老人を怒鳴りつけ,追い立てながら帰っていったのである.
家族だって自宅で看てあげられないから施設に入所させているのだろう.認知症の人に罪はないだろうに,なんであんな目に遭わなければならないのだろうか.家族は知っているのだろうか.私は介護保険施設を訪問したことはないが,暗い一面を見たようでいやな思いがしたのを憶えている.老人ホームからも施設からもそして病院からも追い出された認知症の人たちはいったいどこへ流されていくのだろうか.
急増する有料老人ホームについて調べていた国民生活センターは3日、「終身利用」「終身介護」などと宣伝しながら、認知症や介護度の重度化などを理由に退去させることができる重要事項説明書の条項には問題がある、とする報告書をまとめ、厚生労働省に改善を要望した。
昨夏、全国1530施設にアンケート用紙を送り、785施設(51.3%)から回答を得た。
過去3年間に退去者(死亡を除く)がいるホームは82.7%。理由は「病気治療」(63.2%)「けがの治療」(17.6%)が多かったが、「大声や暴力、徘徊(はいかい)など利用者が迷惑」(9.1%)「高齢化に対応できない」(5.9%)もあった。事業者側は契約時の重要事項説明書にある「信頼関係を維持できなくなった場合」「共同生活の秩序を乱す行為があったとき」などの条項を根拠としているという。
同センターは「事業者側は契約前に、提供するサービスの内容について種類や回数を明示するとともに、介護できないケースも具体的に示す必要がある」としている。
00年の介護保険スタート後、有料老人ホームは急増。99年の303カ所から約5倍に増えた。同センターなどへの消費者相談も00年以降、約900件に上っている。 』
実はこの問題は有料老人ホームだけではない.グループホームなどに一時的に入所しても認知症が悪化して介護できなくなるケースが珍しくない.認知症の老人は生活環境を変えると症状が悪化することはよくあることなのだ.最近は高齢者が他の病気で入院中に認知症が悪化したために入院の原因となった病気が治っても自宅へ帰れなくこともある.
社会的入院といわれている中にはこのような患者さんたちも実は含まれていたのだが,療養型病床の再編によってこれからはこういった入院は難しくなるだろう.厚生労働省はこういった患者さんを自宅または介護保険施設に引き取らせるつもりなのだろうが,そう上手いくのだろうか.やはり官僚お得意の机上の空論のような気がしてならない.
私の外来にもグループホーム入所中の70歳前後の脳梗塞後遺症の男性が認知症が悪化したために女性職員に連れられて受診してきた.グループホームで手に負えないから入院させてくれとグループホームの人は言いたいらしい.だが,すでにベッドは満床だし認知症は入院しても改善するどころか悪化することが多いのである.4月からは療養病床の診療報酬区分がどのようになるのかもまだよくわからない.結局,丁重にお断りした.その直後である.施設の女性はその老人を怒鳴りつけ,追い立てながら帰っていったのである.
家族だって自宅で看てあげられないから施設に入所させているのだろう.認知症の人に罪はないだろうに,なんであんな目に遭わなければならないのだろうか.家族は知っているのだろうか.私は介護保険施設を訪問したことはないが,暗い一面を見たようでいやな思いがしたのを憶えている.老人ホームからも施設からもそして病院からも追い出された認知症の人たちはいったいどこへ流されていくのだろうか.
厚く固い氷もいずれは解ける.
待ってさえいればいずれ春はやってくる.
それぞれ問題を抱えているんでしょうが,寒いときは身を縮め暖かくなったら伸びをするのが人間というものだと思います.
それはわかっていても,早く解けて春になれ!って思いますね.
皆さま今週もご苦労様でした.
待ってさえいればいずれ春はやってくる.
それぞれ問題を抱えているんでしょうが,寒いときは身を縮め暖かくなったら伸びをするのが人間というものだと思います.
それはわかっていても,早く解けて春になれ!って思いますね.
皆さま今週もご苦労様でした.
『 -- PET検診、がんの85%見落とし…がんセンター調査 --
国立がんセンター(東京)の内部調査で、画像検査PET(ペット、陽電子放射断層撮影)によるがん検診では85%のがんが見落とされていたことが分かった。
PET検診は「全身の小さながんが一度に発見できる、がん検診の切り札」と期待され、急速に広がっているが、効果に疑問符がついた形だ。
PETは、放射性物質が含まれた薬剤を注射し、がんに集まる放射線を検出してがんを発見する装置。
同センター内に設置された「がん予防・検診研究センター」では、2004年2月から1年間に、約3000人が超音波、CT、血液などの検査に加えPET検査を受け、150人にがんが見つかった。
ところが、この150人のうち、PETでがんがあると判定された人は23人(15%)しかいなかった。残りの85%は超音波、CT、内視鏡など他の方法でがんが発見されており、PETでは検出できなかった。
がんの種類別では、大腸がんが見つかった32人のうち、PETでもがんと判定された人は4人(13%)。胃がんでは22人中1人(4%)だった。
PETによる発見率が比較的高いとされる肺がんでも28人中6人(21%)、甲状腺がんで11人中4人(36%)にとどまった。
PETは1994年ごろから使われ始め、現在は100近くの医療機関が導入、多くでがん検診にも使われている。がん検診には保険がきかないため、10〜20万円程度の費用がかかる。日本核医学会の調査では、2004年9月の1か月間だけで4600人が受診した。PET検診と温泉ツアーなどをセットにした旅行企画も売り出されている。
国立がんセンターの村松幸男検診部長は「PETでは『小さながんを見つけやすい』と言われてきたが、早期がんでは他の検査に比べ検出率が低かった。PET検診の意義は小さいのではないか」と話している。
民間医療機関のがん検診では、がんのうちPETで検出されたのは64%、48%などのデータがある。国立がんセンターの超音波、CTなどを併用した検診では、がん発見率は一般の医療機関に比べ高いため、相対的にPETでの発見率が低下した可能性がある。』
PET検診なんて自由診療だから扱いとしては美容整形と同じである.だから信じる人だけ受診すればよいのだからそれでいいのではと思うのだが,そうもいかないらしい.がんがあるのにないと診断される確率が85%もあるのでは検診といえるかどうか疑問である.
「民間医療機関のがん検診では、がんのうちPETで検出されたのは64%、48%などのデータがある。」などといっても自分に都合のいいデータしか出さない施設が多いだろうから信用できない.むしろ利害の少ないがんセンターのデータの方が信憑性が高いだろう.
温泉ツアーやゴルフツアーなどの観光とのセットに惹かれてわざわざ北海道まで出かける人もいるようだが,まあ仕事を休む口実としてはいいのかもしれない.
国立がんセンター(東京)の内部調査で、画像検査PET(ペット、陽電子放射断層撮影)によるがん検診では85%のがんが見落とされていたことが分かった。
PET検診は「全身の小さながんが一度に発見できる、がん検診の切り札」と期待され、急速に広がっているが、効果に疑問符がついた形だ。
PETは、放射性物質が含まれた薬剤を注射し、がんに集まる放射線を検出してがんを発見する装置。
同センター内に設置された「がん予防・検診研究センター」では、2004年2月から1年間に、約3000人が超音波、CT、血液などの検査に加えPET検査を受け、150人にがんが見つかった。
ところが、この150人のうち、PETでがんがあると判定された人は23人(15%)しかいなかった。残りの85%は超音波、CT、内視鏡など他の方法でがんが発見されており、PETでは検出できなかった。
がんの種類別では、大腸がんが見つかった32人のうち、PETでもがんと判定された人は4人(13%)。胃がんでは22人中1人(4%)だった。
PETによる発見率が比較的高いとされる肺がんでも28人中6人(21%)、甲状腺がんで11人中4人(36%)にとどまった。
PETは1994年ごろから使われ始め、現在は100近くの医療機関が導入、多くでがん検診にも使われている。がん検診には保険がきかないため、10〜20万円程度の費用がかかる。日本核医学会の調査では、2004年9月の1か月間だけで4600人が受診した。PET検診と温泉ツアーなどをセットにした旅行企画も売り出されている。
国立がんセンターの村松幸男検診部長は「PETでは『小さながんを見つけやすい』と言われてきたが、早期がんでは他の検査に比べ検出率が低かった。PET検診の意義は小さいのではないか」と話している。
民間医療機関のがん検診では、がんのうちPETで検出されたのは64%、48%などのデータがある。国立がんセンターの超音波、CTなどを併用した検診では、がん発見率は一般の医療機関に比べ高いため、相対的にPETでの発見率が低下した可能性がある。』
PET検診なんて自由診療だから扱いとしては美容整形と同じである.だから信じる人だけ受診すればよいのだからそれでいいのではと思うのだが,そうもいかないらしい.がんがあるのにないと診断される確率が85%もあるのでは検診といえるかどうか疑問である.
「民間医療機関のがん検診では、がんのうちPETで検出されたのは64%、48%などのデータがある。」などといっても自分に都合のいいデータしか出さない施設が多いだろうから信用できない.むしろ利害の少ないがんセンターのデータの方が信憑性が高いだろう.
温泉ツアーやゴルフツアーなどの観光とのセットに惹かれてわざわざ北海道まで出かける人もいるようだが,まあ仕事を休む口実としてはいいのかもしれない.
責任のとり方
2006年3月3日『 -- 駒大苫小牧高、選抜出場を辞退 香田監督も辞任 --
昨年の夏の甲子園(第87回全国高校野球選手権大会)で57年ぶりの連覇を達成した駒大苫小牧高(北海道苫小牧市)が3日、出場が決まっていた春の選抜大会の辞退を決めた。主力選手を含む3年生部員10人が1日夜、卒業式の後に同市内の居酒屋で飲酒や喫煙をし、警察に補導されたことの責任を取った。
「夏春連覇」の夢は、不祥事でついえた。香田誉士史・野球部監督と佐々木宣昭・野球部部長が辞任、篠原勝昌校長も辞職届を提出した。
同校は、昨年8月の夏の大会連覇直後、前野球部長による部員への暴力事件が発覚し、日本学生野球協会から、部長に1年間の謹慎、野球部に警告処分が下された。
04年夏の大会で北海道代表として初優勝後、05年の春の選抜では2回戦で敗れたが、同年夏の大会を再び制した。昨夏の不祥事発覚後も、国体、明治神宮野球大会を続けて制し、夏の甲子園予選からの公式戦連勝を29に伸ばしていた。 』
教育者として生徒たちに社会のルールをちゃんと教えなかったことの責任を大人たちがとるのはあたりまえのことだろう.出場辞退もそれが高校野球のルールなのだからあたりまえである.一方で,未成年者に酒を出していた居酒屋はお咎めなしなんだろうかと疑問が残る.
