これは税金のマネーロンダリングか
2004年10月22日『 --書籍やビデオの「監修料」、5年間で7.5億円---
厚生労働省の職員らに多額な書籍やビデオの「監修料」が支払われていた問題で、同省は22日、中間調査をまとめた。少なくとも過去5年間で総額7億5000万円前後を受け取っていたという。同日夕にも正式に発表する。関係する職員は数百人規模で、社会保険庁出身の職員が大半を占めるという。監修料を支払っていたのは、同省の外郭団体や出版社などだった。
調査によると、補助事業にからんだ企業から監修料を受け取っていたケースも数多くあったという。国が支出した税金が事実上、職員に還流していたことになるため、不当な監修料については、支払い元へ返還する計画だという。国家公務員倫理法に違反するか見極めながら、職員の処分を検討するとしており、国家公務員倫理審査会と協議を続けている。
使途では、深夜のタクシー代などに使うために監修料がプールされていた実態もあったという。
厚労省は、最終的な調査結果を今年中にまとめる予定だ。
監修料をめぐっては、今年8月、03年までの4年間に職員約30人が出版社など約20法人から1億8000万円を受け取っていたことが発覚。国民健康保険課の職員の場合、多額の監修料が表面化しないよう支払い元の関連団体や実体のない団体を迂回(うかい)させて受け取っていた。
また、監修の実態についても、不透明な部分が多く、職員の本来業務として扱われた方が望ましいような仕事で報酬を受け取っていたほか、監修に携わっていない職員による名義貸しなども指摘されている。 贈収賄事件で摘発された広告会社「選択エージェンシー」からは、昨年度までの6年間で、78人が約7000万円を受け取っていたことが明らかになっている。
厚労省は今夏から、省内の監修料の実態について内部調査を開始。尾辻厚労相が就任した直後には、衛藤晟一副大臣をトップとする不祥事対策チームを立ち上げ、監修料を専門とする調査班をつくって調べを進めてきた。 』
税金を特定の業者への利益供与に使い,その見返りを監修料の名目で自分たちに還元させるとは公費を着服する新手のマネーロンダリングであろう.これは公金の横領にはあたらないのであろうか.そもそも公務員のアルバイトは禁止されているはずであるし,この監修は職務の一部とみなされるから報酬を受け取るのもおかしい.厚生労働省は不祥事続きなのに職員には一向に反省の態度がみられないのが不思議である.
厚生労働省の職員らに多額な書籍やビデオの「監修料」が支払われていた問題で、同省は22日、中間調査をまとめた。少なくとも過去5年間で総額7億5000万円前後を受け取っていたという。同日夕にも正式に発表する。関係する職員は数百人規模で、社会保険庁出身の職員が大半を占めるという。監修料を支払っていたのは、同省の外郭団体や出版社などだった。
調査によると、補助事業にからんだ企業から監修料を受け取っていたケースも数多くあったという。国が支出した税金が事実上、職員に還流していたことになるため、不当な監修料については、支払い元へ返還する計画だという。国家公務員倫理法に違反するか見極めながら、職員の処分を検討するとしており、国家公務員倫理審査会と協議を続けている。
使途では、深夜のタクシー代などに使うために監修料がプールされていた実態もあったという。
厚労省は、最終的な調査結果を今年中にまとめる予定だ。
監修料をめぐっては、今年8月、03年までの4年間に職員約30人が出版社など約20法人から1億8000万円を受け取っていたことが発覚。国民健康保険課の職員の場合、多額の監修料が表面化しないよう支払い元の関連団体や実体のない団体を迂回(うかい)させて受け取っていた。
また、監修の実態についても、不透明な部分が多く、職員の本来業務として扱われた方が望ましいような仕事で報酬を受け取っていたほか、監修に携わっていない職員による名義貸しなども指摘されている。 贈収賄事件で摘発された広告会社「選択エージェンシー」からは、昨年度までの6年間で、78人が約7000万円を受け取っていたことが明らかになっている。
厚労省は今夏から、省内の監修料の実態について内部調査を開始。尾辻厚労相が就任した直後には、衛藤晟一副大臣をトップとする不祥事対策チームを立ち上げ、監修料を専門とする調査班をつくって調べを進めてきた。 』
税金を特定の業者への利益供与に使い,その見返りを監修料の名目で自分たちに還元させるとは公費を着服する新手のマネーロンダリングであろう.これは公金の横領にはあたらないのであろうか.そもそも公務員のアルバイトは禁止されているはずであるし,この監修は職務の一部とみなされるから報酬を受け取るのもおかしい.厚生労働省は不祥事続きなのに職員には一向に反省の態度がみられないのが不思議である.
これが患者中心のシステムなのか
2004年10月17日『--電子カルテ共有、各地で休止 手間と費用に医師ら敬遠 --
経済産業省の支援を受けて、電子化したカルテを地域の医療機関で共有し、病院や診療所間の連携に役立てる取り組みが、全国各地で次々と休止に追い込まれている。地域ごとのシステム開発を国費で支援し、開発終了後も継続をもくろんだが、事業期間が終わると費用は医療機関の負担に。「費用が高すぎる」「入力が面倒」などと、医師らに敬遠されたようだ。 この事業は、経産省が00年度の補正予算で01年度に実施した「先進的情報技術活用型医療機関等ネットワーク化推進事業」(通称・電子カルテの共有モデル事業)。地域の医療機関が、患者紹介の効率化などのため、ネットワークを作りカルテを共有するシステムの開発・運用に、合計約56億円を投入。モデル地域を全国公募し、26地域の医師会などが参加した。事業終了後も続ける義務はないが、作ったシステムはそのまま使え、経産省も地域に根付くことを期待した。しかし、10地域で完全休止に追い込まれた。
三重県久居市・津市では、約2億5000万円の国費でシステムを開発。事業終了後も継続したが、ソフトの使用料など月約2万円の負担が敬遠され、当初14あった参加診療所は二つに激減。今年3月に休止が決まった。
約4000万円をかけ47機関が加わった静岡市では、費用負担に加えて「電子カルテの入力が複雑」との声が強く、中止。宮城県仙台市・古川市でも、「患者のデータを知るのは電話やファクスが慣れている」「自分で診断したデータしか信用しない」……。21機関が参加し約2億4000万円を費やしたが、自然消滅した。 システム継続に成功した地域もある。愛知県の豊田加茂医師会では、トヨタ記念病院(豊田市)が月約130万円のシステム維持費を負担し、開業医の負担は月約4000円のインターネット接続料のみ。現在も38機関が続け、月ごとのデータベース検索件数は多い時で約2600件と好調だ。
経産省医療・福祉機器産業室は相次ぐ休止について、「費用や入力の手間がかかっても、効率化といった目的を追求するシステムなのに、ムードで手を挙げた団体もあるのではないか」とする。』
住基ネットをみるまでもなく政府主導のネットワーク事業は失敗が多いようだ.電子カルテ共有も一見よさそうだが患者データをどこに集めるのかという視点がまちがっている.
患者のデータはあくまでも患者自身が自分のために用いるものであると考えれば,患者に持たせておくのが一番である.この視点でみればデータベースの共有という考え方はデータを集中管理するという前近代的なクライアント・サーバー型の管理法であることがわかる.これはいかにもお役所的な発想だ.
それよりむしろ健康保険証をICカードにして診療記録や処方箋を書き込んだり,各病院の患者データベースや保険会社のデータベースへのアクセスキーとするほうがいいだろう.これなら患者の個人データの漏えいのリスクも下げることが可能だ.
電子カルテも決してセキュリティは万全ではないのだから病院のデータベースをネットワークで結ぶなんていう愚かなことはやめるのが懸命だろう.
大学と地方病院でのテレビカンファレンスシステムなんていうのも北海道ではやっていたが,これは驚いたことに大学病院を中心としたスター型のネットワークであった.つまり大学に相談することはできるが地方の病院間では相談できないという電話よりもはるかに不自由な代物であった.
医療のIT化も患者さんのためになり医師や看護師の仕事が楽になるのなら大歓迎であるが,お役所や病院事務が楽をするために医師の仕事が増えるのならば協力する医師は一人もいないにちがいない.だいいち費用と手間が増えることを効率化とはいわない.
なんにせよ健康保険や年金ははカットしておきながら使わないものに何十億もの税金を使ってくれた責任はいったい誰がとってくれるのだろうか?
経済産業省の支援を受けて、電子化したカルテを地域の医療機関で共有し、病院や診療所間の連携に役立てる取り組みが、全国各地で次々と休止に追い込まれている。地域ごとのシステム開発を国費で支援し、開発終了後も継続をもくろんだが、事業期間が終わると費用は医療機関の負担に。「費用が高すぎる」「入力が面倒」などと、医師らに敬遠されたようだ。 この事業は、経産省が00年度の補正予算で01年度に実施した「先進的情報技術活用型医療機関等ネットワーク化推進事業」(通称・電子カルテの共有モデル事業)。地域の医療機関が、患者紹介の効率化などのため、ネットワークを作りカルテを共有するシステムの開発・運用に、合計約56億円を投入。モデル地域を全国公募し、26地域の医師会などが参加した。事業終了後も続ける義務はないが、作ったシステムはそのまま使え、経産省も地域に根付くことを期待した。しかし、10地域で完全休止に追い込まれた。
三重県久居市・津市では、約2億5000万円の国費でシステムを開発。事業終了後も継続したが、ソフトの使用料など月約2万円の負担が敬遠され、当初14あった参加診療所は二つに激減。今年3月に休止が決まった。
約4000万円をかけ47機関が加わった静岡市では、費用負担に加えて「電子カルテの入力が複雑」との声が強く、中止。宮城県仙台市・古川市でも、「患者のデータを知るのは電話やファクスが慣れている」「自分で診断したデータしか信用しない」……。21機関が参加し約2億4000万円を費やしたが、自然消滅した。 システム継続に成功した地域もある。愛知県の豊田加茂医師会では、トヨタ記念病院(豊田市)が月約130万円のシステム維持費を負担し、開業医の負担は月約4000円のインターネット接続料のみ。現在も38機関が続け、月ごとのデータベース検索件数は多い時で約2600件と好調だ。
経産省医療・福祉機器産業室は相次ぐ休止について、「費用や入力の手間がかかっても、効率化といった目的を追求するシステムなのに、ムードで手を挙げた団体もあるのではないか」とする。』
住基ネットをみるまでもなく政府主導のネットワーク事業は失敗が多いようだ.電子カルテ共有も一見よさそうだが患者データをどこに集めるのかという視点がまちがっている.
