『「次官殺した」と男出頭 銃刀法違反容疑で逮捕へ

 22日午後9時20分ごろ、東京都千代田区霞が関の警視庁本部に、男が「次官を刺した」と車で出頭した。警視庁によると、男は血の付いたナイフとスニーカーを持っていたという。

 警視庁は男を麹町署に同行、銃刀法違反の疑いで逮捕する方針。元厚生次官ら連続殺傷事件との関連について、慎重に調べている。男は46歳で「コイズミ・ツヨシ」と名乗り「昔、保健所にペットを殺され腹が立った」などと話しているという。

 男は連続殺傷事件の犯人の目撃情報と同じ身長165センチで、さいたま市の住民票を所持していた。サバイバルナイフ8本を所持し、うち2本に血が付いていた。車は川越ナンバーの軽乗用車で後部座席には段ボール箱があった。レンタカーだった。

 連続殺傷事件は18日午前発覚。さいたま市南区の元次官山口剛彦さん(66)宅で、山口さんと妻美知子さん(61)が玄関で胸などを複数回刺され死亡しているのが見つかった。同日午後6時半ごろには、東京都中野区の元次官吉原健二さん(76)宅玄関で、吉原さんの妻靖子さん(72)が宅配便を装った男に胸を刺され重傷となった。

 吉原さんは1988-90年、山口さんは96-99年に旧厚生省の事務次官を務めた。警察庁は元同省幹部を狙った連続テロの可能性があるとみて、全国の警察本部に関係者の警備強化を指示していた。』

 真犯人かどうかは吉原靖子さんの証言を待つしかないが,動機が小学生の頃にペットを殺された恨みというのはどうにも信じられない話だ.そもそも保健所というのは厚労省ではなくて地方自治体の管轄だったような気がする.

 事務次官という厚労省の実質トップ経験者が狙われたということで,まず考えられるのは厚労省の年金事業の不祥事に関する口封じではないかということだ.将来的に民衆党政権になったときには,歴代厚労省幹部に対して国会による訴追が行われるという話もあるようだから,その時に重要な証人となる事務次官の口を封じることは厚労省に指示を出した誰かにとっては重要なことだったに違いない.

 それにしてもあまりにも準備周到で,一般人が知りえない個人情報を犯人が知りえたことも不思議である.真犯人として自首するために証拠の品がきちんと揃っているというのも出来すぎのような気がする.これで事件が解決するとしたらあまりに安易な結末で何かおかしな感じがするのは私だけだろうか.
『「医師、社会常識欠落している人が多い」首相が問題発言

 麻生首相は19日午後、首相官邸で開かれた全国知事会議で、地方の医師確保策に関連し、「自分で病院を経営しているから言うわけではないが、医師の確保は大変だ。もっとも社会常識が、かなり欠落している人が多い。とにかくものすごく価値観が違う。そういう方をどうするか、という話を真剣にやらないと……」と述べた。

 首相はこの後、首相官邸で記者団に対し、自身の発言について、「まともなお医者さんが不快な思いをしたというのであれば、申し訳ない」と陳謝した。

 首相の発言に対し、日本医師会の中川俊男常任理事は19日の記者会見で、「信じられない。首相がそんなことを言うとは思えない。これから事実確認をしたい」と述べた。民主党の鳩山幹事長は19日、都内で記者団に対し、「首相の方こそ、社会的常識が欠落している。認識不足だ」と批判した。公明党幹部も同日、記者団に「首相なんだから、発言にはもう少し気をつけてほしい」と不快感を示した。』

『「医者は常識ない」発言

 ——今日、知事会議の方で。

 「知事会議、はい。知事会議って新聞記者いたんじゃねえの」

 ——ええ。そのなかで、文脈として「医者にはもっとも社会常識が欠落している人が多い」ととれる発言があったのですが。

 「ああ、そう」

 ——その真意をおうかがいしたいのですが。

 「お医者さんってのは、なったのおれの友達にもたくさんいるんだけど、あのー、なんとなく、そう言った意味で、なんとなく、ちょっと全然、話とか意見が全然おれとは波長が合わないやつが多いなと。友達多いせいか、そう思ってまして、うちも医者がいっぱいいますから、そう思っていて、何て言ったんだって? ちょっと今覚えてねえけど」

 ——「医者にはもっとも社会常識が欠落している人が多い」ととれる発言。

 「そういう意味ではまったくありません。だから、そういった意味で、なんてーの、まともなお医者さんが不快な思いしたっていうんであれば、それは申し訳ありません、そりゃ」』


 この人にとっては,「なんとなく、ちょっと全然、話とか意見が全然おれとは波長が合わないやつ」が社会常識がかなり欠落している人ということになるらしい.自分とものすごく価値観が違う人が社会常識の欠落している人だと首相が言うのだったら,ほとんどの国民が自分は社会常識が欠落していると思わねばならなくなるだろう.なにせ,この人は国民の支持なしに首相の座に居座り,2兆円もの公金を無責任にバラまくことができる人なのである.医師に限らずそんな価値観がわかる人が一体どこにいるのだろうか.

 ところで,この発言が地方の医師確保のために何か意味があるのだろうか.医学生の7割は、医師不足地域での勤務も条件次第でOKとアンケートで答えたようだが,その条件というのは「処遇・待遇(給与)がよい」(67%)、「居住環境が整備されている」「自分と交代できる医師がいる」(以上、58%)と待遇面が目立ったそうだ.まあ,当たり前の話である.医学生に限らず条件が合えば地方で勤務してもいいという医師は本当はたくさんいるに違いない.

 問題は,政府が医療費削減ばかりを考えて,医師の労働環境の改善をまともに考えもしなかったことだろう.厚生労働省も国民を欺く不正行為は別として,医療行政に関しては政府の手先にすぎず,結果として医師や病院の負担を増すような施策ばかりを行って医師の不信や不満を増大させ続けてきたことも問題である.こういった行政側の無策を棚にあげて医師のモラルや社会常識のせいにするのは国民の非難を医師に向けさせるためのデモンストレーションなのだろうか.

 現内閣は国民のために実効性のある政策は一つとして出来ないのに,問題発言ばかりが目立つような気がするのは私だけだろうか.先日も二階経産相が失言で発言撤回したばかりだというのに,今度は首相自らまた同じ間違いを繰り返しているのである.「何て言ったんだって? ちょっと今覚えてねえけど」,「なんてーの、まともなお医者さんが不快な思いしたっていうんであれば、それは申し訳ありません、そりゃ」なんて言ってトボケたら忘れてくれるような,首相と価値観を同じくする医師なんているわけないに決まってるんじゃないでしょうか.