世の中には色々な意見があるのだろうが,ダメなものはダメときちんと言えない大人にとっては耳の痛い話であろう.日本の政治家や官僚たちは相変わらずきちんと責任がとれないようだが,少しは駒苫の先生たちを見習ってはいかがだろうか.
昨年の夏の甲子園(第87回全国高校野球選手権大会)で57年ぶりの連覇を達成した駒大苫小牧高(北海道苫小牧市)が3日、出場が決まっていた春の選抜大会の辞退を決めた。主力選手を含む3年生部員10人が1日夜、卒業式の後に同市内の居酒屋で飲酒や喫煙をし、警察に補導されたことの責任を取った。
「夏春連覇」の夢は、不祥事でついえた。香田誉士史・野球部監督と佐々木宣昭・野球部部長が辞任、篠原勝昌校長も辞職届を提出した。
同校は、昨年8月の夏の大会連覇直後、前野球部長による部員への暴力事件が発覚し、日本学生野球協会から、部長に1年間の謹慎、野球部に警告処分が下された。
04年夏の大会で北海道代表として初優勝後、05年の春の選抜では2回戦で敗れたが、同年夏の大会を再び制した。昨夏の不祥事発覚後も、国体、明治神宮野球大会を続けて制し、夏の甲子園予選からの公式戦連勝を29に伸ばしていた。 』
教育者として生徒たちに社会のルールをちゃんと教えなかったことの責任を大人たちがとるのはあたりまえのことだろう.出場辞退もそれが高校野球のルールなのだからあたりまえである.一方で,未成年者に酒を出していた居酒屋はお咎めなしなんだろうかと疑問が残る.
世の中には色々な意見があるのだろうが,ダメなものはダメときちんと言えない大人にとっては耳の痛い話であろう.日本の政治家や官僚たちは相変わらずきちんと責任がとれないようだが,少しは駒苫の先生たちを見習ってはいかがだろうか.
『 -- 駒大苫小牧高3年生野球部員ら14人、飲酒・喫煙で補導 --
卒業式を終えた野球部の3年生部員10人とバスケットボール部員らが市内の居酒屋で飲酒・喫煙して補導された駒大苫小牧高校
夏の甲子園で連覇を果たし、今春の選抜大会への出場が決まっている駒大苫小牧高校(北海道苫小牧市)の野球部員10人を含む3年生14人が、同市内の居酒屋で飲酒や喫煙をして警察に補導されていたことが2日分かった。同校では昨夏の優勝後にも、当時の野球部長の暴力事件が発覚している。
同校などによると、卒業式があった1日の夜、野球部10人、バスケットボール部4人の3年生ばかり計14人が、市内の居酒屋で飲酒、喫煙するなどしていた。店内で騒いだため、別の客が通報した。野球部員の中には昨夏の優勝時のベンチ入りメンバー5人も含まれていたという。
卒業式後、校内であった野球部父母会主催のお別れ会の後、野球部員らは居酒屋に向かったらしい。補導された部員や保護者らは、学校に対して「大変なことをした」「申し訳ない」などと話しているという。同校では部員らに事情を聴く一方、3日にも臨時職員会議などを開いて対応を協議することにしている。
同校は、昨年夏にも当時の部長が、3年生の部員に2度暴力を振るったことが発覚、部長らが処分されている。
篠原勝昌校長は「道義的な責任は感じている。今後の対応は、最終的に私が判断したい」と話している。
日本高校野球連盟は今回の不祥事について、8日の審議委員会で対応を協議するとしている。』
卒業日までは登録が残っているそうだから,卒業した3年生も当然野球部員として処分され,その影響は今春の選抜大会まで及ぶというのがルールを厳密に適用するということだろう.
卒業式が終わった開放感でやってしまったんだろうが,そんな甘い考えは通用しないということを勉強するいい機会になっただろう.後輩たちには迷惑な話であろうが,やってしまったことはもうなかったことにはできないのである.かわいそうだが学校も残された野球部員もだまって処分を待つしかないだろう.
野球で有名になったことで普段の行動も注目されているのに不祥事を起してしまった責任は彼ら自身がとらなければいけないし,まだ若いんだから甘い考え方を反省する時間も十分あるだろう.だから彼らについては残念ではあるが責めるつもりはない.
むしろ責められるべきは周囲の大人たちであろう.野球部の指導者はもちろん学校の中にだれかがこういう事態を予測して教えておけばこんなことは起こらなかっただろう.また,野球部を応援していた地域の大人たちも注意しなかったのだろうか.この居酒屋で働いていた大人たちは気づかなかったのだろうか.
まあ,大学の新歓コンパがいい例で,実際には高校を卒業したら酒も煙草もやっているのであろうが,それはやっぱりルール違反なのである.問題にならなければいいのだろうが,現実に問題になることも多々あるわけで,甘い考えでいると痛い目に会うということを本人達も周囲の大人も学習したということでいいのかもしれない.
卒業式を終えた野球部の3年生部員10人とバスケットボール部員らが市内の居酒屋で飲酒・喫煙して補導された駒大苫小牧高校
夏の甲子園で連覇を果たし、今春の選抜大会への出場が決まっている駒大苫小牧高校(北海道苫小牧市)の野球部員10人を含む3年生14人が、同市内の居酒屋で飲酒や喫煙をして警察に補導されていたことが2日分かった。同校では昨夏の優勝後にも、当時の野球部長の暴力事件が発覚している。
同校などによると、卒業式があった1日の夜、野球部10人、バスケットボール部4人の3年生ばかり計14人が、市内の居酒屋で飲酒、喫煙するなどしていた。店内で騒いだため、別の客が通報した。野球部員の中には昨夏の優勝時のベンチ入りメンバー5人も含まれていたという。
卒業式後、校内であった野球部父母会主催のお別れ会の後、野球部員らは居酒屋に向かったらしい。補導された部員や保護者らは、学校に対して「大変なことをした」「申し訳ない」などと話しているという。同校では部員らに事情を聴く一方、3日にも臨時職員会議などを開いて対応を協議することにしている。
同校は、昨年夏にも当時の部長が、3年生の部員に2度暴力を振るったことが発覚、部長らが処分されている。
篠原勝昌校長は「道義的な責任は感じている。今後の対応は、最終的に私が判断したい」と話している。
日本高校野球連盟は今回の不祥事について、8日の審議委員会で対応を協議するとしている。』
卒業日までは登録が残っているそうだから,卒業した3年生も当然野球部員として処分され,その影響は今春の選抜大会まで及ぶというのがルールを厳密に適用するということだろう.
卒業式が終わった開放感でやってしまったんだろうが,そんな甘い考えは通用しないということを勉強するいい機会になっただろう.後輩たちには迷惑な話であろうが,やってしまったことはもうなかったことにはできないのである.かわいそうだが学校も残された野球部員もだまって処分を待つしかないだろう.
野球で有名になったことで普段の行動も注目されているのに不祥事を起してしまった責任は彼ら自身がとらなければいけないし,まだ若いんだから甘い考え方を反省する時間も十分あるだろう.だから彼らについては残念ではあるが責めるつもりはない.
むしろ責められるべきは周囲の大人たちであろう.野球部の指導者はもちろん学校の中にだれかがこういう事態を予測して教えておけばこんなことは起こらなかっただろう.また,野球部を応援していた地域の大人たちも注意しなかったのだろうか.この居酒屋で働いていた大人たちは気づかなかったのだろうか.
まあ,大学の新歓コンパがいい例で,実際には高校を卒業したら酒も煙草もやっているのであろうが,それはやっぱりルール違反なのである.問題にならなければいいのだろうが,現実に問題になることも多々あるわけで,甘い考えでいると痛い目に会うということを本人達も周囲の大人も学習したということでいいのかもしれない.
法の下の平等ってなんだっけ
2006年3月2日 社会の問題 コメント (4)『 -- 松本被告の次男の入学拒否 埼玉の私立中 --
オウム真理教元代表・松本智津夫(麻原彰晃)被告(51)=一審死刑、控訴中=の次男が私立中学を受験して合格したが、学校側が入学を拒否していたことが2日分かった。
入学を拒否したのは埼玉県春日部市の春日部共栄中学校。次男の代理人の弁護士によると、合格発表は1月18日。入学金を支払った後の2月7日、学校側から電話で「松本被告の息子とわかったため、入学を辞退してほしい」と言われたという。
学校側は2月11日、代理人の弁護士に対し、学校敷地内への次男の立ち入りを禁ずると通告。その後、「2月19日の入学説明会に来なかったから形式的にも入学資格がない。入学金などを返還するため振込先の口座を教えてほしい」と内容証明郵便を送ってきたという。次男の代理人は「仮処分申請や提訴を含めて対応を検討したい」としている。
松本被告の三女も03年と04年、合格した複数の大学に入学を拒まれた。このうち和光大について、東京地裁は今年2月、「不許可は違法」として損害賠償を命じる判決を出した。三女は別の私立大にも入学を拒否され、学生としての地位保全を求める仮処分を申請。東京地裁がこれを認め、現在はこの大学に通っている。
〈春日部共栄中の矢口秀樹校長の話〉 中学生は互いに影響しあいながら勉強することが大事。保護者も安心して通わせることを求めている。教団の影響下にないとは言い切れない生徒を入学させれば大きな支障が出る恐れがある。本人に罪はないが、現在の教育環境を守りたい。』
あまりに情けないやり方である.生徒を選別するのは学校側の自由なのだろうが,それにしても電話で「松本被告の息子とわかったため、入学を辞退してほしい」と言ったあとに,「2月19日の入学説明会に来なかったから形式的にも入学資格がない。」と付け加えるあたりその理由がなんとも情けない.
