『 -- 警察官、容疑者の同僚にも話聞かず 佐賀の男児ひき逃げ --

 佐賀県唐津市厳木(きゅうらぎ)町で小学5年の家原毅(つよし)君(11)が車にひき逃げされ別の場所に放置された事件で、佐賀県警の警察官が前部の壊れたダンプカーを見つけたのに現場を離れて容疑者を取り逃がした際、近くには容疑者の同僚男性もいたことがわかった。警察官はこの同僚から話を聞かないまま応援を求めに行き、再び現場に戻ると、同僚から容疑者が逃走したことを知らされたという。

 調べでは、業務上過失傷害などの疑いで指名手配された土木作業員坂口三之治(さのじ)容疑者(53)と同僚は事件翌日の21日午後3時半ごろ、同市浜玉町でビニールハウスの撤去作業をしていた。巡回中の白バイの警察官がダンプカーに気づき、約20メートル離れたところにいた坂口容疑者に運転手を尋ねたが、「知らない」との答えが返ってきた。

 そこから約50メートルのところに同僚もいたが、警察官は声をかけないまま応援要請のために現場を離れた。約10分後、他の警察官2人とともに戻ってくると坂口容疑者の姿が見えず、同僚に尋ねたところ、「山の方に歩いて行った。この車は坂口が乗っている」と話したという。

 坂口容疑者の行方はわからず、県警は現場から福岡方面に向かう山林などで捜索を続けている。

 山口俊夫・唐津署副署長は「当時は容疑者として確定していなかった。結果論で批判はできるだろうが、当時の判断として最善だったという考えは変わらない」と説明している。 』

 この警察官はあこがれの白バイに乗れて楽しく仕事してたのだろうか.でも,こんな情けないことをやっていたのでは,警察官としてのプロ意識が高いとは誰も思ってくれないだろう.自慢の白バイが今どこにいるのかを,無線を持っていたのに連絡できなかったなんて.そして,容疑者の同僚に確認をとらずに現場を離れて容疑者を取り逃がしてしまうなんて.

 山口俊夫・唐津署副署長が「当時は容疑者として確定していなかった。結果論で批判はできるだろうが、当時の判断として最善だったという考えは変わらない」と言うなら,私は『じゃあ,福島の産婦人科医はどうなんだ!』と言いたくもなる.身内に甘いにもほどがあるんじゃないでしょうか.

 この白バイの警官に必要なのは警察用の高価なデジタル無線機じゃなくて,イマドコサーチのできるGPS付きのキッズケータイだろう.取り逃がした容疑者がさらに別の犯罪を起すことだって十分考えられるのに,一体どういうつもりなんでしょうか.事件が非常に悪質で残虐なだけにまぬけぶりが目立ってしまいました.とにかくこの警官は内勤でもして反省してもらったほうがいいんじゃないでしょうか.
『 -- 猪口少子化相、専門委との対立について釈明 --

 猪口少子化担当相は23日の閣議後会見で、自らがトップを務める少子化社会対策推進専門委員会の委員らと優先課題を巡り意見が対立していることについて、「(仕事と育児の)両立支援はもともと重視している」などと釈明した。また導入を主張してきた0〜3歳児対象の「乳幼児手当」創設に小泉首相が否定的であることなどを受け、「(現行の)児童手当の拡充も含めて政府内で調整したい」とこれまでの考えを修正する姿勢を示した。

 経済的支援を重視する同氏と、「働き方の見直し」や「地域・家族の多様な子育て支援」を優先するべきだとする委員らの間で意見が食い違い、委員7人が反論の文書を公開したことについて、同氏は「両立支援は男女共同参画担当として非常に重視している。地域の子育て支援サービスの充実も一貫して主張している」などと発言。一方で「経済的支援は国民の要望では常に第1位。二つと合わせ経済支援の充実に関する施策も総合的に展開する必要があり、全体での予算をのばすのが私の仕事」と改めて経済的支援の重要性も強調した。 』

 子供を育てるにはお金がかかる.それはそうだろうが,0〜3歳児対象の「乳幼児手当」で解決するほど簡単な問題だろうか.それは子育ての支援というより低所得者の支援とすべきなのではないだろうか.わずかばかりのお金をあげて「これで子供に何か買ってあげてください.」というのは発想が貧困だろうし,働きながら子育てしているお母さん達を馬鹿にしているような感じがするのは私だけだろうか.

 小児科医や麻酔医が不足しているために家庭に入っている女性医師に現場に復帰してもらおうという動きがある.女性医師が家庭に入ってしまった背景にこの子育てに関する仕事と家庭の両立の問題が私は深く関わっていると思っている.そもそも経済的に自立している女性医師でさえ仕事と子育てを両立させることは難しいということだ.それには病院という職場の環境と保育所などの子供の養育環境の問題がある.

 女性医師が最近非常に増えているにもかかわらず,医師の世界はいまだに女性医師用ロッカーが無い病院がほとんどというくらい男性社会なのである.それなのに仕事は男性医師と差はない.当直回数だって女性だから減らしてもらえるわけでもない.おまけに人手不足で休みも取れない.厚労相は医師の過労は好ましくないと言ったそうだが,財政困難を理由に健康保険で病院経営を圧迫しておいて,医師の労働時間を守らせたら病院が潰れることくらいは知っているのだろう.看護師の夜勤時間は規制が入って減少したが,医師の方はおかまいなしである.

 病院がそんな状況だから女性医師は妊娠出産となるとどうやって休みを取るかが大問題である.仮に産休がうまく取れたとしても今度は育児と仕事のバランスが取れない女性医師は多いのではないだろうか.医師とは言っても子育てに関してはまったくの素人なのである.勤務地が僻地だったりするとさらに問題がある.まず,子育ての最大の援助者であるおばあちゃんが近くにいない.保育園などが夜おそくまで子供を預かってくれない.病院保育室がない.必要なものを買う店が夜遅くまでやっていない.とにかくできないことだらけになってしまうのである.

 児童手当をもらっても問題が解決しないことがわかってもらえただろうか.実は子育てに必要なインフラの整備ということは女性医師に限らず医師が地方に根付かない最大の理由なのではないだろうか.お父さん医師が地方の病院で単身赴任で働き,家族は都市部に住んで子供の教育をするのが当たり前な訳はないだろう.誰だって家族と暮らして安心して仕事と子育てを両立させたいのではないだろうか.問題はそのように作られていない日本の社会にあるのだろう.

 「働き方の見直し」や「地域・家族の多様な子育て支援」を優先するべきだとして反論の文書を公開した7人の委員に私は拍手を送りたい.
『 -- 50代土木作業員を指名手配 佐賀の男児ひき逃げ放置 --

 佐賀県唐津市厳木町で小学5年の家原毅(つよし)君(11)が車にひき逃げされ、重傷のまま別の場所に放置された事件で、県警は23日未明、業務上過失傷害と道交法違反の疑いで、唐津市船宮町、土木作業員坂口三之治(さのじ)容疑者(53)に対する逮捕状を取り、全国に指名手配した。

 調べでは、坂口容疑者は20日午後5時ごろ、唐津市厳木町の県道と市道が交わる三差路をトラックで走行中、自転車で走っていた毅君をはねて頭の骨などが折れる大けがを負わせたにもかかわらず、助けなかった疑い。

 県警は、落ちていた車の部品などから、容疑車両を紺色のトラックに絞り込んだ。21日、該当するトラックを同市内で発見し、坂口容疑者が事故当日、運転していたと断定した。』

 被害者を別の場所に移動して放置したり,自転車も別の場所に移動して事故が発覚するのを遅らせようとしたらしい.これは助けなかったどころの話ではなく,自分が逃走するために死亡するかもしれない被害者を放置したわけである.