患者のデータはあくまでも患者自身が自分のために用いるものであると考えれば,患者に持たせておくのが一番である.この視点でみればデータベースの共有という考え方はデータを集中管理するという前近代的なクライアント・サーバー型の管理法であることがわかる.これはいかにもお役所的な発想だ.
それよりむしろ健康保険証をICカードにして診療記録や処方箋を書き込んだり,各病院の患者データベースや保険会社のデータベースへのアクセスキーとするほうがいいだろう.これなら患者の個人データの漏えいのリスクも下げることが可能だ.
電子カルテも決してセキュリティは万全ではないのだから病院のデータベースをネットワークで結ぶなんていう愚かなことはやめるのが懸命だろう.
大学と地方病院でのテレビカンファレンスシステムなんていうのも北海道ではやっていたが,これは驚いたことに大学病院を中心としたスター型のネットワークであった.つまり大学に相談することはできるが地方の病院間では相談できないという電話よりもはるかに不自由な代物であった.
医療のIT化も患者さんのためになり医師や看護師の仕事が楽になるのなら大歓迎であるが,お役所や病院事務が楽をするために医師の仕事が増えるのならば協力する医師は一人もいないにちがいない.だいいち費用と手間が増えることを効率化とはいわない.
なんにせよ健康保険や年金ははカットしておきながら使わないものに何十億もの税金を使ってくれた責任はいったい誰がとってくれるのだろうか?
厚生労働省はもういらない
2004年10月15日『厚生労働省は14日、国・地方財政の三位一体改革の補助金削減案として提案している国民健康保険(国保)見直しの具体策として、現在、国が市町村に交付している「調整交付金」の都道府県への移管を検討していることを明らかにした。公明党の厚生労働部会で説明した。調整交付金は、国保を運営している市町村間の財政力のばらつきを調整するために、所得水準が低いわりに医療給付費が多い市町村の国保財政を支援する。医療費などをもとに機械的に計算する普通調整交付金と、流行病などの原因で医療費が急増した自治体に交付する特別調整交付金からなる。2004年度予算では、国が給付費などの総額の10%に当たる約7700億円を支出し、普通調整交付金と特別調整交付金の割合は4対1。厚労省案では、市町村の医療費や保険料をチェックする権限を都道府県に付与。その上で、国保財政が苦しい市町村への交付金を都道府県の負担とし、それに見合う税源を移譲する。ただ、高齢化やリストラの影響で、市町村の国保財政は悪化する一方で、調整交付金を移管された場合、都道府県の負担が拡大することが予想され、都道府県からは強い反発が予想される。』
厚生労働省つまり政府は今後『口は出すけど金は出さない』という方法で福祉政策を行うつもりなんだろうが,これは都道府県にとっては最悪のパターンである.
極論を言わせてもらえば厚生労働省はもう必要ないのではないだろうか?社会保障費は地方自治体にまかせっきりにし,健康保険は国民の負担を強めサービスは低下させるのでは政府主導でやる意味はない.強制加入の分だけ悪質である.
国民年金と同じように国民健康保険もいずれ空洞化していくのは確実だろう.混合診療と包括医療というのはその第一歩にちがいない.いずれ健康保険では最低限の医療しか受けられなくなる日がくるだろう.
結局のところ許認可権だけ厚生労働省に与えてもどうせ官僚の小遣い稼ぎのネタになるのがオチだろうからやっぱりこんな省庁はもういらないだろう.
厚生労働省つまり政府は今後『口は出すけど金は出さない』という方法で福祉政策を行うつもりなんだろうが,これは都道府県にとっては最悪のパターンである.
極論を言わせてもらえば厚生労働省はもう必要ないのではないだろうか?社会保障費は地方自治体にまかせっきりにし,健康保険は国民の負担を強めサービスは低下させるのでは政府主導でやる意味はない.強制加入の分だけ悪質である.
国民年金と同じように国民健康保険もいずれ空洞化していくのは確実だろう.混合診療と包括医療というのはその第一歩にちがいない.いずれ健康保険では最低限の医療しか受けられなくなる日がくるだろう.
結局のところ許認可権だけ厚生労働省に与えてもどうせ官僚の小遣い稼ぎのネタになるのがオチだろうからやっぱりこんな省庁はもういらないだろう.
介護保険制度の未来は
2004年10月11日『「障害者にやさしい街」をうたう東京都大田区が、両手足に障害を持つ全身性障害者らが社会参加のために介助者を伴って外出する障害者支援費の移動介護を1日約1時間しか認めない要綱を作り、今年度から適用している。区は「財源に限りがある以上、基準は必要」と説明するが、国や都は「サービスの支給量は障害の程度などに応じて決めるべきで、一律に『上限』を設けるのは好ましくない」との見解を示す。区は、一部の障害者団体の役員だけに上限を超えるサービスを支給しており、批判が高まっている。この要綱は昨年7月に区が定めた「大田区居宅介護支援費(移動介護)の支給決定に関する要綱」。移動介護を▽役所や銀行の手続きなど「社会生活上必要不可欠な外出」▽余暇活動などの「社会参加のための外出」−−に分け、全身性障害者らの「社会参加のための外出」を月32時間(1日約1時間)以内で支給するとした。都在宅福祉課によると、都内の自治体でこうした上限を要綱に明記しているのは大田区だけという。要綱は、今年4月から区内の全障害者に適用された。「必要不可欠な外出」を含めて移動介護の支給を月124時間から32時間に削られた全身性障害者の鈴木敬治さん(52)は「区職員から要綱の説明を受けたのは3月に入ってから。『同意しないと4月からサービスを支給できない』と言われた」と話し、区長に異議申し立てをしている。上限の32時間について区は「一般区民の余暇活動のための外出を週8時間と想定し、月32時間とした」と説明する。しかし、鈴木さんの代理人、藤岡毅弁護士は「障害者とまるで状況が違う一般区民の余暇時間を基にするのはおかしい。要綱は障害者が社会参加する権利を奪う“外出禁止令”だ」と指摘する。要綱は「特段の事情により、区長が必要と認める場合」は加算できるとも定めている。区障害福祉課によると、区に貢献した障害者団体の役員5〜6人に加算をしているという。岩田美恵子・同課長は「現時点で要綱の見直しは考えていない。鈴木さんとの話し合いは続け、支援費以外に障害者の外出をサポートする方法を検討したい」と話す。鈴木さんは「区は『障害者は街へ出るな』と考えているとしか思えない。要綱を撤廃し、すべての障害者が当たり前の社会生活が送れるようにしてほしい」と訴えている。』
今後のことを考えるとむしろこれが一般化しそうでこわい話である.介護保険制度と身体障害者福祉と精神障害者福祉を地方に丸投げしようとしている国がもっとも好ましくないのであるが,財政的には豊かなはずの東京都でこのような制限が財政上の理由でつけられるのならば,僻地の地方自治体の介護保険はいったいどうなってしまうのかという危惧がある.
病院を追い出され自宅や施設に入ったものの財政難を理由に自由や権利を奪われていく人生が待っているのだとしたらあまりにも情けない世の中だと思うのだがどうだろうか.もっとも所得税も消費税も増えていき,さらに介護保険料も増えるのもすべて政府の財政難が原因なのだからしかたがないとあきらめるべきなのだろうか.
国民年金でやりたい放題やれる厚生労働省の官僚や受信料を着服できるNHKの職員にはあまり関係のない話だろう.
今後のことを考えるとむしろこれが一般化しそうでこわい話である.介護保険制度と身体障害者福祉と精神障害者福祉を地方に丸投げしようとしている国がもっとも好ましくないのであるが,財政的には豊かなはずの東京都でこのような制限が財政上の理由でつけられるのならば,僻地の地方自治体の介護保険はいったいどうなってしまうのかという危惧がある.
病院を追い出され自宅や施設に入ったものの財政難を理由に自由や権利を奪われていく人生が待っているのだとしたらあまりにも情けない世の中だと思うのだがどうだろうか.もっとも所得税も消費税も増えていき,さらに介護保険料も増えるのもすべて政府の財政難が原因なのだからしかたがないとあきらめるべきなのだろうか.
国民年金でやりたい放題やれる厚生労働省の官僚や受信料を着服できるNHKの職員にはあまり関係のない話だろう.
日本国民の責任は
2004年10月8日イラクの大量破壊兵器の有無の調査の最終報告が米国で出たようだ.ブッシュ大統領の対イラクの開戦理由は事実上根拠を失ったことになる.これでは米国もイラク国民から見ればテロリストと同じであろう.あまりに拙速だった開戦に現在の米国政府の幼稚な思考回路が見えてきてこれが世界の盟主と自負する米国の真の姿だと思うと人類の未来について悲観的になってしまう.
省みるに米国に盲従したわが国の小泉さんはその発言の責任からの言い逃れに苦心するのだろうが,先日の国連での演説で各国首脳陣が次々と退席していたところを見るとその発言にはすでに首相としての重みがないということなのだろう.
だが,政府のやったことだから日本国民は関係ないなんていってもイスラム世界からは相手にされない.彼らは平和憲法を無視して米国に追従したツケをいずれ日本国民にも求めるだろう.目には目を歯には歯をというのが彼らの流儀なのだから.
国連では日本は安全保障理事会の常任理事国になろうと働きかけているが,中国の反対がなくとも米国盲従するのであればメンツをかける意味もないことである.なぜなら米国と英国だけで世界の安全保障は覆ることが今回の対イラク開戦で明らかになったからである.
医師という立場で考えてみても戦争で被害にあった人を救済するより極力戦争を避けることのほうがはるかに効果的な人助けになるのは明らかだ.広島や長崎で米国にあれほどひどい目に遭わされたのに今度はイラクの国民をひどい目に遭わすほうに回るとはアジアの盟主を自負した日本も落ちたものである.
省みるに米国に盲従したわが国の小泉さんはその発言の責任からの言い逃れに苦心するのだろうが,先日の国連での演説で各国首脳陣が次々と退席していたところを見るとその発言にはすでに首相としての重みがないということなのだろう.
だが,政府のやったことだから日本国民は関係ないなんていってもイスラム世界からは相手にされない.彼らは平和憲法を無視して米国に追従したツケをいずれ日本国民にも求めるだろう.目には目を歯には歯をというのが彼らの流儀なのだから.