学校側も他の保護者からのクレームを恐れたのだろう.教育者としての誇りというものはないのだろう.「本人に罪はないが、現在の教育環境を守りたい。」と言ってみたところで厄介ばらいしたいという本音がみえみえで空々しい.
本当に本人に罪がないと思っているのなら,正しく教育して教団から救済するのが真の教育者なのではないだろうか.これは建前論のように聞こえるかも知れないが,教育が大人の本音と都合で行われたら生徒のほうもばかばかしくて付き合ってられないのではないだろうか.
教育の現場にさえ理想とか高い志というものがないのだから,高校生になる頃には『享楽的で、「人並み」意識が強く、意欲が少ない』つまらない大人みたいになってしまうのも無理はないのかもしれない.
オウム真理教元代表・松本智津夫(麻原彰晃)被告(51)=一審死刑、控訴中=の次男が私立中学を受験して合格したが、学校側が入学を拒否していたことが2日分かった。
入学を拒否したのは埼玉県春日部市の春日部共栄中学校。次男の代理人の弁護士によると、合格発表は1月18日。入学金を支払った後の2月7日、学校側から電話で「松本被告の息子とわかったため、入学を辞退してほしい」と言われたという。
学校側は2月11日、代理人の弁護士に対し、学校敷地内への次男の立ち入りを禁ずると通告。その後、「2月19日の入学説明会に来なかったから形式的にも入学資格がない。入学金などを返還するため振込先の口座を教えてほしい」と内容証明郵便を送ってきたという。次男の代理人は「仮処分申請や提訴を含めて対応を検討したい」としている。
松本被告の三女も03年と04年、合格した複数の大学に入学を拒まれた。このうち和光大について、東京地裁は今年2月、「不許可は違法」として損害賠償を命じる判決を出した。三女は別の私立大にも入学を拒否され、学生としての地位保全を求める仮処分を申請。東京地裁がこれを認め、現在はこの大学に通っている。
〈春日部共栄中の矢口秀樹校長の話〉 中学生は互いに影響しあいながら勉強することが大事。保護者も安心して通わせることを求めている。教団の影響下にないとは言い切れない生徒を入学させれば大きな支障が出る恐れがある。本人に罪はないが、現在の教育環境を守りたい。』
あまりに情けないやり方である.生徒を選別するのは学校側の自由なのだろうが,それにしても電話で「松本被告の息子とわかったため、入学を辞退してほしい」と言ったあとに,「2月19日の入学説明会に来なかったから形式的にも入学資格がない。」と付け加えるあたりその理由がなんとも情けない.
学校側も他の保護者からのクレームを恐れたのだろう.教育者としての誇りというものはないのだろう.「本人に罪はないが、現在の教育環境を守りたい。」と言ってみたところで厄介ばらいしたいという本音がみえみえで空々しい.
本当に本人に罪がないと思っているのなら,正しく教育して教団から救済するのが真の教育者なのではないだろうか.これは建前論のように聞こえるかも知れないが,教育が大人の本音と都合で行われたら生徒のほうもばかばかしくて付き合ってられないのではないだろうか.
教育の現場にさえ理想とか高い志というものがないのだから,高校生になる頃には『享楽的で、「人並み」意識が強く、意欲が少ない』つまらない大人みたいになってしまうのも無理はないのかもしれない.
『日本の高校生は意欲足りない 日米中韓で意識調査
享楽的で、「人並み」意識が強く、意欲が少ない――。こんな日本の高校生像が、日本、米国、中国、韓国の4カ国の高校生の生活意識に関する調査結果から浮かび上がった。調査を実施した財団法人「日本青少年研究所」などが1日、公表した。「あれもこれもやりたい」と意欲的な他国に比べ、趣味や友人関係、学業など生活全般にわたって「希望」が少ないことが特徴だ。
調査は昨年10〜12月、各国で約1000〜3000人の高校生を抽出して実施。日本は全国の12都県で1342人に聞いた。調査内容は関心事や悩み事、満足感など多岐にわたる。
他の3カ国と、日本の高校生の回答が大きく違ったのは、「現在、一番大事にしていることは」という設問だった。3カ国が多くの「希望」に丸をつけたのに、日本の生徒の回答は圧倒的に「やりたいことがない」という結果になった。
この設問は、「遊んだり好きなことをしたりする」「希望の大学に入学すること」「何か特技をもつこと」「好きな異性と仲良くなること」など、自分の「希望」に関する16項目を挙げ、あてはまるものに丸をつけさせるもの。
例えば、他の3カ国とも7割以上の生徒が「成績がよくなること」を希望したのに、日本は33%。「友人関係がうまくいくこと」は日本の高校生も最も多く希望したが、40%どまりで、米国の67%、中国の53%、韓国の44%と、差がついた。』
子供らしくないというか,精神的に大人なんだけど未来に希望が持てないし,あったとしても実現する自信が持てないから「やりたいことがない」となるのだろうか.
だが,抽出した母集団に偏りがあったかもしれないし,自分だって高校生の頃は三無主義(無気力,無関心,無責任?)とかいって何かを熱く語ったりしたらばかにされるみたいな風潮もあった.だから,本当のところは日本の高校生はアンケートに本気で答えないなんていう解釈でもいいのかもしれない.
でも,日本の大人はどうなんだろうか.脳外科医とはいえ日常の大半は外来や回診で患者さんと話をするわけだから病気を診ると同時にその患者さんの人間観察みたいなことになる.研修医のころは自分の仕事をこなすだけで精一杯だったのであまり気にならなかったが,最近は患者さんの人間としての中身をみる時間が増えたような気がする.
で,最近増えているような気がするのが『いい年して何考えてるんだ』という大人.これが各年代共に10年前より増えているような気がする.精神病ではないから増えることはないんだろうから,きっと病院に来る人に占める割合が高くなってきているんだろう.
そして年代ごとにピークがあり,70歳前後,55歳前後,そして30歳前後に多いような感じがする.これって教育環境に関係してるような気もする.突出しているのはなんといっても50代半ば,それも女性が多い.この年代の特徴は「他人の話をちゃんと聞けない」ということだ.
単に私の気のせいかもしれない.そう言えば,ゆとり教育に見直しがかかったようだが,その影響はきっとその世代がいなくなるまで続くのだろう.こう考えるとプーチン大統領が論文で言っていた教育の重大さに改めて気づかされる.
享楽的で、「人並み」意識が強く、意欲が少ない――。こんな日本の高校生像が、日本、米国、中国、韓国の4カ国の高校生の生活意識に関する調査結果から浮かび上がった。調査を実施した財団法人「日本青少年研究所」などが1日、公表した。「あれもこれもやりたい」と意欲的な他国に比べ、趣味や友人関係、学業など生活全般にわたって「希望」が少ないことが特徴だ。
調査は昨年10〜12月、各国で約1000〜3000人の高校生を抽出して実施。日本は全国の12都県で1342人に聞いた。調査内容は関心事や悩み事、満足感など多岐にわたる。
他の3カ国と、日本の高校生の回答が大きく違ったのは、「現在、一番大事にしていることは」という設問だった。3カ国が多くの「希望」に丸をつけたのに、日本の生徒の回答は圧倒的に「やりたいことがない」という結果になった。
この設問は、「遊んだり好きなことをしたりする」「希望の大学に入学すること」「何か特技をもつこと」「好きな異性と仲良くなること」など、自分の「希望」に関する16項目を挙げ、あてはまるものに丸をつけさせるもの。
例えば、他の3カ国とも7割以上の生徒が「成績がよくなること」を希望したのに、日本は33%。「友人関係がうまくいくこと」は日本の高校生も最も多く希望したが、40%どまりで、米国の67%、中国の53%、韓国の44%と、差がついた。』
子供らしくないというか,精神的に大人なんだけど未来に希望が持てないし,あったとしても実現する自信が持てないから「やりたいことがない」となるのだろうか.
だが,抽出した母集団に偏りがあったかもしれないし,自分だって高校生の頃は三無主義(無気力,無関心,無責任?)とかいって何かを熱く語ったりしたらばかにされるみたいな風潮もあった.だから,本当のところは日本の高校生はアンケートに本気で答えないなんていう解釈でもいいのかもしれない.
でも,日本の大人はどうなんだろうか.脳外科医とはいえ日常の大半は外来や回診で患者さんと話をするわけだから病気を診ると同時にその患者さんの人間観察みたいなことになる.研修医のころは自分の仕事をこなすだけで精一杯だったのであまり気にならなかったが,最近は患者さんの人間としての中身をみる時間が増えたような気がする.
で,最近増えているような気がするのが『いい年して何考えてるんだ』という大人.これが各年代共に10年前より増えているような気がする.精神病ではないから増えることはないんだろうから,きっと病院に来る人に占める割合が高くなってきているんだろう.
そして年代ごとにピークがあり,70歳前後,55歳前後,そして30歳前後に多いような感じがする.これって教育環境に関係してるような気もする.突出しているのはなんといっても50代半ば,それも女性が多い.この年代の特徴は「他人の話をちゃんと聞けない」ということだ.
単に私の気のせいかもしれない.そう言えば,ゆとり教育に見直しがかかったようだが,その影響はきっとその世代がいなくなるまで続くのだろう.こう考えるとプーチン大統領が論文で言っていた教育の重大さに改めて気づかされる.
犬の里親探しているそうです.
2006年3月1日 その他 コメント (1)『茨城県でブリーダーが倒産し、350頭の犬の大量放棄がありました。
現在80頭まで少なくなったそうですが、3月末までに里親が決まらない仔は、
すべて保健所送りになる予定だそうです。
1匹でも多くの仔に里親さんが見つかるようにご協力頂ければ…と思います。
よろしければみなさんのサイトにもLINK貼って頂けれると幸いです
くわしい内容は、アニマルレスキュー
http://ranmaru.mamanomise.net/animaru.resukyu/resukyu101.html 』
こんなブログを見つけました.興味のある方よろしく.