 被害者が助かったとしてもこれは殺人未遂であろう.交通事故までは過失だろうが,ひき逃げは立派な殺人行為である.ましてや事故を隠ぺいするために故意に被害者を移動して放置するなど極刑に値するだろう.

 毅君は頭蓋骨々折,急性硬膜外血腫,脳挫傷で緊急開頭手術となったようだ.予後は血腫の大きさと脳挫傷の程度によるだろうが,どうか手当てが間に合って救命され,また小学校へ通える日が来ることを祈るばかりである.
『 -- 医師の本音、専用ブログで紹介 --

 「科によって給料あげるとかしないと、みんな耳鼻科医とか皮膚科医とかになっちゃうぜ」(循環器内科医)、「研修医の息子が外科医になろうかなって…… 複雑な心境」(外科医)――そんな医師の本音をインターネットで読める専用ブログサイトが4月から始まった。閲覧は誰でもでき、医師と一般の人との距離を縮めることが狙いだという。

 サイトは「ドクターズブログ」。00年から医療関係者限定のサイトを手がける「ソネット・エムスリー」(本社・東京都港区)が運営する。ブログの書き込みは、身元確認した会員約29万人のうち、約12万5000人を占める医師に限って認めている。

 福島県の県立病院での妊婦死亡をめぐって産婦人科医が逮捕された事件を受け、会員サイトで様々な議論が起こったこともあり、ブログサイトを新設した。

 ブログを公開する医師は徐々に増え、今では170人を超えた。日常業務から、恋愛や趣味など幅広い。

 「やぶ医師のつぶやき」ブログは、脳外科医希望の新人医師が減っているとの新聞記事について「米国では、脳外科医なら年収4500万円。日本では、開業医の収入が高く、勤務医は診療科によらず低め。大学教授ですら1000万円ちょっと」などと解説する。

 「美人女医さんのひ・み・つ」ブログでは、娘を妊娠中、診察してもらった産婦人科医の「大丈夫!」という口癖に、「この訴訟社会に、産科でこの口癖はスゴイ」と感心しながら「(私は)マネ、できないけど……」と付け加えている。

 同社は「医師の率直な意見や思いを提供することで、医師や医療の不信感をなくすことにつながれば」といっている。』

 これだけブログが普及してくればいつかは出てくるような気はしていた.でも,登録で身元確認された医師であると言ってしまうとなりすましが現われるような気もするし,登録者の情報がWinnyなんかで漏れる危険なんかを考えると私にとってはリスクが高い.それにDiaryNoteは秘密日記が面白い.だから当分ここで書いていくだろう.

 さて,ブログは医師や医療の不信感をなくすだろうか.私はそんなことはないだろうと思う.もちろん不信感を減らす場合もあるだろうが,逆に増大させる場合もあるだろうから.ブログは個人の中の物事に対するイメージを匿名性を保ちながらネット上に拡散させるだけである.ブログに本音を書かなければならないルールなんてないのである.その点で実社会との違いは匿名性が保たれるという仮定のみである.

 日常の対人関係では匿名の発言はできないから発言には即責任が生じる.ブログではその対人関係が匿名で見えないから自由な発言がしやすい.だから,私が脳外科医として本音を書くこともできるのである.だが,注意してもらいたいのはいつも本音で書いているとは限らないということである.なんでも生のままで書いたらきっと読むに堪えないだろうし,誤解を与える書き方ではかえって不信感が増大してしまうだろう.

 私のブログで結果として医師や医療への不信感がなくなるのなら結構な話であるが,私の書き方が悪いのか,読む方の理解力がないのか,残念ながらコメントをいただいても真意がわからず返答不能なものも稀にあるのである.だが,似たようなことは患者や家族との関係でも日常経験することで不思議でもなんでもない.人間のコミュニケーション能力というものは,その人間の経験により獲得されたものであるからいつも話があうとは限らないのである.

 中学校2年生の国語の教科書に、西江雅之著の「伝え合い」という単元があるそうだ.学習のねらいは、たとえ言葉が通じても,その使い手の属する世界や身に付けている習慣によって同じ言葉でも意味合いが異なってしまうことで、本文には言葉は通じているが、話し手と聞き手の意味のとり違いの例が載っているそうである.価値観の多様化した現代ではこういう教育も必要なのだろう.

 『医者の考え方を理解してもらえれば,医者の言うことも理解してもらえるだろう.』と考えるのは医者の思い過ごしで,現実には『担当医の説明より,みのもんたさんの言うことのほうが信じられる』とか,『処方された薬は飲まないが,テレビでやっていた健康食品は毎日欠かさない』という世界なのだから医者がやりにくいのも当然だろう.こんな世界がブログで変わるなんて信じられないのは私だけだろうか.


『 -- TBS系列に苦情650件 ダイエット法で嘔吐、下痢 --

 TBS系の健康情報番組で紹介した白インゲン豆ダイエット法を試した視聴者が嘔吐(おうと)や下痢などを訴えた問題で、TBSは9日、同局や系列局に電話やメールで寄せられた苦情が同日午後3時までに延べ650件に上ったと発表した。

 大半が同様の症状を訴えるもので、入院するなどした人はいないという。

 TBSは、ダイエット法が症状を引き起こした可能性が高いことを認め「深くおわびします」とのコメントを出した。

 同局が複数の専門家に見解を求めたところ、生の豆に含まれるレクチンなどの成分が加熱不十分のため残り、胃や腸の粘膜の炎症を起こした可能性が高いことが分かったという。

 問題の番組は6日放送の「ぴーかんバディ!」。白インゲン豆を約3分間いった後に粉末化し、ご飯にまぶして食べるダイエット法を紹介した。

 TBSは情報番組やホームページなどで、このダイエット法を試みないよう注意を呼び掛けている。』

 なぜテレビの番組でやっていることをそのまま信じて実行してしまうのだろうか.ダイエット法という言葉に誘われてしまう気持ちもわからないではない.だが,実際にやるまえにやらせが多いテレビのことだからウソじゃないんだろうかとは思わないのだろうか.650件の苦情というには実際にやった人はかなりな数にのぼるのだろう.テレビの影響力は恐ろしいものである.

 健康番組はおろかテレビをほとんど見ない私にとっては番組の内容はわからないし,ダイエット法について考える気もない.しかし,テレビ局の視聴率のために企画されている健康情報番組による健康や医療に対する視聴者の誤解に基づくトラブルが病院側にしわ寄されるのは大変迷惑であると思っている医療人は私だけではないだろう.

 ちゃんと医師による監修を受けたり,医師自身が解説している番組も多いようなので最近はそれほど間違った情報が流れているわけではないのだろう.外来で患者さんの話を聞いていると問題は情報の受け手がちゃんと理解できていないということのような気がするのである.実際に外来で患者さんに話してわかっているようでも,次回に質問をすると何もわかってないのであるから,テレビのように一方的に情報を流して理解させるのはそもそも無理なのだろう.

 外来で最近疲れるのは,テレビで見たことが正しくて,こちらの説明がおかしいような不満を言われることである.そもそもテレビの説明もちゃんと理解できていないのにである.それを間違いを正しながら,解説を推測しながらまるでテレビのように説明しなければならない.これならテレビで好き勝手な解説をしているほうがはるかに楽である.

 結局,テレビの健康番組は国民の健康意識を高めるかもしれないが,正しい医療知識の普及や疾病の予防効果のほどは疑わしいのではないだろうか.もっとも,そんなことはどうであれ,痴呆症の薬や健康食品が売れればそれでいいのがテレビ業界なのだろう.テレビ番組を見るのは構わないが,見るだけでなく考えることも忘れないでほしいものだ.