 地方の医師確保も大事だが,『こういう方をどうするか』という話を国民が真剣にやらないと……
『「給付なんていらない人、いっぱいいる」

 麻生太郎首相は14日午後(日本時間15日未明)のワシントンでの同行記者団との懇談で、定額給付金について「給付なんておれはいらない、というプライドもある人もいっぱいいる」と指摘した。

 首相は「年間何千万円、何億円もらっている人が1万2000円ちょうだいと言うのかね」と強調。所得制限するかどうかの判断を市町村に委ねたことについては「地方分権だから地方で決めたらとの話だ」と説明した。』

 国民に愛想を尽かされながらも居座っている総理大臣にプライドと言われても,プライドという言葉の意味が本当にわかっているのかどうか疑わしい.もっとも,この記事の後半を読むと,給付金なんていらないというのは高額所得者と決めつけているようから,この人にとって「プライド」というのはどうやらお金持ちが持っているものらしい.

 一方,美しい日本には古来,『恥』と言う言葉があるのをこの人は知っているのだろうか.給付金に限らず,いつまで独り善がりな中身のない首相ごっこを続ければ満足するのだろうか.「プライドのあるお坊ちゃま」の考えることは「プライドのない我々庶民」には見当もつかないのである.

11月19日追記

『松沢成文・神奈川県知事は、福沢諭吉の独立自尊の精神を取り上げ、定額給付金を批判。「不景気になると政府が国民に金をばらまくということをやっていると、国民の自尊心が育たない。お金をもらうことで政府に対する鋭い批判もなくなる。政策理念として極めて問題がある」と指摘し、麻生首相に見解をただした。

 一方、麻生首相は「そういった(独立自尊の)意識が神奈川県民にあるとするならば、(所得が)500万円でも(給付金を)取りに来ない人は取りに来ない。5000万円でも欲しい人は欲しい。返す返さないは本人の哲学の問題であり、矜持(きょうじ)の問題なんだと基本的に思っている」と述べた。』

 どうやら首相は給付金を取りに来るのは自尊心のない人だと思いながら,お金をばらまくつもりのようですね.これでは給付金を受け取る人間を辱めることになるのではないでしょうか.給付金も元は税金なのにまったく国民を馬鹿にした話です.とても常識のある知的な人間のやることではないような気がします.

『二階経産相も失言で、発言撤回

 東京都内で脳内出血の妊婦が相次いで救急搬送を拒否された問題で、二階俊博経済産業相が「医者のモラルの問題」と発言したことから、医師などの団体から抗議が相次いだ。二階経産相は13日、謝罪した上で発言を撤回した。
 発言は10日、二階経産相が舛添要一厚生労働相とともに、病院の情報伝達システム開発を両省で強力して行うことを表明した際に飛び出した。
 二階経産相は搬送拒否の問題に触れ、「医者のモラルの問題だ。相当の決意を持ってなったのだろうから、忙しいだの、人が足りないだのということは言い訳に過ぎない」と、発言した。
 これに対し、全国医師連盟が「産科救急の問題は、基本的に人員や施設の不足に起因」とした上で、「発言でモチベーションが下がり、さらに離職する産科医が増える」と抗議声明を発表。他にも2つの市民団体から抗議の声が挙がった。
 13日の参院厚労委員会でも足立信也議員(民主)が発言の真意を質問したところ、二階経産相は「発言が医療に携わるみなさまに誤解を与えたことをおわび申し上げ、発言を撤回する」という回答を寄せた。』

 国民に愛想を尽かされながら居座っている内閣の閣僚にモラルうんぬん言われるとは産科救急医もずいぶんと馬鹿にされたものだ.撤回したなどと言っても,本人は未だに医療崩壊の原因が医師のモラルの低下にあると考えているに違いない.これではせっかく救急医療の現場に踏みとどまっている医師ももうつきあっていられないということになるだろう.救急医療の最後の砦からの逃散も再び加速するに違いない.

 医療現場の実情や医師の気持ちなどまるでわかってないのに,大臣ともあろう者が思い込みで発言した挙げ句,非難されるとすぐに撤回するとは大人として恥ずかしくないのだろうか.この程度の理解しかないから医療情報システムを導入すれば問題が解決するなどと考えることができるのだろう.まったく問題の本質がわかっていないのに医師を非難して反感を買い,我田引水よろしく自分の利権を得ようとする輩こそ政治家としてのモラルを問われるべきではないだろうか.


 
『「小学生には携帯持たせない」政府の教育再生懇が提言案

 政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾長)の携帯電話問題ワーキンググループは12日、子どもの有害情報対策として「小学生が携帯電話を持つことがないようにする」ことを盛り込んだ提言案をまとめた。年末に麻生首相に提出する。

 中学3年生の63%、小学6年生の32%が携帯電話を持っているという文科省の調査結果を踏まえ、特に小学生が携帯を持たないようにする取り組みを重視。携帯電話がなくても困らないようにNTTに公衆電話の増設を求める。

 非常連絡のため子どもに携帯電話を持たせたいとの親の声にも配慮。通話機能などに限定された子ども向け機種を無償貸与する案を検討することも盛り込んだ。』

 携帯電話を持っている小・中学生には教育上の特別な問題があるという確たる証拠でもあるのだろうか.特に小学生には中学生よりも不都合が多いのであろうか.この調子ではそのうち小学生の携帯ゲームもPCの使用も禁止にしなくてはならなくなることだろう.きちんとした科学的根拠もなく道具の使用を禁止したり,新しいテクノロジーから子供たちを意図的に遠ざけるのは人間の脳の進歩を妨げるだけのような気がするのは私だけだろうか.

 携帯端末は今後おそらくPCにとって替わる情報通信機器になっていくと思われるのだが,ますます重要になる情報端末の正しい利用法を教えることなく子供達をインターネットから遠ざけていったい何をどう教育するつもりなのだろうか.教育再生懇の識者の方々は当然インターネット誕生以前に生まれた人たちなのだろうが,今の子供達は生まれた時にはインターネットも携帯もPCもすでにあった世代なのである.大人たちに都合が悪いからといって,すでにあるものを消し去って自分たちの子供の頃と同じように育てようというところにすでに無理があるだろう.