現在80頭まで少なくなったそうですが、3月末までに里親が決まらない仔は、
すべて保健所送りになる予定だそうです。
1匹でも多くの仔に里親さんが見つかるようにご協力頂ければ…と思います。
よろしければみなさんのサイトにもLINK貼って頂けれると幸いです
くわしい内容は、アニマルレスキュー
http://ranmaru.mamanomise.net/animaru.resukyu/resukyu101.html 』
こんなブログを見つけました.興味のある方よろしく.
『 -- iPodを居間に アップルが専用スピーカー発表 --
米アップルコンピュータは28日、大人気の携帯型音楽プレーヤー「iPod」シリーズのための専用スピーカー「iPod Hi―Fi(ハイファイ)」を発表した。
iPodを居間など家庭の中心でも使えるようにして、商機を広げる考えだ。大きさと形は靴を入れる紙箱をやや長めにしたようなもので、日本での希望小売価格は1台4万2800円。 』
『 -- ボーズ、新開発の低音再生技術を搭載した12cmの超小型スピーカー 電池駆動もOK --
ボーズは新開発の低音再生技術「ハイパーレゾネーター」を搭載した超小型スピーカー「Micro Music Monitor(M3)」を2006年3月3日に発売すると発表した。ダイレクト販売のみで、価格は49,980円(ペア)。
Micro Music Monitor(M3)は、独自技術のハイパーレゾネーターを採用した小型スピーカー。新開発した50mmのドライバーにはネオジウムマグネットを、エンクロージャーにはアルミを採用する。小音量でも豊かな音質を楽しめるという独自技術の「P.A.P.回路」や、デジタルアンプを内蔵。
電源は、ACアダプターのほか、単3形アルカリ電池(4本)も使用可能だ。出力は、ACアダプター使用時が20W×2、電池使用時が2W×2となる。
本体サイズは幅60.4×高さ122.0×奥行き122.5mm、重さは左右各600g。なお、M3の本体サイズは1982以来のロングセラーを記録する小型スピーカー「101MM」の1/6という小型化を実現している。』
もともとBOSEは好きで101MM,301MM,501MMと使っているし,初代Multi Media Speakerをわざわざ秋葉原から持ち帰ってきたくらいなのだが,Appleから純正のiPod用が発売されるとなると悩む.M3を買っちゃってからでなかったのが良かったような悪かったような.
もう,こうなったら両方を試聴してからにしようかと思ったらM3は通販でしか手に入らないみたい.でも,私のPower Book G4にはやっぱりM3の方が似合うかも...悩む.
米アップルコンピュータは28日、大人気の携帯型音楽プレーヤー「iPod」シリーズのための専用スピーカー「iPod Hi―Fi(ハイファイ)」を発表した。
iPodを居間など家庭の中心でも使えるようにして、商機を広げる考えだ。大きさと形は靴を入れる紙箱をやや長めにしたようなもので、日本での希望小売価格は1台4万2800円。 』
『 -- ボーズ、新開発の低音再生技術を搭載した12cmの超小型スピーカー 電池駆動もOK --
ボーズは新開発の低音再生技術「ハイパーレゾネーター」を搭載した超小型スピーカー「Micro Music Monitor(M3)」を2006年3月3日に発売すると発表した。ダイレクト販売のみで、価格は49,980円(ペア)。
Micro Music Monitor(M3)は、独自技術のハイパーレゾネーターを採用した小型スピーカー。新開発した50mmのドライバーにはネオジウムマグネットを、エンクロージャーにはアルミを採用する。小音量でも豊かな音質を楽しめるという独自技術の「P.A.P.回路」や、デジタルアンプを内蔵。
電源は、ACアダプターのほか、単3形アルカリ電池(4本)も使用可能だ。出力は、ACアダプター使用時が20W×2、電池使用時が2W×2となる。
本体サイズは幅60.4×高さ122.0×奥行き122.5mm、重さは左右各600g。なお、M3の本体サイズは1982以来のロングセラーを記録する小型スピーカー「101MM」の1/6という小型化を実現している。』
もともとBOSEは好きで101MM,301MM,501MMと使っているし,初代Multi Media Speakerをわざわざ秋葉原から持ち帰ってきたくらいなのだが,Appleから純正のiPod用が発売されるとなると悩む.M3を買っちゃってからでなかったのが良かったような悪かったような.
もう,こうなったら両方を試聴してからにしようかと思ったらM3は通販でしか手に入らないみたい.でも,私のPower Book G4にはやっぱりM3の方が似合うかも...悩む.
眼は口ほどに
2006年3月1日『 -- アイバンク登録者数、25年ぶり2万人割れ 昨年度末 --
死後に目の不自由な人へ角膜を提供する眼球提供の登録者数が減り、昨年度末には25年ぶりに2万人を下回ったことがわかった。角膜移植は現在、約4割を輸入された角膜に頼っており、日本アイバンク協会は「多くの人に登録してほしい」と呼びかけている。
登録制度は63年度に始まった。登録者は83年度の約7万9000人がピークで、その後は横ばいから減少傾向に移り、04年度末には1万9772人まで減った。
臓器提供の意思表示カードの配布が始まった97年の翌年度と翌々年度には、それぞれ約1万人も減少した。カードには眼球提供の項目もあり、眼球だけを登録するアイバンクの存在が目立たなくなったためらしい。
登録がなくても遺族が同意すれば提供は可能だが、角膜提供者数も86年度の1240人をピークに微減し、04年度は882人だった。現在、角膜疾患による視覚障害者は国内に約3万5000人。角膜移植は年間約2500件実施されているが、うち約1000件は米国などからの輸入に頼っている。
登録を希望する人は、全国に54あるアイバンクに申し込めば登録カードが手元に届く。角膜は死後6〜10時間に摘出されるのが望ましく、カードを見た遺族から申し出があれば、医師の派遣がスムーズに進むという。
協会の担当者は「提供者の善意で支えられる角膜移植をもっと知って欲しい」と訴えている。』
これって臓器提供の意思表示カードだけじゃだめって言うことなんだろうか.もっと制度がよくわかるようにPRすべきでしょうね.
『 -- コンタクトの適切使用を 厚労省がレンズ業者に通知 --
厚生労働省は27日、コンタクトレンズの使用方法について利用者に適切な情報を提供するよう、日本コンタクトレンズ協会を通じてメーカーや販売業者に通知した。
昨年12月に厚労省検討会が取りまとめた報告書は、レンズを定められた時間を超えて着けたり洗浄や殺菌が不十分だったりして、アレルギー性結膜炎などの目の障害が起きているケースが多いと指摘した。
また視力補正を目的としないおしゃれ用のカラーレンズは、薬事法の医療機器に当たらず厚労省が販売を規制できないが、国民生活センターがレンズ不良による目の障害を報告しているとして、消費者に安易な購入を助長しないよう求めた。』
おしゃれ用のカラーレンズでトラブっても健康保険は使うんでしょうから医療機器なみに安全基準をつくるべきなのではないでしょうか.
「眼は口ほどに物を言う」という言葉があるが,眼は視覚という特殊感覚のための感覚器であって大脳皮質の一部が変化してできた器官だそうだ.だから言い換えれば口で言わないことを眼が表情などをから察知するという意味なのであろう.それほど,人間の眼は相手の表情やそぶりの変化を詳細に観察できる能力があるというたとえだろう.
実際,脳への入力線維の4割ほどが視神経からの線維であると言われているから,眼(網膜)から脳へ送られる情報量は膨大なものであり,脳は後頭葉に視覚野と言われる視神経からの情報を処理するための専用の領域を持っている.一次視覚野とか二次視覚野と呼ばれ階層的な情報処理を行いより高度な認知への前処理を行っているようだ.
なぜ,こんな事を言うのかというと眼は小さな器官であるが,人間の脳にとって極めて重要な入力装置であるということを言いたかったのである.
私と同じ年齢でも老眼や白内障にすでになってしまい読書がつらくなったり,外科医としての寿命が残り少なくなってしまった医師もいる.私は仕事関係以外で読書はあまりしないが,顕微鏡手術や趣味の写真はまだまだやりたい.こう考えたら私の生活はほとんど見ることだけで成り立っているではないか.もっと見えるということに感謝しながら,これからは今まで以上に眼を大切に使っていこうと思う.
死後に目の不自由な人へ角膜を提供する眼球提供の登録者数が減り、昨年度末には25年ぶりに2万人を下回ったことがわかった。角膜移植は現在、約4割を輸入された角膜に頼っており、日本アイバンク協会は「多くの人に登録してほしい」と呼びかけている。
登録制度は63年度に始まった。登録者は83年度の約7万9000人がピークで、その後は横ばいから減少傾向に移り、04年度末には1万9772人まで減った。
臓器提供の意思表示カードの配布が始まった97年の翌年度と翌々年度には、それぞれ約1万人も減少した。カードには眼球提供の項目もあり、眼球だけを登録するアイバンクの存在が目立たなくなったためらしい。
登録がなくても遺族が同意すれば提供は可能だが、角膜提供者数も86年度の1240人をピークに微減し、04年度は882人だった。現在、角膜疾患による視覚障害者は国内に約3万5000人。角膜移植は年間約2500件実施されているが、うち約1000件は米国などからの輸入に頼っている。
登録を希望する人は、全国に54あるアイバンクに申し込めば登録カードが手元に届く。角膜は死後6〜10時間に摘出されるのが望ましく、カードを見た遺族から申し出があれば、医師の派遣がスムーズに進むという。
協会の担当者は「提供者の善意で支えられる角膜移植をもっと知って欲しい」と訴えている。』
これって臓器提供の意思表示カードだけじゃだめって言うことなんだろうか.もっと制度がよくわかるようにPRすべきでしょうね.
『 -- コンタクトの適切使用を 厚労省がレンズ業者に通知 --
厚生労働省は27日、コンタクトレンズの使用方法について利用者に適切な情報を提供するよう、日本コンタクトレンズ協会を通じてメーカーや販売業者に通知した。
昨年12月に厚労省検討会が取りまとめた報告書は、レンズを定められた時間を超えて着けたり洗浄や殺菌が不十分だったりして、アレルギー性結膜炎などの目の障害が起きているケースが多いと指摘した。
また視力補正を目的としないおしゃれ用のカラーレンズは、薬事法の医療機器に当たらず厚労省が販売を規制できないが、国民生活センターがレンズ不良による目の障害を報告しているとして、消費者に安易な購入を助長しないよう求めた。』
おしゃれ用のカラーレンズでトラブっても健康保険は使うんでしょうから医療機器なみに安全基準をつくるべきなのではないでしょうか.