 
『 -- 駒大苫小牧の野球部員らに酒 居酒屋店長ら書類送検 --

 今年3月、駒大苫小牧高校(北海道苫小牧市)の当時3年生だった野球部員らが市内の居酒屋で飲酒や喫煙をして、同校が春の選抜甲子園の出場を辞退した問題で、道警苫小牧署は20日、部員らに酒を提供したとして居酒屋を経営する会社(同美唄市)と、男性店長(40)ら5人を風営法違反(未成年者への酒類提供)の疑いで苫小牧区検へ書類送検した。

 同署の調べでは、店長らは3月1日夜、卒業式を終えた後、店を訪れた野球部員ら12人にビールや焼酎などを出した疑い。店長は調べに対し、「未成年であることは分かっていたが黙認した」と話しているという。

 同校野球部は04、05年の夏の甲子園大会で57年ぶりの連覇を果たし、今年の春の選抜大会は「夏春連覇」がかかっていた。』

 こんなことだろうとは思っていたが,たしかこの店長は事件当時は未成年とは知らなかったとしらばっくれていましたよね.売り上げのためかどうかはわかりませんが,結果的に地元の人たちの期待を裏切ったわけです.たかが未成年の飲酒を黙認しただけかもしれませんが,自分のやることの結果が予想できなかった情けない大人の一例になってしまいましたね.

 しかし,未成年の飲酒について厳密に言うならば,この時期に大学で行われている歓迎コンパで新入生に酒を飲ませるのも同じことなんですよね.医学部でも例にもれず盛大にコンパをやっていることだと思いますが,それでいいんでしょうか.もちろん,20歳になっていればいいんでしょうけど.現役合格者はほとんどが未成年のはずですからね.

 これを黙認している大学が,居酒屋の店長にならなければいいのですが,現実には急性アルコール中毒で死亡した例もあるようですから本当はもっと真面目に考えてもらいたいものです.

 私も大学の救急部時代に自分の後輩になるはずの新入女子部員が急性アルコール中毒で新歓コンパの会場から運ばれてきたことがありました.もっともその女子医学生は勧めもしないのに自分から何回もいっき呑みをしたそうです.事件後すぐに退部したという話を聞きましたが,今頃はどこかで立派な女医さんになってくれているのでしょうか.
『 -- 財政難のNHKに関連会社が20億円配当へ --

 NHKの関連会社、NHKエンタープライズの板谷駿一社長は13日の定例会見で、05年度決算でNHK本体に対して20億円余りの配当を予定していることを明らかにした。ほかに、番組映像などの2次利用に伴う使用料として16億9000万円を支払う見通しという。

 NHKエンタープライズは昨年4月、番組制作会社のNHKエンタープライズ21と、放送した番組のDVD販売などの権利ビジネスを手がけるNHKソフトウェアが合併してできた。

 板谷社長によると、05年度の決算見込みでは総売り上げが412億円で、その約2%にあたる税引き後利益の約20%を配当に回す予定。これとは別に、合併前の2社の剰余金(内部留保)から、大型(特別)配当もする。NHKからの要請に応じたといい、6月の株主総会を経て正式決定する。

 同社によると、合併前の2社の内部留保の合計額は151億円。同社の主要株主は金融機関やNHK関連会社だが、NHK本体が80.7%の株式を所有している。NHKは受信料収入の落ち込みが響き、06年度予算の事業収入は前年より506億円減の6217億円。

 NHKはほかの関連会社2社にも同様の要請をしているという。04年度決算では、ソフトウェアは約3億円を配当したが、エンタープライズ21は配当していなかった。』

 放送した番組のDVD販売などの2次利用に伴う使用料とあるが,NHKの視聴者はNHKの受信料を払っているのにDVDを買うとまた利用料を取られるわけである.これって何か変じゃないでしょうか.

 しかも,NHKエンタープライズの主要株主は金融機関やNHK関連会社だが、NHK本体が80.7%の株式を所有しているとある.まさかとは思いますが,この会社の役員や重役はNHKの退職者が天下ってるんじゃないでしょうか.

 税金と受信料で番組をつくり,その番組を格安な使用料で天下り先の会社に渡して利益を上げさせ天下った元幹部職員を養う.なんて仕組みだったら官庁と同じですよね.しかも,総務省は受信料を義務化して罰則まで設けようとしているんですから,これは受信料なんてものではなくNHK省の特別会計の確保にほかならないのではないでしょうか.

 数々の不祥事をみてもわかるようにNHK職員の意識はまるで公務員並ですから,このまま受信料を義務化されたのでは割り切れない気分がするのは私だけではないでしょう.

 ここは受信料ではなくNHKの株式を発行して国民が全員株主になるのはどうでしょうか.購入は日本国民一人につき一株が上限ということで,株主には番組映像の個人使用権を与え,NHKが黒字になったら配当もするのです.そして,株主にはNHKエンタープライズのDVD購入の株主優待割引をする.

 総務省がこれくらい国民のことを考えて義務化するというのならまあわかりますが,NHKが公共放送だからというだけではぜんぜん説得力に欠けるんじゃないかと思いますね.
『  --  愛媛県警、GPS情報端末を参考人の車に無断で設置 --

 愛媛県警捜査1課の男性警部(42)の私有パソコンからファイル交換ソフト「ウィニー」を介して捜査情報などがインターネット上に流れた問題で、同県警が殺人事件の参考人に浮上した女性の車に、全地球測位システム(GPS)を使って位置情報を提供する大手警備会社の携帯端末を取り付けて行動確認をしていたことを報告する文書が流出していたことが10日、明らかになった。女性には無断だったと見られる。県警は事実関係を明らかにしていないが、犯罪捜査に詳しい専門家から賛否両論の声が上がっている。

 この文書は「行動確認報告書」。1980年代に同県内で起きた殺人事件に関するもので、計4通あり、作成日はいずれも02年6月。5日付の報告書によると、県警の捜査員が午前9時ごろ、女性の自宅を訪問。車がなかったため、大手警備会社の位置情報提供サービスの携帯端末で、近くのスーパーの駐車場にあることを確認し、その後は捜査員が尾行した、と書かれている。

 9日付の報告書でも、女性が高速道路のインターチェンジの料金所そばに駐車していることを端末で確かめ、捜査員が現地で確認。車に取り付けた端末を充電のために取り外し、2時間半後に取り付けたと記していた。22、29日付の報告書でも病院と喫茶店にある車を確かめたとしている。

 女性は逮捕されず、事件は未解決のまま公訴時効になった。朝日新聞の取材に「報告書に書かれているのと同じ行動をした記憶はあるが、尾行に気づかず、端末を付けられていたことも知らなかった」と話す。

 大手警備会社の広報室は県警との契約を否定し、「契約者には警察官がいるかどうかは言えない。ただ、本人の了承なしに車に取り付けたり他人の服に忍び込ませたりすることは規約で禁止している」と説明する。

 これに対し、県警捜査1課は「流出した文書の内容を明らかにすることは、情報の拡散を招くおそれがあり、プライバシー保護の観点から答えられない」としている。』

 Winnyの使用者は全国で30万人以上と推定されているらしい.WinnyでダウンロードしたファイルにAntinyが感染しているとこれがWinnyを悪用して感染したPC内のデータをネット上に流すということらしい.Winnyで流出したファイルについてのデータベースサイトを見るとその多さにはあきれてしまう,

 犯罪や軍事のプロフェッショナルである警察の捜査情報や自衛隊の機密情報までが流出してしまうことには情報管理の意識の低さにあきれるしかないが,このニュースのように警察の違法捜査などの不正行為が期せずして表に出てしまうのはなんとも皮肉な話である.