国連では日本は安全保障理事会の常任理事国になろうと働きかけているが,中国の反対がなくとも米国盲従するのであればメンツをかける意味もないことである.なぜなら米国と英国だけで世界の安全保障は覆ることが今回の対イラク開戦で明らかになったからである.
医師という立場で考えてみても戦争で被害にあった人を救済するより極力戦争を避けることのほうがはるかに効果的な人助けになるのは明らかだ.広島や長崎で米国にあれほどひどい目に遭わされたのに今度はイラクの国民をひどい目に遭わすほうに回るとはアジアの盟主を自負した日本も落ちたものである.
麻薬にたいする罰則は甘すぎないか
2004年10月6日『麻酔に使う麻薬を自分で使用したとして麻薬取締法違反の罪に問われた医師坂口昌司(さかぐち・まさし)被告(27)に、宇都宮地裁の飯渕進(いいぶち・すすむ)裁判官は6日、懲役2年6月、執行猶予5年(求刑懲役2年6月)の判決を言い渡した。
判決理由で飯渕裁判官は「医師としての自覚を欠き、社会の信頼を大きく損なった」と述べた。
判決によると、坂口被告は麻酔科医として勤務していた病院で、昨年7月から10月の間、患者のカルテと処方せんを改ざん。92アンプルしか使っていない麻薬を327アンプル使ったように虚偽記載し、自分で使用。同10月には麻酔用合成麻薬を含む水溶液を自分に注射した』
「医師としての自覚を欠き、社会の信頼を大きく損なった」とあるが医師以前に社会人として失格であろう.先日は幼児を生きたまま橋から投げ落とした男が覚せい剤をやっていたそうだし,田代まさしもまた麻薬で逮捕されるようだ.
中国では麻薬使用は死刑だそうだが,日本も麻薬に対してはもっと厳しい態度で望むべきであろう.暴力団や犯罪との関連だけでなくAIDSなどの感染症も麻薬使用者の間でさらに広がる可能性もあり公衆衛生上からも望ましくないのである.
判決理由で飯渕裁判官は「医師としての自覚を欠き、社会の信頼を大きく損なった」と述べた。
判決によると、坂口被告は麻酔科医として勤務していた病院で、昨年7月から10月の間、患者のカルテと処方せんを改ざん。92アンプルしか使っていない麻薬を327アンプル使ったように虚偽記載し、自分で使用。同10月には麻酔用合成麻薬を含む水溶液を自分に注射した』
「医師としての自覚を欠き、社会の信頼を大きく損なった」とあるが医師以前に社会人として失格であろう.先日は幼児を生きたまま橋から投げ落とした男が覚せい剤をやっていたそうだし,田代まさしもまた麻薬で逮捕されるようだ.
中国では麻薬使用は死刑だそうだが,日本も麻薬に対してはもっと厳しい態度で望むべきであろう.暴力団や犯罪との関連だけでなくAIDSなどの感染症も麻薬使用者の間でさらに広がる可能性もあり公衆衛生上からも望ましくないのである.
誰が得するのかよく考えてみよう
2004年9月29日『尾辻秀久厚生労働相は28日、診療報酬改定をめぐり厚生労働省幹部を懲戒処分したことについて、「現職の幹部が日本歯科医師会幹部とその依頼を受けたとされる国会議員などから飲食の供与、現金の贈与を受けていたことが明らかになり、国民の信頼を大きく損ねたことは、誠に遺憾」と陳謝。その上で「再び起こさないように、利害関係者との関連における公務員倫理の保持と職員の意識改革を徹底していく」との談話を発表した。』
公務員が賄賂をもらうなんて漫画のような話が現実になっているのが日本の官僚政治であることはニュースにならなくても誰でも疑っていたことだろう.
だが,日本歯科医師会が自分たちの利権のために動くのは当然である.ただ手段を誤ったから当事者は罰せられたのだ.これと好対照なのが日本医師会だろう.診療報酬の引き下げにも大きな反対行動はとらなかったし,院外処方にも介護保険にも効果的な反対行動はとらなかったのである.
やったここと言えば,公的病院よりも開業医のダメージを少なくすることによって発言権のある会員の利益を守ったことぐらいだろうか.私たち勤務医の待遇は悪くなるばかりであるが勤務医は医師会では蚊帳の外である.今後は医療の質のなかでも医師の資質の低下を危惧する時代になりそうである.研修医の掲示板を見るといかにサラリーマン的思考をする研修医が多いことか.研修医制度自体が企業の新人研修研修みたいなものだからいたし方無いのであろうか.
だが,回りまわってもっとも損をするのは他でもない患者さんである.院外処方になっていったい何が良くなったのであろうか.介護保険でいったいどんなサービスの質が向上したというのであろうか.お客として丁寧に扱われるだろうがそれが医療の質になんの関係があるのだろうか.そんなものは自分が払ったお金の代償にすぎないのである.院外処方薬局も在宅介護支援も今やコンビニのように業者がひしめきあっているのである.
厚生労働省の考えたシナリオを推理してみた.従来病院のものであった処方や社会的入院による利益を餌に市中の薬局や介護業者に市場を形成させ病院の利益であるはずの医療費を縮小し,その後に薬局や介護業者の利益も縮小させるという2段階で国庫負担の医療費を削減するのが本当の目的だったのではないだろうか.現に最近介護保険などの点数が引き下げられ介護業者の経営状態は悪化しているようだ.
今後,介護保険や身体障害者福祉,精神障害者福祉を地方自治体に負担させることになっているのだが,そうした時に現状のサービスでさえも個人の負担増なしに維持できるかどうか甚だ疑問なのである.現状でさえ社会的入院に比べるとそうとうひどい状態になっていることを知っているのだろうか.グループホームなどでは具合が悪くなっても人手不足で病院に連れて行ってもらえないことさえあるようだ.
中国の故事に「朝三暮四」というのがあるが,目先を変えることによって国民を欺き社会福祉を低下させているこの国に未来はあるのだろうか.厚生労働省の官僚はきっと国民は猿並だと思っているにちがいない.猿がどんな最期を迎えようとも気にならないのであろうが,哀れな猿になりたくなければ先のことをよく考えて行動する人にならなければならない.あなたにだっていつ寝たきりの状態が襲ってくるかも知れないのだから.
公務員が賄賂をもらうなんて漫画のような話が現実になっているのが日本の官僚政治であることはニュースにならなくても誰でも疑っていたことだろう.
だが,日本歯科医師会が自分たちの利権のために動くのは当然である.ただ手段を誤ったから当事者は罰せられたのだ.これと好対照なのが日本医師会だろう.診療報酬の引き下げにも大きな反対行動はとらなかったし,院外処方にも介護保険にも効果的な反対行動はとらなかったのである.
やったここと言えば,公的病院よりも開業医のダメージを少なくすることによって発言権のある会員の利益を守ったことぐらいだろうか.私たち勤務医の待遇は悪くなるばかりであるが勤務医は医師会では蚊帳の外である.今後は医療の質のなかでも医師の資質の低下を危惧する時代になりそうである.研修医の掲示板を見るといかにサラリーマン的思考をする研修医が多いことか.研修医制度自体が企業の新人研修研修みたいなものだからいたし方無いのであろうか.
だが,回りまわってもっとも損をするのは他でもない患者さんである.院外処方になっていったい何が良くなったのであろうか.介護保険でいったいどんなサービスの質が向上したというのであろうか.お客として丁寧に扱われるだろうがそれが医療の質になんの関係があるのだろうか.そんなものは自分が払ったお金の代償にすぎないのである.院外処方薬局も在宅介護支援も今やコンビニのように業者がひしめきあっているのである.
厚生労働省の考えたシナリオを推理してみた.従来病院のものであった処方や社会的入院による利益を餌に市中の薬局や介護業者に市場を形成させ病院の利益であるはずの医療費を縮小し,その後に薬局や介護業者の利益も縮小させるという2段階で国庫負担の医療費を削減するのが本当の目的だったのではないだろうか.現に最近介護保険などの点数が引き下げられ介護業者の経営状態は悪化しているようだ.
今後,介護保険や身体障害者福祉,精神障害者福祉を地方自治体に負担させることになっているのだが,そうした時に現状のサービスでさえも個人の負担増なしに維持できるかどうか甚だ疑問なのである.現状でさえ社会的入院に比べるとそうとうひどい状態になっていることを知っているのだろうか.グループホームなどでは具合が悪くなっても人手不足で病院に連れて行ってもらえないことさえあるようだ.
中国の故事に「朝三暮四」というのがあるが,目先を変えることによって国民を欺き社会福祉を低下させているこの国に未来はあるのだろうか.厚生労働省の官僚はきっと国民は猿並だと思っているにちがいない.猿がどんな最期を迎えようとも気にならないのであろうが,哀れな猿になりたくなければ先のことをよく考えて行動する人にならなければならない.あなたにだっていつ寝たきりの状態が襲ってくるかも知れないのだから.
「死ぬ権利」とは
2004年9月24日『米フロリダ州最高裁は23日、植物状態となった女性患者(40)の「命綱」である栄養供給チューブ除去を禁じる権限をジェブ・ブッシュ州知事(共和党)に与えた州法を違法と判断し、「死ぬ権利」を認めるよう求めた患者の夫の主張を事実上認める判決を言い渡した。判決は、州法が知事に無制限な権限を与えており、三権分立に反すると指摘した。AP通信によると、州側は米連邦最高裁に上訴する見通し。この患者は14年前に心拍が一時停止して脳を損傷、回復の見込みのない状態が続いている。
夫は「妻は人工的に生かされるのは嫌だと言っていた」と主張しチューブを外すよう求めていたが、患者の両親はこれを拒否。チューブ撤去の是非が広く論議されたことから、ブッシュ知事が旗振り役となり、昨年、チューブ除去を禁じる州法が制定されていた。』
遷延性意識障害で寝たきりになってしまった患者さんの意志を確認することはできないし,意識の回復の可能性の有無を確実に判定できる方法も今のところないのである.むしろ家族に遷延性意識障害の患者の延命をするか否かの選択する権利を与えたというのが本当のところのように思える.
わが国では臓器移植に伴って脳死に関しての議論は盛んだが遷延性意識障害の患者の医療に関してはほとんど議論がないように思う.現実には何万人もの患者さんが遷延性意識障害で病院または自宅で療養していることを知るべきであろうし,医学の発達と高齢化社会とともに今後も増加するであろうことは十分予想できることだ.