 いまだに教育再生懇の識者の方々の脳に懐古趣味的な「美しい国」なんていう考えがあるのだったら一度リセットボタンを押してもらって,今の子供たちの視点で『未来の新しい日本』をどう作ってもらいたいかを考えるべき時ではないだろうか.

『定額給付金、所得制限設けず 首相

 麻生太郎首相は10日夜、総額2兆円の定額給付金について、支給対象への所得制限を事実上、設けない考えを表明した。首相は高額所得者に辞退を促す方式を排除しないとしながらも、具体的な基準については「本人の意識の問題だ」とも指摘。政府は明確な線引きをせず、受け取るかどうかの判断は各世帯に委ね、制度上は全世帯への支給を可能にする方向だ。
 政府・与党は首相の意向に沿った案を軸に11日に結論を出す方針。首相は10日夜、高額所得者に辞退を促す基準について「5000万円もらっても高額所得じゃないという人もいれば、500万円もらっても(給付金は)いらないという人もいる」と述べ、受け取る側の判断に任せる考えを示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。
 首相は所得制限が難しい理由として「所得制限すれば、その人が(所得が)いくらあるかというのを確認しなくちゃいけないから法律もいる」と語り、法改正などに時間がかかると指摘。そのうえで「『(給付金を)いらない』という方がいらっしゃるんだったら、それで結構だ」と強調。』

 定額給付金の元はと言えば公明党がこだわった定額減税だったような気がするが,それだと納税者しかメリットが無いしすぐに経済効果が出ないから手早く金券を全世帯に配布するということになったのではなかったろうか.そして,それがいつの間にか高額所得者には配布しないという話になっていたのだが,所得の確認作業のための手続きが面倒で時間もかかるので麻生首相はあきらめたということだろうか.

 それとも,生活保護をもらってパチンコに毎日通う人がいる世の中にこの給付金の使い道を年収と関連付けて考えること自体が無意味だということにやっと気がついたのだろうか.

 まあ,もらってしまえば何に使おうとその人の自由というのがお金だから,それこそ給付金の意味は「本人の意識の問題だ」なのである.政府がくれるというものを拒む人はおそらく誰もいないだろうが,もし辞退するくらいだったらもらったお金を寄附するなんていうのがいいのではないだろうか.世界にはあなたより恵まれない人はいくらでもいるし,小額とはいえ自分の意志で公金の使い道を決定できる唯一のチャンスなのだから.
『大阪・キタひき逃げ逮捕、22歳男は飲酒・無免許運転

 大阪市北区梅田の交差点で先月21日未明、堺市東区の会社員鈴木源太郎さん(30)が車にはねられ、約3キロ引きずられて死亡したひき逃げ事件で、大阪府警交通捜査課の曽根崎署捜査本部は5日午前、住所不定、元建築会社従業員でホストの吉田圭吾容疑者(22)を殺人、自動車運転過失傷害、道路交通法違反(無免許運転)の容疑で逮捕した。吉田容疑者は免許失効中で、「酒を飲んで無免許運転していたので警察に捕まると困ると思い逃げた。殺してしまったことに間違いありません」と容疑を認めている。

 発表によると、吉田容疑者は10月21日午前4時19分頃、大阪市北区梅田の国道176号交差点で、無免許運転中、横断していた鈴木さんをはねたうえ、車の底部に巻き込んだまま3キロ逃走、引きずったことによる外傷性ショックで鈴木さんを殺害した疑い。

 供述によると、吉田容疑者は同交差点で信号待ちしていたが、発進直後、目の前にいた鈴木さんに衝突したという。吉田容疑者は、「人が倒れ、車が乗り上げたのがわかった。引きずったまま走れば死んでしまうことぐらいはわかっていたが、とにかくその場から逃げ去りたかった」と言っている。

 府警は、鈴木さんを引きずっていることを認識しながら「死んでも構わない」と逃走を続けたとして、殺人容疑を適用した。同乗者はいなかったとみている。

 事件の目撃情報などから府警は犯行車両を「黒いワゴン車」とみて捜査。今月1日、大阪市此花区内の民間駐車場でトヨタ・イプサムを発見、押収。車底部に事故によるものとみられる傷や血痕、繊維片が見つかった。所有者の建築会社経営者から事情を聞いたところ、この車を業務用として日常的に使っていた吉田容疑者が、事件直後に「会社を辞める」と手紙を残し、所在不明となっていることが判明、行方を捜していた。大阪・ミナミでホストをしていることがわかり、周辺を調べていた捜査員が5日未明、ミナミのラーメン店にいる吉田容疑者を発見し、府警本部に任意同行、事情を聞いていた。』

 犯人が捕まったところで死んでしまった人が戻るわけではないが,遺族の方にとって僅かな慰めにはなるのだろうか.無免許(1年間の免許取り消し処分中)で車を運転するだけでもとんでもない事だが,さらに飲酒,人身事故,ひき逃げと罪を重ねて破滅への道を走り続けたのは自分だけは逃げられるつもりだったのだろうか.

 こういう利己的で馬鹿げた犯罪を予防するには,やはり犯罪が割に合わないという事を事前に理解させるだけの罰を用意して,それでも犯罪を犯すような者には厳罰を与えて再犯や同じような犯罪者の出現を予防するしかないだろう.

 ひき逃げ事件は10年前の2倍以上に達しているというのも,飲酒運転での死亡事故などに適用される危険運転致死罪が懲役1年以上20年以下なのに,ひき逃げは10年以下と軽いからとりあえず逃げて飲酒の証拠を隠滅しようとする輩が多いからなのだろうか.それなら,ひき逃げはもとの罪に対して2倍の刑にでもすればいいかもしれない.

 このように犯罪者がさらに犯罪を積み重ねて逃れようとするような刑法では,法が犯罪を助長するようなことになるから,さらなる罪を犯すのを思いとどまるように罪と罰とのバランスを取らなければならないのではないだろうか.一方で交通事故というのはある意味で避けられないものなのだから,怪我をした人を救護した場合には幾分か情状酌量されるということを明記するのもいいかもしれない.

 この犯人も,もしすぐに車を降りて救護していれば命は助かっていた可能性が高いのに,「引きずったまま走れば死んでしまうことがわかって」いても走り続けたのだからやはり殺人罪が妥当なのだろう.自分で責任を取れない人には,他人が取らせるしかないのだから.