 もちろんAntiny自体がコンピュータウィルスでそれによって得られた情報も不法に入手されたものであるから証拠としての価値があるかどうかは不明である.しかし,そうした違法捜査が行われていないかどうか情報公開を請求する助けくらいにはなりそうである.

 これに対して県警捜査1課の「流出した文書の内容を明らかにすることは、情報の拡散を招くおそれがあり、プライバシー保護の観点から答えられない」というのはなかなかいい答えだと思う.これからは意に反して流出したデータに関してはすべてこの答弁でいいという警察のお手本というふうに理解させていただくことにしよう.
『 --「小学生は国語力を磨け」、石原都知事が文科省を批判 --

 小学生は、まずは十分な国語力を身につけよ。東京都の石原慎太郎知事は7日の記者会見で、「自分の国の言葉を完全にマスターしない人間が、外国の知識の何を吸収できるのか」などと話し、小学校段階での英語必修化の動きを批判した。

 石原知事は「若い人の国語力は低下している。人間の感性や情念を培うのは国語力だ」とも述べた。小学生時代、ドイツ人宣教師に英語を習っていたという自身の逸話を披露。「おやじに言われて習いに行ったが、何の効果もなかったね」と明かした。

 6日の首都大学東京の入学式でも、知事は新入生への祝辞の中で「日本で一番バカな役所の文部(科学)省が小学生から英語を教えるとか言っている。全くナンセンスだ」などと批判。

 これに対し、小坂文科相は7日午前の閣議後記者会見で、「日本語をしっかり勉強することが基本だが、柔軟な児童が英語に親しみ、英語教育に取り組むのは決して否定すべきことでない」と反論していた。 』

 石原慎太郎知事の日の丸や国歌へのこだわりには賛成しかねるのだが,「若い人の国語力は低下している。人間の感性や情念を培うのは国語力だ」というのには部分的に賛成である.付け加えるならば人間の論理的思考能力というものは言語によって成り立っているから,言語能力というのは人間の知性の大部分を占めると言えると思われる.もちろん日本語でなく英語で考えることができればそれでもいいのだろう.結局,何語でしゃべっても中身がないのはどうしようもないのである.まずは,正しく知識を吸収し,きちんと考えられるだけの日本語力を身につけるべきだろう.

 だから,正確には「日本人の感性や情念を培うのは国語力」と言うべきかもしれない.ここに石原慎太郎知事の日本語へのこだわりが感じられる.先日,フランスのシラク大統領がブリュッセルで開かれた欧州連合(EU)臨時首脳会議で、フランス人が英語を使ったことにショックを受けて一時、退出するハプニングがあった.日本人には奇異に感じる事件だが,フランス人の個性はまさにフランス語に因るところが大きいと感じさせられた.

 しかし,考えてみれば日本語も歴史の中でその時代の価値観とともに姿を変えてきたのだろうから,イラク問題や勝ち組負け組をはじめ米国中心の価値観に巻き込まれている現在の日本を見れば第2国語が英語となる日も案外近いのかもしれない.そうすると問題の根っこは日本で一番バカな役所の文部(科学)省ではなく歴代3位の長期政権である小泉内閣のほうであるような気がしてくるのだがどうだろうか.
『 -- NHK受信料不払いに「罰則検討を」 自民・片山氏 --

 自民党の通信・放送産業高度化小委員会で小委員長を務める片山虎之助・参院幹事長は5日、日本記者クラブで会見し、NHKの受信料不払い問題について「受信料は公共放送を支える国民の負担で、大威張りで払わない人がいるようでは不公平。罰則の導入も検討した方がいい」と述べ、支払いを法的に義務づけるなどの対策が必要だとの考えを示した。

 政府・自民党に強化を求める声があるNHKの海外向け放送にも触れ、「広告料をとったらどうかという議論も一部にあるが、国費を入れるのが妥当と思う」と語り、公的支援が必要との認識を示した。

 民間放送については、地上デジタル化への投資負担が重い地方局を支援するため、公的支援の必要性に言及した。特定企業による複数放送局の株式保有を規制する「マスメディア集中排除原則」については、一部緩和してキー局と地方局が共同で持ち株会社を設立できるよう制度改正を検討すべきだとした。

 一方、竹中総務相の私的懇談会「通信・放送の在り方に関する懇談会」については「そこで全部決めるなんてできるわけがない」と牽制(けんせい)した。』

 公平・不公平で言うならNHKをほとんど見ない人に受信料を払わせることも不公平だろう.情報通信という点で言えばインターネットのように常時見る人は定額制でたまにしか見ない人は従量制でというのが現代の常識で,公共放送というならNHKの組織改革もして国際放送などの不採算部門だけを税金でまかなえばいいのではないだろうか.ニュースのみを定額にしたり教育テレビや総合テレビの娯楽番組はスクランブルをかけてペイパービューでいいのではないだろうか.そこまでやれば視聴者の立場では公平な料金体系と言ってもいいだろう.

 NHKの経営上の問題を公共放送という呼び名でごまかしてどんぶり勘定で国民に均一に負担させることこそ不公平だろう.そんなこともわからない国会議員にはNHKばかり見ていないでブログや掲示板で世の中のことをもっと勉強してもらう必要がありそうだと思うのだがどうだろうか.
『 -- 政管健保保険料で温泉旅行 不適切支出1775万円  --

 社会保険庁は3日、政府管掌健康保険(政管健保)の保険料などから支出される健康保険関連補助金事業費を、同庁の関連団体職員が温泉旅行や忘年会費に使うなど、不適切な支出が5年間で計1775万円あったと発表した。

 社保庁が事業委託した全国社会保険協会連合会は、高額医療費への貸し付け事業や健康づくり事業費として支給された補助金のうち、計200万円を職員親睦(しんぼく)の温泉旅行や忘年会のほか、政管健保の野球大会開催費に使った。

 宮城県社会保険協会は、実際には臨時職員を雇っていないのに職員給与費として計774万円の補助金の支給を受け、パンフレット作成代や切手購入費などの事務費に流用していた。

 生活習慣病予防健診事業を委託された社会保険健康事業財団では、財団本部や全国18の支部で406万円を職員の親睦会の飲食代などに充てた。同財団支部の調査は終了しておらず、さらに不適切な支出が見つかる可能性があるという。

 このほか決算時に返還すべき剰余金を翌会計年度に繰り越して支出した事例などが判明した。

 補助金は政管健保のほか船員保険の保険料からの支出で、同庁は返還作業を進めている。

 昨年10月に総務省の行政評価で669万円の不適切支出を指摘されたのを受け、書類が残っている2000-04年度の5年分を同庁があらためて調査し、判明した。』

 ちょっとした休暇を終えて新年度を迎えた.心機一転また新たな気持ちで働こうと気合いを入れ直したばかりだというのにこのニュース.医療機関が不適切な保険請求をすると不正請求と言うのに自分たちが健康保険料を温泉旅行や忘年会費に使い込んだのは不適切支出と表現するらしい.それでもだれも懲戒免職になったりしないんだから国家公務員はいい職業である.これが4月バカなら笑えもするが,月末毎にレセプトに泣かされ,この4月からはさらに診療報酬が引き下げになって泣きっ面に蜂の病院や医師にすれば腹立たしいことしきりであろう.あまりにバカだと怒る気も失せるが,それも向こうの狙いかもしれないから世の中わからない.

 ところで,呼吸器を外して延命を中止した外科医の話題は私が休暇中に風向きがだいぶん変わってきたようである.どういう形で決着するかもう少し様子を見てからコメントさせていただきたい.なにせしばらく(といっても1週間ほどだが)ベッドサイドを離れただけですっかり感覚がリセットされてしまい脳外科医にもどるのにはもう数日はかかりそうだったりするのである.