「眼は口ほどに物を言う」という言葉があるが,眼は視覚という特殊感覚のための感覚器であって大脳皮質の一部が変化してできた器官だそうだ.だから言い換えれば口で言わないことを眼が表情などをから察知するという意味なのであろう.それほど,人間の眼は相手の表情やそぶりの変化を詳細に観察できる能力があるというたとえだろう.
実際,脳への入力線維の4割ほどが視神経からの線維であると言われているから,眼(網膜)から脳へ送られる情報量は膨大なものであり,脳は後頭葉に視覚野と言われる視神経からの情報を処理するための専用の領域を持っている.一次視覚野とか二次視覚野と呼ばれ階層的な情報処理を行いより高度な認知への前処理を行っているようだ.
なぜ,こんな事を言うのかというと眼は小さな器官であるが,人間の脳にとって極めて重要な入力装置であるということを言いたかったのである.
私と同じ年齢でも老眼や白内障にすでになってしまい読書がつらくなったり,外科医としての寿命が残り少なくなってしまった医師もいる.私は仕事関係以外で読書はあまりしないが,顕微鏡手術や趣味の写真はまだまだやりたい.こう考えたら私の生活はほとんど見ることだけで成り立っているではないか.もっと見えるということに感謝しながら,これからは今まで以上に眼を大切に使っていこうと思う.
『 -- ロシア・プーチン大統領論文 挑戦、可能性、責任 --
2006年を迎え、ロシアは主要国首脳会議(G8)議長国リレーのバトンを受け取った。私たちは、それがいかに重大な仕事で大きな責任を帯びているかを十分に理解している。取り組まなければならないのは、会合を主催するための膨大な作業だけではない。私たちには、この権威ある会合で何を優先するのか、方向性を話し合って決め、その内容を充実したものにするという重大な課題が課されている。
G8サミットは、世界の発展にかかわる重要問題の解決に向け、種々のアプローチを調整する最も重要なメカニズムの一つとして、すでに30年以上も機能してきた。
私たちは、重大かつ緊急を要する三つのテーマ、つまり世界的なエネルギーの安全保障、感染症との闘い、そして教育問題に力を集中するよう、パートナーの各国に呼び掛けている。これらの課題はいずれも、現代とこれからの世代を担う人々の生活の質と水準を向上させるという、全パートナーにとって明確な目的を達成するために設定されたものだ。
--
エネルギーの安全保障について、信頼でき、かつ包含的な体制を作り上げることがG8、そして国際社会全体の戦略的課題の一つであることは疑う余地がない。今日、地球規模でのエネルギー供給は、まさに社会経済の発展にとって最も重要な動力であり、地球上の数十億人の繁栄に直接影響を及ぼしている。
私たちは、G8議長を務める間にこの分野で現下の問題を解決するための基本的なアプローチを見いだすだけでなく、将来に向けた政策でも合意できるよう真剣に努力する決意だ。
現在、世界的なエネルギー供給にとって現実に脅威となっているのは、化石燃料市場の不安定さだ。特に、需要と供給の差が拡大している。アジア諸国でのエネルギー消費の増大は明らかだ。このような状況は地域間の景気の「落差」によって呼び起こされているだけではなく、政治や安全の分野での様々な問題にも原因がある。状況を正すには、国際社会が調和のとれた行動をとる必要がある。
世界の主要国にとって、エネルギー問題が地球規模になった以上、もはやそこからエネルギーの安全保障を切り離すことは不可能だと認識することが新しいアプローチの出発点となるはずだ。私たちがエネルギーの分野で運命をともにすることは、責任と危険と利益をも共有する、ということを意味する。
私たちは、地球規模でエネルギーの安全保障を達成するための戦略を作成することが特に重要だと考える。その土台には、価格的にも妥当で輸出国も輸入国も満足でき、長期的に持続して信頼できて、かつ環境的にも受け入れ可能なエネルギー供給――という原則が貫かれていなければならない。必要なのは、エネルギーの輸出入にかかわる国々の利害を調整することだけではない。既存のエネルギー資源を世界経済に安定的に供給するための方策と、エネルギーの節約計画や代替エネルギーをより積極的に導入するための方策も求められている。
バランスの取れた、ばらつきのないエネルギー供給。これが、現在と将来にわたって安全な世界を維持するのに必要な要素の一つであることは間違いない。私たちは後世に世界的なエネルギー体制を遺(のこ)し、子孫を紛争やエネルギー争奪のための非建設的な争いから守る義務がある。将来長きにわたる文明のための効果的な「エネルギーの基盤」を構築するための総合的アプローチを見いだすことが非常に重要だ。
ロシアは、革新的な技術開発のため、G8と国際社会全体が革新的な技術開発により緊密に努力を結集するよう訴えている。このことは、エネルギー資源が今日あるような形では完全に枯渇してしまうであろう未来における人類へのエネルギー供給のための技術的基盤を確保する第一歩となるだろう。
地球規模でエネルギーの安全保障を強固にすることはまた、社会と経済の発展の効率性を高めるため総合的なアプローチを生み出すことにもつながる。昨年の英国グレンイーグルズ・サミットでは、この面で重要な進展があった。何よりもまず、技術革新の奨励とエネルギーの節約、そして環境保全に向けた行動計画が採択された。私たちは、G8グループの行動、特にグレンイーグルズで採択された文書の実現に、G8ではない国々、とりわけ産業が発展中で成長著しい国々をも巻き込むことが極めて重要だと考える。
エネルギーの安全保障は主として先進国のためのものだ、と考えている人が多い。しかし、現在地球上では、約20億もの人々が近代的なエネルギー供給を受けられない状態にあることを忘れてはならない。電気を利用する機会すら与えられない人々も少なくない。彼らには実質的に、富や文明の成果を享受する道が閉ざされているのだ。
もちろん、エネルギーはそれ自体では貧困問題を解決しない。しかし、エネルギー資源の不足は各地で経済成長を阻害し、また、非合理的なエネルギーの利用は環境に惨事をもたらす――しかも、地域的な規模ではなく、地球規模で――ことにつながりかねない。
近年、専門家らは、発展途上国のエネルギー需要をまかなうために従来型ではないエネルギー源をより積極的に利用する可能性について熱心に議論している。この点で、代替エネルギー供給体制を確立し、導入することへのG8からの援助が特に切実な重要性を帯びている。
相互依存度が非常に高い現代の世界では、「エネルギー・エゴイズム」はいずれ行き詰まる、ということを認識しなければならない。エネルギー安全保障でロシアの立場が堅固で不変なのはこのためだ。私たちは、先進国の小さなグループを優先してエネルギーの再配分を行うだけでは地球規模の発展という課題と目標を達成することはできない、と確信している。私たちは、世界全体の利益を考慮したエネルギー安全保障の構築を目指す。人類にとってはおよそ、すべての国に安定したエネルギー供給を保証するバランスの取れた能力を持てばそれで十分であり、国際協力はそのための可能性を開くものだ。
--
人類はその歴史を通じて、自身の生存をおびやかす脅威、感染症との闘いを強いられてきた。一見、これまでに希望をいだかせる進歩が得られたようにも見える。確かに天然痘は最終的に根絶され、小児麻痺(ポリオ)との闘いも根絶に向けて最終段階に入った。しかし、私たちは今日においても、既存の疫病の突発と同時に、エイズや外来のウイルス性出血熱、マイコプラスマ感染症、鳥インフルエンザなど新しく、きわめて危険な病気にも直面している。感染症は現在、全世界で死因の三分の一を占めている。さらに専門家らは、近い将来、数百万人の命を奪う危険のある新種のインフルエンザが広域的に発生する可能性が高い、としている。
ロシアは、この分野でも積極的な活動を提案するつもりだ。とりわけ、鳥インフルエンザの撲滅と、人との間で感染する新種のインフルエンザを予防するための機動的なG8の行動計画を採択することもその一つだ。
G8は感染症の撲滅という大きな問題から身を置くことはできないし、すべきでもない。保健制度の発展や財政的な力量、学問的な潜在能力に格差が存在することが、感染症撲滅のための地球上の資産を公平に配分できない原因になっている。
世界のさまざまな地域にそれぞれの密度で広がる感染症は、一つの指標として社会や経済の問題を一目瞭然(りょうぜん)にあぶり出し、社会的な不平等を拡大し、さらに差別を助長していく。HIVやその他の危険な感染症に侵されて事実上社会からの脱落者として扱われ、病気だけではなく、社会生活への適応にも困難を背負わされた人々の問題はきわめて深刻だ。
基本的な問題がさらにもう一つある。近年、人類は頻繁に地震、洪水、津波の破壊的な力をその身で感じるようになった。都市化、交通網や産業インフラの拡大によって、私たちは過去と比べ、このような自然災害に対してずっと脆弱(ぜいじゃく)になっている。自然災害は、経済や社会に大きな損害を与えるだけではない。最も恐ろしいのは、災害によって感染症が突発的に誘発され、何千、何万の人々の命を奪うことだ。このため、もう一つの優先すべき課題として、自然災害がきっかけとなる感染症拡大に対して予防と対策となる地球規模での制度作りがあげられる。
感染症の発生と拡大に機動的に対応できる統一されたインフラ作りが可能かどうかについても、検討することも可能だろう。このインフラには、非常事態に機動的に対処するためのモニタリング制度や、科学的対処法などについての情報交換も含まれるに違いない。
いわゆる人道上の危機、とりわけ軍事的紛争と結びついた危機が大規模な感染症拡大の原因になっていることも多い。その結果、感染症発生元の本来の危険が何倍にも増幅されることになる。私は、G8がこのような非常事態の解決に向けた国際的な力を結集し、多面的な協力活動へ強い刺激を与えることができると確信している。
そして、もちろん、G8にとっては、学術的分野の強化、安全なワクチンの開発や将来性ある高度な感染症診断設備の製造に向けた国際社会の知識、資金の結集、啓発及び予防活動の推進を支援していくことも必要だ。
--