生存する権利も死ぬ権利も主張できない遷延性意識障害の患者にとって権利にどんな意味があるのだろうか.経管栄養を与えれば生きているのだから栄養を与え続ける.患者にとってはそれが幸福なのであろうか.自分が遷延性意識障害で生き残ってしまったらと考えるとそれでも生きていたいと答える人はいるのだろうかと思う.
遷延性意識障害の患者さんの家族にこの質問をしたらなんと答えるのだろうか.仕事上はとてもできない質問だが一度は聞いてみたい質問ではある.
私なら遷延性意識障害で寝たきりになってしまったら「死ぬ権利」を主張したいところだが,もし医学が進歩して回復するかもなんていう希望(欲?)が出てくると即座に答えにくくなるのだがどうだろうか.
夫は「妻は人工的に生かされるのは嫌だと言っていた」と主張しチューブを外すよう求めていたが、患者の両親はこれを拒否。チューブ撤去の是非が広く論議されたことから、ブッシュ知事が旗振り役となり、昨年、チューブ除去を禁じる州法が制定されていた。』
遷延性意識障害で寝たきりになってしまった患者さんの意志を確認することはできないし,意識の回復の可能性の有無を確実に判定できる方法も今のところないのである.むしろ家族に遷延性意識障害の患者の延命をするか否かの選択する権利を与えたというのが本当のところのように思える.
わが国では臓器移植に伴って脳死に関しての議論は盛んだが遷延性意識障害の患者の医療に関してはほとんど議論がないように思う.現実には何万人もの患者さんが遷延性意識障害で病院または自宅で療養していることを知るべきであろうし,医学の発達と高齢化社会とともに今後も増加するであろうことは十分予想できることだ.
生存する権利も死ぬ権利も主張できない遷延性意識障害の患者にとって権利にどんな意味があるのだろうか.経管栄養を与えれば生きているのだから栄養を与え続ける.患者にとってはそれが幸福なのであろうか.自分が遷延性意識障害で生き残ってしまったらと考えるとそれでも生きていたいと答える人はいるのだろうかと思う.
遷延性意識障害の患者さんの家族にこの質問をしたらなんと答えるのだろうか.仕事上はとてもできない質問だが一度は聞いてみたい質問ではある.
私なら遷延性意識障害で寝たきりになってしまったら「死ぬ権利」を主張したいところだが,もし医学が進歩して回復するかもなんていう希望(欲?)が出てくると即座に答えにくくなるのだがどうだろうか.
本気で救急医療をやるつもりがあるのでしょうか?
2004年9月7日『小児科医の不足で、子供の救急医療体制の維持が困難になっている現状を改善するため、厚生労働省は7日までに、結婚や出産、定年で退職するなど医療現場を離れた医師を再教育し、小児救急の拠点となる医療機関へ派遣する体制を整備することを決めた。2005年度予算の概算要求に3億9000万円を計上し、小児救急の充実を図る。子供の医療をめぐっては、少子化に伴う不採算性や労働条件の悪化から医学生が小児科を敬遠する傾向が強まる一方、親の側でも共働きが増え夜間や休日に診察を求めるケースが増加。小児救急の現場では、夜間の患者たらい回しや当直医の過労が問題化している。出産や定年で一度職場を離れた医師の中には復帰に意欲がある人も多いが、最新の医療技術への不安からニの足を踏む傾向がある。このため、再就職を希望する医師を都道府県ごとに登録、「こども病院」などで最新の医療技術を学んだ後、小児救急の拠点となる病院に派遣する仕組みをつくる。都道府県がこの新制度を導入したり、地域の大学病院などが小児科医を拠点病院に派遣する代わりに新たに医師を雇ったりした場合、厚労省が半額を補助する。厚労省はこれまで、全国を406地区に分け、各地区で小児科医が交代で夜間、休日の当直に当たる体制を目指してきたが、実施は4割程度。夜間対応のできる大規模病院は都市部に集中し、過疎地との地域間格差も目立っている。』
親の側でも共働きが増え夜間や休日に診察を求めるケースが増加していると記事にも書かれているが,問題は小児救急以前に夜間診療なのである.外来をやっているとよくあるのが「数週間前からの頭痛なのですが今日は仕事がはやく終わったのでいまから受診してもいいですか.」なんていう外来終了後の問い合わせ.「あの〜こっちももう仕事の時間が終わっているんですが.」といいたいところだが緊急性がありそうなのものは当然断れない.
小児救急なんていってもほとんどは救急なんかではないのだが,問題は親がそれを判断できないことであろう.親を教育するのと小児夜間外来をやるのとどっちがいいかという結論が医師を再教育するという結論だとしたら小児科医のストレスはさらに増大することになるだろう.つくづく小児科医にならなくて良かったと思う.
脳卒中の救急も同じようなもので急に頭が痛くなったといわれれば診ないわけにはいかないのである.問題は24時間体制で救急をやるには医者が足りないということだ.24時間で救急にあたる医療過疎地域の医師にメリットのある診療報酬体制をまずつくってもらわなければ救急医療はますます衰退していくことは確実であろう.
親の側でも共働きが増え夜間や休日に診察を求めるケースが増加していると記事にも書かれているが,問題は小児救急以前に夜間診療なのである.外来をやっているとよくあるのが「数週間前からの頭痛なのですが今日は仕事がはやく終わったのでいまから受診してもいいですか.」なんていう外来終了後の問い合わせ.「あの〜こっちももう仕事の時間が終わっているんですが.」といいたいところだが緊急性がありそうなのものは当然断れない.
小児救急なんていってもほとんどは救急なんかではないのだが,問題は親がそれを判断できないことであろう.親を教育するのと小児夜間外来をやるのとどっちがいいかという結論が医師を再教育するという結論だとしたら小児科医のストレスはさらに増大することになるだろう.つくづく小児科医にならなくて良かったと思う.
脳卒中の救急も同じようなもので急に頭が痛くなったといわれれば診ないわけにはいかないのである.問題は24時間体制で救急をやるには医者が足りないということだ.24時間で救急にあたる医療過疎地域の医師にメリットのある診療報酬体制をまずつくってもらわなければ救急医療はますます衰退していくことは確実であろう.
生後20カ月以下の牛は食べられない?
2004年9月6日『内閣府の食品安全委員会は6日、牛海綿状脳症(BSE)の国内対策を検証するためプリオン専門調査会(座長・吉川泰弘(よしかわ・やすひろ)東大教授)を開き、「生後20カ月以下のBSE感染牛を現在の検査法によって発見することは困難」として、全頭検査の対象から外しても人への感染リスクは増えないとの見解を取りまとめた。これを受け、厚生労働省と農水省は2001年10月から実施してきた全頭検査を約3年ぶりに見直し、生後20カ月以下の牛を検査対象外とする作業に入る。国内の食肉処理牛約111万頭(2003年度)のうち、20カ月以下は12%で、日本のBSE対策は大きく転換することになる。こう着状態だった米国産牛肉の輸入再開協議も動きだす。日米両政府は月内にも高級事務レベル会合を開き、具体的な解禁条件を詰める。交渉筋によると、米国は全頭検査の除外対象を「30カ月以下」と主張してきたが、国際的に検出の限界とされている「24カ月以下」を容認。ただ「20カ月以下」への一段の譲歩は困難で、牛の生年月日の特定など技術的な課題も多い。また国内では、消費者団体などが全頭検査の継続を要望しており、短時間で国民の合意を形成するのは難しく、米国産牛肉の輸入が年内に再開するかはなお不透明だ。プリオン調査会はこの日、BSE対策として全頭検査とともに、国内で実施されている、病原体が蓄積しやすい脊髄(せきずい)や脳などの特定危険部位の除去が重要だと強調。国内では全頭を対象に特定危険部位を除去しており、その継続を求めた。米国は現在は原則30カ月以上を対象に除去しているが、対日輸出分は全頭除去を受け入れる姿勢を見せている。』
「生後20カ月以下のBSE感染牛を現在の検査法によって発見することは困難」というなら生後20ヶ月以下の牛の輸入は禁止するのが正しい方法ではないだろうか?全頭検査の対象から外しても人への感染リスクは増えないというのはもともと検出できていないからというのがその理由なのだろうが,むしろここは一歩進めて生後20ヶ月以下の牛は食べてはいけないことにするのがリスク管理というものであろう.
しかし,米国の牛生産者からの米国政府を通しての圧力は内閣府の食品安全委員会にもかなり影響力を持っていることがうかがえる.疑わしいものは食べないということをはっきり米国に言えない政府に問題があるのは誰の目にも明らかである.結局政府は報復として日本の対米輸出を制限されるのが怖いのであろう.だが、そのためなら国民の一部がBSEになってもやむなしということでいいのだろうか.
そもそも牛肉なんて食べなくても命に別状はないし,牛に食べさせる穀物を人間が食べるようにすれば飢えで苦しむ人も少しは減るはずである.地球環境保護という点からもまた米国式食生活は望ましいものではない.米国式食生活は健康的でもないのだから政府は日本人の食生活についてはもっと本気で考えてもらいたいものである.医食同源とはよくいったものだ.
会社の検診で肥満や高脂血症を指摘された人は多いだろうが,野菜や穀物に比べて高脂肪食の摂取が高く運動量が少ないことが問題であることが本当にわかっている人は少ないだろう.脳ドックをやっていて40歳前後ですでに治療の必要な高脂血症の人がいることが最近では珍しくないのである.
なんでも米国に追従してしまう腰の砕けた政府にはあきれるしかないが,健康保険や老人福祉が先細りなことが明らかになった今となってはせめて怪しいものは口にせず自分の体は自分で守るということが国民の最低限のリスク管理だろう.
「生後20カ月以下のBSE感染牛を現在の検査法によって発見することは困難」というなら生後20ヶ月以下の牛の輸入は禁止するのが正しい方法ではないだろうか?全頭検査の対象から外しても人への感染リスクは増えないというのはもともと検出できていないからというのがその理由なのだろうが,むしろここは一歩進めて生後20ヶ月以下の牛は食べてはいけないことにするのがリスク管理というものであろう.