 というわけで,無事に病棟復帰を果たしましたので,またこれからも『病室の窓から見えるもの』をよろしくお願いいたします.
『 -- NHK番組改変・説明「出向いたことに」 担当者が証言 --

 NHKの番組が01年、放送直前に改変された問題で、取材対象の市民団体とNHKなどが争っている訴訟の口頭弁論が22日、東京高裁で開かれ、当時のチーフプロデューサー・永田浩三氏が証人として出廷した。朝日新聞の記事などで番組への政治家の関与が指摘された後の昨年1月、NHK幹部らが対応を話し合った際、放送前に安倍晋三衆院議員に会った経緯について「呼びつけられたのでなく、こちらから出向いたことにしよう」とのやりとりがあったと証言した。話し合いに参加した上司から聞いた内容として明らかにした。

 NHKは、放送前に安倍氏に番組内容を説明したことについて昨年1月、「呼び出されたのではなく、事業計画の事前説明のために出向いた」と説明していた。

 問題になっているのは、旧日本軍による性暴力を民間人が裁く「女性国際戦犯法廷」を取り上げた番組。

 永田氏の証言によると、「出向いた」とすることは、松尾武・元放送総局長と、国会対策担当だった野島直樹・元総合企画室担当局長との間で決まり、永田氏は、その場にいた上司から直接聞いたという。「NHKの公式見解と違い、衝撃的な内容だった。本当なのかなあと思った。(NHKは)真実は何か、世間に説明するべきだ」と述べた。

 また永田氏は、番組改変の過程で、伊東律子・番組制作局長(当時)の部屋に呼ばれたと言及。伊東氏は、歴史教科書問題に取り組む議員グループの著書に載った名簿を示し、中川昭一衆院議員の名前を指さしながら「言ってきているのは、この人たちよ」と話したという。

 永田氏は、慰安婦や加害兵士の証言が、「信憑性(しんぴょうせい)が疑わしい」との理由で放送直前に削られたことについて「つらい経験をされた方の言葉について疑うのはあり得ないと思っている」と声を詰まらせた。改変に抵抗できなかったことについて「悔いが残る。5年前に戻りたい」とも述べた。

 NHK広報局の話 伊東元局長は、中川氏の名を指して「言ってきているのはこの人たちよ」というやりとりをした記憶はない、と話している。昨年1月の話し合いは、朝日新聞の記事掲載などを受けて、松尾元放送総局長が当時の事情を記者会見で説明すべきかどうかを話し合ったもの。話し合いに野島元担当局長は参加していない。

 松尾氏は朝日新聞の取材に対し、永田氏が証言した野島氏とのやりとりについて「そうした事実は全くない。その席に野島氏は出ていないからだ」と語った。「ほかのメンバーとの間でも口裏合わせのような話は一切なかった」と述べた。』

 恥ずかしながら近代日本史は学年末のあわただしい時期に習ったせいかぜんぜん憶えていない.特に太平洋戦争については今でも歴史が隠ぺいや歪曲されているようでわからないところだらけである.「女性国際戦犯法廷」なんていうのも自慢するわけじゃないが,もちろん知らないからどうも事の重大さがぴんとこない.

 だが,番組制作の上でNHKがマスコミの良識に従ったのではなく政治的な配慮をしようとしたらしいということは私にもわかる.政治家が何と言おうとなんらかの政治的な圧力がマスコミに働いていることは日本の常識であろう,古くは歴史教科書問題があるし最近では卒業式での国歌斉唱,そして先日は被爆体験者の政治的発言の自粛強要など過去の戦争の傷跡を消し去ろうという動きは以前からあるし,憲法改正を前提にさらにこういう動きが加速しているようにも見える.

 NHKは国民と契約して受信料を集めながらも実体は国営放送であるから政治家に「呼びつけられたのでなく、こちらから出向いた」のかもしれないが,事実がどちらであってもNHKの体質を評価する上ではたいした問題ではないだろう.要するにNHKの番組には政治的意図が隠されているということである.視聴者はそういう番組を見ないことにするか,あるいはこのことをちゃんと理解して番組を見るのでなければ偏った考え方を植え付けられることに注意すべきであろう.

 医療関係の番組なら私は嘘にすぐ気付くことができるが,俗に言う健康番組や医療ドキュメント風番組にだまされている人たちも多いようだ.日本のマスコミの信憑性は低いという意識を持っていないといつの間にかテレビに洗脳されてしまうということはおぼえておいたほうがいいだろう.
『 -- 「世界中で見てもらえた。若い選手の励みになる」王監督 --

 王監督 「日本だけでなく、世界中で野球を知らない人にも見てもらえた。若い選手たちにも、がんばれば、こういう大会に出られるという励みになる。これをきっかけに、子どもたちに野球をやってもらいたい。お母さん方も、お子さんに野球をやらせて欲しい」 』

 子供に自分の仕事をやらせたいと言えるのは幸せなことだ.自分はとてもこうは言えないだろうなと思う.わざわざ自分の子供に苦労をさせたい親はいないだろう.「ちゃんと休みがとれて,人が死んだりしないで,失敗しても人に恨まれたり逮捕されたりしない仕事にしておきなさい.」と言いたい親は私だけではないだろう.

 でも,子供に「じゃ,高級官僚になる.」と言われたらどうすればいいんだろうか.
『 -- 愛媛県警の情報流出、FD240枚分 供述調書なども --

 愛媛県警の発表や関係者の話などによると、流出した情報は、警部がCD3枚に保存していたものとほぼ同一とみられている。ファイル数は4200を超え、フロッピーディスクだと約240枚分にあたる膨大な情報量だ。ある県警幹部は「印刷したものを積み重ねると2メートル近くになる」と話している。

 「仕事の文書」というフォルダの中には、供述調書など漏出があってはならない情報が多数、含まれていた。一方、「忘年会決算書」と題する私的に作成した文書も含まれるなど、機密情報と一般情報を区別せずに扱うずさんな管理ぶりもうかがわせた。

 少年法で氏名の公表が禁じられている少年事件をめぐっては、「少年不良グループによるひったくり事件」と題する文書に、少年らの住所、氏名、生年月日などが記されていた。また、少年たちがパチンコ店を出入りする様子を隠し撮りしたと思われる写真もあり、少年が特定される恐れもある。

 ある事件では「協力者工作」と称して、容疑者の身辺について情報を提供した捜査協力者の個人情報もあった。この協力者は「近隣のことであり、自分の氏名や情報提供した内容が絶対に漏れないようにしてほしい」と述べていた。

 そのほか、宇和島市で起きた未解決のバラバラ殺人事件の関係者の供述調書など、刑事訴訟法の手続き上、立件前には絶対に表に出ないはずの捜査資料も数多く含まれている。 』

『 -- 政府のウィニー対策 打つ手なく「使うな」と呼びかけ --

 ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を介して政府機関などの機密情報の流出が相次いでいる問題で、政府は15日、流出の危険性をホームページで注意喚起し、所管官庁へも再発防止を求めるなどの対策を発表した。ただ、一連の対策は決め手を欠き、抜本的な解決の道は見えないまま。安倍官房長官は記者会見で「最も確実な対策はパソコンでウィニーを使わないこと」と異例の使用自粛を国民に呼びかけた。

 「やっぱり注意してもらわないとね。その危険性があるなら、使わない方がいいでしょう」。小泉首相は15日夜、首相官邸で記者団にこう語った。首相が特定のソフトウエアについて使用自粛を求めるのは異例だ。