『社保事務所、健保資格喪失を隠ぺい 厚生年金改ざん発覚防ぐ

 厚生年金の算定基準となる標準報酬月額の改ざん問題に絡み、各地の社会保険事務所が不正の発覚を防ぐための隠ぺい工作をしていたことが21日、明らかになった。厚生年金から脱退させられ、健康保険の資格もなくなった中小企業の従業員に、資格喪失の事実が知られないよう書類操作などをしていた。社保事務所の元職員が同日午前の民主党の部門会議で証言した。
 厚生年金の改ざんでは、従業員が過去にさかのぼって年金制度から脱退していたように装う手口がある。事業主は保険料負担を減らすことができるうえ、社保事務所も納付率を上げられ、双方が合意のもとで偽装を進めていたとされる。
 中小企業が厚生年金を脱退した場合、加入する政府管掌健康保険(10月から全国健康保険協会に移行)からも抜けることになる。年金を脱退させられた従業員は政管健保の資格を失い、本来なら医療費も全額自己負担する必要があった。』

 厚生年金と健康保険の両方を扱っていたからこそできた隠蔽工作だろうから,一連の不正が組織ぐるみであったことが明らかになるのだろう.厚労省の出先で実務機関だった社保庁が組織ぐるみでやっていたのなら,さらに上からの指示があったのではないかと考えるのが普通だろう.そして,たとえ今後,社会保険庁の看板をつけ変えたところで,不正行為で国民に損害を与えた者たちがそれ相応の罰を受けなければ国民の怒りはおさまらないし,本体の厚労省の関与も追及されてしかるべきだろう.
 
『 陸自、ウィニー介し内部文書流出 広島の幹部PCから

 陸上自衛隊の内部文書が、ファイル交換ソフト「ウィニー」のネットワーク上に流出していることが20日、わかった。確認された範囲では防衛機密を含む情報はないという。陸自第13旅団司令部(広島県海田町)の幹部自衛官作成とみられるデータがあり、幹部はウィニーを使っていたことを認めたという。

 防衛省では06年以降、ファイル交換ソフトの使用や、私有パソコンでの業務データの取り扱いなどを禁じているが、幹部の私有パソコンに残っていた業務データがウィニーを介して流出した可能性があり、処分を検討している。

 陸自によると、流出が確認されたのは、99年から05年にかけて作成されたとみられる業務データで、「FOC」関連のフォルダーの中に、陸自の通信設備を予算要求するための部内での説明資料や、通信担当部署の組織概要を記した資料があったという。

 FOCは通信を専門とする陸自の幹部自衛官に対し、必要な知識や技能を習得させる上級幹部課程のことで、作成者とみられる自衛官も通信担当幹部。この幹部は「私有パソコンは今は職場で使っておらず、業務データも削除していた」と話しているという。

 防衛省では06年2月、海上自衛隊の防衛機密に指定された情報などがウィニーを入れた私有パソコンから流出したため、ファイル交換ソフトの削除とともに、▽職場での私有パソコン使用▽私有パソコンでの業務情報取り扱い、などを禁じた。だが、その後もウィニーによる流出が相次ぎ、第13旅団でも昨年5月に3等陸曹が私有パソコンから名簿や給与明細などの個人情報を流出させたことが判明し、停職6日の処分を受けている。』

 海自では辞める隊員に訓練の名目で集団制裁を加えたかと思えば,陸自では未だにウィニーなんかでファイルを流出させている.こんな自衛隊で万が一の時に本当に大丈夫なんだろうかっていう不安があります.だって,合理的な判断力に欠ける隊員が結構そこらじゅうにいるように思えてくるじゃないですか.

 一般の会社員にだって,あるいは医者にだっておかしな人は確かにいるのだろうけど,自衛隊って武力を持っているから何かとっても怖い感じがするのです.それでも上の方の人がちゃんとしていればいいんでしょうが,幹部の考え方に問題がある場合はどうなるんでしょうか.

 死亡したのが隊員で,流出したのは機密文書じゃないからいいという話ではないと思いますが,どうでしょうか.


『厚労など6省に飛び火 自民の「資料要求制限」

 野党からの資料要求があった際に事前相談するよう自民党が農林水産省に指示していた問題が2日、厚生労働、防衛など6省に飛び火した。問題拡大を受け民主党は「民主主義を破壊する行為」(菅直人代表代行)として徹底追及する構えで、衆参予算委員会審議の新たな火種となりそうだ。

 厚労省は2日、民主党の会合で、後期高齢者医療制度に関する資料要求で事前に自民党国会対策委員会に報告したケースが2件あったことを認めた。さらに内閣官房と防衛、外務、総務、経済産業の各省も同様の指示を受けたことが判明した。

 内閣官房は口頭で指示を省内に伝達。外務省はメールで関係部署に伝えた可能性もあるとしている。農水省関係者によると、自民党からの指示は汚染米転売問題の発覚後の9月12日、内閣総務官室を通じ全省庁に伝えられたとされ、全府省庁で行われている可能性もある。』

『自民党:民主の資料要請で事前相談、全府省庁に要求

 自民党の国会対策委員会が農林水産省などに、民主党から資料要求があった際は事前に自民党側に相談するよう求めていた問題で、自民党国対が、全府省庁に対して相談するよう求めていたことが3日、明らかになった。同党の村田吉隆国対筆頭副委員長が各府省庁の官房長に直接指示していた。野党側は「自民党による事前検閲」と反発している。

 村田国対副委員長によると、野党の各府省庁への資料請求が膨大な量に上ることから、資料請求のあり方などについて自民党国対として民主党側にルール作りを申し入れている。このため、実態把握の観点から9月12日に各府省庁の官房長に「ルール作りのために実態把握が必要なので相談してほしい」と求めたという。内閣総務官室も自民党国対の意向を受け、各府省庁の国会担当者に指示していた。

 農水省はこれを受けて9月12日付で「野党からの資料要求には、各省庁限りの判断で資料を提出することは厳に慎み、自民党の国対筆頭副委員長に相談すること」との文書を省内に出していた。

 3日午前の記者会見で二階俊博経済産業相は「確かめてみたが、国会活動を制約する意図は感じられない」と述べ、「事前検閲」の意図はないと説明した。』

 国民への情報開示をコントロールするということは一種の情報操作で,国家の安全にかかわる事項でかつ非常時以外にはやってはいけないことだろう.これを許してしまえば世論を操作して政府に有利なように事を運ぶことが可能になり,国民は不正確な情報のために正常な判断ができなくなるわけである.