教育の分野での共有の課題も注目に値する。ポスト産業化の情報社会にあって、教育は生活の向上のため、かつ、経済発展のための重要かつ必要不可欠な要素になっている。教育は社会的な自覚と道徳的価値の向上、そして民主主義の強化にとって欠かせない要素の一つだ。さらに、技術が完全になるにしたがって、労働市場はより高度な能力を持った専門家を必要とするようになり、その結果、教育制度に求められる水準も高まっている。教育制度の目的や内容も変化している。現在、人びとにとって必要なのはただ単に知識や技術の量を獲得することではなく、常にそれを補い続け、新たな要求に適応できるようになることが求められている。
地球規模で伝わる情報に接することができるようになり、教育の方法論も根底から変わってきている。生涯学習への移行が始まり、総合教育のための前提条件が形成されつつある。もちろん、これらの流れは他に先駆けてまず先進国で起きている。その一方で、相変わらず初等教育を受けることにすら困難がある国、地域も少なくない。私たちはこれを「人道上の貧困」として、また国際社会にとっての重大な脅威として受け止めている。大衆的な無教育状態を放置すれば、文明間の分裂、外国人排斥プロパガンダ、民族的あるいは宗教的な過激主義の温床、そして最終的には国際テロ活動の温床が生まれるからだ。
発展途上国、そして世界全体で教育に対するもっと幅広く、系統だった方策を生み出すことが重要だ。特に、雇用問題を成功裏に解決するために、「教育」の概念には一般教育だけではなく、初等から高等まですべての学習レベルを含む専門技術教育も含めなければならない。
地球人口の移動性が高まり、移住問題が絶え間なく増大していく現状では、異なる文化のただ中に「入り込む」ことをめぐる問題は特別な意味合いを持っている。教育こそが、それぞれの文化、人種、宗教グループ間での社会的な順応を促す。そのために、先進国においても、途上国においても、教育制度の現代化に特別な注意を払わなければならない。
多くの発展途上国が、最先端を行く教育方法と情報技術の導入をめぐって深刻な困難に直面している。インターネットやその他の情報と知識を普及させるための新たな手段など、現代の最先端の資産を教育の分野で生産的に活用することが求められている。この問題をめぐって去年11月、情報社会について2度目の国際会合がチュニジアで開かれ、実りある議論が行われた。私たちはその結果を注意深く分析し、活用していく考えだ。
ロシアは、技術の進歩を活用し普及させるために不可欠な専門教育に必要とされる質の向上と共通化のために、国際社会の努力を一つのものとすることに力を尽くす用意がある。グローバルな経済発展のすべてのプレーヤーたち、そして国際労働市場そのものが、それを求めている。
教育機関がハイテク分野の要請に応えられるかどうかは、それぞれの国民経済が競争力を付けるために欠かせない条件となっている。
--
ロシアが議長国として重視する上記3点の問題とともに、G8では2006年、国際テロや大量破壊兵器拡散といった基本的な問題をめぐっても作業が続けられる。経済発展をめぐる協力や環境破壊の予防、国際経済、財政、貿易に関する問題もG8の関心の中心になる。私たちの努力はまた、これまでと同じように、中東、イラクなどでの地域紛争の解決や、アフガニスタン情勢の安定化にも注がれる。
どの国が議長国であろうと、G8で討議されている現代世界の問題に対して一国で余すところなく解決方法を提示することができないことは、私たちも十分に理解している。G8は、サミットを重ねて開くことで、その集団的な取り組みの結果、こうした問題に対する視線をより鮮明にして、最も効果的な解決方法を見つけようとしている。
ロシアもその方向で今後の動きに積極的に協力する考えだ。継承性と進化――これが、議長として活動し始めたロシアのモットーである。 』
エネルギー危機,エイズやインフルエンザ,教育と民主主義.
どれをとっても大きな問題.一読の価値はあると思う.
地球の明るい未来を描けるようになるのはいつだろうか.
2006年を迎え、ロシアは主要国首脳会議(G8)議長国リレーのバトンを受け取った。私たちは、それがいかに重大な仕事で大きな責任を帯びているかを十分に理解している。取り組まなければならないのは、会合を主催するための膨大な作業だけではない。私たちには、この権威ある会合で何を優先するのか、方向性を話し合って決め、その内容を充実したものにするという重大な課題が課されている。
G8サミットは、世界の発展にかかわる重要問題の解決に向け、種々のアプローチを調整する最も重要なメカニズムの一つとして、すでに30年以上も機能してきた。
私たちは、重大かつ緊急を要する三つのテーマ、つまり世界的なエネルギーの安全保障、感染症との闘い、そして教育問題に力を集中するよう、パートナーの各国に呼び掛けている。これらの課題はいずれも、現代とこれからの世代を担う人々の生活の質と水準を向上させるという、全パートナーにとって明確な目的を達成するために設定されたものだ。
--
エネルギーの安全保障について、信頼でき、かつ包含的な体制を作り上げることがG8、そして国際社会全体の戦略的課題の一つであることは疑う余地がない。今日、地球規模でのエネルギー供給は、まさに社会経済の発展にとって最も重要な動力であり、地球上の数十億人の繁栄に直接影響を及ぼしている。
私たちは、G8議長を務める間にこの分野で現下の問題を解決するための基本的なアプローチを見いだすだけでなく、将来に向けた政策でも合意できるよう真剣に努力する決意だ。
現在、世界的なエネルギー供給にとって現実に脅威となっているのは、化石燃料市場の不安定さだ。特に、需要と供給の差が拡大している。アジア諸国でのエネルギー消費の増大は明らかだ。このような状況は地域間の景気の「落差」によって呼び起こされているだけではなく、政治や安全の分野での様々な問題にも原因がある。状況を正すには、国際社会が調和のとれた行動をとる必要がある。
世界の主要国にとって、エネルギー問題が地球規模になった以上、もはやそこからエネルギーの安全保障を切り離すことは不可能だと認識することが新しいアプローチの出発点となるはずだ。私たちがエネルギーの分野で運命をともにすることは、責任と危険と利益をも共有する、ということを意味する。
私たちは、地球規模でエネルギーの安全保障を達成するための戦略を作成することが特に重要だと考える。その土台には、価格的にも妥当で輸出国も輸入国も満足でき、長期的に持続して信頼できて、かつ環境的にも受け入れ可能なエネルギー供給――という原則が貫かれていなければならない。必要なのは、エネルギーの輸出入にかかわる国々の利害を調整することだけではない。既存のエネルギー資源を世界経済に安定的に供給するための方策と、エネルギーの節約計画や代替エネルギーをより積極的に導入するための方策も求められている。
バランスの取れた、ばらつきのないエネルギー供給。これが、現在と将来にわたって安全な世界を維持するのに必要な要素の一つであることは間違いない。私たちは後世に世界的なエネルギー体制を遺(のこ)し、子孫を紛争やエネルギー争奪のための非建設的な争いから守る義務がある。将来長きにわたる文明のための効果的な「エネルギーの基盤」を構築するための総合的アプローチを見いだすことが非常に重要だ。
ロシアは、革新的な技術開発のため、G8と国際社会全体が革新的な技術開発により緊密に努力を結集するよう訴えている。このことは、エネルギー資源が今日あるような形では完全に枯渇してしまうであろう未来における人類へのエネルギー供給のための技術的基盤を確保する第一歩となるだろう。
地球規模でエネルギーの安全保障を強固にすることはまた、社会と経済の発展の効率性を高めるため総合的なアプローチを生み出すことにもつながる。昨年の英国グレンイーグルズ・サミットでは、この面で重要な進展があった。何よりもまず、技術革新の奨励とエネルギーの節約、そして環境保全に向けた行動計画が採択された。私たちは、G8グループの行動、特にグレンイーグルズで採択された文書の実現に、G8ではない国々、とりわけ産業が発展中で成長著しい国々をも巻き込むことが極めて重要だと考える。
エネルギーの安全保障は主として先進国のためのものだ、と考えている人が多い。しかし、現在地球上では、約20億もの人々が近代的なエネルギー供給を受けられない状態にあることを忘れてはならない。電気を利用する機会すら与えられない人々も少なくない。彼らには実質的に、富や文明の成果を享受する道が閉ざされているのだ。
もちろん、エネルギーはそれ自体では貧困問題を解決しない。しかし、エネルギー資源の不足は各地で経済成長を阻害し、また、非合理的なエネルギーの利用は環境に惨事をもたらす――しかも、地域的な規模ではなく、地球規模で――ことにつながりかねない。
近年、専門家らは、発展途上国のエネルギー需要をまかなうために従来型ではないエネルギー源をより積極的に利用する可能性について熱心に議論している。この点で、代替エネルギー供給体制を確立し、導入することへのG8からの援助が特に切実な重要性を帯びている。
相互依存度が非常に高い現代の世界では、「エネルギー・エゴイズム」はいずれ行き詰まる、ということを認識しなければならない。エネルギー安全保障でロシアの立場が堅固で不変なのはこのためだ。私たちは、先進国の小さなグループを優先してエネルギーの再配分を行うだけでは地球規模の発展という課題と目標を達成することはできない、と確信している。私たちは、世界全体の利益を考慮したエネルギー安全保障の構築を目指す。人類にとってはおよそ、すべての国に安定したエネルギー供給を保証するバランスの取れた能力を持てばそれで十分であり、国際協力はそのための可能性を開くものだ。
--
人類はその歴史を通じて、自身の生存をおびやかす脅威、感染症との闘いを強いられてきた。一見、これまでに希望をいだかせる進歩が得られたようにも見える。確かに天然痘は最終的に根絶され、小児麻痺(ポリオ)との闘いも根絶に向けて最終段階に入った。しかし、私たちは今日においても、既存の疫病の突発と同時に、エイズや外来のウイルス性出血熱、マイコプラスマ感染症、鳥インフルエンザなど新しく、きわめて危険な病気にも直面している。感染症は現在、全世界で死因の三分の一を占めている。さらに専門家らは、近い将来、数百万人の命を奪う危険のある新種のインフルエンザが広域的に発生する可能性が高い、としている。
ロシアは、この分野でも積極的な活動を提案するつもりだ。とりわけ、鳥インフルエンザの撲滅と、人との間で感染する新種のインフルエンザを予防するための機動的なG8の行動計画を採択することもその一つだ。