 内閣官房情報セキュリティーセンターの山口英補佐官(奈良先端科学技術大学院大学教授)は「乱暴だと言われるのは覚悟の上」と話す。

 それほど、政府は追いつめられている。

 政府機関の機密情報の流出は今年に入って加速している。2月下旬、海上自衛隊の秘密情報がネット上に漏れた事態を重くみた首相が、安倍長官に対策づくりを指示。長官は今月9日の事務次官会議に出席し、私有パソコンからの内部情報流出について「誠に憂慮すべき事態」と指摘して情報管理の徹底を求めていた。

 一連の漏洩(ろうえい)の原因はウィニーの入った私用パソコンで無防備に仕事をするなど「基本的なヒューマンエラーが大きい」と同センターのひとりは指摘する。海自の内部資料も、隊員の私有パソコンからウィニーを通じて流出したとされる。

 このため、各省庁は私有パソコンの管理強化に乗り出している。

 防衛庁は資料流出が発覚した直後の2月下旬、緊急対策として(1)私有パソコンに入っているウィニーなどのファイル交換ソフトの削除(2)私有パソコンに入っている秘密情報の削除??を全職員に指示した。額賀防衛庁長官も8日、自衛隊員が職場で使っている私有パソコンをなくそうと、官費で購入する方針も明らかにした。

 ただ、自宅の私有パソコンで仕事をするケースがゼロになるわけではない。例えば、外務省も省内パソコンの外部持ち出しを原則禁じているが、出張用パソコンは借りることができる。外務省関係者は「海外出張などでは私用のパソコンを持ち出すことも全く禁じられているわけではない」と説明する。

 一方、首相や安倍官房長官がウィニーの使用自粛を国民に呼びかけたことには反発も出ている。流出はウィニー自体ではなく、ファイル交換の過程で介在するウイルスが問題だからだ。

 中京大の鈴木常彦・助教授(情報技術)は「ウィニーに全責任を負わせても根本的な問題解決にはならない。政府はネット社会のリテラシー(活用能力)教育が教育現場でなされていない現状を直視し、充実させるきっかけにすべきだ」と話す。

 内閣官房は15日夜になって「ウィニーというソフトがそもそも問題だから使うべきではないとしたものではありません」と弁明するコメントを発表した。』

 今どきCD3枚が膨大な情報量といえるかどうかは別として,ソフトウェアの性能という点で評価すればウィニーとそのウィルスの効果は非常に高いということが証明される事件がまだ連日のように発覚しているようだ.情報をネット上に広めるのにこれほど効果的な方法はかつてなかったと思うが,問題はウィルスがパソコン上の情報を無作為に流出させるということだろう.

 安倍官房長官や小泉首相のように「危険性があるなら,最も確実な方法は」という政治家的臭いものにはふたの考え方でいくとパソコンを使わせないことに行き着いてしまう.ネットにつながったパソコンがある以上この考え方では行き詰まってしまうことは明らかだ.

 パソコンというのは言ってみれば人間の知力を増幅するような装置なのである.使う人に問題があればその欠点をも増幅するただの機械であるということを認識すべきだろう.だから,私物のパソコンを排除して内規を厳しくして情報管理を徹底させるということは人間に制服を着せて社内での礼儀をたたきこむのと同じようなことだ.でも,それだけで人間の本質が変わるだろうか.

 パソコンやソフトウェアは使う人を選ばないから無作為に情報をネット上に流すことによって,パソコンを使用する人の情報管理レベルを広く世間に知らしめてくれただけの話である.入手した個人情報を不正に使用すれば犯罪行為であるから流出した内容が正確に把握できれば,それ自体はほとんどの場合問題にならないだろう.むしろ問題にすべきは管理の甘かった各省庁や企業の情報管理部門だろう.その管理能力の低さを国民に教えてくれた点は評価してもいいかもしれない.

 おしゃべりな人間やだらしのない人間なんてどこにでもいるのである.パソコンにそれを世間に暴露されたからといって使うのをやめても,人間の方の問題が解決するわけがないのは明らかだろう. 
『 -- 坂本龍一氏ら呼びかけ、PSE法反対7万5千人が署名 --

 4月から安全性保証マークのない中古家電製品の販売が制限される電気用品安全法(PSE法)に対し、反対する活動をしてきた日本シンセサイザープログラマー協会は15日、経済産業省に約7万5000人分の反対署名を提出する。中古楽器を制度の適用除外にすることを要望するとともに「混乱を招いた責任の所在」を明らかにするよう迫るという。

 中古楽器には「ビンテージ」と呼ばれる年代物の名器があり、そうした製品を売買できなくする法は文化破壊だ――。音楽家の坂本龍一氏や松武秀樹氏らが呼びかけ、インターネット上で署名を募った。2月18日から締め切りの3月5日の間、1日5000件前後もの署名が寄せられた。同協会は14日会見を開き、松武氏は「彼らの声を届けたい」と話した。

 経産省は14日、ビンテージ品についてマークなしでも販売できる緊急対策を発表したが、同協会は「音楽家の立場で楽器を対象に訴えてきたが、求めているのは法施行前の中古品の販売を認めること」としている。 』

『 -- 中古家電規制「迷走」 PSE、対象品の線引きあいまい --

 安全性を保証する「PSEマーク」のない電気製品を06年4月から順次販売禁止にする措置に関し、経済産業省が土壇場で、希少価値の高い「ビンテージ楽器」を除外するなどの特例を決めた。実施直前のどたばたの背景には、規制強化を盛った法改正を行う際、中古品の扱いをきちんと議論せず、その後の周知も徹底しなかったという問題がある。リサイクル業者や中古楽器愛好者などから噴出した不満に泥縄で対応はしたものの、混乱は尾を引きそうだ。

 今回の規制強化を盛った改正電気用品安全法(電安法)は01年4月に施行されたが、販売禁止まで5〜10年の猶予期間を設定。対象450品目のうち、まず冷蔵庫など白物を含む259品目の猶予期間が3月で切れる。

 だが、リサイクル業界最大手の「生活創庫」(静岡県浜松市)でさえ、経産省から中古品の扱いについて初めて連絡を受けたのは昨年11月という。法の条文では中古品の扱いに全く触れておらず、経産省がホームページで中古品が対象になることを明示したのも今年2月になってから。リサイクル業者の間には「法自体に不備がある」として猶予期間の延長を求める声もある。

 この法改正作業は99年の通常国会で行われたが、電気事業法など10法と同時だったため委員会でもほとんど論議は行われなかったという。経産省は「もっと周知徹底を早めからやるべきだった」(杉山秀二事務次官)と反省はするものの、対象商品の販売は予定通り4月から禁止する方針で、つじつま合わせに「緊急対策」を講じる羽目に陥った。

 14日に示した緊急対策は、(1)漏電検査の無料代行または機器貸し出し(2)PSEマーク届け出書類の簡素化(3)ビンテージ楽器などを販売禁止対象外にすること、の3点。電安法では、リサイクル業者が漏電などの自主検査をして、経産省に届け出れば製品にPSEマークを付けて売ることができる。(1)と(2)は、中小零細業者が、新たな負担なしに中古品を販売できるようにする救済措置だ。

 だが、この措置には大きな問題が潜む。漏電以外の欠陥があってもマーク付きで売られてしまう懸念があるためで、経産省自ら「『マークが付いているから安全』とは言えない」と認める。

 規制対象外とするビンテージ楽器の条件も「希少価値があること」「現行製品で代替できないこと」などとあいまいだ。楽器販売大手の石橋楽器(東京)は「どこまでが認められるのか線引きが不明確で、基準がはっきりするまでは冒険できない」と話し、引き続きマークのない中古楽器は買い取らない方針だ。 』

 安全性というと消費者はあきらめるとでも思っていたのだろうか.経済産業省の官僚も意外な反応に驚いたことだろう.だが,この法律はどの程度の科学的根拠に基づいているのか疑わしい.たしかに古くなれば絶縁などに劣化が生じて漏電するような気はするが,家電製品の漏電事故のニュースなんてあまり聞いたことが無い.本当に問題があるのならビンテージ楽器だって例外にすべきではないだろう.