 農林水産省や厚生労働省は国民の健康や生命に直接関わる仕事をしているし,国家公務員は本来国民のために働く義務があるにもかかわらずこういった背信行為に加担するとは許しがたいことではないだろうか.自民党も官僚も国民をないがしろにしているようで,これほど国民をばかにした行為はないだろう.

 もっとも,ずっと以前から行われきたであろう事がどこからとなく漏れてくるようになったのも,総選挙で自民党が負けるかもしれない雰囲気になったからいうのが本当のところかもしれない.もっと状況が自民党に不利になればさらにいろいろな積年の問題が公になってくるに違いない.

 自民党と官僚はお互いの利益のために持ちつ持たれつの関係で税金の無駄遣いをやってくれていたのだろうが,正直言ってもういいかげんにしてもらいたいものである.実現可能かどうかはわからないが,民主党の小沢代表の先取り所信表明演説は結構面白かった.仮に民主党になっても医療政策や物価高騰が今より悪くなるとも思えない私としては一度官僚制度をぶち壊してもらったほうが気分的にもすっきりするので総選挙に期待しているのである.

 それにしても,総選挙が不利だと思ったのか自民党いや麻生首相の往生際の悪さはなさけない.前首相(名前が思い出せない!)が衆議院を解散せずに逃げたのもあるだろうが,その前首相を支持していた議員が今度は麻生首相支持に回っているそうだから,もうなりふりかまわずということなのだろう.この頃の自民党議員には潔さというものはないらしい.こういう時には解散して民意を問うのが民主主義だろう.
『「予算審議、滞らないよう辞任」中山氏が説明

 中山国交相は28日午前、国交省内で記者会見し、辞任の理由について「補正予算審議にいささかでも支障があれば、本意とすることではない」と述べ、10月1日から代表質問が始まる国会審議への影響を挙げた。一方で、「日教組を解体する」といった発言については撤回する考えはないことを明らかにした。

 中山氏は会見で「補正予算や給油法案についてスムーズに審議するために、自ら身を引くことを決意した」と強調。そのうえで「発言で不快な思いや迷惑をかけたことについては陳謝したが、辞任の理由は困っている人がいっぱいいる中で予算の審議が滞らないようにしたいということだ」と語った。

 日教組批判については「国交省の建物の中で発言したことは撤回したが、政治家中山成彬としては撤回したという考えはなかった。何が日本をダメにしているのか伝えるのも、政治家としての責務だろうと考えた」として、今後も政治家として発言を繰り返していく考えを示した。』

 自分の考えに固執するあまり感情的になって持論を展開し,現状を正確に分析したり適切な判断を下せなくなる人間も選挙で選ばれた以上は政治家なんだろうが,こういう人が大臣になるというのはいかがなものだろうか.今の自民党にはもう大臣にふさわしい政治家は残っていないのだろうか.それとも総理大臣に人を見る目がないのであろうか.私は後者であると思いたいのだがいずれにしても2期連続で総理の座を放り出したり,就任5日目で辞任したりする政治家ばかりが目立つようでは予後は期待できないことだろう.
『首相「私に責任」 太田農相引責辞任

 政府は19日午後の持ち回り閣議で、事故米の不正転売問題の責任を取る形となった太田誠一農相の辞任を認め、臨時代理として町村信孝官房長官に農相を兼務させる人事を決めた。
 福田康夫首相は同日夜、官邸で記者団に対し、太田氏の辞任に「私は、すべてのことに責任を負っている。事故米の事件発生についても、すべてに責任がある立場だ」と述べた。
 これに先立ち、町村氏は記者会見で「太田氏には誤解を生む表現があった。農林水産省全体にも、甘えや慣れが感じられる。汚染米の処理が少しでも良い方向に進むように努力をする」と述べた。
 また、くしくも同じ日に辞任となった白須敏朗前農林水産次官と、後任の井出道雄新次官が人事発令後に記者会見した。
 白須前次官は「(辞任は)自分で判断した」と強調しながら「事務方トップとして農水省全体の責任を明らかにし、新たな体制で再発防止策の構築、実施に当たることが適当と考えた」と説明。井出新次官は「農水省は開かれた役所で弱い方々の味方と自負していた。初心に立ち返って全力を尽くしたい」と話した。』

 もうほとんど機能停止している内閣の大臣が辞任したり,すでに降りちゃった首相が責任を口にしたところで誰も救われない.主食である米の供給の管理がこれほどずさんな状況だったとは驚きだったが,厚労省と同じで叩けばまだまだ埃が出てきそうで恐ろしい.残念ながら「農水省は開かれた役所で弱い方々の味方と自負していた。」という言葉にさらに不安が募ってしまうのは私だけだろうか.未だに「農水省に責任はなかった」なんて考えている役人は事故米といっしょに廃棄処分したほうがいいんじゃないだろうか.



『全日本空輸(ANA)は、9月14日に起きた搭乗システムの障害の原因を明らかにした。空港の係員端末(チェックイン端末)を管理するサーバの設定ミスが原因だった。

 係員端末がサーバに接続する際の暗号化認証機能の有効期限が、2008年9月14日の1時44分までとなっていた。そのため、同日に係員が端末の使用を開始した際に、システム出力ログの暗号化処理がエラーとなった。

 不具合が発生した経緯として、2005年に端末認証管理サーバを導入した際、暗号化認証機能を使用するシステムが存在せず、有効期限が3年間と初期設定のままにしていたことを挙げた。2007年9月の係員端末の導入に伴い、暗号化認証機能を利用することになったが、端末開発過程での社内チェックに漏れがあり、有効期間の確認を怠ったという。

 同社は、係員端末以外に端末認証管理サーバで暗号化認証機能を利用したシステムがないことを16日に確認。端末認証管理サーバにおける暗号化認証機能の有効期限の延長作業を9月16日の深夜から17日の未明にかけて実施し、正常な動作を確認した。

 今回のシステム障害を起こした端末は沖電気工業製。不具合を復旧するまでの間、沖電気の社員が現場に出向いてテストなどを実施した。事態が収集し17日に撤収したという。障害が発生したのはANAの管理下にあるデータセンターの端末認証管理サーバだった。この場合、ユーザーであるANAとメーカーである沖電気のどちらに責任があるのか。沖電気は「“全面的にANAが責任を負う”という記者会見でのANAの見解を認識している」とコメントしている。

 今後について沖電気は「開発プロセスの見直し、チェック機能の強化などANAからの要請があれば協力する」としている。ANAは、9月末までに全システムを対象に、有効期限が設定されている機能の使用状況の調査をし、そのうち運航、運送にかかわるシステムについて期限の設定に問題がないことを確認する。システム開発で要求する機能と実態に差が出ないように、システム開発プロセスの標準化を推進し、個人のスキルに依存しないマニュアルやチェックシートの充実を図るとしている。

 なお、今回のシステム障害の責任を取る形で、ANAの山元峯生社長が1カ月の期間50%の報酬減額をするなど、計10人の処分を明らかにしている。』

 最初にANAのシステム障害のことを知った時にまず考えたのは,コンピュータウィルスやハッキングといった類のものではないかということだったのだが,実際には管理上の人為的ミスというありきたりの原因だった.やはりコンピュータが人間のミスを予測して対処してくれるプログラムでも開発しない限りこのようなことは今後もありうるという意味では必然的障害だったといえるのだろう.