しかし,米国の牛生産者からの米国政府を通しての圧力は内閣府の食品安全委員会にもかなり影響力を持っていることがうかがえる.疑わしいものは食べないということをはっきり米国に言えない政府に問題があるのは誰の目にも明らかである.結局政府は報復として日本の対米輸出を制限されるのが怖いのであろう.だが、そのためなら国民の一部がBSEになってもやむなしということでいいのだろうか.
そもそも牛肉なんて食べなくても命に別状はないし,牛に食べさせる穀物を人間が食べるようにすれば飢えで苦しむ人も少しは減るはずである.地球環境保護という点からもまた米国式食生活は望ましいものではない.米国式食生活は健康的でもないのだから政府は日本人の食生活についてはもっと本気で考えてもらいたいものである.医食同源とはよくいったものだ.
会社の検診で肥満や高脂血症を指摘された人は多いだろうが,野菜や穀物に比べて高脂肪食の摂取が高く運動量が少ないことが問題であることが本当にわかっている人は少ないだろう.脳ドックをやっていて40歳前後ですでに治療の必要な高脂血症の人がいることが最近では珍しくないのである.
なんでも米国に追従してしまう腰の砕けた政府にはあきれるしかないが,健康保険や老人福祉が先細りなことが明らかになった今となってはせめて怪しいものは口にせず自分の体は自分で守るということが国民の最低限のリスク管理だろう.
コミック漫画を参考にした?
2004年9月4日『へき地や離島の医師不足を解決するため、厚生労働省は3日までに、赴任を希望する医師を全国から募り、求人先の診療所と結び付ける「へき地医療情報センター」(仮称)を社団法人地域医療振興協会(東京)内に新設する方針を決めた。コミックやテレビドラマで人気を集めた離島の医師「Dr.コトー」のような医師を探し出す試み。厚労省は2005年度予算の概算要求に計2100万円を盛り込み、同年4月発足を目指す。厚労省指導課によると、センターの専従職員は数カ所のへき地や離島で勤務経験のあるベテラン医師1人を配置する予定。インターネットのホームページや電話などで希望者から質問や相談を受けながら、ぴったりの赴任先を決めるコーディネートをする。へき地医療に関心があっても、子供の教育問題や技術面などで不安を感じる医師は多いが、そうした人にも実体験を通じたアドバイスをして、希望や能力に合った診療所をあっせんする。センターは地域医療振興協会が運営しているホームページ「へき地医療情報ネットワーク」を充実。現在は行政情報や各地の取り組み紹介などが中心だが、今後は医師や看護師の求人・求職情報を全国的に集めて紹介していくという。地方の深刻な医師不足は、大学病院の勤務医らが実際は勤務していない医療機関から報酬を受ける「名義貸し」の背景にもなり、坂口力厚労相が国としての対策を指示した。同省は情報センターのほか、定年退職した医師にへき地などに赴任してもらう再教育費用や、大病院から診療所を遠隔支援するテレビ会議システム整備費なども来年度予算に盛り込む方針。』
名義貸しのメリットがなくなった大学からの派遣は期待できなくなりへき地や離島の医師不足はきっと予想以上に深刻なのだろう.もともと大学だって人手不足のところが多いところへ国公立大学の独立行政法人化で大学病院もより安い労働力が必要になり大学院生を現場に駆り出しているくらいである.地方医療はすでに見捨てられているのだ.
こんな状況を作り出した厚生労働省が自ら医師斡旋業者のまねごとをしなければならないのはなんとも皮肉な話である.本当にへき地や離島の医師不足を解消できるかどうかは疑わしいがここでコミックの医師を引き合いに出すこと自体すでに現実が見えていないといえるだろう.現実が見えている医師斡旋業者にはきっと相手にされないだろうが,せめてどこかの業者のコメントくらいは聞きたいところだ.
以前の厚生労働省は何もしないのが特徴であったが,それが長く続いた結果としてまともなことができなくなってしまったのだろう.コミックじゃなくても絵に描いた餅ばかり食べさせられる患者や医者は怒るだろう.社会保険庁をはやく民営化するとともにできもしない僻地への医師斡旋などは民間業者にまかせてよけいなことはしてもらわないほうが税金の無駄遣いにはならないにちがいない.
名義貸しのメリットがなくなった大学からの派遣は期待できなくなりへき地や離島の医師不足はきっと予想以上に深刻なのだろう.もともと大学だって人手不足のところが多いところへ国公立大学の独立行政法人化で大学病院もより安い労働力が必要になり大学院生を現場に駆り出しているくらいである.地方医療はすでに見捨てられているのだ.
こんな状況を作り出した厚生労働省が自ら医師斡旋業者のまねごとをしなければならないのはなんとも皮肉な話である.本当にへき地や離島の医師不足を解消できるかどうかは疑わしいがここでコミックの医師を引き合いに出すこと自体すでに現実が見えていないといえるだろう.現実が見えている医師斡旋業者にはきっと相手にされないだろうが,せめてどこかの業者のコメントくらいは聞きたいところだ.
以前の厚生労働省は何もしないのが特徴であったが,それが長く続いた結果としてまともなことができなくなってしまったのだろう.コミックじゃなくても絵に描いた餅ばかり食べさせられる患者や医者は怒るだろう.社会保険庁をはやく民営化するとともにできもしない僻地への医師斡旋などは民間業者にまかせてよけいなことはしてもらわないほうが税金の無駄遣いにはならないにちがいない.
どうして箱物からはじまるのだろうか
2004年8月31日『一刻も早い治療が重要な脳卒中や急性心疾患の救命率を上げるため、厚生労働省は31日までに救命救急医療の体制強化に乗り出すことを決めた。10年間で死亡率を25%改善するのが目標だ。専用の集中治療室整備や、不整脈が起きたときに心臓に電気ショックを与える自動体外式除細動器(AED)の普及のための予算を、来年度の概算要求に盛り込んだ。両疾患の患者は、生活習慣病になる人の増加や高齢化に伴って増えている。脳卒中の死亡率は10万人当たり約100人、心疾患は同120人で、死因の3位と2位を占める。脳卒中には、脳血管が詰まる脳梗塞(こうそく)、血管が破れる脳出血などがあり、患者は推計で約137万人。脳細胞が壊死(えし)するため、迅速な治療が生死や後遺症の程度に大きく影響する。厚労省は、急性期の脳卒中患者に特殊な救命治療を実施する脳卒中集中治療室(SCU)の増設を進める。同省によると、全国約170の救命救急センターのうちSCUがあるのは約30施設。一般の病院を含めても十分とはいえず、全都道府県に複数は設置したいという。心筋梗塞など血流障害で起きる虚血性心疾患の患者は、推計約91万人。治療が遅れるほど救命率が下がるため、心疾患集中治療室(CCU)を増やす。また、今夏から一般の人でも使えるようになったAEDの講習会を各地で開き、救命活動の拡充につなげる計画だ。』
どうも官僚の方々はまず箱物つまり施設の整備からでないと物事が始められないようだ.たしかにSCU(Stroke Care Unit)という概念はBrain Attackの治療単位としては欧米でも取り入れられている大切なものなのだが,それは集中治療室という部屋が重要なのではなく.脳外科医,脳神経内科医,循環器内科医,神経放射線科医そして看護師といった専任のスタッフでチームが組めているということがより重要なのである.これがSCUの本体でなければ名前がSCUという部屋に入院しても治療効果は上がらない.
だが,実態はどうであろうか.これだけのスタッフをそろえることができる病院は一部の大病院を除けば皆無であろう.しかるに脳卒中の患者さんはどこにでもいるのである.関東以北には脳神経内科などという内科医もほとんどいないのが実態である.循環器内科医は心疾患の患者で忙殺されているか脳卒中になど興味が無いものが大半である.脳卒中を診れる医者は脳外科医だけという病院がほとんどであろう.
国民の死因第3位の疾患をほとんど脳外科医が診ているなんていうのも日本だけだろう.それなのに脳外科は研修医の必修科目にすらなっていないのである.これでは厚生労働省が本気で脳卒中の治療に取り組む気があるのか疑われてもしょうがないだろう.
脳卒中の死亡率を下げるだけなら実はそれほど難しいことはないかもしれない.だが,機能予後の改善をはかりつつということを前提にすると現在のところ10年で5%上げるのはかなり困難であると思われる.遷延性意識障害で回復不能でもかまわないというなら生存させることができるケースはあるだろうが,それでは意味がないだろう.
くも膜下出血と高血圧性脳内出血の死亡率は実のところもう横ばいに近く大きな改善はあまり期待できないことに加え,脳梗塞で死亡するほどの例はかなり機能予後が悪いからである.来年あたりにt-PAが脳梗塞超急性期の適応をとればたしかに心原因性塞栓症の死亡率を下げることは期待できるが,それにしても脳梗塞全体の10%には満たない部分であろう.
脳卒中の死亡率を5%下げるのはどれほど大変か理解していただけたであろうか.脳卒中や急性心疾患の死亡率をあわせて25%改善というのなら心疾患の死亡率が20%も改善できるということなのだろうか.目標を高く持つのは結構なことだが,そのための手段がスタッフの確保の目途もないままに脳卒中集中治療室をつくることだというのではあまりに短絡的であると思われる.
どうも官僚の方々はまず箱物つまり施設の整備からでないと物事が始められないようだ.たしかにSCU(Stroke Care Unit)という概念はBrain Attackの治療単位としては欧米でも取り入れられている大切なものなのだが,それは集中治療室という部屋が重要なのではなく.脳外科医,脳神経内科医,循環器内科医,神経放射線科医そして看護師といった専任のスタッフでチームが組めているということがより重要なのである.これがSCUの本体でなければ名前がSCUという部屋に入院しても治療効果は上がらない.
だが,実態はどうであろうか.これだけのスタッフをそろえることができる病院は一部の大病院を除けば皆無であろう.しかるに脳卒中の患者さんはどこにでもいるのである.関東以北には脳神経内科などという内科医もほとんどいないのが実態である.循環器内科医は心疾患の患者で忙殺されているか脳卒中になど興味が無いものが大半である.脳卒中を診れる医者は脳外科医だけという病院がほとんどであろう.
国民の死因第3位の疾患をほとんど脳外科医が診ているなんていうのも日本だけだろう.それなのに脳外科は研修医の必修科目にすらなっていないのである.これでは厚生労働省が本気で脳卒中の治療に取り組む気があるのか疑われてもしょうがないだろう.