 別に坂本龍一氏が反対したからではないだろうが,このように反対のあった「ビンテージ楽器」を除外したり,漏電検査をしてPSEマークを付ければ売れるなどの抜け道がある事自体がこの法律に対する経済産業省のいい加減さを示している.本当に消費者の安全のための法律なのだろうか.

 厚生労働省も診療報酬改定でよく使う手のようだが,制度を変えてもあまり周知しないでおいて監査の時になって知らない者が馬鹿をみるようにしたり,土壇場になって解釈を変えてつじつまをあわせるのが官庁のやり方のようである.PSE法も同様のやり方で中古電化製品に流通規制をかけるのが本当の目的と考えた方がつじつまが合いそうだ.おそらく景気回復のために買換え需要を喚起しようと家電メーカーの天下り官僚と仕組んだのではないだろうかとも考えられる.そういう意味では「混乱を招いた責任の所在」を明らかにするのは大変いいことだろう.

 経済産業省は法律をたてに対象商品の販売は予定通り4月から禁止する方針のようだが,つじつま合わせに「緊急対策」の範囲がどこまで広がるのかに注目したい.そして,おそらく最後まで規制が残った電化製品を売っている家電メーカーあたりがPSE法の仕掛け人なのだろう.
『 -- 米軍の攻撃で子ども含む11人死亡 イラク --

 ロイター通信によると、バグダッドの北約100キロにあるイシャキで15日、イラク駐留米軍が「テロ容疑者拘束」のためとして民家を攻撃し、子ども5人を含む市民11人が死亡した。米軍は「武装勢力との戦闘で市民が巻き添えになった」としているが、イシャキのシャセル町長は「米軍の説明を求めたい」としている。

 同通信が伝えた地元警察当局や目撃者の話によると、米兵らが民家の屋根から家の中にいた人々を次々と撃ち、この家で暮らしていた11人が死亡した。米兵らはその後、民家を爆破したという。

 地域の遺体安置所には、子ども5人と女性4人、男性2人の射殺体が運び込まれた。

 これに対し米軍側は、国際テロ組織アルカイダ系のテロ組織の活動を支援していた男がいるとの情報があったため、民家に向かったと説明。「敵からの銃撃を受けて戦闘になった。容疑者を拘束したが、女性2人と子ども1人が戦闘の巻き添えになり死亡し、家が破壊された」としている。 』

『 -- 裁判長、報道陣に退廷命ず フセイン元大統領発言巡り --

 イラクのフセイン元大統領ら旧政権幹部8人を裁く裁判は14日、アブドルラフマン裁判長が途中で審理を非公開にし、傍聴席の報道陣に退廷を命じた。テレビ中継も中止された。フセイン被告が審理とは関係ない発言を続けたため、としている。

 中部ドゥジェイルの住民が虐殺された事件に関して被告は「イラク人よ、殺し合いをやめて侵略者に抵抗せよ」「私はイラクの大統領だ。国民に語りかけることをじゃまするな」などと発言。開廷後、約15分で非公開となった。 』

 フセイン大統領のこの言葉は間違っているのだろうか.テロ組織の活動を支援したという疑いで,おそらくは家族とともに皆殺しにされるというのは法治国家のすることとは思えない.米国民はイラク人なら誰でも米兵に殺されてもかまわないとでも思っているのだろうか.フセイン大統領の統治時代に比べてイラクという国はイラクの人たちにとって暮らしよい国になったのだろうか.報道が制限でもされているのか断片的なニュースしか伝わってこないので本当の事はわからない.最近はイラクと聞いてもまるで地球上の国ではないような錯覚を覚える.

 いったいイラクでは何が起きているのだろうか?米軍はイラクに機動部隊を700人増強派遣するようだから少なくとも安定に向かっているわけではなさそうだ.わが国も自衛隊を派遣しているのに何をやっているのかさっぱりニュースにならないのは何故なんだろうか.あれだけ騒いで送り出したのに一度派遣が決まってしまうとそれ以上マスコミは追及しない.米国に追従したはいいが何の役に立っているのかも国民に知らせないとはどういうことなんだろうか.

 米国はキリスト教的原理主義のもと民主主義の押し売りを続けているようだが,生まれた時からイスラム教的世界観で育ってきた人たちにとっては余計なお世話にすぎなかったのではないだろうか.自分の考えを他人に押し付けるために武力を行使するのが民主主義だというなら天安門事件だって民主主義っていうことだろう.

 そもそも多くの日本人にとってはイラクなんてどこだかわからない遠い国なんだからどうでもいいことなのかも知れないが,侵略者の米国にくっついて母国に自衛隊を派遣しておいてあとは知らんぷりという日本国民をイラクの人たちはどう思うのだろうか.

認識不足

2006年3月15日 社会の問題
『 -- 介護は誰が? 川崎・谷垣・額賀氏、三者三様の答弁 --

 「誰に老後の介護をしてもらいたいか」。14日の参院予算委員会で川崎厚生労働相、谷垣財務相、額賀防衛庁長官が、下田敦子氏(民主)の質問に三者三様の答弁をした。

 川崎氏は「夫婦の議論になっている。おれの方がおまえより先に亡くなるから、おまえがしっかりおれの面倒を見てくれ、と。女房の面倒は、息子がしっかりやらなきゃならんだろうなと考えている」。

 谷垣氏は「子どもがそういうことをやってくれるか、まだ議論したことがない。やってくれそうな気もするし、とてもそこまで望めないような気もするし」。

 額賀氏は「選挙でずっと女房の世話になっているから、女房より長生きして面倒を見たい。自分のことはそれから考える」。身に覚えがあるのか、出席議員からどよめきと拍手が起きた。』

 国会議員の皆さんは上流社会の人たちだから,介護は家族がするものという古典的考え方の枠からはみ出る家庭が実際にはかなり存在するという認識はおそらくないのではないだろうか.そもそも女房より長生きなどと簡単に言うが,自分よりかなり年上の奥様でないと女房より長生きすることは不可能だろう.なにせ女性の平均余命の方が最近では6歳ほど長いのだから.

 それに,高齢化に伴う痴呆症の問題もある.いくらお互いに介護しようと思ってもひどい痴呆症や徘徊などの症状が出てくると自宅での介護は家族もお手上げになる場合が多いのだ.だが,先日も書いたが痴呆がひどくなると施設でも見放されることが多くあとは精神科の病院にでも入院してもらうしかないのが現状である.精神科の病院から社会的入院の患者さんを退院させ,代わりに痴呆症の患者さんを入院させるという厚生労働省の愚策を実行したとしても受け皿がぜんぜん足りないのではないだろうか.