G8は感染症の撲滅という大きな問題から身を置くことはできないし、すべきでもない。保健制度の発展や財政的な力量、学問的な潜在能力に格差が存在することが、感染症撲滅のための地球上の資産を公平に配分できない原因になっている。
世界のさまざまな地域にそれぞれの密度で広がる感染症は、一つの指標として社会や経済の問題を一目瞭然(りょうぜん)にあぶり出し、社会的な不平等を拡大し、さらに差別を助長していく。HIVやその他の危険な感染症に侵されて事実上社会からの脱落者として扱われ、病気だけではなく、社会生活への適応にも困難を背負わされた人々の問題はきわめて深刻だ。
基本的な問題がさらにもう一つある。近年、人類は頻繁に地震、洪水、津波の破壊的な力をその身で感じるようになった。都市化、交通網や産業インフラの拡大によって、私たちは過去と比べ、このような自然災害に対してずっと脆弱(ぜいじゃく)になっている。自然災害は、経済や社会に大きな損害を与えるだけではない。最も恐ろしいのは、災害によって感染症が突発的に誘発され、何千、何万の人々の命を奪うことだ。このため、もう一つの優先すべき課題として、自然災害がきっかけとなる感染症拡大に対して予防と対策となる地球規模での制度作りがあげられる。
感染症の発生と拡大に機動的に対応できる統一されたインフラ作りが可能かどうかについても、検討することも可能だろう。このインフラには、非常事態に機動的に対処するためのモニタリング制度や、科学的対処法などについての情報交換も含まれるに違いない。
いわゆる人道上の危機、とりわけ軍事的紛争と結びついた危機が大規模な感染症拡大の原因になっていることも多い。その結果、感染症発生元の本来の危険が何倍にも増幅されることになる。私は、G8がこのような非常事態の解決に向けた国際的な力を結集し、多面的な協力活動へ強い刺激を与えることができると確信している。
そして、もちろん、G8にとっては、学術的分野の強化、安全なワクチンの開発や将来性ある高度な感染症診断設備の製造に向けた国際社会の知識、資金の結集、啓発及び予防活動の推進を支援していくことも必要だ。
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教育の分野での共有の課題も注目に値する。ポスト産業化の情報社会にあって、教育は生活の向上のため、かつ、経済発展のための重要かつ必要不可欠な要素になっている。教育は社会的な自覚と道徳的価値の向上、そして民主主義の強化にとって欠かせない要素の一つだ。さらに、技術が完全になるにしたがって、労働市場はより高度な能力を持った専門家を必要とするようになり、その結果、教育制度に求められる水準も高まっている。教育制度の目的や内容も変化している。現在、人びとにとって必要なのはただ単に知識や技術の量を獲得することではなく、常にそれを補い続け、新たな要求に適応できるようになることが求められている。
地球規模で伝わる情報に接することができるようになり、教育の方法論も根底から変わってきている。生涯学習への移行が始まり、総合教育のための前提条件が形成されつつある。もちろん、これらの流れは他に先駆けてまず先進国で起きている。その一方で、相変わらず初等教育を受けることにすら困難がある国、地域も少なくない。私たちはこれを「人道上の貧困」として、また国際社会にとっての重大な脅威として受け止めている。大衆的な無教育状態を放置すれば、文明間の分裂、外国人排斥プロパガンダ、民族的あるいは宗教的な過激主義の温床、そして最終的には国際テロ活動の温床が生まれるからだ。
発展途上国、そして世界全体で教育に対するもっと幅広く、系統だった方策を生み出すことが重要だ。特に、雇用問題を成功裏に解決するために、「教育」の概念には一般教育だけではなく、初等から高等まですべての学習レベルを含む専門技術教育も含めなければならない。
地球人口の移動性が高まり、移住問題が絶え間なく増大していく現状では、異なる文化のただ中に「入り込む」ことをめぐる問題は特別な意味合いを持っている。教育こそが、それぞれの文化、人種、宗教グループ間での社会的な順応を促す。そのために、先進国においても、途上国においても、教育制度の現代化に特別な注意を払わなければならない。
多くの発展途上国が、最先端を行く教育方法と情報技術の導入をめぐって深刻な困難に直面している。インターネットやその他の情報と知識を普及させるための新たな手段など、現代の最先端の資産を教育の分野で生産的に活用することが求められている。この問題をめぐって去年11月、情報社会について2度目の国際会合がチュニジアで開かれ、実りある議論が行われた。私たちはその結果を注意深く分析し、活用していく考えだ。
ロシアは、技術の進歩を活用し普及させるために不可欠な専門教育に必要とされる質の向上と共通化のために、国際社会の努力を一つのものとすることに力を尽くす用意がある。グローバルな経済発展のすべてのプレーヤーたち、そして国際労働市場そのものが、それを求めている。
教育機関がハイテク分野の要請に応えられるかどうかは、それぞれの国民経済が競争力を付けるために欠かせない条件となっている。
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ロシアが議長国として重視する上記3点の問題とともに、G8では2006年、国際テロや大量破壊兵器拡散といった基本的な問題をめぐっても作業が続けられる。経済発展をめぐる協力や環境破壊の予防、国際経済、財政、貿易に関する問題もG8の関心の中心になる。私たちの努力はまた、これまでと同じように、中東、イラクなどでの地域紛争の解決や、アフガニスタン情勢の安定化にも注がれる。
どの国が議長国であろうと、G8で討議されている現代世界の問題に対して一国で余すところなく解決方法を提示することができないことは、私たちも十分に理解している。G8は、サミットを重ねて開くことで、その集団的な取り組みの結果、こうした問題に対する視線をより鮮明にして、最も効果的な解決方法を見つけようとしている。
ロシアもその方向で今後の動きに積極的に協力する考えだ。継承性と進化――これが、議長として活動し始めたロシアのモットーである。 』
エネルギー危機,エイズやインフルエンザ,教育と民主主義.
どれをとっても大きな問題.一読の価値はあると思う.
地球の明るい未来を描けるようになるのはいつだろうか.
『 -- 冬季五輪の選手強化、「政府として支援必要」と首相 --
トリノ五輪で日本勢が金メダル1個に終わったことに関し、小泉首相は28日午前の閣僚懇談会で、「夏(季競技)に関しては結構(対策を)やってきたようだが、冬についても政府として支援していく態勢を考えなければならない」と述べた。閣僚からも、冬季五輪で活躍できる選手育成の環境整備が必要との声が相次いだ。
閣僚懇では、元五輪選手(クレー射撃)の麻生外相も「もっとスポーツ育成環境を整える必要がある」と話した。
その後の記者会見で、小坂文科相は「自治体の支援とオリンピック基金でまかなっている現状では、徐々に施設を閉鎖せざるを得ない環境に追い込まれている。国民全員の応援をいただいて選手を育成していく環境づくりが必要だ」と述べ、公的支援を含めた対策が必要だとの認識を示した。 』
国民全員の応援で冬季五輪で活躍できる選手育成の環境整備というのはスケートリンクやスキー場などの施設建設に税金を投入するということなんだろうか.閣僚も談合には反対しても結局ゼネコンにお金を流すことには賛成のようだ.そういえば日本橋の景観の回復でも首相は同じようなことを言っていた.
だが,施設をつくれば選手のレベルが上がるのだろうか.今回のオリンピックではカーリングや女子フィギュアは注目を浴びて少しは競技人口も増えそうだが,アルペン,ノルディック,リュージュ,ボブスレーなんかはどう考えても増えなさそうだ.北海道のニセコスキー場にはオーストラリアからスキー客が大挙して押し寄せ活況を呈しているようだが,道内のスキー人口は減るばかりだし,スノーボードをやる若者ばかりなわけでもない.ましてや少子化である.競技人口が少なければ優秀な選手も少なくなるだろう.
結局,数少ない優秀な人材をどうやって見つけ出し育成するかということこそ大切なことだと思うのだが,政治家にはそういうことは考えられないのだろう.大事なのはモノではなくヒト.お金ではなく精神というのが日本の優位性だったはずだが,バブル以降はすっかりおかしくなっている.オリンピックだけでなく最近の日本の低迷の原因はやはりこのあたりにあるのではないだろうか.日本にとってたった一個の荒川選手の金メダルは彼女の精神力の賜物であり,それこそが今の日本に必要なものだと感じたのは私だけだろうか.
トリノ五輪で日本勢が金メダル1個に終わったことに関し、小泉首相は28日午前の閣僚懇談会で、「夏(季競技)に関しては結構(対策を)やってきたようだが、冬についても政府として支援していく態勢を考えなければならない」と述べた。閣僚からも、冬季五輪で活躍できる選手育成の環境整備が必要との声が相次いだ。
閣僚懇では、元五輪選手(クレー射撃)の麻生外相も「もっとスポーツ育成環境を整える必要がある」と話した。
その後の記者会見で、小坂文科相は「自治体の支援とオリンピック基金でまかなっている現状では、徐々に施設を閉鎖せざるを得ない環境に追い込まれている。国民全員の応援をいただいて選手を育成していく環境づくりが必要だ」と述べ、公的支援を含めた対策が必要だとの認識を示した。 』
国民全員の応援で冬季五輪で活躍できる選手育成の環境整備というのはスケートリンクやスキー場などの施設建設に税金を投入するということなんだろうか.閣僚も談合には反対しても結局ゼネコンにお金を流すことには賛成のようだ.そういえば日本橋の景観の回復でも首相は同じようなことを言っていた.
だが,施設をつくれば選手のレベルが上がるのだろうか.今回のオリンピックではカーリングや女子フィギュアは注目を浴びて少しは競技人口も増えそうだが,アルペン,ノルディック,リュージュ,ボブスレーなんかはどう考えても増えなさそうだ.北海道のニセコスキー場にはオーストラリアからスキー客が大挙して押し寄せ活況を呈しているようだが,道内のスキー人口は減るばかりだし,スノーボードをやる若者ばかりなわけでもない.ましてや少子化である.競技人口が少なければ優秀な選手も少なくなるだろう.