脳卒中の死亡率を下げるだけなら実はそれほど難しいことはないかもしれない.だが,機能予後の改善をはかりつつということを前提にすると現在のところ10年で5%上げるのはかなり困難であると思われる.遷延性意識障害で回復不能でもかまわないというなら生存させることができるケースはあるだろうが,それでは意味がないだろう.
くも膜下出血と高血圧性脳内出血の死亡率は実のところもう横ばいに近く大きな改善はあまり期待できないことに加え,脳梗塞で死亡するほどの例はかなり機能予後が悪いからである.来年あたりにt-PAが脳梗塞超急性期の適応をとればたしかに心原因性塞栓症の死亡率を下げることは期待できるが,それにしても脳梗塞全体の10%には満たない部分であろう.
脳卒中の死亡率を5%下げるのはどれほど大変か理解していただけたであろうか.脳卒中や急性心疾患の死亡率をあわせて25%改善というのなら心疾患の死亡率が20%も改善できるということなのだろうか.目標を高く持つのは結構なことだが,そのための手段がスタッフの確保の目途もないままに脳卒中集中治療室をつくることだというのではあまりに短絡的であると思われる.
日本人の美意識
2004年8月29日『国際オリンピック委員会(IOC)は29日、アテネ五輪陸上男子ハンマー投げで優勝したアドリアン・アヌシュ(ハンガリー)をドーピング(禁止薬物使用)規定違反で失格とする裁定を下し、2位の室伏広治(ミズノ)を金メダルに繰り上げることを決めた。これにより、今大会の日本の金メダル数は16個となり、史上最多だった1964年東京大会に並んだ。』
『1962年モスクワで開催された国際オリンピック委員会(IOC)総会は公式に「ドーピング反対」の決議を採択し、アンチドーピングの動きが本格化。1964年、東京オリンピックに際して国際スポーツ科学会議・ドーピング特別委員会が開催されました。反ドーピング対策の強化当時としてのドーピングの定義は次のようなものです。「生体には生理的に存在しない物質はいかなる方法で投与されても、また生理的に存在する物質は異常な量あるいは方法で投与または使用された場合、それが競技能力にを高めることが目的であればドーピングであると認める」この年、スポーツ選手の健康に対する脅威と、スポーツの健全な育成のため、ドーピング検査の導入とIOC医事委員会の設立が合意されました。』
日本の金メダル数は16個となり、史上最多だった1964年東京大会に並んだそうだが、東京オリンピックはアンチドーピングのための検査の導入という点で近代オリンピックの分岐点であったようだ。そして、より厳密なドーピング検査とアンチドーピングのルールの適用が再び史上最多の金メダルを日本にもたらしたわけである。
今後は選手の尿が本人のものであることをDNA鑑定したりすることになりそうだが、日本人選手が一人もドーピングで失格しなかったことこそ日本人はもっと誇りに思ってよいことだろう。室伏選手の言葉には私たちが普段忘れている日本人のスポーツマン精神のような潔さが感じられたのが印象に残る。
対照的に日常生活の中で自分のためになるのなら手段を選ばない日本人が目立つはいただけない。なにも政治家や官僚だけではない。ごみを不法投棄したり、ブラックバスを放流したり、高山植物を盗掘したりする非常識な一般人があとを絶たないのはどういうわけだろう。
金と名誉のためにドーピングする選手を非難し室伏選手を称えるのは結構なことだが、是非これからは日常的に行われている小さな不正にも日本人ならではの美意識を発揮してもらいたいものである。
今回のオリンピックの日本人選手の活躍をみて改めて精神の大切さを学んだような気がしたのは私だけだろうか。
『1962年モスクワで開催された国際オリンピック委員会(IOC)総会は公式に「ドーピング反対」の決議を採択し、アンチドーピングの動きが本格化。1964年、東京オリンピックに際して国際スポーツ科学会議・ドーピング特別委員会が開催されました。反ドーピング対策の強化当時としてのドーピングの定義は次のようなものです。「生体には生理的に存在しない物質はいかなる方法で投与されても、また生理的に存在する物質は異常な量あるいは方法で投与または使用された場合、それが競技能力にを高めることが目的であればドーピングであると認める」この年、スポーツ選手の健康に対する脅威と、スポーツの健全な育成のため、ドーピング検査の導入とIOC医事委員会の設立が合意されました。』
日本の金メダル数は16個となり、史上最多だった1964年東京大会に並んだそうだが、東京オリンピックはアンチドーピングのための検査の導入という点で近代オリンピックの分岐点であったようだ。そして、より厳密なドーピング検査とアンチドーピングのルールの適用が再び史上最多の金メダルを日本にもたらしたわけである。
今後は選手の尿が本人のものであることをDNA鑑定したりすることになりそうだが、日本人選手が一人もドーピングで失格しなかったことこそ日本人はもっと誇りに思ってよいことだろう。室伏選手の言葉には私たちが普段忘れている日本人のスポーツマン精神のような潔さが感じられたのが印象に残る。
対照的に日常生活の中で自分のためになるのなら手段を選ばない日本人が目立つはいただけない。なにも政治家や官僚だけではない。ごみを不法投棄したり、ブラックバスを放流したり、高山植物を盗掘したりする非常識な一般人があとを絶たないのはどういうわけだろう。
金と名誉のためにドーピングする選手を非難し室伏選手を称えるのは結構なことだが、是非これからは日常的に行われている小さな不正にも日本人ならではの美意識を発揮してもらいたいものである。
今回のオリンピックの日本人選手の活躍をみて改めて精神の大切さを学んだような気がしたのは私だけだろうか。
素人の採点では日本の金メダルだった
2004年8月26日Tachibana,TakedaペアのシンクロナイズドスイミングをLIVEで観た.日本のペアの演技をみていてロシアがこれ以上の演技をするのかと息をのんでみていたのだが...微妙にロシアの2人の演技がシンクロしていないように見える.スピード感はあるが観ていて美しさを感じなかった.楽曲も私にとっては展開が間延びしていて飽きてきた.と思ったころにロシアの一人の手がもう一人の体にぶつかったのか一瞬リズムを失った.演技後のロシアのコーチの顔色もさえなかった.
私は日本の逆転を期待したのだが,得点はロシアのほうがほとんど完璧に近いものだった.これはいったいどうしたことなのだろうか?私はシンクロなんて当然素人なのだがロシアのペアのほうが動作がシンクロしてないし,日本人的感覚では芸術性も高いとは感じなかったのだが,日本の専門家はどう感じたのだろうか.
まあ,スポーツなのだから順位は本来どうでもいいのかもしれないが,女子レスリングの得点表示のまちがいとは明らかに異質な審判員の思惑のようなものを感じたのだ.そういえばシドニーの時にはフランスの体操審判員が自国に有利な判定をしたことを告白して問題になったことがあったような...
今回はドーピング検査が厳しく行われたために日本の選手のメダルのチャンスが増えたとも言われている.まあ,欧米人というのは結局は自分たちが一番でないと気がすまないのであろう.
イラク戦争を考えるまでも無く欧米的価値観をアジアやアフリカの人々に押し付けることは平和的なことではないと思うが,スポーツの祭典にそれを垣間見たような気がしたのは私だけだったのだろうか.
すばらしく完璧な演技を見せてくれた日本の2人が真の金メダリストたちだと私は思っています.
私は日本の逆転を期待したのだが,得点はロシアのほうがほとんど完璧に近いものだった.これはいったいどうしたことなのだろうか?私はシンクロなんて当然素人なのだがロシアのペアのほうが動作がシンクロしてないし,日本人的感覚では芸術性も高いとは感じなかったのだが,日本の専門家はどう感じたのだろうか.
まあ,スポーツなのだから順位は本来どうでもいいのかもしれないが,女子レスリングの得点表示のまちがいとは明らかに異質な審判員の思惑のようなものを感じたのだ.そういえばシドニーの時にはフランスの体操審判員が自国に有利な判定をしたことを告白して問題になったことがあったような...
今回はドーピング検査が厳しく行われたために日本の選手のメダルのチャンスが増えたとも言われている.まあ,欧米人というのは結局は自分たちが一番でないと気がすまないのであろう.
イラク戦争を考えるまでも無く欧米的価値観をアジアやアフリカの人々に押し付けることは平和的なことではないと思うが,スポーツの祭典にそれを垣間見たような気がしたのは私だけだったのだろうか.
すばらしく完璧な演技を見せてくれた日本の2人が真の金メダリストたちだと私は思っています.
それでも煙草はやめられない?
2004年8月25日『たばこを吸う人は吸わない人に比べ、男性で3.6倍、女性で2.7倍、脳卒中の一種のくも膜下出血になりやすいことが、厚生労働省研究班の大規模疫学調査で24日までに、分かった。脳卒中全体でも喫煙者の発症率が高かった。たばこを吸わなければ、日本で年間約16万人の脳卒中を予防でき、約1万5000人の死亡を防ぐことができる計算という。研究班は4、50代の日本人男女約4万2000人を1990年から11年間追跡。喫煙と脳卒中の関係を調べた。喫煙との関係が最も大きかったくも膜下出血の場合、非喫煙者に比べ、喫煙本数が1日20本未満の男性は3.2倍、20本以上40本未満の男性は3.8倍、それぞれ発症率が高かった。脳の太い血管が詰まる「大血管脳梗塞(こうそく)」、細い血管が詰まる「ラクナ梗塞」も同じ傾向。男性の喫煙者は非喫煙者に比べ発症率がそれぞれ2.2倍、1.5倍高かった。どちらも1日の本数が40本以上になると、発症率は2倍を超えた。研究班の万波俊文(まんなみ・としふみ)香川大医学部助教授は「脳卒中の予防は禁煙が第1で、塩分を控えた食事や血圧のコントロールなども重要」と話している。』
教科書的にも脳血管障害(くも膜下出血,脳出血,脳梗塞)のリスクファクターとして喫煙はいつもとりあげられている.経験的にも喫煙者に脳梗塞が多いし,脳ドックでMRAをみていても喫煙者では年齢に比べて脳血管や頚動脈の動脈硬化は強い傾向にある.
私の喫煙歴は20本X5年程度しかなく現在は喫煙していない.だが,脳ドックで同年代の喫煙者の脳血管像をみると今さらながら禁煙してよかったと思うばかりである.気のせいか喫煙者は見かけも私より10歳くらい老けて見えるのは気のせいだろうか.