 介護保険により社会的入院を減らし自宅での介護を増やし,健康保険の負担を減らすのはいいが,低所得で共働きしているような家庭にとっては介護に人手がとられ,介護保険でまかなえない分を負担させられたのではやっていられないだろう.議員さんたちは,国会では自分たちの生活レベルで考えてのんきな答弁をされているようですが,果たしてそれでいいんでしょうか.そして,こんな小学生レベルの質疑応答している国会議員では厚生労働省の高級官僚にまるめこまれるのも当然という気がしますがどうでしょうか.
『 -- 「近所の子もどうぞ」宇都宮大キャンパスに保育所開設へ --

 「大学のキャンパス内に保育所をつくりたい」――。宇都宮大学教授らの働きかけで、この秋、宇都宮市にある同大学内に私立の認可保育所が開園する。同大によると、医学部のある国立大学で付属病院で働く看護師らのために保育所を設ける例はあるが、周辺地域の子どもを受け入れることを設立当初から掲げているのは全国的に珍しい試みという。

 「ゆりかごから老後までみんなに使ってもらえる、そんな地域に開かれた大学になれたら素晴らしいでしょ」。中心になって活動してきた同大教育学部の金崎芙美子教授(63)は、保育所をつくる理由をこう語った。学内に保育所のない時代、働きながら子どもを育て上げた経験がある。

 国立大学の法人化で「地域貢献」がキーワードになると見込んで、03年に構想を具体化。市や大学と交渉してきた。

 近くにある市立保育園の老朽化が進んでいたこともあって移設民営化が決まり、大学からも無償で土地を借りる約束を取り付けた。学内では教職員に働きかけて設立準備委員会を設置。募金で、教授や職員、周辺の商店から計3200万円を集めた。

 保育所の名前は「宇都宮大学まなびの森保育園」。定員は90人で0〜5歳児が対象。運営母体として社会福祉法人「峰陽(ほうよう)会」を立ち上げる。大学付属機関にはならないが、教育学部長が理事に就任するなど、大学との連携を図る。

 教授らは10月の開園を心待ちにしている。「保育所ができたら食育のテーマで支援したい」「留学生の利用を見込んで異文化教育をしたい」

 3月で退官する同大工学部の浅野功義教授(65)は、寄付だけではもの足りず、今後も保育所にかかわる決心をした。「4月から教育学部で勉強し直して保育士の資格を取ります」。資格取得までの2年間は「用務員のおじちゃん」になり、子どもたちと対話するのを楽しみにしている。

 金崎教授は言う。「法人名の『峰陽』はキャンパスのある峰町と陽東の住所から名付けました。抱擁、愛の意味もある。しっかりと抱きしめて保育所から愛を広げていきたい」』

 外来でたくさんの人を診ていると人間の多様性に驚かされることがよくある.入院して主治医になれば性格や考え方までわかることも多いけれど,外来ではさすがにそこまではなかなかわからない.それでも背格好,顔立ち,声や話し方などといった特徴はもちろん年齢,職業,住所,病歴といった詳細な情報があるから,どんな人なのだろうと興味を持てばかなりのことがわかってくる,

 でも,仕事の必要で観察する点を除けば,私が一番興味あるのは話し方である.ここにその人のすべてが集約されていると思う.言葉使いや話の内容からその人となりを類推するのである.そうすると人間というのはいかに環境によってつくられているのかがわかる.そうしてたくさんの人をみれば人間としての核を形成する幼少児期の教育がいかに大切かということに程なく思い当たるのは当然のことだと思う.

 3月で退官する同大工学部の教授が,寄付だけではもの足りず保育所にかかわる決心をしたのがどんな理由かはわからないが,日頃から大学生を教えていて私と同じようなところに考えが至ったような気がする.人間は大人になるとなかなか自分を変えることはできないことは思い当たる人が多いのではないだろうか.もっと小さい頃にこういう性格を直したかったと思う人もたくさんいることだろう.

 実際,人生は考え方次第であるのだが,頭ではわかっていてもそれができないというのは誰にでもあるだろう.現代日本社会の問題も社会を構成する人間という側面からみれば,戦争で物資がなく物質的な豊かさを追及した世代,大勢で競争しなければならなかった団塊世代,ゆとりを追及しすぎて目的を失った世代などの各世代でそれぞれの問題を抱えているとも言えるのではないだろうか,

 少子化の時代には他人と競争する必要はないだろうが,目的なしで生きていられるほど未来は明るくない,数は少なくとも背中に背負うものは大きくなる一方である.これからは,未来に理想を描きつつ過去の問題を解決できるような人間が増えてもらわないといけない.そう考えると子育てに社会資本を投下することはまちがいのない選択枝のように思えるのだがどうだろうか.

 
『 -- 「認知症見守り隊」発足へ はいかい発見に連絡網も --

 大阪府は8日、認知症の高齢者を地域が見守る「認知症見守り隊」を発足させ、はいかいを早期発見するためにタクシー会社やコンビニも参加した緊急連絡網づくりに乗り出す方針を固めた。

 府によると、こうした取り組みは都道府県では初という。府内の1つか2つの市町村で2006年度、実験的に実施し、将来的には全市町村に広げるとしている。

 見守り隊は、一人暮らしや高齢者同士で住む世帯を対象に、地域のボランティアなどが閉じこもりがちな人の外出を手助けしたり、毎日訪問を続けて健康チェックをするグループで、市町村が隊のリーダーを数十人単位で募集。高齢者の世話の仕方などに関する研修で得た知識を地域で役立ててもらう。

 また、はいかいが原因で死亡や行方不明となる高齢者は4年度で計約100人に上り、年々増加していることから、タクシー会社やコンビニのほか、警察、消防、郵便局に連絡が行き渡るような連絡網を作成。捜索に一役買ってもらう。

 6月には府内5000世帯を対象としたアンケートと聞き取り調査を実施。近い将来、認知症になる可能性が高い高齢者数などを調べ、今後の施策に反映させる。

 府の65歳以上の高齢者100人当たりの要介護者数は19.5人(全国平均16.8人)。このうち、約半分が地域による見守りを必要としているという。』

 はいかい発見を本気でやるならここは最近NTTドコモが始めたイマドコサーチというサービスを認知症患者用の携帯電話でも作って提供してもらってはどうだろうか.

 このサービスはパソコンで使うと地図の精度が高くて現在位置が建物単位までわかるから非常に便利である.イマドコサーチでだいたいの位置を把握してから探せば効率的だし,緊急時の連絡先を電話に登録しておき発見した人が電話できるようにしておいけばさらにいいだろう.

 政府は災害時のことを考えて携帯電話にGPS機能を搭載するように指導しているが,屋外を徘徊中に死亡や行方不明となった高齢者が全国で1年間に900人もいるそうだから,きっと1万台くらいは売れるんではないだろうか.

 NTTドコモの方,高齢化社会への貢献としてひとつどうでしょうか?もちろん高齢者割引でお願いしますね.
『 -- 米上院議員「再開遅れれば対日制裁」 牛肉輸入問題で --

 米共和党のブラウンバック上院議員は7日、加藤良三駐米大使と会談し、日本による米国産牛肉の再禁輸について意見交換した。肉牛生産地であるカンザス州選出の同議員は会談後、「日本の再禁輸はあまりに長期にわたっている。すぐに友好的な合意に達しなければ、米議会は対日制裁を科さざるをえない」とする声明を出した。

 会談で加藤大使は、再禁輸の原因となった米国産牛肉への背骨混入問題に関する米農務省の報告書について、日本側が質問書を出し、回答を待っている状況などを説明したという。 』

 ブラウンバック上院議員は問題がどっちにあったかをもう忘れたのだろうか.対日制裁を科すならどうぞと言いたい.米国産牛肉がなくたって別に困っていないから.それよりも日本の消費者の傾向を見誤っているのではないだろうか.どうせ輸入解禁になったって今度はすぐには飛びつくわけがないだろう.日本には「二度あることは三度ある」という言葉もあるのだから.

 米国が対日制裁をちらつかせて政府がたとえ折れたとしても,日本国民には不買運動という手もあるのだ.相変わらず輸出用農産物の品質管理にはあまい米国であるが,食と健康に敏感な日本人にいつまでも戦勝国が力づくで食べ物を売りつけるようなことができるとは思わないほうがいいだろう.

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