 それにしても2005年に導入したサーバーの有効期限が初期設定のままで,3年後に期限切れとなったということは,今回のシステム障害が3年前から2008年9月14日に起こることが決まっていた訳で,偶然その時期にANAを予約していた人たちにとってはなんともやりきれない話だっただろう.しかし,考えてみると地震や台風といった自然災害や,生活習慣病なんかも偶然のようで,実は偶然などではないのではないだろうか.地震予知の精度はまだまだだし,脳ドックを受けたっていつ脳梗塞になるかなんてわからないのではあるが,それでもやはり起こるべくして起きているような気がするのは何故だろうか.

 知らない人から見ればコンピューターもある意味でブラックボックスで,結果を見ても中で何をやっているかはわからないという類のものであるが,実際にはプログラムされたことを実行するだけの単純な機械で結果は計算可能である.一方,人間の脳は部分的に解明されたとは言え,未だに「何故,急に旅に出たくなるのか?」なんてこともわからないブラックボックスである.もちろん自分でも何でミスをするのかもわからないくらい偶然性に富んでいる.だが,もっとも,それもいつまで偶然と言えるかはわからないが.

 人間の予測できないことが起きてしまうことを偶然と呼ぶのであれば,今回のシステム障害も多くの人にとっては偶然の事故で,あきらめるしかないだろうが,サーバープログラムの管理ミスが原因とわかってしまった以上,システム管理者であるANAが責任をとるしかないだろう.
『農水省は「事故米」を、工業用糊や、木材の合板や集成材の接着剤の原料使用に限り販売を許可していると説明していたが、実は、国内では接着剤などの原料に米を使用することは殆どないことがわかった。』

 農水省は世界貿易機関(WTO)のルールの誤った解釈で自ら輸入を義務づけたミニマムアクセス(MA)米を年間約77万トンも輸入した挙げ句に,汚染された「事故米」の処分に困り実際には「事故米」が工業用糊としては需要がないのを知りながら商社に「三笠フーズ」への転売を斡旋していたというのが本当のところではないだろうか.

 マスコミの報道を眺めていると,「三笠フーズ」をスケープゴートに仕立てて一件落着を計ろうとしているように思えてくる.いつ「事故米」流通の張本人である農水省と商社の責任ついてマスコミは沈黙することにしたのだろうか.KYな農水相の失言なんか取り上げているが問題の核心は他にあるのではないだろうか.

 医師の名義貸しが問題になった時とまったく同じで,発覚すると当事者を厳しく罰して自分たちの監督責任は不問にするというまったく無責任な官僚の仕事によってまたしても国民は迷惑するのである.本当は知っていても知らないふりをして国民を欺こうという官僚たちを国民は一体どう扱えばいいだろうか.

 国民に対する背信行為をする一方で自分たちの地位保全を第一に優先する官僚たちには,もっと厳しい罰則を用意するべきではないだろうか.


笑えるニュース
『ストップ!温暖化 牛のゲップを直接回収

 “ストップ!地球温暖化”に向け、アルゼンチンでは、牛にタンクを背負わせ、直接、胃とチューブをつないでゲップを回収している。

 アルゼンチンでは、牛が食べ物を消化する際にはんすうして出すメタンガスが、地球温暖化の原因の一つとして研究が進められている。これまでの研究で、アルゼンチンの温室効果ガスの約30%が牛から出ている可能性があると判明したという。』

タンクを背負わされている牛の身になれば笑えない話かもしれないが,今朝,Wiiのニュースチャンネルを流していたらこんな写真が出ていて,思わず笑ってしまった.

メタンガスの温室効果は二酸化炭素の23倍もあり,牛や羊などの反すう動物のゲップのメタンガスの温暖化への寄与率は5%もあるらしいので,ばかにしてはいけない話なのだろう.しかし.この写真のタンクを背負って舌を出している牛は,ちょっと人間をばかにしているような気がしないでもないが...
覆水盆に返らず
『諫早湾訴訟、国が控訴 環境アセスは実施方針

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)の堤防排水門を5年間開放するよう国に命じた佐賀地裁判決について、国は10日、福岡高裁に控訴した。ただし、有明海の漁業被害と干拓事業の因果関係を調べる開門調査のため、環境アセスを実施する、としている。

 この訴訟は、有明海沿岸4県の漁民ら416人が02年11月に干拓工事差し止めなどを求め提訴した。途中で訴えの内容を「干拓地の潮受け堤防の撤去」「排水門の常時開門」に変更。原告の数は最終的に2503人にまで増えた。

 〈国営諫早湾干拓事業〉 防災と農地造成を目的に、長崎県・諫早湾奥部を長さ約7キロの潮受け堤防で閉め切り、干拓地と調整池を設けた事業。89年に着工し、97年に堤防が閉め切られ、07年11月に完工。今年4月から営農が始まっている。総事業費は当初見込みの1350億円から2533億円に膨れ上がった。』

本当の原因が何だったかを今更追求しても,おそらく有明海の豊富な海の幸を取り戻す事はもうできないに違いない.2533億円がどうこうよりも,たった数百haの農地と引き換えに失われたものは地域の人達にとってかけがいのないものだったのではないだろうか.