ちなみにくも膜下出血のリスクファクターには高血圧は入っていないから塩分制限は意味が無い.高血圧に関しても摂取した塩分に依存して血圧上昇をみる人はそれほど多くなく3割程度しかいないというデータもある.つまり高血圧に関しては降圧剤を内服することがもっとも簡単で確実な予防法であると思う.
だが,煙草は自分で禁煙しなければならないから難しいらしい.若年者の喫煙を防ぐ意味でも煙草の税金をもっと上げて高価でなかなか買えないものにするのが国民の健康を守るためには必要なことだと思うのだがどうだろうか.
もうひとつ適度なアルコール摂取は脳梗塞や心筋梗塞のリスクを下げるということがわかっている.特にビールはいいらしい.国民の健康のためにはビールの酒税は下げるのが望ましいだろう.
もちろん私はビール党である.
教科書的にも脳血管障害(くも膜下出血,脳出血,脳梗塞)のリスクファクターとして喫煙はいつもとりあげられている.経験的にも喫煙者に脳梗塞が多いし,脳ドックでMRAをみていても喫煙者では年齢に比べて脳血管や頚動脈の動脈硬化は強い傾向にある.
私の喫煙歴は20本X5年程度しかなく現在は喫煙していない.だが,脳ドックで同年代の喫煙者の脳血管像をみると今さらながら禁煙してよかったと思うばかりである.気のせいか喫煙者は見かけも私より10歳くらい老けて見えるのは気のせいだろうか.
ちなみにくも膜下出血のリスクファクターには高血圧は入っていないから塩分制限は意味が無い.高血圧に関しても摂取した塩分に依存して血圧上昇をみる人はそれほど多くなく3割程度しかいないというデータもある.つまり高血圧に関しては降圧剤を内服することがもっとも簡単で確実な予防法であると思う.
だが,煙草は自分で禁煙しなければならないから難しいらしい.若年者の喫煙を防ぐ意味でも煙草の税金をもっと上げて高価でなかなか買えないものにするのが国民の健康を守るためには必要なことだと思うのだがどうだろうか.
もうひとつ適度なアルコール摂取は脳梗塞や心筋梗塞のリスクを下げるということがわかっている.特にビールはいいらしい.国民の健康のためにはビールの酒税は下げるのが望ましいだろう.
もちろん私はビール党である.
医療事故防止委員会の判断は?
2004年8月24日『神奈川県松田町の県立足柄上(あしがらかみ)病院(堀口一弘院長、336床)で、80代の男性患者が胃に入れるべきチューブを誤って肺に挿入され、死亡する医療事故があったことが23日、分かった。松田署が司法解剖した結果、死因は急性肺炎だった。同署は業務上過失致死の疑いがあるとみて看護師や医師らから事情を聴いている。病院などによると、男性患者は肺腫瘍(しゅよう)などの治療で入院中で19日午後、看護師が栄養補給のためのチューブを誤って肺に挿入したという。病院は翌20日昼すぎ、誤挿入に気付いたが、男性は同日夜、死亡した。病院は遺族に事情を説明し謝罪した。病院側は「取り返しの付かないミスで申し訳ない。再発防止に全力で取り組む」としている。』
『神奈川県松田町の県立足柄上病院(堀口一弘院長)で、チューブを誤って肺に入れられた男性入院患者(84)=同県南足柄市=が死亡する医療事故があったことが分かった。23日、病院が発表した。病院はミスを認め家族に謝罪、県警松田署に届けた。同署は業務上過失致死の疑いで捜査を始めた。病院によると、19日正午ごろ、担当の研修医が患者の鼻から胃に通じるチューブを取り換えた。約30分後、チューブが口の中でたわんでいるのを看護師が見つけ、つけ換えた際、誤って肺に入れた。栄養剤などを注入すると患者は呼吸困難になった。研修医は肺のレントゲン撮影をしたが、チューブに気づかず、肺炎と診断した。20日正午ごろ誤挿入に気付いたが、患者は午後10時半過ぎ死亡した。急性肺炎とみられる。堀口院長は「初歩的な医療ミス。(チューブが胃に入ったかの)確認が十分でなかった」と話した。研修医は3月に大学を卒業後、4月後半から研修医となった。看護師は23年のベテランという。』
同じ医療事故のニュースだが記事を読んで受ける印象はまるで異なる.チューブが胃に入ったかの確認が十分でなかったことを病院が認めてすみませんでしたというのでは真実はわからないだろう.
解剖して肺から経管栄養剤が出てくれば誤嚥による急性肺炎が死因であるとはいえる.だが,その原因は様々なことが考えられるだろう.1.気管に胃管を挿入し栄養剤を注入した.2.嘔吐したものを誤嚥した.3.栄養剤を注入中に胃管を引き抜き誤嚥した.などである.
今回のケースはどうやら1.ということらしい.では,そうだとした場合,その確認をした3ヶ月の研修医と23年のベテラン看護師の責任の度合いはどの程度なのかに興味がある.さらに,この研修医を指導していた医師の責任はどの程度問われるのか.
医療事故の予防という点から考えるとこの肺腫瘍の84歳の患者さんに経管栄養の適応があったのかも考えるべきである.現在であれば末梢静脈からの栄養でも2週間くらいならなんとかなるし,より長期投与なら中心静脈栄養や胃漏という方法もある.
もし癌の末期であったとしたらどこまで延命するのかという話もありうるはずで安易に経管栄養して誤嚥で死亡したのではなんのための延命治療かさえわからなくなる.
業務上過失致死で警察が調べているそうだが,事故を未然に防ぐためにも警察とこの病院の医療事故防止委員会の判断を聞いてみたいのは私だけではないだろう.
『神奈川県松田町の県立足柄上病院(堀口一弘院長)で、チューブを誤って肺に入れられた男性入院患者(84)=同県南足柄市=が死亡する医療事故があったことが分かった。23日、病院が発表した。病院はミスを認め家族に謝罪、県警松田署に届けた。同署は業務上過失致死の疑いで捜査を始めた。病院によると、19日正午ごろ、担当の研修医が患者の鼻から胃に通じるチューブを取り換えた。約30分後、チューブが口の中でたわんでいるのを看護師が見つけ、つけ換えた際、誤って肺に入れた。栄養剤などを注入すると患者は呼吸困難になった。研修医は肺のレントゲン撮影をしたが、チューブに気づかず、肺炎と診断した。20日正午ごろ誤挿入に気付いたが、患者は午後10時半過ぎ死亡した。急性肺炎とみられる。堀口院長は「初歩的な医療ミス。(チューブが胃に入ったかの)確認が十分でなかった」と話した。研修医は3月に大学を卒業後、4月後半から研修医となった。看護師は23年のベテランという。』
同じ医療事故のニュースだが記事を読んで受ける印象はまるで異なる.チューブが胃に入ったかの確認が十分でなかったことを病院が認めてすみませんでしたというのでは真実はわからないだろう.
解剖して肺から経管栄養剤が出てくれば誤嚥による急性肺炎が死因であるとはいえる.だが,その原因は様々なことが考えられるだろう.1.気管に胃管を挿入し栄養剤を注入した.2.嘔吐したものを誤嚥した.3.栄養剤を注入中に胃管を引き抜き誤嚥した.などである.
今回のケースはどうやら1.ということらしい.では,そうだとした場合,その確認をした3ヶ月の研修医と23年のベテラン看護師の責任の度合いはどの程度なのかに興味がある.さらに,この研修医を指導していた医師の責任はどの程度問われるのか.
医療事故の予防という点から考えるとこの肺腫瘍の84歳の患者さんに経管栄養の適応があったのかも考えるべきである.現在であれば末梢静脈からの栄養でも2週間くらいならなんとかなるし,より長期投与なら中心静脈栄養や胃漏という方法もある.
もし癌の末期であったとしたらどこまで延命するのかという話もありうるはずで安易に経管栄養して誤嚥で死亡したのではなんのための延命治療かさえわからなくなる.
業務上過失致死で警察が調べているそうだが,事故を未然に防ぐためにも警察とこの病院の医療事故防止委員会の判断を聞いてみたいのは私だけではないだろう.
おめでとう駒大苫小牧!!
2004年8月22日やってくれました!オリンピックの女子もすごくて感動したけど北海道代表が甲子園で優勝するなんて思ってもみなかったのでものすごくうれしかった.
試合はまさに打ち合いだったが,先行されてもじっと勝機をうかががってあきらめないのがとっても好感がもてた.終盤に6回を終わって同点に並び,7回裏に3点差をつけて先行した駒大苫小牧が試合を制した.感動的な試合を見せてくれてほんとうにありがとうございました.
試合はまさに打ち合いだったが,先行されてもじっと勝機をうかががってあきらめないのがとっても好感がもてた.終盤に6回を終わって同点に並び,7回裏に3点差をつけて先行した駒大苫小牧が試合を制した.感動的な試合を見せてくれてほんとうにありがとうございました.
医療従事者の安全は誰が守るべきか
2004年8月16日『使用済み注射針を医療従事者が自分に刺してしまう「針刺し」問題で、C型肝炎ウイルス(HCV)やB型肝炎ウイルス(HBV)、エイズウイルス(HIV)に汚染された血液が絡む針刺しが2000-02年の3年間に8割を超える病院で起きていたことが16日、厚生労働省研究班の全国調査で分かった。実際に肝炎に感染したケースは、少なくとも42病院で発生。簡単な操作で針が露出しないようにできるタイプの安全な器材を、全く導入していない病院も半数近くに上り、職業感染を防ぐ取り組みが遅れていることを示した。調査は昨年2-3月、全国にある300床以上の病院すべてと、200床以上300床未満の病院の一部の計1800を対象に実施、961病院から回答があった。HCVなどに汚染された血液が絡む針刺しは、この問いに答えた893病院のうち740病院(83%)で発生。42病院で計47件の職業感染があった。46件はHCVで、残る1件がHBV。HIV感染はなかった。病院で使う注射針や縫合針などに安全器材を一部でも導入しているとしたのは55%にとどまり、残りの45%は全く導入実績がなかった。注射針など鋭利な器材専用の廃棄容器を病室ごとに設置していない病院が84%を占め、針刺しが起きる危険が高い使用済みの針への「リキャップ(キャップをかぶせること)」を禁止していない病院も5%あった。調査結果をまとめた日本看護協会看護教育・研究センターの洪愛子(こう・あいこ)さんは「法律で安全器材の導入を医療機関に義務付けている米国と比べて、国内の対策は遅れている。国が中心となって安全器材の普及を図るべきだ」と話している。』
国が中心となって安全器材の普及を図るにはこれら機材の導入によって病院側に増えるコスト増をだれが負担するかという問題があるだろう.積極的に安全機材を導入する病院の診療報酬上の優遇処置がなければ病院経営側を説得することはできないだろう.