結局,数少ない優秀な人材をどうやって見つけ出し育成するかということこそ大切なことだと思うのだが,政治家にはそういうことは考えられないのだろう.大事なのはモノではなくヒト.お金ではなく精神というのが日本の優位性だったはずだが,バブル以降はすっかりおかしくなっている.オリンピックだけでなく最近の日本の低迷の原因はやはりこのあたりにあるのではないだろうか.日本にとってたった一個の荒川選手の金メダルは彼女の精神力の賜物であり,それこそが今の日本に必要なものだと感じたのは私だけだろうか.
『 -- 配偶者なし、冬が危険 脳血管・心疾患の死亡統計 --
夫や妻がいない人の冬が最も危ない-。厚生労働省が24日に発表した脳血管疾患と心疾患で死亡した人の統計から、こんな傾向が浮かび上がった。厚労省は「配偶者がいないと食生活が不規則になったり、ストレスが重くなったりするのが影響しているのではないか」と分析している。
厚労省によると、2004年の全死亡数約103万人のうち心筋梗塞(こうそく)や心不全などの心疾患は約16万人。脳梗塞(こうそく)や脳内出血などの脳血管疾患は約13万人。2疾患は循環器系疾患で、合計するとがんの32万人に匹敵する。
月別でみると、2疾患とも1月が最も多く、冬に集中。6月から9月の各月は1月の61-73%にとどまっている。冬は血管の収縮が激しい上、病状悪化の引き金になる風邪をひきやすいためで、がんに比べて季節の影響を受けている。
一方、2000年のデータで、年齢構成を考慮した死亡数(人口10万人当たり)は、心疾患では妻がいる男性が約91人なのに、未婚者は約257人、妻と死別した人は約158人だった。女性は、夫がいる人の約46人に対して、未婚者は約131人、死別した人は約84人で、男女とも配偶者がいない人の死亡率が高かった。脳血管疾患も同様の傾向がみられた。
04年の都道府県別では、男性の心疾患は青森が最も高く、愛媛、岩手が続いた。女性は愛媛、埼玉、徳島の順。脳血管疾患は、男性が青森、岩手、秋田、女性は岩手、青森、栃木の順だった。
厚労省は生活習慣病対策に重点を置き、05年からの10年間で、循環器系疾患の死亡率の25%減を目標にしている。』
『 -- 脳卒中・心筋梗塞、未婚の方が高死亡率 厚労省調査 --
結婚している人より未婚の人の方が、脳卒中や心筋梗塞(こうそく)で亡くなる可能性が高い――そんな傾向があることが厚生労働省の調査でわかった。同省は「配偶者の存在が食生活のバランスや精神面のケアにプラスに働いていることに加え、夫婦で互いの体調の異変に気付きやすく、早期受診につながりやすいためではないか」と分析している。
毎年実施している人口動態統計などをもとに分析した。厚労省は生活習慣病対策を今後の施策の柱に掲げていることもあり、死亡原因でがんに次ぐ心疾患(2位)と、くも膜下出血などの脳血管疾患(3位)について調べた。
年齢構成のばらつきを調整したうえで人口10万人当たりの死亡率(00年)を「配偶者の有無」で比べたところ、心疾患で亡くなった人は、配偶者がいる男性の90.6人に対し、未婚者は257.1人、妻と死別した人は158.4人、離別者271.7人だった。
女性も、有配偶者の死亡者46.2人に対し、未婚者131.4人、死別者83.9人、離別者94.9人。いずれも配偶者がいる人の方が、死亡率は著しく低かった。この傾向は脳血管疾患でも同じだった。
一方、都道府県別の死亡率(04年)をみると、心疾患は男性が青森103.6人で最も高く、次いで愛媛(100.9人)、岩手(97.4人)。女性は愛媛(56.3人)、埼玉(53.8人)、徳島(53.3人)の順だった。 』
同様のことを厚生労働省の資料で調べると脳血管疾患で亡くなった人の年齢調整死亡率(00年)は、配偶者がいる男性の83.3人に対し、未婚者は190.5人、妻と死別した人は139.0人、離別者206.4人だった. 女性も、有配偶者の死亡者46.4人に対し、未婚者103.8人、死別者79.0人、離別者83.2人だった.
1985年頃を境に脳血管疾患による死亡率は心疾患を下回るようになったが,最近では死亡率の低下はゆるやかになっている.面白いのは心疾患の方が脳血管疾患よりも,そして女性より男性の方が配偶者の有無による影響が強いことだろう.それも死別より離別の方が死亡率が高い.
熟年離婚なんかされると男性にとってかなり精神的な痛手が大きいということなのだろうか.女性では死別と離別でそれほど死亡率が違わないし,そもそも全死亡率が男性の半分ほどであるから,女性は循環器系疾患に対しては男性の2倍ほど強いということになるのだろうか.やはり生物学的に女性は男性よりすぐれているのだろう.配偶者との別れという精神的ストレスにも強いようだ.
20代の頃に比べ筋力や瞬発力がかなり落ちてきた自分のことを考えると,女性に比べ格段に耐久性に劣るこの体を大事に使いなんとか長持ちさせないといけないようだし,熟年離婚なんかされて脳血管疾患で寝たきりなんてことにならないようにも気をつけないといけないようだ.私も含め人生も後半戦に入った働き盛りの男性達にとってはなんとも厳しい未来が待っているようである.
夫や妻がいない人の冬が最も危ない-。厚生労働省が24日に発表した脳血管疾患と心疾患で死亡した人の統計から、こんな傾向が浮かび上がった。厚労省は「配偶者がいないと食生活が不規則になったり、ストレスが重くなったりするのが影響しているのではないか」と分析している。
厚労省によると、2004年の全死亡数約103万人のうち心筋梗塞(こうそく)や心不全などの心疾患は約16万人。脳梗塞(こうそく)や脳内出血などの脳血管疾患は約13万人。2疾患は循環器系疾患で、合計するとがんの32万人に匹敵する。
月別でみると、2疾患とも1月が最も多く、冬に集中。6月から9月の各月は1月の61-73%にとどまっている。冬は血管の収縮が激しい上、病状悪化の引き金になる風邪をひきやすいためで、がんに比べて季節の影響を受けている。
一方、2000年のデータで、年齢構成を考慮した死亡数(人口10万人当たり)は、心疾患では妻がいる男性が約91人なのに、未婚者は約257人、妻と死別した人は約158人だった。女性は、夫がいる人の約46人に対して、未婚者は約131人、死別した人は約84人で、男女とも配偶者がいない人の死亡率が高かった。脳血管疾患も同様の傾向がみられた。
04年の都道府県別では、男性の心疾患は青森が最も高く、愛媛、岩手が続いた。女性は愛媛、埼玉、徳島の順。脳血管疾患は、男性が青森、岩手、秋田、女性は岩手、青森、栃木の順だった。
厚労省は生活習慣病対策に重点を置き、05年からの10年間で、循環器系疾患の死亡率の25%減を目標にしている。』
『 -- 脳卒中・心筋梗塞、未婚の方が高死亡率 厚労省調査 --
結婚している人より未婚の人の方が、脳卒中や心筋梗塞(こうそく)で亡くなる可能性が高い――そんな傾向があることが厚生労働省の調査でわかった。同省は「配偶者の存在が食生活のバランスや精神面のケアにプラスに働いていることに加え、夫婦で互いの体調の異変に気付きやすく、早期受診につながりやすいためではないか」と分析している。
毎年実施している人口動態統計などをもとに分析した。厚労省は生活習慣病対策を今後の施策の柱に掲げていることもあり、死亡原因でがんに次ぐ心疾患(2位)と、くも膜下出血などの脳血管疾患(3位)について調べた。
年齢構成のばらつきを調整したうえで人口10万人当たりの死亡率(00年)を「配偶者の有無」で比べたところ、心疾患で亡くなった人は、配偶者がいる男性の90.6人に対し、未婚者は257.1人、妻と死別した人は158.4人、離別者271.7人だった。
女性も、有配偶者の死亡者46.2人に対し、未婚者131.4人、死別者83.9人、離別者94.9人。いずれも配偶者がいる人の方が、死亡率は著しく低かった。この傾向は脳血管疾患でも同じだった。
一方、都道府県別の死亡率(04年)をみると、心疾患は男性が青森103.6人で最も高く、次いで愛媛(100.9人)、岩手(97.4人)。女性は愛媛(56.3人)、埼玉(53.8人)、徳島(53.3人)の順だった。 』
同様のことを厚生労働省の資料で調べると脳血管疾患で亡くなった人の年齢調整死亡率(00年)は、配偶者がいる男性の83.3人に対し、未婚者は190.5人、妻と死別した人は139.0人、離別者206.4人だった. 女性も、有配偶者の死亡者46.4人に対し、未婚者103.8人、死別者79.0人、離別者83.2人だった.
1985年頃を境に脳血管疾患による死亡率は心疾患を下回るようになったが,最近では死亡率の低下はゆるやかになっている.面白いのは心疾患の方が脳血管疾患よりも,そして女性より男性の方が配偶者の有無による影響が強いことだろう.それも死別より離別の方が死亡率が高い.
熟年離婚なんかされると男性にとってかなり精神的な痛手が大きいということなのだろうか.女性では死別と離別でそれほど死亡率が違わないし,そもそも全死亡率が男性の半分ほどであるから,女性は循環器系疾患に対しては男性の2倍ほど強いということになるのだろうか.やはり生物学的に女性は男性よりすぐれているのだろう.配偶者との別れという精神的ストレスにも強いようだ.
20代の頃に比べ筋力や瞬発力がかなり落ちてきた自分のことを考えると,女性に比べ格段に耐久性に劣るこの体を大事に使いなんとか長持ちさせないといけないようだし,熟年離婚なんかされて脳血管疾患で寝たきりなんてことにならないようにも気をつけないといけないようだ.私も含め人生も後半戦に入った働き盛りの男性達にとってはなんとも厳しい未来が待っているようである.