顧みるに北海道開発局のやってきたことも似たようなものだろう,開発はしたけれど住む人がいなくなって残されたものは破壊された自然だけ,というのではあまりにも情けないけれど,それが着々と現実になっているような気がするのは私だけだろうか.
『秋葉原で無差別殺傷 5人死亡、12人負傷

 8日午後0時30分すぎ、東京都千代田区外神田3丁目の路上で、トラックが通行人らをはねた後、トラックから降りた男が通行人らに刃物で次々切りつけた。17人が救急車で病院に運ばれ、警視庁によると、午後4時半現在、このうち5人の死亡が確認された。男は現場で身柄を確保され、万世橋署が殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。

 調べによると、男は加藤智大(ともひろ)容疑者(25)。住所は静岡県裾野市富沢とみられ、職業は不詳という。

 警視庁によると、はねられたり刺されたりしたのは男性14人、女性3人。死者5人のうち、3人は19歳、47歳、74歳の男性だった。けが人は少なくとも12カ所の病院に運ばれた。けが人には万世橋署の男性署員1人も含まれている。

 調べによると、男が乗っていたのは2トントラックで、静岡ナンバーのレンタカー。目撃者などによると、トラックはジグザグに走行してきて、中央通りと神田明神通りとの交差点付近で次々人をはねた。男はトラックから降り、周囲にいた人たちを次々にサバイバルナイフのようなもので刺したという。男に薬物などの影響は見られないという。

 倒れていた男性の周りで、数人が心臓マッサージなどをしていたが、意識がないようだったという。

 現場はJR秋葉原駅近くの電気街。日曜で中央通りは歩行者天国になっており、買い物客でにぎわっていた。

 目撃した人の話によると、男はトラックで現場に乗りつけ、歩行者天国を楽しんでいた買い物客らを次々と刺したらしい。被害者の1人に警察官が駆け寄ったところ、男は警察官にも後ろから襲いかかり、左脇腹を刺した。集まっていた人たちは悲鳴を上げながら逃げまどっていたという。』

 2001年6月8日に大阪府池田市で起こった附属池田小事件から7年後に起きた大惨事がまたしても無差別殺傷事件とは皮肉なものである.結果的にこの7年間にこの手の事件を抑止するような有効な方法が確立されなかったのだからやはり起こるべくして起きた事件ということなのだろう.

 犯人を死刑にすれば再犯は確実に抑止できるが,死刑になりたいとか刑務所に入りたいとかいう人間の犯行を予防することはできないわけである.こういう犯罪が起こると必ず犯罪心理学者や精神科医のいろんな説が出てくるのだが,そういった研究の成果を犯罪予防にもっと役立てる方法を考えて,早急に応用しなければならないだろう.

 こんな犯罪が日常的になるのは恐ろしいことだから,単純な死刑の是非の議論ではなく犯罪者の心理を利用して積極的に殺人を抑止するような社会の仕組みをつくって欲しいものだ.昨日はよさこいソーランで賑わう街を妻と買い物に歩いたのだが,もし,そこにこんな男が現れたらと思うとぞっとするのは私だけではないだろう.
 
『スピード社水着で日本新ラッシュ 北島も3年ぶり更新

 競泳の北京五輪壮行会、ジャパンオープンが6日、東京辰巳国際水泳場で開幕し、世界新を連発している英スピード社製水着「レーザー・レーサー」を着た日本代表が5個の日本新記録を樹立した。日本水泳連盟は10日に代表の着用水着について結論を出すが、どの水着でも着られるようになる可能性が高まった。

 壮行会に出場する代表は、欧州遠征中の選手らを除く26人。この日は24選手がレースに臨み、16選手がスピード社製を着た。男子100メートル平泳ぎでアテネ五輪2冠の北島康介(日本コカ・コーラ)が59秒44の日本新、3年ぶりに更新した。女子背泳ぎのメダル候補、中村礼子(東京SC)は100メートルで59秒82の日本記録をマークした。

 4月に開催された日本選手権は6日間の開催で、生まれた日本記録は八つだった。代表は現在、五輪に向けて泳ぎ込みを続け万全の体調ではない。選手からは「この時期にこんなタイムが出るなんてびっくり」との声が続出した。

 日本水連がミズノなど国内3社と水着提供の契約を結んでいるため、日本代表は五輪では基本的に3社の水着を着ることになっている。ジャパンオープンは8日まである。』

 陸上競技でもシューズの性能による差があるそうだが,水着の性能でこれほど差が出るというのは素人の私には驚きだった.しかし,自分の自転車のホイールとタイアを換えたら,それだけで今までより速く走れたのにはもっと驚いた.自転車の場合はタイアとホイールによる空気抵抗が減少したからなのだが,自分で経験してみて改めてその差は大きいということが理解できた次第である.同様のことがプールの水と水着の間にも起きているのだろうから実は大変な問題だったのだ.

 自転車はタイアとホイールが無ければ走れないし,水泳だってまさか水着を着ないで泳ぐわけにもいかないから自ずとそれらの性能の差が記録の差となることは避けられない.人間の能力を重視するなら,これらの言わば外的な要因は排除した方がいいという考え方もあるのかもしれないが,記録の更新も大切な事であるから水着の性能で記録が伸びるのであればその性能を向上させるのも当然のことだし,選手が記録の出る水着を着るのも当然のことだろう.

 日本水連の契約のために日本代表は五輪では基本的に国内3社の水着を着なければならなくなるのかもしれないが,それで記録が伸びなければかえって国内3社の企業イメージが低下することは間違いないだろう.国内3社にとっては頭が痛い問題だろうが,オリンピックが始まる前にすでに水着の性能で負けているというのも日本の企業として情けないと感じているのは私だけだろうか.

 選手の人達も,主役である自分よりも水着に注目が集まるのは気分が良くないだろうが,日頃から自分の極限まで練習を積んでいるのに水着の性能差で負けてしまうのもひどい話なので,オリンピックの本番では契約に関係なく自分の好きな水着が使えるようにしてあげるべきだと思うのだがどうだろうか.
『サマータイムは健康損なう 睡眠学会が反対の声明

 日本睡眠学会は5日、地球温暖化対策などとして超党派の議員連盟が導入に向けた法案提出を検討中の「サマータイム制度」について、健康に悪影響を及ぼす恐れがあるとして反対する声明を発表した。声明は、夏季に時計の針を1時間進めるこの制度は、必ずしも省エネにつながらず、医療費の増加など経済的損失をもたらすと指摘している。夏時間への変更後数日から2週間程度は、睡眠の質の低下などが起こる恐れがある。』

 私の通常の睡眠時間は5〜6時間であるが,医学生だった頃までは8時間必要で,たとえ試験期間中であってもこれを変えることはできなかった.脳外科医になってから睡眠時間を減らす必要性を感じて2年くらいかかって5時間で熟睡できるようになったものだ.今では通常は早寝早起きでなので私自身には夏時間になって健康に問題が出るとはないだろうと思う.問題があるとすれば早朝に自転車に乗る時間が減る事くらいだ.