現在のところ医療事故によるHIV感染はないようだが,これだけHIV感染者が増えれば時間の問題だろう.だが,現時点でも入院患者のHIV感染のスクリーニングさえ認めていないわけだから本当に医療従事者を事故による感染から守る気があるのか疑わしい.まさか自己責任で自衛しろとでもいいたいのだろうか.
国が中心となって安全器材の普及を図るにはこれら機材の導入によって病院側に増えるコスト増をだれが負担するかという問題があるだろう.積極的に安全機材を導入する病院の診療報酬上の優遇処置がなければ病院経営側を説得することはできないだろう.
現在のところ医療事故によるHIV感染はないようだが,これだけHIV感染者が増えれば時間の問題だろう.だが,現時点でも入院患者のHIV感染のスクリーニングさえ認めていないわけだから本当に医療従事者を事故による感染から守る気があるのか疑わしい.まさか自己責任で自衛しろとでもいいたいのだろうか.
夏枯れそしてお盆の季節
2004年8月13日1週間ぶりだ.先週末からあまりに暑かったのと,そのためか社会の出来事に関心がなくなったために日記を書く意欲も起きなかった.
病院には夏枯れという言葉がある.ニッパチと言うこともあるがつまり2月と8月は患者数が減るということである.今月はその8月で確かに急性期の入院患者は減ったような気がする.もっとも療養型は減るどころか空き待ち状態である.寝たきり老人は季節に関係なく増えているようだ.
もうお盆でもあるので外来患者も非常に少なくなり.気温が下がってやる気が回復したのに仕事はあまりない.病院もお盆休みにすればよいのに休みはないから自室で睡眠不足の解消でもと思っていた.
そこに病院の管理職員が医療廃棄物の処理中に間違って捨てられた針で手を刺してしまう事故が起きた.カルテを見ると1ヶ月ほど前にも同じ事故を起こしている.少しは自分の身の危険を感じなかったのだろうか.
そういえば先日の原発事故でも点検の必要な箇所がリストから漏れていたのがわかったのにすぐに点検せずに結局事故になり多数の死傷者を出していた.危機感のない上司のもとで働いて事故に遭った人たちは本当にお気の毒である.
残念ながら人間には自分の運命を知る能力は与えられていない.だからこそ常に危険を予想して行動することが大切なのであろう.明日にもなればきっとまた帰省の方々の交通事故がニュースになるのだろうが,くれぐれも気をつけてお盆休みを過ごしていただきたい.ひょっとして病気になるかもしれないから健康保険証も忘れずに持参するといいかもしれない.
病院には夏枯れという言葉がある.ニッパチと言うこともあるがつまり2月と8月は患者数が減るということである.今月はその8月で確かに急性期の入院患者は減ったような気がする.もっとも療養型は減るどころか空き待ち状態である.寝たきり老人は季節に関係なく増えているようだ.
もうお盆でもあるので外来患者も非常に少なくなり.気温が下がってやる気が回復したのに仕事はあまりない.病院もお盆休みにすればよいのに休みはないから自室で睡眠不足の解消でもと思っていた.
そこに病院の管理職員が医療廃棄物の処理中に間違って捨てられた針で手を刺してしまう事故が起きた.カルテを見ると1ヶ月ほど前にも同じ事故を起こしている.少しは自分の身の危険を感じなかったのだろうか.
そういえば先日の原発事故でも点検の必要な箇所がリストから漏れていたのがわかったのにすぐに点検せずに結局事故になり多数の死傷者を出していた.危機感のない上司のもとで働いて事故に遭った人たちは本当にお気の毒である.
残念ながら人間には自分の運命を知る能力は与えられていない.だからこそ常に危険を予想して行動することが大切なのであろう.明日にもなればきっとまた帰省の方々の交通事故がニュースになるのだろうが,くれぐれも気をつけてお盆休みを過ごしていただきたい.ひょっとして病気になるかもしれないから健康保険証も忘れずに持参するといいかもしれない.
官僚は政治家の無能さを笑っているだろう
2004年8月6日『使用済み核燃料の処理費用をめぐる3月の国会虚偽答弁問題で、中川昭一経済産業相は5日、大臣報酬20%を1カ月間返納するとともに、新たに10人を口頭で厳重注意する処分を行うと発表した。また、資源エネルギー庁が作成したとみられる「再処理は経済的にかなり不利」などと結論付けた試算など、新たな資料が経済産業省内で見つかったことも明らかにした。処分されたのは、安達健祐・同庁電力・ガス事業部長(3月当時は同省官房総務課長)ら10人。中川経産相は、処理の直接処分の場合のコスト試算をしたことはなかったとする日下一正・資源エネルギー庁長官(現・経済産業審議官)の答弁時に、「間違いを知りながら、何も行動しなかった」と処分の理由を説明。再発防止のため省内に「文書管理業務委員会」(仮称)を設置、行政文書の管理や公開のあり方を見直す意向を示した。同省はすでに日下氏ら3人を訓告、厳重注意処分にしている。』
『使用済み核燃料の処理費用をめぐる虚偽答弁問題について、中川昭一経済産業相は5日の追加処分と新資料発見の発表で「一応の区切りとしたい」との考えを示した。しかし「正しいデータの提示がないまま、核燃料サイクルが推進されていくのはおかしい」との批判は今後も続くとみられ、原子力委員会などでのサイクル見直し論議に影響を与えそうだ。内部調査は7月6日から約1カ月間、経済産業省内に保存されていた300万ページ分の文書の検索と、答弁の間違いに気付く可能性がある職員25人への聴き取り方式で実施された。その結果、当時の同省官房や資源エネルギー庁電力・ガス事業部の10人が、虚偽答弁の発覚前に試算の存在を知っていたことが判明した。中川経産相は「上司に報告しなかったことは不思議で、率直に『えっ』と感じた。省内の緊張感のなさや風通しの悪さの問題」と語った。一方、同日新たに公表された資料は、試算を提示した審議会の議事録や配布資料などで、このうち93年12月に作成された「原子燃料サイクルの経済性」では、経済協力開発機構(OECD)試算をベースにした計算の結果、「再処理は直接処分の場合に比べて経済的にかなり不利となる」との結論を示していた。ただ、同庁は「前提の条件の置き方がかなり大ざっぱであり、データも古い」などとして、現時点での比較材料にはならないとしている。』
学者ばかという言葉があったが,さしずめ政治家は選挙バカといったところだろう.自分の管轄する省庁の中で起こっていることがわからないのは時代劇で言えばバカ殿といったところだろう.もっとも政治家になる人より官僚になる人のほうが頭がいいわけだからよほど気をつけていないとだまされても気がつかないわけである.
大臣報酬20%を1カ月間返納などというのはまことに恥ずかしいことであるが,まあ本人は知らなかったというのではあきれるほかないというかあきらめるほかないだろう.以前に米国のハーバード大学の教授が日本の核燃料サイクルは採算性が悪いことを指摘したことがあったが,エネルギー政策はわが国の生命線ということを真剣に感じられる政治家はいったい何人いるのであろうか.
イラク戦争は石油の利権をめぐる米国のための戦争だったことがわかっていても,そんな米国の後ろに立っておこぼれに預かることを情けないと思える政治家はほとんど存在していないのだろう.そうでなければもっと真剣に原子力エネルギーの利用について検討しなければならない.政治家には日本の将来について大きな責任があるはずなのだが,こんなニュースをみてその実務能力に疑問を持ってしまうのは私だけだろうか.
中川昭一さん北海道選出の議員として自分の仕事をしっかりやってくださいね.
『使用済み核燃料の処理費用をめぐる虚偽答弁問題について、中川昭一経済産業相は5日の追加処分と新資料発見の発表で「一応の区切りとしたい」との考えを示した。しかし「正しいデータの提示がないまま、核燃料サイクルが推進されていくのはおかしい」との批判は今後も続くとみられ、原子力委員会などでのサイクル見直し論議に影響を与えそうだ。内部調査は7月6日から約1カ月間、経済産業省内に保存されていた300万ページ分の文書の検索と、答弁の間違いに気付く可能性がある職員25人への聴き取り方式で実施された。その結果、当時の同省官房や資源エネルギー庁電力・ガス事業部の10人が、虚偽答弁の発覚前に試算の存在を知っていたことが判明した。中川経産相は「上司に報告しなかったことは不思議で、率直に『えっ』と感じた。省内の緊張感のなさや風通しの悪さの問題」と語った。一方、同日新たに公表された資料は、試算を提示した審議会の議事録や配布資料などで、このうち93年12月に作成された「原子燃料サイクルの経済性」では、経済協力開発機構(OECD)試算をベースにした計算の結果、「再処理は直接処分の場合に比べて経済的にかなり不利となる」との結論を示していた。ただ、同庁は「前提の条件の置き方がかなり大ざっぱであり、データも古い」などとして、現時点での比較材料にはならないとしている。』
学者ばかという言葉があったが,さしずめ政治家は選挙バカといったところだろう.自分の管轄する省庁の中で起こっていることがわからないのは時代劇で言えばバカ殿といったところだろう.もっとも政治家になる人より官僚になる人のほうが頭がいいわけだからよほど気をつけていないとだまされても気がつかないわけである.
大臣報酬20%を1カ月間返納などというのはまことに恥ずかしいことであるが,まあ本人は知らなかったというのではあきれるほかないというかあきらめるほかないだろう.以前に米国のハーバード大学の教授が日本の核燃料サイクルは採算性が悪いことを指摘したことがあったが,エネルギー政策はわが国の生命線ということを真剣に感じられる政治家はいったい何人いるのであろうか.
イラク戦争は石油の利権をめぐる米国のための戦争だったことがわかっていても,そんな米国の後ろに立っておこぼれに預かることを情けないと思える政治家はほとんど存在していないのだろう.そうでなければもっと真剣に原子力エネルギーの利用について検討しなければならない.政治家には日本の将来について大きな責任があるはずなのだが,こんなニュースをみてその実務能力に疑問を持ってしまうのは私だけだろうか.
中川昭一さん北海道選出の議員として自分の仕事をしっかりやってくださいね.