 だが,夜遅くに帰宅して,会社に行くぎりぎりまで寝ていたいような人にとってはたとえ夏時間の1時間でさえも生活のリズムを変える事は脳の活動に支障を来たし,結果的に健康を損ねることになるだろうことは容易に想像できる.また,作業効率の点でも睡眠の質の低下などが2週間も続いたらその間の仕事のミスも増え,その結果として残業が増えたら夏時間の利点は何一つないことになってしまうことだろう.

 それともう一つ忘れていけないことは,日本は先進国のなかではもっとも南側にあり,サマータイムの恩恵をあまり受けられない上に,日本列島は東西にも幅があるので,東京より西の地域ではさらに効果がないだろうということだ.さらに,もしコンピュータシステムの時間設定変更などのために金融機関のオンラインシステムなどが停止でもしたら大混乱になって社会的ストレスがさらに増えることも間違いないだろう.

 考えられるリスクがこれほどあるのに夏時間を導入したがるのは何故なのだろうか.きっと,何かと理由をつけてサービス残業をさせ生産性を上げたい経団連と省エネ効果のほどはどうでも環境問題で話題作りをしたい国会議員たちにとっては都合のいい話なのだろう.しかし,肝心の省エネ効果にさえ疑問があるばかりか,国民の健康問題を引き起こしそうな制度の導入には賛成できないのは私だけではないだろう.
『iPodにも補償金を――文化庁が案提示

 文化庁長官の諮問機関・文化審議会著作権分科会の「私的録音録画小委員会」の今期第2回会合が5月8日に開かれた。文化庁は、iPodやHDDレコーダーなど「記録媒体を内蔵した一体型機器」を、録音録画補償金の課金対象とする制度改正案を提示。電子情報技術産業協会(JEITA)の委員などが「補償金の課金対象が際限なく拡大するのでは」などと懸念を述べ、議論が紛糾した。

 文化庁の案は「DRMによってコンテンツの複製回数を完全にコントロールできれば、補償金は不要になる」とし、著作権法30条2項に定めた補償金制度を順次縮小していく――という前提に立ちながらも、「当面の経過的措置」として「音楽CDからの録音や、デジタル放送の録画については補償金でカバーすることを検討すべき」としている。

 従来、補償金が課金されていたのは、MDレコーダー、DVDレコーダー、MD、DVD−RWなど、録画・録音機器とメディアが別々になっている「分離型専用機器」「専用記録媒体」だったが、案ではこれに加え、iPodなど「携帯用オーディオレコーダー」や、HDDレコーダーなど「録音録画を主たる用途としている機器のうち、記録媒体を内蔵した一体型のもの」を課金対象に加えることを提案している。

 PCなど汎用機器は課金対象外。「録音録画機能を含めて複数の機能がある機器で、どの機能が主要な機能といえないものは、対象とすべきでない」とした。

 この案については、JEITA常務理事の長谷川英一委員が「補償金制度が際限なく拡大するというふうにもとらえられ、制度の縮小・廃止に向けた道筋が見えない」などとし、文化庁に対して、補償金縮小の道筋を具体的に示すよう求めた。』

『iPodなど著作権料課金案、メーカー側難色

 文化庁は8日、iPodなどの携帯音楽プレーヤーと、テレビ番組を録画するハードディスク内蔵型レコーダーに「著作権料」の一種を課金する制度改正案を文化審議会に提案した。3人のメーカー側委員からは「改正案をこのまま受け入れることは非常に難しい」などと改正案に難色を示す意見が相次いだ。結論は今月29日に開かれる次回会合に持ち越された。

 「著作権料」の一種とは、私的録音録画補償金のこと。著作権法に基づく制度で、デジタル機器を使って家庭内で音楽やテレビ番組などを複製する行為に対して課金するもので、すでにMDレコーダーやDVDレコーダーには課金されている。

 文化庁の改正案は、この補償金を携帯音楽プレーヤーと、テレビ番組を録画するハードディスク内蔵型レコーダーに、新たに賦課するという内容。金額は慎重に検討する方針だが、1台数百円前後と想定される。

 文化庁の改正案は、この問題を検討してきた同審議会の私的録音録画小委員会に提案された。20人の委員のうちメーカー以外の委員をのぞく他の委員からは、消費者側委員も含めて「一定の評価をしている」「現実的な案」などと改正案を支持する意見が相次いだ。』

 iPodはもともとiTunesと連携して使う物であり,PCが無ければほとんど使い物にならない.iTunesStoreで曲を購入するにも,自分のCDの曲をコピーするにもiPodで聞くにはiTunesがインストールされたPCが必ず必要だからiPodはPCの周辺機器ではあるが録音録画のための機器ではない.

 著作権料はiTuneStoreで購入したものは既に払っているわけだし,著作権料を払って自分で購入したCDをPCで再生するのも,コピーしてiTunesやiPodで聞くのもそれは再生手段の問題であって購入者の自由ではないだろうか.

 もちろん他人のCDをコピーすれば,著作権料は払っていないわけだから確かに問題だろうし,どんなコピープロテクトでも完全なものなどはないから「DRMによってコンテンツの複製回数を完全にコントロールできれば、補償金は不要になる」というのも理想論にすぎないだろう.しかし,だからといってiPod利用者に一律に私的録音録画補償金を負担させるというのはやはりおかしな話だ.

 著作権者側は「Culture First」を唱えて経済・流通至上主義がいけないと言うが,いくら創作物であっても市場に流通すれば商品にすぎないわけで,著作権者の利益を保護するために,iPodの利用者に無条件に課金するというのではそれもまた経済至上主義になるのではないだろうか.

 コピーを恐れて著作権料を上げたいならいくらでも商品の値段を上げればいいのである.高くても本当に良い物は売れるし,安くても駄目な物は売れない.それに,本物が高くて買えなければコピー商品が出回るのはメディアコンテンツだけではないだろう.

 機器に上乗せして,あらかじめ取れるところから取っておくようなやり方をするよりも,コピーではなく本物を手に入れたいと思うような作品を,多くの人が手に入れやすい価格で大量に流通させることこそ大衆文化の原点だと私は思うのだがどうだろうか.

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